「EOS Rシリーズ」にエントリーモデルが2機種登場!
キヤノンのミラーレス「EOS R」シリーズにキヤノン「EOS R50」、キヤノン「EOS R8」という新製品が登場しました。キヤノン「EOS R50」はAPSーCセンサー機の、キヤノン「EOS R8」はフルサイズセンサー機の新しいエントリーモデルです。
今回は、キヤノン「EOS R50」を徹底的に実写テストしたので、その結果をレビューします!
キヤノン「EOS R50」
キヤノン
EOS R50
実勢価格:ボディ/¥104,130、RF-S18-45 IS STMレンズキット/¥126,500、ダブルズームキット/¥156,200
キヤノン「EOS R50」はミドルクラス機のキヤノン「EOS R10」と同じAPS-Cセンサーと映像エンジンDIGIC Xを搭載しており、撮影面の基本性能はキヤノン「EOS R10」と共通です。
キヤノン「EOS R10」から初心者向きに操作パーツを減らし、小型軽量化を図ったモデルとなっています。
それでは、キヤノン「EOS R50」の検証結果を見ていきましょう。
「EOS R50」は簡単に写真を撮りたい人におすすめ
▼テスト結果
- 総合得点 :95/100点
- 画質 :18/20点
- 機能性 :18/20点
- 使い勝手 :20/20点
- サイズ・重量:20/20点
- コスパ :19/20点
総合評価:4.7点 / 5.0点
▼「EOS R50」を買うべき人
- 何を買えばいいのかわからない
- スマホでは撮れない写真を撮ってみたいユーザー
- 小型カメラが欲しいベテラン
▼「EOS R50」を見送るべき人
- カメラを積極的に操作したい人
- RAW形式で連写したい人
画質
APS-C機としては可もなく不可もなく。特筆して画質が優れているとは感じられません。画質だけでいえばAPS-C機では富士フィルムのカメラが突出して印象良く感じます。
なお、画質評価はセンサーサイズごとに基準が異なります。あくまでもAPS-C機としての評価です。
機能性
撮影性能と機能は必要十分を超えていますが、肝心の新機能がイマイチであることと、性能に対してバッファが少し物足りないことがマイナスです。
使い勝手
エントリー機の完成形。軽量コンパクトでスマホとの接続性も含めて申し分のない使い勝手です。
サイズ・重量
APS-Cより小型のマイクロフォーサーズ機に迫るコンパクトさが高評価。ダブルズームキットを持ち歩いたとしても800g程度なのはお見事です。
コスパ
APS-Cのエントリー機としては少し高価なのでマイナスしていますが、撮影性能を知れば納得の価格です。
おすすめな点と惜しい点は?
ここからは、優秀でおすすめな点と惜しかった点を順に解説していきます。
おすすめ1:スマホを超える撮影体験を実感しやすい
※RF-S55-210mm F5-7.1/1/640秒/F7.1/ISO320で撮影
まず、非常に高いAF性能に感心しました。
エントリーモデルではありますが、上位機種と同じ感覚でAFしてくれるので安心感にあふれ、カメラ任せでも快適に撮影できました。この実力であれば、ビギナーは全域AFのままでも全く問題はないでしょう。
ライバル機を見てみると、シーンによってはスマホの方が手堅く撮影できることもありますが、本機は明らかにスマホ以上の撮影性能で応えてくれますので、カメラで写真を撮る理由となり得ます。
※RF100-400mm F5.6-8/1/640秒/F9.0/ISO640で撮影
動物園ではキヤノン「EOS R8」と同様に被写体認識AFが非常に賢く、特に檻などの障害物の影響が少ない条件では申し分ないAF性能で簡単キレイを実現できています。
逆光シーンでも全く問題なく動物にAFしてくれるので、ビギナーでも動物園での撮影を存分に楽しめます。
ダブルズームキットに含まれる「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」。ボディと合わせて約600g程度なので、望遠レンズを持ち歩いているという感覚が薄れる手軽さです。望遠スナップも楽しく撮れます。
※F-S 18-45mm F4.5-6.3/1/80秒/F6.3/ISO500で撮影
キットレンズの「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」でも望遠側で被写体に寄れば、このように背景をぼかした一眼カメラらしい写真を楽しめます。
おすすめ2:鉄道模型の撮影も余裕でできる
※RF-S55-210mm F5-7.1/1/500秒/F7.1/ISO12800で撮影
本来はエントリーモデルで撮影できるシーンとはいえない難易度なのですが、キヤノン「EOS R50」では苦もなく撮影することが出来ました。やはり上位モデル譲りのAF性能は伊達ではありません。
しかも、EVFの表示のラグが少ないので、フレーミングが容易です。
この撮影性能はエントリーモデルの概念を刷新するだけのインパクトがあり、このシーンだけで言えば雑誌『家電批評』2023年4月号で掲載したパナソニック「LUMIX S5II」を明らかに超えています。
被写体検出非対応の飛行機も夜間以外は十分撮影できる
キヤノン「EOS R50」の被写体検出「乗り物優先」では航空機に対応していませんが、実写ではどうなのでしょうか。
※RF100-400mm F5.6-8/1/40秒/F9.0/ISO1600で撮影
結果的には夕方までの時間帯であればしっかりと飛行機にAF枠が安定して表示、追従してくれたので、ビギナーでも安心して飛行機の撮影が可能です。
「EOS 50」で撮影
「EOS 50」では飛行機を認識できないので、ロゴや翼など特徴的な部分にピントを合わせようとします。
「EOS R8」で撮影
キヤノン「EOS R8」と比較しました。「EOS R8」は飛行機の形状を認識できるので、コックピットに最優先でピントを合わせようとします。
おすすめ3:動きながらのポートレートも快適に撮影できた
ポートレートシーンではキヤノン「EOS R8」と使用感を比べながら撮影してみました。
基本的にはキヤノン「EOS R8」と同等で、モデルさんの動作が大きくても全く問題なく、ドキュメンタリー風に追っかけ撮影しても素晴らしい追従性能でエントリー機の表現力を超えた写真が簡単に撮ることができました。
ただし、表示上はAF枠が被写体をしっかり追従できていても微妙にピンぼけであるコマが10枚に1枚程度の頻度でありました。AF性能は上位モデルと同等でもAF精度はわずかに差がありそうです。
モデルが試したセルフィーの実感
「EOS 50」
「EOS R8」
R50はレンズとグリップが近いため、セルフィー時にR8より自分を真ん中に入れづらかったです。(モデル:大川柚さん)
暗所や背景次第ではR8よりピントを外しやすい傾向も
日没後の航空機撮影や背景にキラキラと輝きがある状態でのポートレート撮影ではキヤノン「EOS R50」のほうがAFがピンぼけになりやすいです。特に航空機撮影で顕著でした。夜間の動体撮影やライブ撮影などはキヤノン「EOS R8」が有利です。
おすすめ4:スマホ連携が優秀
キヤノン
CameraConnect
実勢価格:無料
OS:Android・iOS
キヤノン「R50」と「R8」は、専用アプリによるスマホとの接続性の良さも特筆すべきポイント。すべてのメーカー含めてスマホ連携はキヤノンがベストです。
ここは惜しい1:キヤノン「R8」と同様に「檻問題」あり
檻などの障害物に惑わされてしまいやすいところもキヤノン「EOS R8」と同様です。ボタン一発で無限遠から再度AFしてくれるようなパニック回避機能があれば、もっとよかったのではと思います。
ここは惜しい2:バッファが少ない
RAW+JPEG記録ではバッファが物足りないことも気になりました。ISO1600以上では7コマしか連写が持続できません。とはいえ、JPEG記録かつメカシャッターでは180コマ以上連続撮影しても息継ぎしないので、エントリー機としては合格です。
ここは惜しい3:新機能の「アドバンスA+」モードの完成度が低い
キヤノン「EOS R50」に初めて搭載された新機能の「アドバンスA+」。逆光や夜景など、暗いシーンや明暗差のあるシーンなどで、より見栄えのする表現が可能というアピールでした。
「アドバンスA+」で撮影
フルオートで撮影
実際に使ってみました。設定の保持ができず、モードダイヤル操作で通常のインテリジェントオートに戻ってしまうことと、撮影後に画像処理のために必ずBUSYで数秒待たされたのはいただけません。
仕上がりについても、逆光シーンではスマホのような再現となり、写真経験者としては違和感がある再現に感じられました。
キヤノン「EOS R50」の検証まとめ
キヤノン
EOS R50
実勢価格:ボディ/¥104,110、RF-S18-45 IS STMレンズキット/¥126,500、ダブルズームキット/¥156,200
以上、キヤノン「EOS R50」の検証レビューでした。
実写ではキヤノン「EOS R8」と同じくスナップ撮影と動物園、鉄道模型、ポートレート、夜間の航空機の離着陸を流し撮りしてみました。
強力なAF性能とコンパクトサイズが魅力のキヤノン「EOS R50」。何げなくレンズを向ければパッとピントが合うこの安楽さは、ビギナーにとって好ましい性能であり、経験者にとっては驚愕の性能だと思います。
同時に登場したレンズ、「RFーS55ー 210mm F5ー7.1 IS STM」との組み合わせても600g程度なので、望遠レンズを持ち歩いている感覚が薄いのもメリット。
さらに、コンパクトであっても操作性やホールド性が犠牲にされているとは感じられない見事なデザインなど、観察すればするほど感心させられました。
かねてより、家電批評編集部員は「ビギナーに手放しでおすすめできるカメラはEOS Kissシリーズのみ」という持論を展開していました。
これは経験によるもので、他の機種と比べて圧倒的に失敗が少ないことが理由でしたが、キヤノン「EOS R50」は「EOS Kiss」シリーズからその役目を引き継いでいるだけでなく、大きく進化しています。
ということで、ビキナーにおすすめできる逸品ということがわかりました。カメラ初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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エントリー機として大きな不満がなく、高次元で「簡単キレイ」を実現しています。