私たちにはジャンプのDNAが受け継がれている

「週刊少年ジャンプ」。小学生の時から早売りの駄菓子屋がクラス中で話題となり、いち早くストーリーを知ることが学校でのステータスでした。いまでも友情・努力・勝利のコンセプトをぶらさず、大人になっても、いや大人になってからは一段と週刊少年ジャンプの魅力に取り憑かれている人も多いでしょう。老若男女問わず世代を通り越してハマっている私たちにとって、ジャンプはまさにDNAに刻まれた概念と言えるのです。
今回は、そんな魅力たっぷりの週間少年ジャンプの漫画 から、ジャンプ感想ブログで有名(現在はFANBOXで公開中)な架神恭介氏に20作品を厳選してもらい紹介していきます。完結作品から現在連載中の人気作まで、たっぷりと語ってもらいました。それではランキングスタートです!

読むときは知性を捨てるべし! 画太郎伝説はここから始まった「珍遊記」

珍遊記~太郎とゆかいな仲間たち~ 全6巻(完結)
作者:漫☆画太郎
連載期間:1990年49号~1992年13号

あらすじ

昔々ある所にジジイとババアがいました。二人は、史上最強のサル&天下無法の暴れん坊の山田太郎にたいそう手を焼いていました。そこへ現われたのは旅の僧・玄じょう。人智を超えた二人の戦いは意外な展開に…!? あの名作冒険ギャグ漫画がジャンプコミックス時のオマケページを収録し、登場!
※リンク先は新装版(全4巻)のものになります。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

悩んだが「いかなる読書体験を得られるか」という観点から本作を1位に選んだ。1巻は普通に面白いストーリーギャグ漫画なのだが、2巻から物語が停滞し始め、3巻以降は話がほとんど動かなくなる。5巻のおまけページでは読者からの手紙が紹介されているが、それはストーリー展開の遅さに苦言を呈し「このままでは、いけないと思います」とするもので、そんな「読者の声」がわざわざ収録されているのだ。さて、当時、小学生であった私のお小遣いと娯楽は限られており、毎週ジャンプが発売されると書店に走り、一字一句逃さず読んで味わっていた。大好きなジャンプを一週間も待ち焦がれて読んでいた当時の私が、この展開に呆れ、幻滅と腹立ちを感じたことは想像に難くないであろう。学校でもみんなボロクソに言っていた。私がこの表現の前衛さと漫画太郎先生のギャグに気付くまで、それから数年を要することになる。当時抱いていた負の感情も含めて、私の感情を大きく揺るがし、新しい読書の地平を与えてくれた本作を一位に選ばせて頂いた。つまるところ、皆さんにも読んで混乱して欲しい。既に漫画太郎先生の評価は固まりつつあるため、過去の私のように無垢なまま作品を受け取ることは難しいだろうが、本作を読んで怒りや混乱を覚えることができたなら、あなたは幸運である。

勢いが良すぎて笑いが止まらない「魁!!男塾」

魁!!男塾 全34巻(完結)
作者:宮下あきら
連載期間:1985年22号~1991年35号

あらすじ

過激なスパルタ教育を施す「男塾」を舞台に、剣桃太郎を中心とした男気溢れる塾生達の活躍を描いたバイオレンスアクション。行き場を無くした全国の不良少年達を集めて、過激すぎる軍国主義教育を施す男塾。その一号生筆頭である桃太郎は教官に目を付けられて、民家があっても破壊しながら突き進む男塾名物の直進行軍で、直進の先にあるヤクザの組事務所へたった一人で突撃するように命令されて……!?

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

本作は「息を吸うようにウソをつく」少年漫画である。バラエティ番組などでの「やらせ」が過剰に問題視され、誰もがリアリティ潔癖症となり息苦しくなっているこの世の中で、本作のウソは痛快なまでにデタラメである。有名な民明書房はもちろんのこと、「極鉄鋼」や「マグナムスチール」などの架空鋼材が唐突に作中に出現し、字面と音の響きだけで「なんかすごい金属」であると無理矢理に納得させてくる。このデタラメなパワーの前ではリアリティの檻など消し飛んでしまう。だが、無論、判断の付かない小学生にとってはデタラメかどうかなど分からない。筆者の小学生時代、ウソつきで有名なクラスのアライ君が「市営図書館で民明書房を見つけた」と言い出して、クラスみんなで図書館に探しに行ったことがある。良いではないか。デタラメに惑わされて混乱することを過度に恐れる必要はない。虚実の入り交じる世界でわれわれは楽しく遊べば良い。UFOは存在する。ネッシーも実在する。心霊写真からは強い霊波動が出ている。それがエンターテイメントだ。

ジャンプのバトル漫画が好きなら間違いなし「呪術廻戦」

呪術廻戦 16巻(以下続刊)
作者:芥見下々
連載期間:2018年14号~

あらすじ

類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

この表現は誤解を招きかねず、お叱りを受ける可能性が多々ある。それでもあえて言うならば、本作は「ジェネリックHUNTER×HUNTER」の最高峰と言える。かつての『HUNTER×HUNTER』の衝撃は凄まじく、私を含め多くのクリエイターが影響を受けた。当時、ある漫画編集者が「最近の若手はみんなHUNTER×HUNTERみたいな漫画を持ってくるので困っている」と私に漏らしていた程だ。HUNTER×HUNTERに憧れるのは分かるが、あれを実際に行うのは難しいぞ、という意味がこの言葉には含まれている。だが、その難易度の高い「HUNTER×HUNTERっぽさ」を昇華して自己の作品として練り上げてきた作品がそれからポツポツと現れ始め、今、もっともそのDNAを濃く受け継いで成立しているのが『呪術廻戦』と言える。どのあたりが「HUNTER×HUNTERっぽいのか」は話せば長くなるので、一つだけ「情報の引き算」を挙げておくが、要するに私のハンター欠乏症は本作のおかげで寛解レベルまで治癒されており、しかも、ハンターに比べて格段に休載が少ない。今、ジャンプで最も楽しんでいるコンテンツである。

作者のセンスが冴え渡るスポーツ青春漫画「テニスの王子様」

テニスの王子様 全42巻(完結)
作者:許斐剛
連載期間:1999年32号~2008年14号

あらすじ

テニスの名門校・青春学園中等部に入学してきた越前リョーマ。アメリカJr.大会4連続優勝の経歴を持ち、天才少年と呼ばれるリョーマだったが、青学テニス部には、1年生は夏まで大会に出られない規則があり…!?

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

私見ではジャンプのストーリー漫画は「HUNTER×HUNTERの系譜」と「キン肉マンの系譜」に大きく二分できる。緻密な構成と練り上げられた世界観、深堀りされたキャラ設定で作品としてのトータルの満足度を与えてくるのが前者。一方、「今週が面白ければそれで良し」「来週のことは来週の自分が考える」というスタンスで、刹那的な面白さを追求し、今この時の最大瞬間風速に全てを賭けるのが後者である。だが、後者こそがジャンプ本来の「主流」であり、前者はむしろハンター以降に生まれた異端児たちと言える。そして、後者において、近年最も高いレベルに至ったのが『テニスの王子様』であろう。特に全国大会編以降は1話1話のエキサイトぶりが凄まじく、「テニスの王子様を読む」という行為はほとんどディオニュソス祭儀の様相を呈していた。焼肉が額に乗って脱落した時は読んでいて気が狂うかと思った。

誰もが唸るストーリー構成力とバトル展開「HUNTER×HUNTER」

HUNTER×HUNTER 36巻(以下続刊)
作者:冨樫義博
連載期間:1998年14号~

あらすじ

父と同じハンターになるため、そして父に会うため、ゴンの旅が始まった。同じようにハンターになるため試験を受ける、レオリオ・クラピカ・キルアと共に、次々と難関を突破していくが…!?

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

私を含む多くのクリエイターに多大な影響を与えたエポックメイキングな作品。本作の画期的なポイントは様々あるが、例えば「強さ」を「目的達成のための手段」と位置付けた点を挙げてみよう。バトル漫画において強さは至上目的となりがちだが、本作ではあくまで手段である。戦うことは手段の一つに過ぎず、目的が達成できるなら必ずしも戦う必要はなく、戦闘向きでない念能力(超能力)を修得することにも必然性がある。戦闘を「一つの手段」と位置付けたことにより、本作のキャラクターたちは多くの手段を検討する必要に迫られ、それが深いドラマ性を生み出した。本当に巨大な作品であるが、その与えた影響が大きすぎ、結果として多くのフォロワーを生み出したことから、この読み味は現在では「唯一無二」ではなくなってしまっている。そのため、今現在、客観的に「オススメする」のであれば、リアルタイム性も鑑みて私は『呪術廻戦』に軍配を上げざるを得ず、本作を5位としたが、心情的には1位である。

モヒカンがバイクに乗って斧を振り回す世界観が改めて最高 「北斗の拳」

北斗の拳 全27巻(完結)
原作:武論尊、作画:原哲夫
連載期間:1983年41号~1988年35号

あらすじ

「北斗の拳」シリーズ第1巻:199X年、世界は核の炎に包まれた!! 文明は消え去り、世界は暴力が支配する時代になっていた──!最終戦争により、荒廃し弱肉強食の世界になった世紀末を舞台に、一子相伝の暗殺拳“北斗神拳”の伝承者・ケンシロウが、愛と哀しみを背負い救世主として成長していく姿を描き出す。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

世紀末という困難な状況にあっても前向きな明るさを忘れず、欲望の赴くままに生のエネルギーを解放して生きる男たちの、太く短い生き様を描いた作品。筆者だって本当はモヒカンになりたい。種籾食いたい。

魅力的なキャラたちが繰り広げる集団頭脳戦「ワールドトリガー」

ワールドトリガー 23巻(以下続刊)
作者:葦原大介
連載期間:
週刊少年ジャンプ:2013年11号~2018年52号
ジャンプスクエア:2019年1月号~

あらすじ

異次元からの侵略者「近界民」の脅威にさらされている三門市。そこに住む少し正義感の強い中学生・三雲修は、謎の転校生・空閑遊真と出会う。遊真の行動に振り回される修の運命は!? 最新型SFアクション始動!!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

これもHUNTER×HUNTERのDNAを受け継いだ作品である。特筆すべきは作者のとんでもない真面目さで、世界設定やキャラ設定を本当に真面目に考え抜いている。こんなに真面目に考えながら、よく週刊連載をやっていたものだと、感心を通り越して不可解な気持ちにすらなってくる。

常に最悪のケースを想定しろ 奴は必ずその少し斜め上を行く!!「レベルE」

レベルE 全3巻(完結)
作者:冨樫義博
連載期間:1995年42号~1997年3・4合併号(不定期連載)

あらすじ

『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博が世に問う異色の連作集! 宇宙一の天才的な頭脳と美貌、そして最悪な性格の持ち主・ドグラ星第一王子…人呼んで「バカ王子」。その魔の手から地球を守るのは…熱血健康優良野球少年7番レフト・筒井雪隆。襲い来る魔物の群れに…不承不承立ち向かう悪ガキ5人組。その智略を尽くした剣・棒・術・策! 塾があるのに…。塾か? 世界平和か? そして…廊下は走るな!
※リンク先は文庫本(全2巻)のものになります。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

冨樫義博氏による傑作SF短編集。肩透かし的な展開も多く、子供の頃は分からなかったが、今読むと至極上品である。

無口な主人公とクセの強い仲間たちが送る青春ギャグ「斉木楠雄のψ難」

斉木楠雄のψ難 全26巻(完結)
作者:麻生周一
連載期間:2012年24号~2018年13号、2018年14号~31号(4コマ版)

あらすじ

彼の名前は斉木楠雄、超能力者である。誰もが羨む才能も、本人にとっては災難を呼ぶ不幸の元凶。故に人前では力を封印、目立たず人と関わらずを心掛けてきた斉木だったが、何故かワケあり同級生が急接近!?

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

「妙なキャラが異様な行動をして周囲が振り回される」というジャンプの当時のギャグ漫画テンプレートを破壊したエポックメイキングな作品。なんとなく温かい感じで話がまとめられ、読後のストレスが非常に少ない。この作風は斉木楠雄が初めてではなかったかもしれないが、連載期間の長さやアニメ化などの影響力も考えて、ここでは本作にその勲章を与えたい。

ギャグも時事ネタも人情ものも! 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」

こちら葛飾区亀有公園前派出所 全200巻(完結)
作者:秋本治
連載期間:1976年42号~2016年42号

あらすじ

「やつらをひとりも帰すんじゃねえぞ!!」ガンマニアの中川と冬本が派出所を訪れ、拳銃談義に。そこに暴走族が出現し、両さんらは追撃を開始!!「早撃ち両さん!?の巻」他7編に加え、山止たつひこ笑劇場「交通安全'76」も収録。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

いかんせん連載期間の長い作品なので、芸風の移り変わりもあって、時代により好みは分かれると思うが、過度な暴力性にもかかわらず妙に読み味の良い初期~中期を個人的に推したい。

一度は見たことがある名シーンが盛り沢山!「ジョジョの奇妙な冒険」

ジョジョの奇妙な冒険 シリーズ130巻(以降続刊)
作者:荒木飛呂彦
連載期間:
週刊少年ジャンプ:1987年1・2号~2004年47号
ウルトラジャンプ:2005年4月号~

あらすじ

イギリス貴族ジョースター家の一人息子・ジョナサン。紳士となることを目指し不自由ない暮らしを送っていた。だがその生活は「侵略者」ディオ・ブランドーの出現で一変。事あるごとにジョジョを陥れるディオの傍らには、石仮面が不気味にたたずみ……。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

説明セリフがものすごく多いが、それが「解説芸」とでも言うべき独自のグルーブを生み出している。解説のテンションが異様に高いアニメ版もオススメだ。

リト(主人公)の好感度がすごく高いんです「To LOVEる -とらぶる-」

To LOVEる -とらぶる- 全18巻(完結)
原作:長谷見沙貴、作画:矢吹健太朗
連載期間:2006年21・22号~2009年40号

あらすじ

超純情君の結城リトは、一大決心をして、憧れの春菜ちゃんに告白しようと試みる。だが、彼女の前へ突如舞い降りた美少女宇宙人・ララに告白してしまい…!? キュートでちょっとHなドタバタ・ラブコメ登場!!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

主人公(リト)や男性脇キャラ(猿山)の人間性を貶めないことにより、「エロコメでありながら上品な読み味」の作風を確立した、当時においてはエポックメイキングな作品。

野球の試合で死者がでます「アストロ球団」

アストロ球団 全20巻(完結)
原作:遠崎 史朗、作画:中島 徳博
連載期間:1972年39号~1976年26号

あらすじ

伝説の投手の魂を受け継ぐ超人戦士たちが、日本プロ野球界に挑戦状をつきつけた! 一試合完全燃焼を信条に世界最強の野球チームを目指す。だが、彼らの前に恐怖の復讐球団が待ち受けていた…!! 熱血超人魂、大噴火!!
※アマゾンと楽天市場のリンク先は廉価版コミックスになります。通常コミックスはebookjapanから見ることができます。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

「野球漫画はそんなに好きでもないが、頭の悪い野球漫画は大好き」な筆者はむろんアストロ球団も大好きである。試合中に大真面目に切腹する野球漫画は、後にも先にもこれだけではないだろうか。

誰も傷つけない笑いはココにも健在「僕とロボコ」

僕とロボコ 4巻(以降続刊)
作者:宮崎周平
連載期間:2020年31号~

あらすじ

美少女メイドロボ「OM(オーダーメイド)」が、一家に一台普及する時代。平凡な小学生、平凡人(たいらボンド)は念願の美少女メイドロボに心躍らせていた。しかし、家に来たのは想定外に規格外なOMで!? 僕とロボコの愉快な誤奉仕メイド物語、開幕!!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

斉木楠雄の精神的後継と言えるギャグ漫画。圧倒的に優しい世界が展開される。本作に描かれる「コンプラに配慮するジャイアン」というキャラ類型は、時代性の反映ではあろうが、一つの偉大な発明でもある。

『封神演技』藤崎竜の原点「PSYCHO+ サイコプラス」

PSYCHO+ サイコプラス 全2巻(完結)
作者:藤崎竜
連載期間:1992年51号~1993年11号

あらすじ

【超能力を使える不可思議なゲームの使い方とは!?】髪と瞳の色が緑色の少年・緑丸は、夜の公園で不思議な美少女・水の森雪乃と出会った。彼女は言い寄ってくる男性にゲーム勝負を提案し、勝つことですべて追い返してきた。しかし、その行為が男性の恨みをかい、ナイフを突きつけられてしまう。その様子を見た緑丸は、彼女を助けるため超能力ゲームを使うのだった…。

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

藤崎竜の処女連載作。中古ゲームを購入することで超能力が使えるようになるのだが、その超能力が最初期は非常に限定的でショボい(木を動かすだけ)。だが、逆にそのショボさが日常との地続き感を与え、当時小学生だった筆者を興奮させた。流石に小6にもなれば、かめはめ波が撃てないことには気付いてしまう(ウソつきで有名なクラスのアライ君は「こないだ練習してたらちょっとだけ出せた」と言い張っていたが)。しかし、本作の提示する「中古ゲームを買ったら木を動かせた」という超能力の「お手頃感」は、小学生6年生にまだ夢を抱かせたのである。

犯人の豹変っぷりが凄まじい「魔人探偵脳噛ネウロ」

魔人探偵脳噛ネウロ 全23巻(完結)
作者:松井優征
連載期間2005年12号~2009年21号

あらすじ

女子高生・桂木弥子の父親が殺された。密室の惨殺事件。謎に満ちた事件は弥子の日常を混乱へ…。一向に捜査が進展しない中、悲しみにくれる弥子の前に脳噛ネウロと名乗る男が現れた。彼は言う。究極の『謎』を解きたいと…!!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

シックス登場後のドラマ性の強さもあるが、とはいえ、本作はやはりドーピングコンソメスープであろう。

画作りのセンスが抜群! 第2部にも期待「チェンソーマン」

チェンソーマン 全11巻(第1部完結)
作者:藤本タツキ
連載期間:2019年1号~2021年2号

あらすじ

悪魔のポチタと共にデビルハンターとして借金取りにこき使われる超貧乏な少年・デンジ。ド底辺の日々は、残忍な裏切りで一変する!! 悪魔をその身に宿し、悪魔を狩る、新時代ダークヒーローアクション、開幕!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

演出にほぼ全振りした作品。なんだかよく分からないし、後になって分かりそうだった箇所も結局よく分からなかったりしたが、読んでる間はとにかく楽しかった。

巨匠・諸星大二郎が送る伝奇コミック「孔子暗黒伝」

孔子暗黒伝 全1巻(完結)
作者:諸星 大二郎
連載期間:1977年50号~1978年9号

あらすじ

紀元前495年、赤気と共に生まれた二人の子供――赤とアスラ。中国とインドにそれぞれ生まれながらも、やがて運命のもとに出会い、仏陀の導きにより一人の人間として生まれ変わる…。彼こそが孔子の待ちわびた天子だった!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

壮大なスケールのSF伝記作品。これがジャンプに掲載されていたというその事実が凄まじい。ジャンプの多様性を知るためにぜひ。

壮大なロマンに溢れた科学漫画「Dr.STONE」

Dr.STONE 22巻(以降続刊)
原作:稲垣 理一郎、作画:Boichi
連載期間:2017年14号~

あらすじ

一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後──。目覚めた大樹とその友・千空はゼロから文明を作ることを決意する!! 空前絶後のSFサバイバル冒険譚、開幕!!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

作劇の技術的な練度が高い。科学ウンチクまんがであり、テキスト情報は確かに多いものの、大ゴマやカタルシスもしっかりと配置され、読み味がきちんと少年漫画のそれに調整されている。恐るべき職人仕事だ。

読み込むほどに発見がある「サムライ8 八丸伝」

サムライ8 八丸伝 全5巻(完結)
原作:岸本斉史、作画:大久保彰
連載期間:2019年24号~2020年17号

あらすじ

侍になること――。生まれつき体が弱い少年・八丸にとって、それは叶わぬ夢のはずだった。しかし、鬱屈した日々を過ごす彼の前に、猫の姿をした謎の男が現れ、運命が一変する…!? SF侍活劇、ここに開幕ッ!!

識者のおすすめポイント

架神恭介
作家・ライター・漫画原作者・ゲームデザイナー
架神恭介 のコメント

今回は反面教師的な作品は入れないつもりであったが、この一作だけ。商業的には失敗した作品であり、作者の岸本斉史氏言うところの「スルメ漫画」である。実際、1話につき1時間かけて精読すると本作の設定の奥行きが発見され、そこから世界観の芳醇さにも気付かされる(例えばサムライ8の宇宙観にはおそらく密教の影響がある)。スルメ漫画であることは間違いないが、しかし、本作は失敗であったし、面白くはなかった。高い志がアウトプットの段階で形にならなかった興味深い例である。時間がある方は、複数人で話し合いながら、じっくりと読んでみて頂きたい。

おわりに

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