本記事は岡野学さんによる『家電批評』の連載「ウチのおかんがボケちゃいまして」の転載です。
最新のスマートリモコンならテレビを介護に活用できる?
最近、うちの母が使っている8年落ちのテレビの調子が悪く、買い替えを考えています。でも、どうせ買うのなら、テレビもリモート介護に役立てたい!
たとえば、「今から買い物に行くけど何かいる?」と数分おきに聞かれて困っている実家の兄に代わり、テレビに「お兄ちゃんは今日何もいらないよ」と繰り返し伝えてもらう。
あるいはお風呂に入るのを嫌がる母に、お風呂の効能を解説した番組の録画を毎日見せ、自分から「入ろうかな」と思わせるとか、そんな使い方をイメージしました。
そこで、必要になるのがスマートリモコン。スマートリモコンにテレビのリモコンを登録すると、テレビを遠隔操作できるからです。
今回は、今実家で使っているものも含め、3つの製品を使用しました。
なお、テレビはAndroid TVを予定していますが、テスト結果を踏まえて検討したいので、購入はまだ。
そのため、テストは僕の自宅のAndroid TVで実施しました。また、実家のテレビは見守りカメラの映像越しに操作するので、自宅にも同じカメラを設置して、映像を見ながらテストしました。
今使っているスマートリモコンは、Nature「Nature Remo mini 2」です。
Nature「Nature Remo mini 2」
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アプリのレイアウトが秀逸で、わかりやすくて使いやすいのがNature「Remoシリーズ」。実家では、標準モデルに搭載されるセンサー類を省略したエントリーモデルを使っています。
- 型番
- REMO-2W2
そして、老舗ブランドの最新スマートリモコンがこちら。
ラトックシステム「Smalia スマートリモコン」
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- 実勢価格: ¥7,480〜
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ラトックシステム「Smalia スマートリモコン」は、2.4GHzと5GHzのWi-Fiに対応する、接続安定性の高いスマートリモコン。初期設定のしやすさや、登録できるリモコンの再現度が高いのも魅力です。
- 幅
- 6cm
- 奥行
- 6cm
- 高さ
- 2cm
- 重量
- 42g
- 型番
- RS-WBRCH1
また、スマートホームで勢いに乗る新興勢力が送り出す新製品がこちら。
SwitchBot 「SwitchBot ハブ2」
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SwitchBot 「SwitchBot ハブ2」は、スマートホームの統一規格「Matter」にいち早く対応したほか、赤外線の送信範囲が広いのもポイント。
初期はイマイチだったアプリも大幅に進化し、使いやすくなっています
- 幅
- 80mm
- 奥行
- 25mm
- 高さ
- 70mm
- 重量
- 63g
- 型番
- W3202100
どこまで遠隔で操作できるか検証!
実現したいのは、次のこと。
1:見せたい動画・録画を繰り返し再生はできる?
気になった番組を遠隔で外付けハードディスクに予約録画。スマートリモコンの自動化機能を使って、指定した時間に再生できるかをチェックしました。
2:忘れてほしくないことをテキストにして表示できる?
Googleフォトに保存した画像(メモ)をスライドショー表示してくれるテレビ用アプリが、スマートリモコンからでも操作できるか実験しました。
検証結果:スマホ1台で映像を見ながら操作するのは難しい
テストを開始して最初に気づいたのが、映像を見ながらの操作はスマホ1台では難しいということ。特にiPhoneは画面分割ができないので、カメラとスマートリモコンのアプリを行ったり来たりするのが大変です。
映像はタブレットに映し、テレビの操作はスマホ、と分けるのがよさそう。なお、テレビやカメラとの距離にもよりますが、番組表の背景が白めだと、枠や文字が見づらいことも判明。変更できるなら、黒っぽい色を選択しましょう。
手動での録画予約や録画の再生は、どの製品でも難なくできました。録画の自動再生も、スマートリモコンの自動化機能(オートメーションまたはシーン機能)を使えば設定可能。
ただし、自動操作が始まる時間に、テレビが点いているかどうかで、電源ボタンの設定の要・不要が変わる点には注意が必要です。
うちの母は最近、自分からテレビを点けることが少ないので最初に「電源を入れる」操作を組み込みましたが、もしテレビ視聴中だと、自動操作に失敗します。
メッセージの表示も同様の課題があるうえ、数分おきに繰り返し見せる自動操作が激ムズ。
介護作家・ブロガーの工藤さんいわく、「認知症が進むと音声に頼る割合が大きくなる」そうなので、自動操作は諦めて、スマートスピーカーの自動アナウンス機能(こちらは一定間隔で同じ文章を読み上げてくれる)などを使うほうがいいかもしれません。
各製品のリモコン画面とテスト結果
Nature「Nature Remo mini 2」のリモコン画面
ボタン学習がシンプルでわかりやすい半面、不足ボタンも多くあります。カスタムして追加登録できるのですが、リモコンとは別画面なのでやや操作が手間です。
テスト結果
手動操作も自動操作も問題なく動きましたが、自動化の手間が他製品よりかかる印象。自動化のアクション数が最大5つと少ないのもマイナス。
おすすめポイント
- 初期設定や機器登録が簡単
がっかりポイント
- リモコンのボタンが不足しがち
- 自動化した操作を事前に試しづらい
ラトックシステム「Smalia スマートリモコン」のリモコン画面
最新テレビへの対応は未確認ですが、我が家のリモコンは全てのボタンを一発登録できました。自動操作の各アクションに、個別に待機時間を設定できるのも◎。
テスト結果
今回登録したリモコンとの相性がよかっただけかもしれませんが、3製品中一番使いやすく感じました。カスタムできる項目が多いのも良かったです。
おすすめポイント
- リモコン登録時のボタン不足が少ない
- 自動化の待機時間を細かく設定可能
がっかりポイント
- 待機時間未設定だと失敗しやすい
SwitchBot 「SwitchBot ハブ2」のリモコン画面
他製品にはある自動化機能の待機時間(操作と操作の間隔)設定はできないのですが、自動操作の失敗はありませんでした。手動操作のレスポンスも良好。
テスト結果
他製品と遜色ない操作感で初期設定も簡単。リモコン学習の選択肢も豊富です。ただ、自動操作の待機時間設定ができないなど、機能は少なめ。
おすすめポイント
- 初期設定が簡単で操作性もいい
- 追加登録ボタンも一画面で表示可能
がっかりポイント
- 待機時間を設定ができないのが不安
以上、最新のスマートリモコンは実家のテレビをもっと介護に活用できるのかの比較検証でした。操作の完全自動化は難しいものの、離れた場所からテレビを操作できました。
今回試した3つのスマートリモコンは、使いやすさに多少の差はあれど、ちゃんと設定さえすれば、どれも同じようにテレビの遠隔操作が可能。シリーズのスマートホーム機器に、使いたいものがあるかどうかで選ぶのがおすすめです。
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