テンカラって? 釣り初心者におすすめな理由
釣りを始めたいけど「お金がかかりそう」「生き餌が苦手」と躊躇っている人たちもいるのでは? そんな釣り初心者におすすめなのが「テンカラ(てんから)釣り」です。
「テンカラ釣り」とは、いわゆる延べ竿と針に毛を付けて虫に見せかけた疑似餌、毛鉤(毛ばり)を使う釣りのこと。1万円以下で大体の道具が揃うため、他の釣法と比べて安価で手軽に始められる敷居の低さが魅力です。
しかし、いざ始めようと思ってもメーカーや商品の種類もさまざま。どれを選べばいいのかがわからないですよね。
そこで、テストするモノ批評誌『MONOQLO』がテンカラ釣り初心者にオススメの釣り道具を徹底検証。通販などで買える「テンカラ竿」と「毛鉤」を各6製品ずつ集め、テンカラ釣りのプロであるテンカラインストラクターの吉田孝さんにジャッジしてもらいました。
テンカラ竿6製品をプロとテスト!
テンカラ竿のテストでは、「穂先のブレなさ」「使い心地の軽さ」「仕舞い時のサイズ」の3項目をチェックしました。
それでは、テンカラ竿6製品の比較結果をおすすめ順に紹介します。
ブレない&バランス最高!ダイワ「テンカラ RT 33」
ダイワ
テンカラRT 33
実勢価格:7322円
サイズ:3.3m
仕舞い寸法:41cm
▼検証結果
- 穂先のブレなさ: ◎
- 使い心地の軽さ: ◎
- 仕舞い時のサイズ: ◎
- 評価: S
6製品でベストバイに輝いたのは、ダイワ「テンカラ RT 33」。特に優秀なのが穂先のブレなさで、狙った位置にしっかり仕掛けを投げられそうな点が何よりの特徴。安定してキャストできて快適です。
管理釣り場はもちろん、渓流での実践に耐えうるであろうしっかりした作りも頼もしいです。嫌な重さがなく、とにかく使いやすい一本です。
程よい重さで安定感あり! ダイワ「NEOテンカラ ミノムシ33」
ダイワ
NEOテンカラ ミノムシ33
実勢価格:1万2320円
サイズ:3.3m
仕舞い寸法:41cm
▼検証結果
- 穂先のブレなさ: ◎
- 使い心地の軽さ: ○
- 仕舞い時のサイズ: ◎
- 評価: A+
2位はダイワ「NEOテンカラ ミノムシ33」でした。狙った位置に毛鉤が飛ぶブレのなさで、程よいずっしりさは安定感があります。竿先もグリップに収納でき超コンパクトに! 頑丈かつ取り回しが良いので源流での釣りにおすすめです。
軽くてブレない! 魚釣三昧「三代目てんから兄弟3.3m」
魚釣三昧
三代目てんから兄弟3.3m
実勢価格:4647円
サイズ:3.3m
仕舞い寸法:52cm
▼検証結果
- 穂先のブレなさ: ◎
- 使い心地の軽さ: ◎
- 仕舞い時のサイズ: ○
- 評価: A+
同率2位の魚釣三昧「三代目てんから兄弟3.3m」は、とにかく軽くキャスティングも簡単。穂先のブレはほぼなく、ピタッと止まります。仕舞い時のサイズは、大きすぎず、簡単に持ち運べぶことが可能。価格も安く、優秀な一本です
4位: 導入におすすめ! プロックス 「剣峰てんから SE 330」
プロックス
剣峰てんから
SE 330
実勢価格:3934円
サイズ:3.3m
仕舞い寸法:51cm
▼検証結果
- 穂先のブレなさ: ○
- 使い心地の軽さ: ◎
- 仕舞い時のサイズ: ○
- 評価: A
4位は、渓流でも邪魔にならないサイズのプロックス「剣峰てんから SE 330」。安価かつ、軽くて使いやすいので導入にオススメです。穂先は少しブレますが不便さを感じない程度でした。
5位: 女性や子どもも使いやすい river peak「POPSTAR テンカラロッド」
river peak
POPSTAR
テンカラロッド
実勢価格:1万230円
サイズ:2.7m
仕舞い寸法:55cm
▼検証結果
- 穂先のブレなさ: △
- 使い心地の軽さ: ◎
- 仕舞い時のサイズ: △
- 評価: B
5位のriver peak「POPSTAR テンカラロッド」は、軽いので女性や子どもでも使いやすいです。ただし、穂先がそこそこブレるので使用時は注意が必要。仕舞寸法も長めなので、穂先に気をつけてください。価格がもう少し安価なら……。
6位: 使い勝手はあと一歩 Goture「フライロッド」
Goture
フライロッド
実勢価格:6699円
サイズ:3.6m
仕舞い寸法:55cm
▼検証結果
- 穂先のブレなさ: △
- 使い心地の軽さ: △
- 仕舞い時のサイズ: △
- 評価: C
6位のGoture「フライロッド」は、穂先のブレが大きめでなかなか止まりません。バランスのせいか重さ以上の重量感があり、仕舞時のサイズも長め。使い勝手がイマイチでした。
以上、テンカラ竿6製品の検証結果でした。
あわせて使いたい毛鉤6製品をテスト
続いては、「毛鉤(毛ばり・毛針)」6製品の検証です。
先ほど選んだテンカラに合わせて使いたい毛鉤を探し、「色」「使いやすさ」の2項目をテストしました。
テストの結果を、おすすめ順にご覧ください。
※製品情報のサイズはパッケージなどに記載してある毛鉤の大きさを示す数値です。数字が大きくなるほど実際の大きさは小さくなります。
ばっちり食いつく色とサイズ感! ダイワ「スタンダード夏」
ダイワ
テンカラ毛針セット
スタンダード夏
実勢価格:1760円
本数:4本
サイズ:12番
▼検証結果
- 色: ◎
- 使いやすさ: ◎
- 評価: S
毛バリは何を釣るかで使うものが竿以上に変わってきます。今回は初心者でも使いやすい「色が地味」で「小さめ」という点を考慮し、ダイワ「テンカラ毛針セット スタンダード夏」がベストに。
川虫らしさが強い色合いが特徴で、魚が安心して食いつきそうです。作りがしっかりしているのも高評価でした。
12番だとサイズが大きい可能性があります。同メーカーのスタンダード春なら14番とサイズが小さく、色も2色入っているのでそちらもオススメです。
ベストバイの竿と毛バリで釣れました!
テンカラ竿のベストバイのダイワ「テンカラRT 33」と、「テンカラ毛針セット スタンダード夏」で魚を釣ることができました!
川虫っぽい色合いが◎ ダイワ「ソフトハックル1」
ダイワ
テンカラ毛針セット
ウェット
ソフトハックル1
実勢価格:1760円
本数:4本
サイズ:12番
▼検証結果
- 色: ◎
- 使いやすさ: ○
- 評価: A+
2位のダイワ「テンカラ毛針セット ウェット ソフトハックル1」は、いかにも川虫っぽい色合いがいいです。水中で動きを出す羽根があるので大きめ。水馴染みがよく、魚も食いつきやすそうです。
始めて使う毛バリにピッタリ「宇崎日新」
宇崎日新
テンカラ仕掛け
冨士流テンカラ毛鈎 ミックスH-1
実勢価格:1760円
本数:3本
サイズ:12番
▼検証結果
- 色: ○
- 使いやすさ: ◎
- 評価: A+
こちらも2位はだったのが、実践向きの宇崎日新「テンカラ仕掛け 冨士流テンカラ毛鈎 ミックスH-1」。明るめでヤマメ釣りに適しています。また、サイズが小さめで使いやすく、初めて使う毛鉤としてもいいでしょう。
4位: 実践で十分使える river peak「逆さフライ 毛鉤 テンカラ用」
river peak
逆さフライ 毛鉤 テンカラ用
実勢価格:1029円
本数:4本
サイズ:14番
▼検証結果
- 色: ○
- 使いやすさ: ○
- 評価: A
4位のriver peak「逆さフライ 毛鉤 テンカラ用」は、いわゆる逆さ毛鉤で沈ませて使います。色合いはなかなか。十分実践で使えます。少し作りが粗いですが、サイズ感はいいです。
5位: サイズが大きすぎ VANFOOK「テンカラ/フライ VTF-003 ドライ」
VANFOOK
テンカラ/フライ
VTF-003 ドライ
実勢価格:1320円
本数:5本
サイズ:12番
▼検証結果
- 色: ○
- 使いやすさ: △
- 評価: B
5位のVANFOOK「テンカラ/フライ VTF-003 ドライ」は、サイズ大きめで魚が驚いて逃げそう。源流釣りには向きません。自然な色合いで、色は特に問題ありません。
6位: 色や作りが雑 I BECOME FREE「完成フライ テンカラ 毛ばり」
I BECOME FREE
完成フライ テンカラ 毛ばり
実勢価格:1280円
本数:8本
サイズ:12番
▼検証結果
- 色: ×
- 使いやすさ: △
- 評価: C
6位のI BECOME FREE「完成フライ テンカラ 毛ばり」は、派手な色でいかにも作り物感があります。サイズは普通ですが作りが雑。色、使いやすさともに粗すぎる印象でした。
以上、毛バリ6製品の検証結果でした。
おすすめのハリスとライン
釣りをするには、「ハリス」と「ライン」も必須。また、毛鉤と同様にハリスとラインも色が重要です。それぞれ、プロからおすすめを教えてもらいました。
▼プロおすすめのハリスはこちら
KUREHA
ハリス シーガー グランドマックス
FX 60m
実勢価格:1786円
▼プロおすすめのラインはこちら
ダイワ
フライライン テンカラフライライン Y(4m)
実勢価格:1321円
ラインやハリスは色付きで見えやすい&伸びが少ないものがオススメ。また初心者の場合、ラインはキャスティングがしやすい「テーパーライン」という種類を使うといいですよ。
使う前に伸ばし、まきぐせを取るのを忘れずに。
あると便利な道具3選
さらに、プロに教えてもらったテンカラ釣りであると便利な道具3つを紹介します。
1:毛バリを掴み取り出す「フォーセップ」
フォーセップはピンセット付きのハサミ。魚の口に入った毛バリを取り出す際に必要です。
2:曲がった針は研いで元通り「やすり」
針を引っ掛けて先が曲がった場合などには、やすりで研いで刺さりを取り戻しましょう。
3:針付きがオススメ「ラインクリッパー」
ラインクリッパーはラインを切る道具。毛バリの穴が埋まっていた時に穴を開けられる、針付きがオススメです。
実践! プロに教わる仕掛けの作り方
最後に実践編として、テンカラインストラクターの吉田さんにテンカラ釣りで使う仕掛けの作り方を教えてもらいました。
テンカラ釣りで使う仕掛けの作り方
【STEP1】
いざ仕掛け作りを実践。まずはラインの先端に輪を作って結びましょう。
【STEP2】
結び目を作ったら、ラインを穂先に取り付けます。しっかり締めるのを忘れずに。
【STEP3】
次はハリス側。まずは8の字結びで「チチワ(先端のループのこと)」を作ります。ラインの端はこぶ結びにしましょう。
【STEP4】
3のハリスの結び目にラインを通します。ライン先端のコブも8の字結びで。余った糸はちゃんとカットしてください。
【STEP5】
ラスト。毛バリとハリスの結節は、ユニノットかクリンチノットという結び方で。これができれば仕掛けは完成です。
実際に結ぶと意外と簡単なのでまずは実践を。
おわりに
いかがでしたか? アウトドア趣味の入り口としてもオススメのテンカラ釣り。道具を揃えたら、まずは管理釣り場で慣れることから始めましょう!
ぜひ、道具選びの参考にしてみてくださいね。
テンカラは奥が深く始めやすい釣りです。