手作業で窓拭きが大変ならコードレスワイパーがおすすめ
家に窓がたくさんある、しかも大きい…なんて方はいませんか? 立派なお家でも窓掃除に時間がかかって面倒だと、うんざりしますよね。
窓用クリーナーを窓にスプレーして、乾いた雑巾、またはスクイージーで拭き上げるなど、窓掃除のアナログな王道パターンでやるとなると、かなりの重労働…。
そんなときにおすすめなのが、窓用のコードレスワイパーです。
家電量販店や通販サイトでよく見かけるのは、ホコリや水分を吸い取る掃除機タイプや、モップやブラシが回転するタイプですが、新発売のケルヒャー「家庭用コードレスワイパー KV 4 PREMIUM」は、従来機とは異なるアプローチで掃除を手助けしてくれるのだとか。
10月発売のケルヒャーのコードレスワイパー「KV 4 PREMIUM」の実力は?
ケルヒャー
家庭用コードレスワイパー KV 4 PREMIUM
実勢価格:14080円
サイズ:幅260×奥行94×高さ100cm
重量:500g
タンク容量:180ml
充電時間:160分
連続使用時間:35分
高圧洗浄機などの清掃道具の有名メーカーであるケルヒャーから2022年10月18日に発売された、家庭用コードレスワイパー「KV 4 PREMIUM」。
本機は、本体から洗浄液を噴射し、ワイパークロスを振動させて窓の汚れを落とすという仕組みなのですが、さらにメーカーによれば「家中のあらゆる平面に使える」らしく、家の窓掃除だけでなく、キッチンの調理台やその壁、また車の窓にも最適、とのこと。
たしかに家の窓だけでなく、あらゆる平面を綺麗にできれば、実勢価格14080円はお得のようにも思えます。
果たして、メーカーが謳う「家中のあらゆる平面に使える」は本当なのか? そもそもの大前提である「窓拭き家電としての実力」はホンモノなのか?
お掃除のプロである東京の便利屋さん「エイトピース」代表・塩月孝仁さんと、あらゆる掃除家電をテストしてきた『家電批評』で多角的にテストを敢行しました。
テスト1:窓拭き開始までの手順は簡単なの?
結果:手間はかかるが、苦になるほどではなかった
この手の掃除家電は、清掃開始までの準備がやや手間な製品が多い傾向があります。
ロボット掃除機で言うとアプリ連携しかり、掃除開始前に散らかった床をある程度片付ける必要があるなど、手順の段階で「だるい…」となってしまうことも。
KV 4 PREMIUMも「箱から出してすぐに使用開始!」とはさすがにいきません。
以下の手順が必要となります。
手順1:専用洗浄液と水道水をタンク内に入れる
付属の窓用バキュームクリーナー専用洗浄剤をタンクの中に入れ、水道水を加えます。
付属の窓用バキュームクリーナー専用洗浄剤は、20ml×4個入り。追加購入の場合、実勢価格935円です。
市販のガラスクリーナー液はメーカーにより推奨されていません。
手順2:ワイパークロスを本体に貼り付ける
付属のワイパークロスを本体に貼り付けます。
装着はクロスの上から本体をのせるだけと簡単。
ちなみにワイパークロスは2枚付属しており、追加購入する場合、実勢価格は1848円(2枚入り)です。
手順3:右側のスイッチを押して洗浄液をワイパークロスに浸透させる
右側のスイッチを押すと、本体から洗浄液が噴出されワイパークロスに浸透。1回押すだけで、約15秒間自動で噴出されます。
裏側を見ると、ワイパークロス内の2カ所に黄色い洗浄液が染み出していることがわかります。
海外製の洗剤っぽい香りがします。
手順4:左側のスイッチを押して本体を振動させ掃除する
左側のスイッチを押すと、本体が振動を始めます。
あとは掃除したい場所に当てながら動かしていくだけなのでラクです。
ワイパークロスは長方形でやや固めなので、隅にも届いてしっかり掃除することができます。
仕上げに乾いた雑巾、スクイージー、窓用バキュームクリーナーなどで洗浄液を拭き取ります。
このように手順を追うと、やや面倒に感じる人も多いかもしれません。
しかし、次にお伝えするテスト2の結果を見ていただければ、必要な手間であることは明らか。
手動で窓をピカピカにする労力や必要な時間を鑑みれば、この程度の手間は許容範囲です。
テスト2:窓掃除はしやすいの?
結果:雑巾でゴシゴシするより汚れが落ちやすかった
本体自体が振動するため、使用する際はスーッと動かすだけなのでラクです。
雑巾を使うときのように、腕を細かく動かしてゴシゴシする必要はなく、手が汚れることもありません。
また洗浄液と振動の力により、雑巾を使うよりも汚れが落ちやすいと感じました。
ただ洗浄液の粘度や濃さが強めなのか、雑巾で拭いて仕上げても、よく見ると吹き筋が残っていることがあるのは少し気になります。
やや強めの力で拭き上げる必要はあるでしょう。
なお、砂粒が付きやすい窓の外側は、いきなり掃除すると傷がつく可能性があるので、あらかじめ水で砂粒などを流しておきましょう。
テスト3:窓以外の掃除はしやすいの?
結果:キッチン、浴室、車の窓の掃除もしやすかった
メーカーが謳うウリの「家中のあらゆる平面に使える」は本当なのかチェックしました。
キッチンの場合は…?
キッチンの壁を拭いてみると、軽い油汚れならすんなり落とすことができました。
窓掃除に限定するよりも、室内全般の平面箇所に使った方が実力を発揮できるかもしれません。
キッチンの収納扉など、平らな面ならスーッと動かせるのでラクに掃除ができます。
浴室の場合は…?
浴室の鏡についた軽い水アカも落とせました。
浴室の壁など、広い面の掃除も手早くできました。
車の場合は…?
また、車の窓にも使用できました! コードレスで軽いため、外に持ち運べるのは便利です。
テスト4:疑似花粉や皮脂汚れは落としやすいの?
結果1:疑似花粉は簡単に落とせた
窓の外汚れの落ちやすさをテストするため、ガラスに擬似花粉をつけて、コードレスワイパーを3往復させてみました。
以下写真のように、テスト前は紫色の擬似花粉がたくさんついていますが……。
コードレスワイパーを1往復させるだけでも、かなりの疑似花粉が取れました。
3往復させると、完全に落とせました。
結果2:皮脂汚れはなかなか手強かった
今度は、窓の内汚れの落ちやすさをテストするため、ガラスに人工皮脂をつけて、コードレスワイパーを3往復させてみました。
以下の写真のように、テスト前は手の形に皮脂汚れがついています。
皮脂汚れは1往復では落ちきらず、3往復で落とせました。
ただ、少し拭き筋が残りました。乾いた雑巾で拭き上げ、しっかり仕上げることをおすすめします。
疑似花粉は取りやすいですが、皮脂汚れはなかなか手ごわいという印象でした。
テスト5:動作音はうるさいの?
結果:動作音は気にならなかった
50cm離れた場所から騒音計で計測したところ、数値は62.8dBでした。
うるさいとは感じず、音を気にせず使うことができます。
まとめ:特にキッチンや浴室の掃除に向いている製品!
以上が、2022年10月に発売したケルヒャー「家庭用コードレスワイパー KV 4 PREMIUM」の検証結果です。
掃除のプロと検証した結果、「窓もいいけれど、それ以上にキッチンや浴室の掃除に向いている」という評価になりました。
ケルヒャー
家庭用コードレスワイパー KV 4 PREMIUM
実勢価格:14080円
サイズ:幅260×奥行94×高さ100cm
重量:500g
タンク容量:180ml
充電時間:160分
連続使用時間:35分
▼結果
総合評価 | 総合点 | 窓の内側の 洗浄力 |
窓の外側の 洗浄力 |
持ちやすさ | 隅までの 届きやすさ |
動かしやすさ | 静音性 |
A+ | 92/100点 | 12/15点 | 15/15点 | 18/20点 | 19/20点 | 18/20点 | 10/10点 |
最後に、ケルヒャー「家庭用コードレスワイパー KV 4 PREMIUM」のよかった点と残念だった点をまとめました。
▼よかった点
- 洗浄液と振動のパワーで汚れが落ちやすい
- 手が汚れることがない
- キッチンの油汚れや浴室の水垢も落とせる
▼残念だった点
- 窓は吹き筋が残り目立ちやすいので雑巾でしっかり拭き上げる必要がある
- 平らな面しか使えない
スチームクリーナーよりこちらのほうが素早く作動させることができ、軽いので手軽に使えますね。
夏だと洗浄液の乾きが速いので、特に吹き筋が残りやすいです。狭い範囲で「コードレスワイパー作動&雑巾の仕上げ」を行い、それを繰り返していくことが必要です。