ボールペンのインクの3つの種類

日々、当たり前のように使っているボールペンですが、実はかなり多くの種類があり、書き心地にも大きな差があります。とくに差が大きいのが「インクタイプ」。油性、水性、ゲルなど様々なタイプのボールペンがありますが、紙へのひっかかりやインクののりや伸びなどによっても文字の仕上がりはだいぶ変わります。
今回は、ゲルインクのボールペンにスポットを当ててご紹介しますが、そもそもゲルインクとは何かをまずは解説します。
また、ゲルインクを説明をするには、残りの2つの水性、油性インクの説明も欠かせませんので、あわせて解説しますね。
書きやすい水性タイプ
サラサラとした、軽い書き心地が特徴の水性インク。軽い力でもはっきりした文字を書くことができるので、手が疲れにくいことも特徴です。
しかし、水性インクは裏写りやにじみが多いというデメリットも。またインクが乾くのが遅めなので、うっかり書いた後をこすると手や紙が汚れてしまうので注意が必要です。
文字をしっかり残せる油性タイプ
油性タイプのインクは水に強く色あせにくいので、書いた文字を長期間残すことができます。そのため、重要な書類などを書く際に最適です。
油性インクは粘度が強く、ときにインクが出にくくなり、文字がかすれてしまうことがあります。そんなときは、加圧式の油性ボールペンがおすすめです。
水性と油性の良い所取り!ゲルタイプ
ゲルインクはサラサラとしたなめらかな書き心地の上、にじみにくいという、水性インクと油性インクの長所をかけ合わせた特徴を持っています。
発色が鮮やかで水濡れにも強いので、勉強はもちろん、オフィスなど様々なシーンで活躍してくれるインクです。
ボールペンの選び方の4つのポイント

ボールペンを選ぶ際には、インクの種類の他にも「ペン先の出し方」「ペン先のサイズ」「付加機能」もチェックしましょう。また、プレゼント用として選ぶのであれば「高級感」も重要です。
実は重要なペン先の出し方
ボールペンのペン先の出し方には「キャップ式」「ノック式」「ツイスト式」の3つがあります。
キャップ式はペン先に保護用のキャップ(カバー)が付いているタイプで、インクが乾くのを防いでくれるのでペン先がかすれません。また、ペンをポケットや鞄に入れて移動する際、うっかりペン先が出て汚れたり怪我したりするのを防いでくれる効果もあります。
ノック式は、ペン尻を押すとペン先が出てくるタイプです。カチッと押せばすぐに書き出せるので、素早くメモなどを取る場面が多い場合はノック式を選ぶと良いでしょう。
ツイスト式は、ペン軸をひねるとペン先が出る仕組みになっています。ペン先を出す動作が優雅に見えるので、高級ボールペンに多いタイプです。また、ひねらないとペン先が出ないので、ノック式のようにポケットや鞄の中でうっかりペン先が出てしまうこともありません。
ペン先のサイズは書く文字の大きさに合わせて
ボールペンのペン先のサイズは様々で、0.2mm程度から1mm程度のものまであります。ペン先のサイズは、書きたい文字のサイズや使うシーンに合わせて選ぶようにしましょう。
例えば、小さめの手帳などの書き込みに使うのであれば、ペン先が太すぎると自然と文字が大きくなるので、あっという間に書くスペースがなくなってしまいます。そのため、小さめの文字を書きたいときは0.4mm以下がおすすめです。
ノートや書類などにしっかり文字を書きたいときは、0.5mm以上のやや太めのペン先を選ぶと良いでしょう。
機能付きボールペンは使うシーンに最も合った物を
ボールペンには、何色ものインクが使える多色ボールペンや、シャープペンや修正テープ付きのものなど、様々な機能付きのものがあります。最近では、印鑑やタッチペンとして使える、ペン先が付いているものもあります。よく使うシーンに合わせて付属の機能を選びましょう。
ボールペンはどれ?
書きやすい「ゲルタイプ」の
前回は、よく見かけるボールペン31製品を集め、書きやすさや持ちやすさなどを検証したうち、「油性・エマルジョンタイプ」のものを15本ご紹介しました。今回は「ゲルタイプ」のボールペン11製品をランキング形式でご紹介します。このタイプはサラサラと書けて発色が良く、油性と水性のいいとこ取りが特徴です。
▼「油性・エマルジョンタイプ」はコチラ
デザインなども採点しました
書き味や速乾性今回も、検証にご協力いただいたのは、文具プランナーの福島槙子さんと書道学博士の根本知さんのお二人です。

写真左:書道学博士/根本 知さん
写真右:文具プランナー/福島槙子さん
文具の専門家と文字の専門家に評価とは別に、和紙にも書けるか、スベリの良さ、紙へのつっかりはないかなどもチェックしていただきました。評価項目は以下のようになります。
【評価項目】
評価は以下の5項目で、合計100点満点で採点しました。

それではランキングをご覧ください!
デザイン性が秀逸!
なめらかさとサラサラと書ける書き味は、2位のゼブラ「サラサ」と並んで満点。クリップ部分のスタイリッシュさはさすが無印です。実用性とデザイン性を兼ね備えて見事ベストバイ。
無印良品
さらさら描けるゲルボールペン
ノック式 0.5mm
実勢価格:100円
【採点結果】
- 書き味: 30/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 20/25pt
- デザイン性: 10/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 95点

無印良品のゲルボールペンで書いた文字です。
実用性が高い
シンプルでつややかなゲルインクがなめらかな書き味。外見もスタンダードで使いやすく、手帳にはさめるクリップで実用性の高い1本です。
ゼブラ
サラサクリップ 0.5mm
実勢価格:108円
(リンクは10本セットのページに飛びます)
【採点結果】
- 書き味: 30/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 20/25pt
- デザイン性: 8/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 93点

サラサクリップで書いた文字です。
ほどよい重さ
ペン先が滑るような書き味のゲルインクとしてはペン先に重みがあり、トメやハネが出しやすく美文字が書きやすいです。
見た目はイマイチですが下記やすさで3位に!
パイロット
G-2 極細 0.5mm
実勢価格:216円
【採点結果】
- 書き味: 27/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 23/25pt
- デザイン性: 6/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 91点
●総合点:91点

G-2で書いた文字です。
4位: インクが濃いのに
速乾のうえにじまない
「サラサ」の速乾タイプです。インクがさらに濃く、くっきりした文字が書けるのが特徴です。
濃く書ける分インクの流量が多いのか、少し滑りすぎる感があるのが難点ですが、この濃さでにじまないのはスゴイ!
ゼブラ
サラサドライ 0.5mm
実勢価格:162円
(リンクは10本セットのページに飛びます)
【採点結果】
- 書き味: 24/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 23/25pt
- デザイン性: 8/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 90点
●総合点:90点

サラサドライで書いた文字です。
5位: 書き心地が優秀で
ぽってりした形もカワイイ
本体からグリップにかけて太くなる曲線がぽってりと可愛く、女性受けはダントツです。
書き味も優秀ですが、インクの乾きが遅いのでにじみやすいのが残念。
サクラクレパス
ボールサイン ノック05ブラック 0.5mm
実勢価格:162円
【採点結果】
- 書き味: 30/30pt
- インクのり: 23/25pt
- 持ちやすさ: 20/25pt
- デザイン性: 10/10pt
- 速乾性: 6/10pt
- 総合点: 89点
●総合点:89点

ボールサイン ノックで書いた文字です。
6位: すべりすぎず
インク量もちょうどいい
なめらかに書けるうえ滑りすぎることもない絶妙な書き味です。インクの流量もほどよく、バランスのいい1本。
油性のエラベルノ同様、グリップ部分の握りにくさだけが惜しかった点です。
コクヨ
エラベルノ 標準グリップ/エアリーゲル 0.5mm
実勢価格:216円
【採点結果】
- 書き味: 30/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 15/25pt
- デザイン性: 8/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 88点
●総合点:88点

エラベルノ・エアリーゲルで書いた文字です。
6位: 豊富なカラバリ
書きやすさも良し
同社の「ハイテックC」よりも書き味がなめらかで、インクも濃いめです。グリップがややペタペタしますが、滑らず書きやすいです。
カラーバリエーションも豊富なのに100円はお得!
パイロット
ジュース 0.5mm
実勢価格:108円
【採点結果】
- 書き味: 27/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 20/25pt
- デザイン性: 6/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 88点

ジュースで書いた文字です。
8位: インクのりは良いが
軽すぎて持ちづらい……
インク乗りがよく書き心地もいいのですが、ペン自体が軽量でペン先が軽いせいか、持ちづらく感じたのが惜しいところ。
クリップが可動式ならさらによかったという意見もありました。
三菱鉛筆
ユニボール シグノ RT 0.5mm
実勢価格:108円
【採点結果】
- 書き味: 27/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 18/25pt
- デザイン性: 6/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 86点

シグノRTで書いた文字です。
9位: 愛用者の多い
ロングセラー
飽きのこないスタイリッシュなデザインで、愛用者が多いロングセラー製品です。思わず色違いで何本も集めたくなりますが、細い線が書ける分、ペン先に安定感が足りないのが惜しい!
パイロット
ハイテックC 0.5mm
実勢価格:216円
【採点結果】
- 書き味: 24/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 15/25pt
- デザイン性: 10/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 84点
●総合点:84点

ハイテックCで書いた文字です。
10位: インク乗りがよく
お値段以上の品質!
書くときにひっかかりがありますが、プラチナ万年筆製だけあってインクのりは満点という評価です。これで2本で100円はお得ですが、ペン先がグラついて不安定なのはイマイチ。

ダイソー
ゲルインクボールペン(2本入) 0.5mm
実勢価格:108円
【採点結果】
- 書き味: 24/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 18/25pt
- デザイン性: 8/10pt
- 速乾性: 8/10pt
- 総合点: 83点
●総合点:83点

ダイソーのゲルインクボールペンで書いた文字です。
11位: すべりすぎて
書きごたえが足りない?
たっぷりのインクが出るのに速乾性があり、艶やかな文字が書けます。ただ、ペン先がよく滑る分、書き味に物足りなさを感じます。ノック部分がシャカシャカとうるさいのも残念。

ぺんてる
ノック式エナージェル 0.5mm
実勢価格:216円
【採点結果】
- 書き味: 24/30pt
- インクのり: 25/25pt
- 持ちやすさ: 18/25pt
- デザイン性: 4/10pt
- 速乾性: 10/10pt
- 総合点: 81点
●総合点81点

エナージェルで書いた文字です。
以上、ゲルタイプのボールペン全11種類のランキングをご紹介しました。これを機にぜひこだわって選んでみてください。なお、水性編も近日公開しますので、そちらも乞うご期待!
◎「油性・エマルジョンタイプ」はコチラ
文具のプロが厳選!
「油性ボールペン」美文字が叶う15製品採点