エアコン掃除、自分でできる範囲はどこ?
エアコンの内部は結露によって湿気がこもりやすく、放っておくと気づかぬうちに汚れがたまったりカビが生えたりして、効きが悪くなり、電気代がかさむ原因にもなります。また健康への影響も心配です……。
しかし、いざエアコン掃除をしようと思っても、「面倒そう」「どこまで掃除していいの?」という人も多いのではないでしょうか。
自分で掃除できる場所はフィルターと外側の掃除!
自分で掃除できるのはエアコンフィルターと、カバーやルーパーの外側部分。
内部の熱交換器や送風ファンは構造が複雑でデリケートなので、内部をむやみに自分で触ると故障のリスクがあります。
カバーやルーバーもセルフなら拭き掃除程にして、外して徹底的に掃除したい人はプロに頼りましょう。
自分で掃除できるエアコンの部位と、プロに任せる部位は次のとおりです。
エアコン掃除の各部位
自分で掃除してもOKな部位
- 本体カバー:ホコリや汚れを防ぐ、外側のプラスチック製のカバー
- フィルター:目が細かいメッシュで空気中のホコリをキャッチ
- ルーパー:風の向きを調整するための、上下左右に動く羽根
プロに任せる部位
- 熱交換器(フィン):冷気を作る心臓部。薄い金属板が並ぶデリケートな部分
- 送風ファン:回転しながら空気を室内へ送り込む、円筒形の部品
プロの技術で内部までカビやホコリをしっかり洗浄していきます!
セルフ掃除&プロによるダブルケアがおすすめ
エアコンのキレイをキープするなら、2週間に一度程度のセルフ掃除と、年に1回程度のプロによる分解洗浄のダブルケアがオススメ。
セルフでフィルターの掃除をしていても、プロの手によって内側から黒い汚れが出てきました。高圧洗浄機を使い、カビや汚れをしっかり除去してくれます。
そこで今回は、雑誌「LDK」が自分でできるエアコン掃除の手順とプロの掃除の方法を紹介します。
お掃除機能付きエアコンと普通のエアコンの違い
エアコンには自動掃除機能付きのモデルがありますが、一般的なエアコンとの違いはどこにあるのでしょうか。ここでは、一般的なエアコンと自動掃除機能付きエアコンの特徴の違いを説明します。
一般的なエアコン
- フィルター掃除を自分でする必要がある
- 構造がシンプルで、分解しやすい
一般的なエアコンは自動掃除機能がついていないため、フィルター掃除をセルフでまめに行う必要があります。
シンプルな構造なので分解しやすく、プロに頼むときの料金は比較的リーズナブルで済むことが多いです。
自動掃除機能付き
- フィルターの掃除を自動でやってくれる
- 構造が複雑で高額なものが多い
自動掃除機能付きのエアコンは、基本的にフィルター掃除の手間が省けますが、掃除してくれるのはあくまでフィルターのみの製品が多いです。
電子部品が多く構造がより複雑なので、掃除料金は高めですが年1はプロの掃除に頼りましょう!
自分でできるエアコン掃除1:フィルター掃除の手順
セルフの掃除をこまめに行うことで内部汚れの予防にもなり、ホコリをためにくくなります。ここではフィルターの掃除方法を紹介します。
STEP1:表面のホコリをモップで拭き取る
表面のホコリをモップまたは拭き掃除で掃除。上部は持ち手の長いモップが便利です!
STEP2:フィルターを外してホコリを吸い取る
前カバーを開いてフィルターを外します。
フィルターを傷つけないように注意しながら掃除機でホコリを吸います。
STEP3:目詰まりしているホコリを洗い流す
フィルターの汚れがひどいときは水洗い、または中性洗剤などで洗います。ブラシなどで強くこすらないように注意してください。洗浄後はよく乾燥させましょう。
中性洗剤は、泡になるスプレータイプのものを使うと洗剤がしっかりつきます。
Before
After
目のすき間にびっしり付着していたホコリが取れて、目詰まりがなくなりました。
フィルターシートでホコリを減らして掃除頻度を減らすのもアリ!
- 東洋アルミエコープロダクツウイルス対策 ホコリとりフィルター エアコン・空気清浄機用
- 実勢価格: ¥498〜
- 型番
- なし
自分でできるエアコン掃除2:室外機掃除の手順
室外機の掃除は基本的に周囲や外側を自分で掃除すればOK。ただし、ゴミが詰まっていたりするときは、プロに頼むのもアリです。
続いては、自分でできる室外機の掃除方法を紹介します。
STEP1:掃除機で表面のホコリを吸い取る
排気口や裏側などに葉っぱやホコリがたまっていたら、ほうきやブラシで取り除く。天板や前面のすき間に積もったホコリは掃除機で吸う
STEP2:濡らした雑巾で全体を拭き掃除
細かいホコリは水に濡らし固く絞った雑巾で拭き取る。外側は防水の構造になっているので、もし汚れがひどいときは、表面を水洗いしてもOK。
Before
After
粉じんやホコリが積もって汚れていた室外機が、新品のようにキレイになりました。
室外機本体だけでなく、周りもキレイに片付けておきましょう。
プロのエアコン掃除とは?
長年放置していたエアコンの汚れは、思い切ってプロに掃除を頼むのが吉。機種や汚れの度合いによって、頼むべき内容が変わるので、事前にチェックするとよいでしょう。
今回は、リアルモニター宅のエアコンを、実際にプロに掃除してもらいました!
真っ黒な汚水が大量に!プロの掃除でエアコンが蘇った
購入から9年間ほぼ掃除をしなかった、自動掃除機能付きのエアコンは、なんだかイヤなニオイが。そこでプロにお願いし、カバーを外してもらうと、内側はカビとホコリだらけでびっくり。
プロの手によって高圧洗浄で掃除してもらうと、長年の汚れが洗い流されピカピカに。プロのスゴさを実感です!
9年前に購入して以来、お掃除は、フィルターだけしかしていません!(モニターMさん)
Before
フィン
内側は全体が薄汚れていて、フィンの間に黒い汚れが溜まっています。
カバー上
見えない上部がホコリだらけです。
ルーバー
吹き出し口に黒カビを発見しました!
内部
内側にも大量のカビとホコリが付着しています。
After
フィン
フィンの奥までピカピカになり、新品のような輝きが復活しました!
カバー上
カバー上も、新品みたいに真っ白です。
ルーバー
ルーバーの黒カビが消えて、スッキリしました。
内部
送風ファンがとてもキレイです!
ホコリやカビが落ちた実感があるから安心して使えます! 頼んでよかった!(モニターMさん)
プロにお願いする前に知っておきたいポイント
10年ものや不具合があるものは対応不可な場合も!
故障時の部品がない10年以上前のものや、エアコンの機能に不具合がある場合などは、業者掃除の対応が不可になる場合があります。
エアコンの側面や下の品番をチェックし、事前によくエアコンの状態を確認しましょう。
ペットがいる家や幹線道路に沿いにある家は特に汚れやすい
交通量の多い幹線道路沿いにある家や、犬や猫などを飼っている家はエアコンにホコリがたまりやすく掃除頻度を増やす必要があります。またキッチン近くのエアコンなども汚れやすい傾向に。
作業のときはエアコン周りと水回りを片付けて!
作業時はエアコンの下に脚立や掃除道具を置けるスペースが必要。ベランダや水回りも使うので片づけておきましょう!
気になるプロのエアコン掃除の料金は?
今回依頼したのは、アクティア(イオングループ)の「カジタク」。エアコン掃除をはじめハウスクリーニングや家事代行サービスを幅広く提供している専門家です。
「カジタク」の、エアコン・クリーニング料金の目安を紹介するので参考にしてみてください。ちなみに、今回はスタンダードプランのお掃除機能付きをお願いしました。
ライトプランの金額目安:10,780円
- 通常タイプ・お掃除機能付き……10,780円
作業内容
- 簡易点検
- エアコン養生
- パーツ洗浄
- 防カビ仕上げ
- 室外機清掃
- 動作確認
作業時間は30~50分。エアコンの外側とフィルターと、室外機の外装をお掃除。日常のお手入れのようなお手軽プラン。内部洗浄はなし。
スタンダードプランの金額目安:14,300円〜
- 通常タイプ……14,300円
- お掃除機能付き……25,080円
作業内容
- 簡易点検
- エアコン養生
- パーツ洗浄
- 分解作業
- エアコン内部洗浄
- 防カビ仕上げ
- 動作確認
作業時間は60~150分。エアコンの外側に加え、パーツを外して内側を高圧洗浄機で洗浄する標準的なプラン。室外機の洗浄はなし。
プレミアムプランの金額目安:25,300円〜
- 通常タイプ……25,300円
- お掃除機能付き……36,080円
作業内容
- 簡易点検
- エアコン養生
- パーツ洗浄
- 分解作業
- エアコン内部洗浄
- ドレンホース内部洗浄
- 防カビ仕上げ
- 室外機清掃
- 動作確認
- オールチタンコーティング
- リモコン洗浄
- ウルトラファインバブル使用
作業時間は80~180分。室外機とエアコンの外側に加え、エアコンのパーツを外して「ウルトラファインバブル」で徹底洗浄。
当日、汚れを見てからプラン内容を変更することも可能です!
※詳しいプランや掃除内容、条件などは、カジタク公式ホームページをチェックしてください
プロによるエアコン分解洗浄とは?
ここからは、プロによるエアコンの掃除方法を紹介します。
その1:各パーツを外していく!
STEP1:各モードを試して動作確認をする
電源のオンオフや各モードの動作に不具合はないか、作業をはじめる前に必ずチェックします。
確認作業は、掃除をする前と後に、必ずお客様と一緒に行います!
STEP2:コンセントを抜きフィルターを外す
コンセントを抜いて作業をスタート。
本体カバーを開いて、フィルターをていねいに取り外します。
STEP3:パーツを外して細かい配線も抜く
カバーやルーバー、自動掃除パーツなど、外せる部品を、ていねいに手ぎわよく分解します。
想像以上にパーツが多かったです。
その2:いざ汚れを落としていく!
STEP4:目立つホコリを掃除機で吸い取る
外したパーツや電子機器がついていて洗えないパーツのホコリを掃除機ですみずみまで吸い込みます!
STEP5:フィルターの細かいホコリを洗い流す
浴室でフィルターに泡洗剤を吹きかけて汚れを浮き出させシャワーで洗い流して乾かします。
洗剤は中性、または汚れがひどいとアルカリ性洗剤を使うこともあるそうです。
Before
自動掃除機能で定期的にフィルター掃除がされていたのにうっすらホコリが付着。
After
丸洗いすると細かいホコリが取れてピカピカになりました!
STEP6:パーツの汚れやホコリを洗い流す
カバーなどの大きいパーツも浴室で、洗剤で丸洗い。細部の汚れはハケでやさしくこすり、洗い流します。
STEP7:フィンに掃除機をやさしくかける
すき間にはさまっている大きなホコリを掃除機で。フィンは繊細なので、やさしく吸い取ります。
フィンはデリケートなのでフィンの掃除はプロでも細心の注意をしています。
その3:頑固な汚れも、徹底洗浄!
STEP8:エアコン周りをビニールで養生する
エアコン本体や周りの壁をビニールで囲って汚れをしっかりガード。排水はポリタンクへ。これで水洗いの準備完了です。
STEP9:フィンに洗剤をかけ汚れを浮かす
フィンや送風ファンなど本体のパーツに洗剤をまんべんなく吹きかけます。細部にもハケでしっかり塗ります。
STEP10:高圧洗浄機で汚れと洗剤を洗い流す
汚れが浮き上がってきたらフィンのすき間を狙って、高圧洗浄機で一気に水洗いします。
Before
After
見違えるほどキレイになりました。
STEP11:内側の送風ファンも高圧洗浄で洗い流す
送風ファンの汚れもしっかり水洗いします。真っ黒な水が大量に出てきて衝撃!
STEP12:しっかり拭き上げて防カビ剤で仕上げる
パーツを戻し、残った水分も残さず拭き取ります。
最後に防カビ剤を噴霧して、お掃除完了です!
家庭用エアコン掃除のまとめ
以上、自分でできるエアコン掃除の手順とプロの掃除の方法のご紹介でした。
年1回プロ&2週間に1回セルフ掃除がベスト
自分でできるフィルターや外側の掃除をこまめに行い、汚れをためずに、清潔な風をキープ。手が届かない内部の汚れはプロに頼って、奥に潜んだカビやホコリを徹底的に排除しましょう。
汚れの度合いにもよりますが、セルフ掃除は2週間に1回程度、プロの徹底掃除は年に1回度程度頼むのが理想的です。
ぜひ、本記事を参考に、今すぐエアコン掃除を見直して快適な夏を過ごしましょう!
エアコンの売れ筋ランキングもチェック!
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まずは部屋を掃除してホコリを減らすことで、掃除頻度も減らせます。