仕事を“生成AI”に任せたら超時短できるって本当?
ビジネスシーンでは、メールの返信やSNS活用、企画書づくりなど、毎日やることが山積みで大変。ルーティンワークを生成AIに任せれば、業務の効率化ができるのでは?
でも、気になるのは、その精度や作成にかかる時間。それに生成AIは複数あるので、どれを使ったらいいのか迷いますよね。
生成AIにできることは?
AIは、ビジネスシーンに効果的。文章作成からアイデア出しなど、お任せできることがたくさんあります。
▼AIでできること
- 文章生成
- アイデアだし
- 文章添削
▼仕事では例えばこう使う!
- メールやスピーチ草案の作成
- 企画書の提案
- SNS投稿文の添削
以上のことができるらしい話題の生成AIは、次の3つです。
OpenAI「ChatGPT」
- OpenAIChatGPT
Microsoft「Copilot」
- マイクロソフトCopilot
Google「Gemini」
- GoogleGemini
そこで今回は、この3つの生成AIを徹底比較。メールの返信やアイデア出しといった業務をガチでAIに任せられるのかどうか、実際のビジネスシーンを想定して使用し、いちばん役に立つAIはどれか検証しました!
ビジネスシーンに役立つ生成AIの検証方法は?
「Gemini」「ChatGPT」「Copilot」それぞれに、3つの同じお題を質問。回答作成までのスピードを計測しました。さらに、回答の精度については複数モニターにチェックしてもらい、意見を集約して評価しました。
【テスト1】文章生成
お題:相手を怒らせてしまったメールの返信を考えて!
【テスト2】アイデアだし
お題:販促キャンペーンの企画アイデアを教えて!
【テスト3】文章添削
お題:公式SNSの投稿文を炎上しないか添削&目立つように言い換えて!
※上記会社名やキャンペーン、SNS投稿文は全て架空のものです
文章作成もアイデアだしも最速なのはGemini!
上の3つのお題を出し、回答の精度や完成までのスピードなどの観点で勝負させたところ、比較した3つのAI全てが自然な日本語で返答してくれました。
なかでも回答の精度が高かったのは、「ChatGPT」と「Gemini」です。精度は両者とも同じくらいですが、回答速度に差があり、「Gemini」に軍配が上がりました。
両者のそれぞれの特徴ですが、「ChatGPT」はメール返信などフォーマルな回答への対応力が高く、「Gemini」は多様なアイデアを生成する能力に優れていました。
一方の「Copilot」は、ChatGPTと文章の傾向が似ていますが、質問を重ねると回答の精度が落ちてしまうことがありました。
また、3つのAIはどれも、回答のほかに解説も合わせて提示してくれます。例えば「SNSの投稿が炎上しないように修正して」と頼めば、修正した文章と、どうしてそのような修正を行う必要があったのか、回答の意図を解説してくれます。
解説がもっとも丁寧なのはGeminiで、次点は「ChatGPT」、「Copilot」の順でした。解説が丁寧だと回答文が長い傾向にあるので、丁寧な解説を求めたい場面では」Gemini」を、簡潔に答えだけ知りたい場面では「ChatGPT」や「Copilot」を、という使い分けもありです。
それでは、各生成AIの検証結果を見てみましょう!
Google「Gemini」
テスト1:謝罪メールの作成
完成までの時間:◎+(7秒88)
「〜し」が続き、やや稚拙な印象。「今後もやり取りしたい」という意向を無視した回答でした。
テスト2:キャンペーンのアイデアだし
完成までの時間:◎+(8秒36)
男性向けメディアのコラボなど、ターゲットへの訴求を意識した内容となっています。
テスト3:炎上しないSNS投稿文の添削
完成までの時間:◎+(8秒15)
お題の「漢」という表現を「全ての人」に言い換えており、炎上は回避できてますが、少しお堅い印象。追加質問ではより目に留まるキャッチーな文章を複数提案してくれました。
OpenAI「ChatGPT」
テスト1:謝罪メールの作成
完成までの時間:◯(39秒47)
宛名が重複する痛恨のミスはありますが、具体的な行動指針を提示し、誠意の伝わる内容です。
テスト2:キャンペーンのアイデアだし
完成までの時間:◯(53秒64)
「リフレッシュ」という一貫性のあるコンセプトがわかりやすいです。すぐにでも実践できそう!
テスト3:炎上しないSNS投稿文の添削
完成までの時間:◎(18秒01)
炎上リスクは回避できており、初手はシンプルな印象です。追加質問では絵文字が追加されて華やかになりましたが、要素を羅列したような違和感を覚える仕上がりに。
Microsoft「Copilot」
テスト1:謝罪メールの作成
完成までの時間:◎(19秒69)
最後の一文で「今後」について言及するなど、お題の意図を汲み取って回答してくれました。
テスト2:キャンペーンのアイデアだし
完成までの時間:◎(24秒75)
「より創造的に」モードで回答してもらいましたが、アイデア自体は既視感のある印象です。
テスト3:炎上しないSNS投稿文の添削
完成までの時間:◎(12秒30)
「体臭を抹消できる」「体臭を消す」といった言い切り表現が残ったままに。また、「石鹸の香り」という元の設定に対し「柑橘系の香り」と記載している点も気になりました。
調べ物に使うなら「Gemini」が圧倒的に便利!
3製品を比較した結果、Google「Gemini」がもっとも優秀ということで、より効果的な使い方を紹介します。
「Gemini」ではさまざまなことができますが、なかでも調べ物をするときに大活躍。ググるのとでは何が違うの?と疑問に思うかもしれませんが、ググると膨大な数の情報が出てくるので、その中からひとつひとつをクリックして目当てのものを探し出すのって意外と大変。
しかし「Gemini」なら、対話するだけで自分の欲しい情報に近いものを絞り込んでくれます。しかも、その情報の信憑性が高いかどうかをワンクリックで確認できるのです。
また、各種Googleサービスと連携できることも魅力。例えば、Googleドライブと連携すれば「3カ月以内に作成したファイルを探して」と指示するだけで即見つけてくれたり、Googleホテルと連携すれば「駅近でWi︲Fiが完備されたビジネスホテルを探して」と指示すると数秒で該当するホテルをピックアップできたりします。
さらにGoogleアカウントと紐づいていることから、ユーザーの興味関心が高い情報を優先的に表示することもできます。
パソコンとスマホ両方から使用できるので、ふとした疑問も思い立ったらすぐに相談できます。欲しい情報を最短で提供してくれる、頼れる相棒です!
「Gemini」はブラウザかアプリからアクセス!
まずはGoogleアカウントを作成
「Gemini」を利用するにはGoogleアカウントが必要になるので、まずは登録しましょう。
Webブラウザから簡単ログイン
その後、Webブラウザ上で「Gemini」と検索すればログインできる仕組みになっています。
スマホで使うならアプリを
スマホで使うなら、AndroidはGeminiアプリをダウンロードしましょう。iPhoneはGoogleアプリを開き、画面上部のアイコンをクリックすることでアクセス可能に!
調べてくれた情報の信憑性が一目でわかる!
回答の信憑性を確認できる、便利な機能を発見!
画面下の[G]マークを押すと、回答の一部が緑とオレンジに色分けされます。緑の部分は回答の根拠が Web上にあり、スクロールするとURLを確認できます。
反対に回答の根拠となるURLが発見できなかったり、違う意見がWeb上で発見されるとオレンジにぬられます。
拡張機能でGmailの検索・要約などができる!
拡張機能の設定方法は?
Geminiの設定から「拡張機能」をオンにしてGoogle Workspaceを接続。Gmailと連携させるには、続けてGmailの設定メニューから「スマート機能」をオンにして、設定を保存すれば使用可能になります。
1:Geminiの「設定」→「拡張機能」オン
2:Gmailの「設定」→「スマート機能」オン
「@サービス名」で検索・要約ができる
@マーク入力でサービスを指定することで、そのサービス内の情報に特化した検索が可能に。正確な情報を素早く入手できます。現時点(2024年9月1日現在)、連携できるサービスは次の通りですが、今後はさらに増える予感!
▼連携できるサービス一覧
- Gmail
- Googleドキュメント
- Google ドライブ
- Googleフライト
- Googleホテル
- Googleマップ
- YouTube など
※2024年9月1日現在の情報です。最新の情報は各ホームページをご確認ください
有料版の「Copilot Pro」なら企画書もできる!
3製品比較では3位となったMicrosoft「Copilot」ですが、有料版の「Copilot Pro」(月額3200円~)なら、企画書やスライド資料なども丸ごと作ってもらえます。月々の負担はかかりますが、便利なのでこちらも紹介します!
マイクロソフト「Copilot Pro」
Microsoft365未加入なら月額約5000円かかることも
「Copilot Pro」を使うなら、Microsoft365への契約が必須。両方とも個人で負担する場合、月額約5000円かかる計算になります。
各ソフトからAIに最短でアクセス!
「Copilot」の無料版だとファイル出力やコピペの手間がかかりますが、有料版になると各OfficeソフトのサイドバーからサクッとCopilotにアクセスが可能!
Wordの場合、リボンのアイコンのほか、範囲指定した際に表示されるアイコン、書類新規作成の際に表示される下書きウィンドウからもアクセスできます。
それぞれのファイル形式に合わせて出力してくれる!
一般的な生成AIは情報を文字ベースで提供してくれますが、それをいちいちファイルに貼り付けて体裁を整えるのは面倒……。
でも、「Copilot Pro」なら、最初からファイル形式に合ったかたちで出力してくれます。例えばPowerPointでは、文章の構成はもちろん、必要な画像もAIが探して追加してくれるから、ゼロからの資料作りも苦じゃありません。
Excelはまだプレビュー版…… 今後に期待です!
Excelでは、プロンプト(指示)を入力することで数式列の追加やグラフ作成などを行えます。ただ、2024年9月1日現在はプレビュー版のため、複雑な関数への対応が難しかったり、データをテーブル形式に変換しワンドライブ上に保存する必要があったりと、機能性はまだ改善の余地があります。
ちなみにAIに依頼するときのポイントは?
1:AIに依頼するときは「具体的」かつ「ですます調」
「●●を教えろ」といった雑な言葉遣いのプロンプト(指示)に対する回答は簡素になり、「●●の~~について教えてください」と丁寧な言葉遣いで具体的な指示を出すと、回答もより丁寧になります。
最初は満足のいく回答が得られなくても、条件の指定や質問を重ねることで、より詳細な回答を得られるほか、「あなたは●●業界の専門家です」などとAIの役割を明確にすることで、回答の精度がアップしていきます。
2:会話中のやり取りは基本覚えている
同一チャット内でやり取りを続けている限りは、ある程度以前の内容まで記録しており、新たなセッションを始めるとそれ以前のセッションの内容はリセットされる仕組みです。
回答の精度を高めたいなら同一チャット内でやり取りを続け、ほかのテーマについての質問をはさまないようにしましょう。
簡単に使えるので、試す価値あり!
まだまだある! 無料で使える「仕事お助けAI」3選
【文字起こし】LINE WORKS「CLOVA Note」
- LINE WORKSCLOVA Note
- 対応
- iOS、Android
- 利用料金
- 無料
無料とは思えないほど正確です
新規ノートを作成し、音声ファイルをドロップすると文字起こしを開始。時間記録や参加者といったオプション情報を表示することもできます。
【メール作成】chatgptwriter.ai「ChatGPT Writer」
- chatgptwriter.aiChatGPT Writer
メールの下書きを作ってくれる!
インストールすると、Gmailの画面下にアイコンが表示されるように。1クリックで起動することができ、簡単な指示で返信文を作成してくれます。
【PDFの要約】ChatPDF GmbH「Chat with any PDF」
- ChatPDF GmbHChat with any PDF(ChatPDF)
チャット式なので質問もできる!
サイトにアクセスして、PDFファイルをドロップするだけであっという間に要約! なお、無料版では要約できる量に制限がありました。
※2024年9月1日現在の情報です。最新の情報は各ホームページをご確認ください
以上、ビジネスシーンに役立ちそうな人気の生成AIの比較検証でした。無料版でもっとも優秀だったのは、Google「Gemini」! ルーティンワークをお任せすれば日頃の業務はぐっと時短が可能。簡単に使えるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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事実確認がこんなに手軽にできる!