そもそもエギングとは?
堤防から手軽に釣りができて、しかも食べて超美味しい!と大人気のエギング。まず初めに、「これからエギングを始めたい」という方のために「エギングの基本」から簡単に説明しましょう。
エギングとは、上の写真のような「エギ」と呼ばれるルアー(疑似餌)を使いイカを釣るフィッシングスタイルのこと。元々エギは「餌木」という呼び名で、漁師が使う漁具のことを指していました。エギはこれをルアーフィッシング用に改良したものとなります。
エギングのメインターゲットはアオリイカ。タイやオーストラリアなど世界各地に生息していますが、日本では北は北海道南部、南は沖縄地方の沿岸まで広く分布しています。
他には時期によってスルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカ、コウイカなどを釣ることができます。
エギングの魅力とは?
では、エギングの人気の秘密は何でしょうか?
1年を通して楽しめる
エギングのメインシーズンは春と秋で、春は1~1.5kgの大型のアオリイカが狙え、秋は700~800gと小型ながら数釣りができます。またメインシーズンでない夏と冬もポイントを選べば、十分釣果が見込めるのです。
手軽に堤防や磯場などから釣ることができる
エギングは初心者でも比較的安全な堤防から簡単に狙うことができます。またタックル(道具)はロッド(サオ)、リール、ライン、エギがあればOK、と非常にシンプルで、携帯性にも優れています。
希少なアオリイカを味わうことができる
さらに釣り物としては、スーパーや鮮魚店に並ぶことが少ない「超美味」で「希少」なアオリイカが釣れるということで、食通にも人気があるのです。
エギングの釣果はロッドで大きく変わる!
エギングのタックル選びでとくに重視したいのが、ロッドです。「エギングもルアー釣りの一種だから、他のルアー竿で代用できないの?」と思う人もいるでしょうが、釣果を上げたいなら専用竿を購入することをおすすめします。
その理由が、エギングでは「しゃくり」という独特の竿の動かし方をすることにあります。しゃくりとはロッドを下の写真1~3のように竿先を跳ね上げる動きです。跳ね上げた後はリールを半周巻きながら、ロッドを元の位置に戻します。
【1】エギが底近くにある状態で、竿先を下に向ける。
【2】ビュン、という感じで竿先を時計の2時の位置まで跳ね上げる。
【3】リールを巻きながら、竿先を元の位置に戻す。この1~3の動作を繰り返す。
これを水中で見てみると下のようにエギが動いています。
簡単な説明ですがイメージが掴めたでしょうか? このような動かし方によってあたかもエギが生きているかのように見せるわけですが、エギングロッドはこの「しゃくり」がやりやすいように作られているわけです。
またエギングは1日に何度もシャクリの動作を行うので、扱いやすいよう、軽量にできています。
シーバスロッドなどで代用はできなくはないですが、やりやすいか、やりにくいかで言えば、やりにくいということになります。エギは基本的には「ラインのたるみを弾いて動かす」というイメージで、それをやりやすいのがエギング専用ロッドということになります。一方シーバスロッドなどはルアーに付けるアクションが違うので、やりづらいわけです。じつは初心者ほど専用ロッドを使うべきで、その方がシャクリをマスターしやすいと思います。
初心者向けロッドを選ぶなら?
では早速、初心者がどんなロッドを選べばよいかを紹介します。
選び方1:硬さ
ロッドの硬さは以下のようにアルファベットで表され、順に硬くなっていきます。
▼ロッドの硬さ
SUL(スーパーウルトラライト)
↓
UL(ウルトラライト)
↓
L(ライト)
↓
ML(ミディアムライト)
↓
M(ミディアム)
↓
MH(ミディアムヘビー)
エギングの場合はMLなど若干柔らかめのほうがおすすめです。
選び方2:長さ
基準は8フィート6インチ前後(約262cm/1フィート=30.48cm)。あまり長いものは扱い辛いので初心者におすすめしません。反対に短くても8フィートぐらいまでが扱いやすいと言えます。
選び方3:重さ
釣りをしている間、しゃくり続ける必要があるエギング。ロッドの自重はなるべく軽いほうが疲れにくく、操作もしやすいです。
エキスパートモデルだと、質の良いカーボン素材やパーツが使われているものが多いため、価格は少し高めですが軽量なのがメリットです。
選び方4:対応エギサイズ
エギの大きさは号数で表します。数字が大きくなるほど重くなるわけですが、エギングではもっとも汎用性が高く、基準となるのが「3.5号」なので、それに対応したロッドを選びましょう。
対応できるエギの号数は、商品情報やロッドに記載されていて、上の写真のロッドの場合は、1.8から3.8号まで扱えるということになります。
エギング専用ロッドのおすすめは?
さて以上を踏まえて、今回「2万円以下で買える、初心者におすすめのロッド」として第1位に選ばれたのがコチラです!
- シマノエギングロッド 18 セフィア BB S86ML
- 検証時価格: ¥13,041〜
- 長さ
- 259cm
- 継数
- 2
- 仕舞
- 133.2cm
- 重量
- 104g
- 適合エギサイズ
- 1.8~3.8
- 適合ライン PE
- 0.4~1号
エギングロッドの採点基準
今回は、2万円以下のエギングロッド6製品を集めて比較。釣り歴30年のテスター山口氏に以下の3項目をチェックしてもらいしました。
項目1:扱いやすさ(配点40点)
シャクリをしやすい長さや硬さ、そして重さかどうか。初心者でも扱いやすいかどうか。山口氏に実際にエギをキャストしてもらい採点しました。さらに長さのバリエーションが豊富で、自分に合ったサイズを選びやすいかどうかも採点に加えました。
項目2:作り(配点35点)
ガイド(糸を通す部分)やリールシート(リールを取り付ける部分)など各パーツや細部はしっかりと作られているかどうか。山口氏に実際に触れてもらい、採点を行いました。
項目3:コスパ(配点25点)
項目1と項目2を考慮した上で、値段的にお求めやすいかどうか。値段に合った製品になっているかを山口氏とスタッフで話し合い、採点を行いました。
それでは、エギングロッド6製品のランキングスタートです!
おすすめは軽量で超扱いやすい「セフィア」
- シマノエギングロッド 18 セフィア BB S86ML
- 検証時価格: ¥13,041〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 長さ
- 259cm
- 継数
- 2
- 仕舞
- 133.2cm
- 重量
- 104g
- 適合エギサイズ
- 1.8~3.8
- 適合ライン PE
- 0.4~1号
軽量・高感度のチューブラー穂先(先端部が中空構造)にソリッド並みのしなやかさをプラスしたソフチューブトップや、シャクリ操作による手の痛みと疲労を減らしエギの操作性を高めたグリップ部など、初心者には十分過ぎるほどの作り。
きれいなしなり方をするロッドです。レビューでは「キロクラスがきても身切れしない」「とても振りやすい」など、高評価が多く見られました。
軽くて使い勝手が良いロッドです。一番標準的なロッドで値段もそれほど高くありません。予算があれば、より軽かったり、ガイドが高品質だったりする上位モデルを買っても良いですが、エギングの第1歩としては十分な性能で、超おすすめです。
種類も豊富で自分に合ったロッドが選べる「エメラルダスX」
- ダイワエギングロッド エメラルダス X 86M 2019
- 最安価格: ¥18,557〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 長さ
- 259cm
- 継数
- 2
- 仕舞
- 134cm
- 重量
- 104g
- 適合エギサイズ
- 2.5-4.0
- 適合ライン PE
- 0.5-1.2
なおどのタイプかは商品名の他、「エギサイズ」と「適合ライン」で見分けられますので、ダイワの公式サイトで必ず確認してから購入してください。
▼ダイワ公式サイト
https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/emeraldas_x/index.html
こちらもエントリーモデルとしておすすめのロッドです。価格は安いのですが、1位商品よりも若干重めなので2位となりました。今回編集部にはインターラインのほうも届いたので試してみましたが、こちらも軽くて扱いやすいと思いました。インターラインは強風でも穂先に糸が絡みにくいというメリットがありますが、反面、何度か使ったらメンテナンスに出さなければいけないという手間が生じるのが難点ですね。
1万円以下とコスパ抜群の「ソルパラX」
- メジャークラフト2代目ソルパラ X エギング SPX 862E
- 検証時価格: ¥8,703〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 長さ
- 262cm
- 継数
- 2
- 推奨ルアー重量
- 2.5-3.5g
- 適合ライン PE
- 0.4-1.2
- 型番
- SPX-862E
対応エギは2.5~3.5号で、オールシーズン使える汎用性の高いロッドとなっています。またロングキャストでデカイカを狙うことも可能です。
1万円以下という低価格ながら、上位機種にも採用されているリールシートを採用するなど、コスパに優れた商品となっています。重量は編集部の実測では約122gで、1、2位商品よりも若干重くなっています。
専用竿としては一番安いので、試しにエギングをやってみたいという人にはおすすめです。ただ1位、2位商品と比べると、作りが値段なりといった感じで、その分順位を落としました。
4位: 携行性に優れた3ピースの「アブガルシア」
- アブガルシアエギングロッド ソルティーステージ KR-X エギシス モバイル3
- 検証時価格: ¥20,416〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 長さ
- 264.2cm
- 重量
- 126g
- 継数
- 3
- 仕舞
- 91.5cm
- 適合エギサイズ
- 2.5-3.5号
- 型番
- 1521821
作りも良く、扱いやすいロッドだと思います。3ピースは仕舞寸法が短くなるので携行性が抜群です。
4位: 3位商品のワンランク上の「クロステージ エギング」
- メジャークラフトスピニングロッド 3代目 クロステージ エギング CRX-S862E
- 検証時価格: ¥8,982〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 長さ
- 262cm
- 継数
- 2
- 適合エギサイズ
- 2.5-3.5号
- 適合ライン PE
- 0.4-1.2号
- 型番
- CRX-S862E
3位商品「ソルパラ」のワンランク上のロッドです。全体的な作りがソルパラより良く、予算があるならこちらを買うのもありだと思います。ただ今回は初心者向けということで、こちらの方が若干価格が高いのでランキングを落としました。
6位: 初心者に最適な「リバティークラブエギング」
- ダイワエギングロッド リバティークラブエギング 832ML 釣り竿
- 検証時価格: ¥7,527〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 長さ
- 252cm
- 重量
- 130g
- 継数
- 2
- 適合エギサイズ
- 2~3号
- 適合ライン PE
- 0.6~1.2号
- 型番
- 796620
対応エギの表記が3号までなので順位を下げました。3.5号は問題なく投げられるでしょうが、エギに機敏な動きはつけにくいと思います。やはりロッドは適応号数の範囲内のエギを使うのが基本です。
以上、エギングロッド9製品のおすすめランキングでした。
ぜひ、自分に合った1本を見つけてみてくださいね。
アオリイカは地磯(地つながりの磯場)からでも釣れますが、今回は初心者想定で堤防からの釣りに適したロッドをピックアップしています。なお装備としてはライフジャケット、タモ網、もしくはギャフ、地磯の場合はスパイクブーツなどが必要になります。