独自の路線を突き進む格安家電メーカー
「サンコー」というメーカーをご存じでしょうか。低価格でニッチな機能の調理家電が注目されているブランドです。ここの特徴は、安いだけでなく、「面白さ」「楽しさ」が売りというところ。
サンコー初の開発商品は「仰向けごろ寝デスク」。名前の通り、寝転んだ状態でノートパソコンを操作できる机です。これがヒットし、さらには「うつぶせ寝クッション」、アイロンを使わず衣類のシワを伸ばせる「アイロンいら~ず」など、名前を聞くだけで興味が湧いてくる商品がズラリ。
サンコーは、調理家電も開発しています。サンコー製品は、例えばシャープの「ヘルシオ」などのように、誰もが納得の品質を誇る家電には実力の点で劣りますが、「こんなことできたらいいな」を叶えてくれる、夢や「楽しい!」が詰まったアイテムがいっぱいです。
そんなサンコーの調理家電を、料理のプロ2名が仕上がりや使い勝手を厳しくジャッジしつつも、「これだけ楽しかったらアリ!」という感想込みで評価しました。
仕込みの長さを凌駕する意外性ある“旨さ”あり
サンコー
自家製ジャーキーメーカー
実勢価格:4280円
サイズ:W245×H227×D240mm
重量:1600g
消費電力:250W
10時間ほど温風乾燥することで、ビーフジャーキーが完成します。スモークサーモンが鮭とばに変身!
作り方は簡単。お肉を切って、味をつけ、温風乾燥するだけで、肉の味付けも大きさも自分好みのおつまみが作れちゃいます。犬を飼っている人は、愛犬用のおやつも手作り可能。低音乾燥なので、栄養を損ねることなく、無添加の安心おやつが作れますよ。
また、ドライフルーツや干物など汎用性も地味に高いのも嬉しいポイント。ミニサイズなので、卓上に置いても邪魔になりません。
ただ、仕込みに手間がかかること、タイマーがないところは難と言えるでしょう。
片付けはタイヘンでも、めっちゃアガる!
サンコー
自家製焼き鳥メーカー2
実勢価格:6280円
サイズ:W210×H270×D210mm
重量:2000g
消費電力:800W
電源:AC100V
自動で回転して、飲んでいる間に勝手に焼き鳥が完成してしまうという製品。マシン然としたルックスで、写真映えもまさに異次元!
見た目だけでなく、調理もバッチリ。しっかり火が通りふんわり焼き鳥らしく仕上がります。自分好みの焼き加減で、焼きたてを食べられるのが嬉しいポイントです。ジリジリと肉汁をしたたらせ、お肉がゆっくりと回りながら焼けるさまを見ながらの一杯は最高かも。
串を作るのが面倒な人は、市販の焼き鳥をこの製品で温め直せば、本格焼き鳥の味に。人気のため、現在、サンコーのサイトでは予約販売となっています。
細かいパーツが多いため、片付けの手間はかかりますが、和風の焼き鳥のほか、タンドリーチキンやサテなどのエスニック料理も作れて大興奮間違いなしです!
隙はあるものの串揚げはしっかり美味
サンコー
揚げもの亭
実勢価格:4564円
サイズ:直径210×H220mm(本体)
重量:1050g
消費電力:840W
少ない油で、串揚げや唐揚げがバッチリ! 揚げものの面倒さを軽減してくれます。
電気を使うので、油の温度を一定に保ちやすく、火加減の失敗もありません。コンセントにつなげれば、卓上で揚げたてのフライや天ぷらを楽しむことができるんです。
底に溜まるカスのすくいづらさや片付けの大変さはありますが、座ったまま失敗なく揚げ物ができるのが高ポイント。ホームパーティーの主役にもなり得る一台です。
ややサイズは大きいですが15分でローストビーフ完成!
サンコー
塊肉回転コンベクションオーブン
実勢価格:1万3480円
サイズ:W350×H365×D435mm
重量:6300g
消費電力:1300W
360度回転しながら塊肉をロースト。ローストビーフも、自宅でつくれちゃいます。
実際に作ってみたところ、ちょっと火が通りすぎた感じはあったものの、絶品!
ヒーターからの放射熱とファンによる対流熱で「焼く」「揚げる」「炙る」が可能
お肉以外にピザやサンマも調理できます。油を使わずに調理できるので、ヘルシーですよ。
炊飯器並みのサイズで置く場所には困るものの、あったら楽しい一台です。
キンキンの「つめた~い」も「あったか~い」もこれ一台
サンコー
自分専用おとしずか冷温庫 6L
実勢価格:4980円
サイズ:W203×H304×D273mm
重量:2820g
消費電力:48W±10%
自分専用の冷蔵庫、あったらいいなと思ったことのある人は多いのではないでしょうか。
映画を見ている最中、飲み物を取りに行くのは気分が削がれてしまう。はたまた寝酒がしたいとき、起き上がるのが面倒……そんな時これがあれば、いちいちキッチンまで飲み物を取りに行かなくても、夢のズボラ飲みが可能に。
冷たく冷やすだけでなく、ホットもいける意外性が嬉しいところ。これ一台で完結しちゃいます。500mlなら4本入りますよ。
小型なので、ベッドサイドやテーブルの上にも置けるサイズ感もいいところ。また、名前の通り静音設計で、運転音は図書館より静か。安心して傍らに置いておくことができます。
勢い重視・機能最低限タブレット並みに小さい!
サンコー
卓上ひとり焼肉プレート
実勢価格:3159円
?サイズ:W264×H90×D146mm
重量:845g
消費電力:700W
火力が弱く、プレートが焦げやすかったりと問題はあるものの、ひとり焼肉にジャストなサイズが最高。家で野球を見ながら一人焼肉、という夢のシチュエーションが叶います!
焼き色は薄め。「ジュー」ではなく「ジワジワ」焼ける感じ。一度に焼くのはちょっと厚めのお肉3枚程度が限界のようです。
プレートはこびりつきやすく、こまめに油を引く必要あり。小さいけど洗うのはちょっと大変かも。
温度調節ができなかったり、付属プレートのうち網タイプは本体が汚れやすい点は改善希望です。とはいえ、狭いテーブルでの一人焼肉にちょうどいいサイズはとても重宝。焼いては食べ、食べては焼き……の、贅沢な時間が楽しめます。
C評価: 正直、クセはすごいけど、
ひと手間でラピュタのパン!
サンコー
お一人様モーニングトースター
実勢価格:3180円
?サイズ:W258×H255×D210mm
重量:2360g
消費電力:500W
ラピュタファンの憧れ、パズーとシータも食べた、目玉焼き+トーストが同時に作れるマシン。正直、汎用性は低いのですが、忙しい朝に夢をくれる一台です。
丸い天板はくっつきやすいので油をたっぷり引いて使うのが吉。
A4サイズ程度の大きさなので、置き場所に困りません。単身赴任や一人暮らしの学生にぴったりのサイズ感です。
トーストがややカサつき気味なのは残念ですが、パンとは別にフライパンに油を引いて目玉焼きを調理するなら、これ一台あれば朝もラクラクです。
機能性<夢もたまにはイイ少しの不便さが楽しみを生む
個性派揃いのサンコー調理家電で、最も「買い」の一品に選ばれたのは「自家製ジャーキーメーカー」でした。完成まで8~10時間とかなり調理時間がかかるものの、肉からサーモンなどの魚、フルーツなど幅広い食材をおいしく仕上げてくれる点が評価されました。一芸特化型のアイテムが多いなか、長く愛用できる隠れた一品です。
このほかにも、サンコーには機能性よりは“楽しさ”を重視した商品がたくさんありました。使い勝手はいまひとつのものが多いけれど、慣れればおいしくできるアイテムも多いです。もしかしたら、少しの不便さが、楽しみを生む要因になっているのかも知れません。
買ったら家族に怒られそうなものもありますが、ロマンを感じる男性も多いかも知れませんね。もちろん、女性も十分楽しめます。試してみてはいかがでしょうか。