万年筆の魅力とは?
万年筆は、大人になった今こそ持ちたい筆記具のひとつ。文字を書くときにキラッと輝くペン先、一目見ただけでそれと分かる風格ある筆跡は、デキる大人のイメージを確たるものにしてくれます。
万年筆というと「高級な文房具」というイメージがあり、高級品の方が良さそうに見えますが、実は高級な万年筆もリーズナブルな万年筆も基本的な構造に違いはありません。
万年筆の価格は、「書き心地」を左右するペン先の種類によって変わってきます。
高級な万年筆と安い万年筆の違いとは?
一般的に、高級な万年筆のペン先には滑らかな書き心地を特徴とする金が使用され、低価格な万年筆にはステンレス製のペン先が使用されています。
ステンレス製のペン先は金のペン先に比べ、書き心地は硬めではありますが、しっかり文字が書ける、筆圧が強くてもペン先がダメになりにくいといったメリットがあります。 初心者の人が万年筆を選ぶ際には、書き心地の好みなどから自分に合ったものを選んでくださいね。
しかし、いざ購入しようと思っても、万年筆はさまざまなメーカーから多くの商品が発売されています。
国内ブランドのパイロットやプラチナやセーラーをはじめ、海外ブランドのラミー(LAMY)やパーカー(PARKER)、モンブラン(MONTBLANC)やウォーターマン(WATERMAN)などもあり、どれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。
そこで、雑誌『MONOQLO』では人気製品を比較し、安いけど書きやすい、万年筆の初心者にもおすすめの1本を探しました。
万年筆の選び方は?
おすすめ商品を紹介する前に、まずは万年筆の選び方のポイントを紹介します。
選び方1:書きやすさ
安い万年筆でよく使われているペン先は、ステンレス製です。ステンレスは硬いため、書き心地は硬めですが、誰でも扱いやすくて書きやすいという特徴があります。
ペン先が小さいので、細く小さい字を書くのに適しています。
選び方2:持ちやすさ
万年筆の持ちやすさを決めるのは「ウエイトバランス」「ボディの素材」「グリップ」です。
ウエイトバランスとは万年筆の重量や重心のことで、重いと安定して字が書け、軽いとスムーズに字が書けるといった違いがあります。
ボディの素材は樹脂やセルロイドや木や金属などがあり、万年筆の見た目を決めるだけでなく持ったときの質感にも影響を与えます。
見た目を重視するなら発色の良いセルロイド、フィット感を重視するなら木でできたボディがおすすめです。
グリップは、長時間快適に書き続けるには欠かせないポイント。手の大きさに合った滑りにくい形のものを選ぶと良いでしょう。
選び方3:ニブ(ペン先)の種類
ニブは万年筆の字幅や太さに関わるもので、極細・細字・中字・太字・極太など種類はさまざま。
画数の多い漢字でも字が潰れずクリアに書けるEF(極細)やF(細字)は、ノートやシステム手帳に字を書きこむといった普段使いに向いています。
濃くしっかり書けるM(中字)やB(太字)は、宛名やメッセージカードを書くのに向いています。
選び方4:インクの種類
万年筆はインクによって異なる印象を与えてくれるため、インク選びはとても重要。好みのインクを見つけて味わい深い文字を楽しみたいですね。
インクの特徴を知ることで、よりいっそう、万年筆の魅力を感じられます。
素晴らしい発色:染料インク
染料インクはカラーバリエーションが豊富なので、好みの色を見つけ出すことができます。万年筆の中でも一般的なインクで、メンテナンスも簡単なので初心者も安心して使用できるのが魅力。
染料インクは耐水性が弱いため重要な書類には適さず、日記や手紙などに適しています。
色あせに強い:顔料インク
顔料インクは耐水性と耐光性に強く色あせしにくいため、長期間保存する重要な書類に適しています。水に溶けにくいことがメリットである半面、ペン先が詰まりやすいというデメリットも。
こまめにお手入れをする必要があるため、頻繁に万年筆を利用する方に向いています。
色調の変化が魅力な没食子(もっしょくし)インク
没食子インクは、時間とともに色が変化するインクです。酸化によって色が変わり、風合いを楽しめます。古くから使われていたインクなので、古典インクと呼ばれることも。
耐水性や耐光性に優れているため、重要な書類にも適しています。ただし、万年筆の先が腐食しやすいので、定期的なメンテナンスがおすすめです。
選び方5:インクの補充方法
タイプ1:カートリッジ式
近年はカートリッジ式が主流です。カチッとはめるか、回すだけでインクの補充が完了するので、気軽に使い始められます。
交換時に手や机が汚れにくいというメリットもあり、初心者や携帯用におすすめです。しかし、色や種類はあまり豊富でなく、インクの量が少ないといった面もあります。
タイプ2:吸入式
昔からある補充方法で、ペン先からインクを吸い上げます。補充量が多いだけでなく、万年筆を使っているという実感があり、ロマンがあります。
しかし、カートリッジインクに比べて、手や机が汚れる可能性が高く、手間がかかるという面があります。
タイプ3:コンバーター式
カートリッジ式と吸入式の特徴を合わせ持つのがコンバーター式(両用式)です。吸入式と同じようにペン先からインクを補充するほか、コンバーターを取り外してカートリッジ式にすることもできます。
自宅で何か書く時は吸引式、出先では持ち運びに便利なカートリッジ式でインクを補充するといったように、使い方に合わせてインクの補充方法を選ぶことができます。
選び方6:デザイン
長く大切に使っていきたいからこそ、万年筆選びはデザインが重要。安い万年筆には、かわいくておしゃれでかっこいいデザインの万年筆がたくさんあります。
ボディの材質だけでなく色や形など、こだわりの一本をぜひ選んでくださいね。
万年筆の人気商品を比較
今回は雑誌『MONOQLO』が、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどネット通販で購入できる、5000円以下で人気の万年筆をピックアップ。
万年筆初心者でも文字を「きれいに書けるか」、持ちたくなるような「高級感」があるかについて、書道家のかわくぼみちこさんと雑誌『MONOQLO』編集部員が実際に書いて検証しました。
それでは、評価の高かった順におすすめの万年筆を紹介します。
万年筆のおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、万年筆のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | |||
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パイロットライティブ
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インクフローが良く美しい文字が書ける/長時間書いても疲れにくい/重厚感のあるモダンなデザイン |
中字 |
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プラチナ万年筆プレジール
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文字のバランスがとりやすく丁寧に書ける/インクの伸びがよくなめらかな書き心地/万年筆らしさを求める人にピッタリ |
中字 |
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KAWECO万年筆 M 中字 クラシック スポーツ
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クラシックな雰囲気で高級感がある/インクフローが良く軽快な書き心地/軽量で長時間書いても疲れにくい |
中字 |
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セーラー万年筆レクル
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中細 |
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セーラー万年筆プロフィットJr.
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中細 |
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無印良品ポリカーボネート万年筆
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【1位】パイロット「ライティブ」
- パイロットライティブ
- 実勢価格: ¥1,540〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥1,790〜
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- きれいに書けるか
- 高級感
なめらかな書き心地と渋すぎない見た目。初めての一本に最適!
万年筆のおすすめランキングで1位となり、ベストバイに選ばれたのは、A+評価のパイロット(PILOT)「ライティブ」でした。
インクフローが良く美しい文字が書けるうえ、反動が少なくストレスなく書き続けられます。
良い意味で万年筆らしくない、モダンなデザインもビジネスシーンと好相性です。
- おすすめポイント
-
- インクフローが良く美しい文字が書ける
- 長時間書いても疲れにくい
- 重厚感のあるモダンなデザイン
- 字幅
- 中字
- 型番
- FLT2SRMBM
【きれいに書けるか】とめ・はね・はらいの美しさが際立つ
▼ペン先
太めに書けてメリハリがある
インクフローが良好で、日本語のとめ・はね・はらいが美しく筆記できます。
スペックは中字ですが、やや細めなので手帳などに小さな文字を書いても線がつぶれにくいです。
全方位かすれない!
吸いつくような書き味で、するすると書けます。万年筆に慣れていなくてもきれいな線が書けるので、初心者にもピッタリです。
軽めだから疲れにくい!
軽めで重心の取りやすさが抜群です。筆記時の反動が少なく、長時間書いても疲れにくいため、安定してきれいな字が書けます。
【高級感】モダンで重厚感あふれるマットな質感
一見、万年筆には見えないスマートさで意外性アリ! 余計な装飾がなく、筒形のフォルムも知的な印象です。
マットな質感で手触りも上質なので、持っていて自慢できそうです。
【2位】プラチナ万年筆「プレジール」
- プラチナ万年筆プレジール
- 実勢価格: ¥990〜
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- きれいに書けるか
- 高級感
万年筆らしいインクの濃淡が楽しめる
万年筆のおすすめランキング第2位は、A評価のプラチナ万年筆「プレジール」でした。
インクフローが良い、ヌルヌルとした書き心地。紙と触れた時の感触が柔らかく、インクの伸びやかさを楽しめます。
ずっしりした重さがあり重心が下にくるため、一文字一文字を丁寧に書くことができます。つい走り書きしてしまう方にもおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 文字のバランスがとりやすく丁寧に書ける
- インクの伸びがよくなめらかな書き心地
- 万年筆らしさを求める人にピッタリ
- 字幅
- 中字
- 型番
- PGB-1000B-#57-M
太くてなめらかな書き味が特徴です。一字一字丁寧に書きたくなる重厚な1本です。
男性の手に合う重厚感
重心が下にあり、ずっしりした感覚の1本。キャップはスクリュータイプで、より万年筆らしさを求める方におすすめです。
インクの伸びがいい
▼ペン先
▼文字
重さがあるため文字のバランスがとりやすく、丁寧に書けます。強弱のメリハリが効いた、風格ある文字になります。
【3位】KAWECO「万年筆 M 中字 クラシック スポーツ」
- KAWECO万年筆 M 中字 クラシック スポーツ
- 実勢価格: ¥4,400〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥5,500〜
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- きれいに書けるか
- 高級感
携帯性と機能性を備えた歴史ある逸品
万年筆のおすすめランキング第3位は、A評価のKAWEC(カヴェコ)「万年筆 M 中字 クラシック スポーツ」でした。
本製品は、1972年ミュンヘンオリンピックの公式ペンとなった歴史ある万年筆の復刻版。
伝統を感じるクラシックなデザインが大人の所有欲をくすぐります。
携帯性に優れ、軽快な書き味が気持ちがいいです。軽量タイプのため、長く書き続けても疲れにくいでしょう。
- おすすめポイント
-
- クラシックな雰囲気で高級感がある
- インクフローが良く軽快な書き心地
- 軽量で長時間書いても疲れにくい
- 字幅
- 中字
- 型番
- CSFP-BK-CVT-MIN2-set
トップのロゴがキラリと光る
樹脂のボディとゴールドのロゴの組み合わせがクラシックな雰囲気。ほかのペンにはない風格を感じます。
どこを持っても疲れない
本体はコンパクトですが、キャップを装着すれば長さが出るため書きやすいです。どこを持っても疲れません。
インクフローも良好
▼ペン先
▼文字
インクの出が良く、ペン先が紙をスルスルすべっていく軽快な書き心地です。気楽に書ける安心感があります。
【4位】セーラー万年筆「レクル」
- セーラー万年筆レクル
- 実勢価格: ¥2,644〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥3,050〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥2,644〜
- きれいに書けるか
- 高級感
文字で真面目さを印象付けたい人に
B評価のセーラー万年筆「レクル」は、万年筆のおすすめランキングで4位となりました。
細くて均一な線質が特徴。キチっとした文字が書けるため、端正な印象を与えます。
軽くてストレスなく書けるのは良いのですが、持った時に指にあたる部分に凹凸があり、指が痛くなるのがマイナス評価でした。
- 字幅
- 中細
- 型番
- SL-11-0332-340
カチッとした線が得意
▼ペン先
▼文字
カリカリした書き味のため、均一な線が書けます。真面目な印象を与えたいならアリです。
【5位】セーラー万年筆「プロフィットJr.」
- セーラー万年筆プロフィットJr.
- 実勢価格: ¥1,780〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥1,818〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥1,780〜
- きれいに書けるか
- 高級感
とにかく軽い! 書き出したら止まらない
B評価のセーラー万年筆「プロフィットJr.」は万年筆のおすすめランキングで5位となりました。
ややカリカリ感のある書き味で、他製品に比べて線がかすれにくく、太めの線が書けます。
ただし、ボディが軽いため思わず走り書きになってしまいがち。丁寧に文字を書きたいときには向かないかもしれません。
- 字幅
- 中細
- 型番
- 12-0222-350
書き味はカリカリ系
▼ペン先
▼文字
軽量でペンが勢いよく動いてしまう感覚があります。するするインクが出て途切れないのは◯です。
【6位】無印良品「ポリカーボネート万年筆」
- 無印良品ポリカーボネート万年筆
- 実勢価格: ¥596〜
- きれいに書けるか
- 高級感
ボールペン感覚で気軽に持てる一本
B評価の無印良品「ポリカーボネート万年筆」は、万年筆のおすすめランキングで6位となりました。
ポリ製で、見た目も持ち手のグリップもボールペンに近い印象です。
軽いので速書きすると文字のバランスが崩れる恐れがありますが、インクはちょうど良い量が出続けてくれるので気楽に使えます。
- 型番
- 44596883
曲がってしまう感覚がある
▼ペン先
▼文字
軸が軽いため、ササっと書くと字のバランスが崩れたり、勝手に線が曲がったりする感じがあります。
万年筆の人気ブランドとそれぞれの特徴は?
万年筆のブランドは国内国外を問わず存在し、中には100年を超える歴史を持つブランドも。
ブランドごとにそれぞれ異なる魅力があるため、ブランドは万年筆を選ぶ基準の一つにもなります。その中でも、多くの人から支持される人気メーカーを紹介します。
誰もが知っている文房具メーカー:パイロット
国内の文房具メーカーと言えばパイロット。パイロットの万年筆は、書くことに重きを置いて開発されているため、ひらがな、カタカナ、漢字全てが書きやすいと人気です。
また、商品数も豊富で、万年筆を初めて使われる方から万年筆を愛用している方まで幅広い方々に選ばれています。
豊富なラインナップ:セーラー
セーラーの万年筆はペン先の形状も独特なうえ、種類も豊富にありユニーク。国内での製造にこだわり、創業当初から現在も、職人が丁寧に手作業で高品質な製品を作っています。
日本の伝統工芸を取り入れた、モダンな高級万年筆やポップな印象の万年筆、限定モデルの万年筆などさまざまな種類があるのが特徴です。
長い歴史をもつ:プラチナ
プラチナは、100年以上の長い歴史を持っている総合筆記具の国内メーカーです。「とめ・はね・はらい」を繊細に美しく表現できるため、日本語を筆記しやすいことが魅力。
ペン先にもこだわりを持ち、鉛筆のような自然な書き味を楽しむことができます。
美しいデザイン:ペリカン
万年筆愛好家の方からも支持される、ドイツのメーカーであるペリカン(Pelikan)。もともとは万年筆のインクを製造していたため、インクの補充方法などにこだわりを持っています。
書き心地が快適なうえ、万年筆の見た目も美しく一本持っているだけで、気持ちが明るくなりますね。
万年筆のおすすめ まとめ
以上、万年筆のおすすめランキングでした。
書道家のかわくぼみちこさん助言のもと、雑誌『MONOQLO』が認定する万年筆のベストバイは、パイロット(PILOT)「ライティブ」。
インクフローが良好で、吸いつくようななめらかな書き心地が魅力の一本。とめ・はね・はらいが美しく書けます。
重心が取りやすく、反動も少ないため長時間書いても疲れにくいです。マットブラックの渋すぎない見た目で、初めての1本におすすめです。
万年筆らしいメリハリの効いた文字が好みなら2位のプラチナ万年筆「プレジール」、背景のストーリーごと所有する楽しみを味わいたいならドイツブランドのKAWECO「万年筆 M 中字 クラシック スポーツ」はいかがでしょうか。
デザインも書き味もそれぞれに特徴があるので、今回のランキングを参考に、ぜひ万年筆デビューしてみてください。
万年筆初心者に最適なパイロット
パイロット
ライティブ
万年筆の売れ筋ランキングもチェック!
万年筆のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
入門モデルはインクカートリッジとセットで販売されているものがほとんどです。