『家電批評』で過去に高評価を獲得した格安PCスピーカーの最上位モデルが発売!
ノートPCやデスクトップPCで動画・音楽を視聴していると、内蔵スピーカーの位置が偏っていて聴き取りづらかったり、迫力や臨場感に欠けると感じた経験はありませんか?
そんなお悩みを解決すべく、『家電批評』では、過去にPCスピーカー8製品の検証を実施…。
そこで「5000円以下の格安PCスピーカー」部門でベストバイとなったのが、こちらのクリエイティブ「Creative Pebble V2」です。
今回は、そんなクリエイティブの「Pebble」シリーズに最上位モデルの「Creative Pebble Pro」が2022年11月に発売されたということで、オーディオのプロと『家電批評』編集部で徹底検証してみました。
11月発売のコンパクトアクティブスピーカー「Creative Pebble Pro」の実力は?
クリエイティブ
Creative Pebble Pro
SP-PBLPRO-GR
実勢価格:8900円
サイズ(各サテライト):約W123×D123×H118mm
重量:左側/約365g、右側/約415g
入力:3.5mmステレオライン、4極ヘッドセット、マイク入力
付属品:USBケーブル×2(USB C-C、USB A-C)、AUXケーブル
シリーズ最上位モデルでありながら、1万円を切ってきた本製品。
前モデルの「Creative Pebble V3」まではUSBポートから給電とオーディオ出力を同時に行ってきましたが、新発売の「Creative Pebble Pro」の注目すべき特徴は、なんといっても給電専用のUSB PDポートを搭載している点です。
デバイスから給電を行うバスパワー接続の場合、「Creative Pebble Pro」は最大10W RMS※(ピーク出力※20W)のオーディオ出力が可能ですが、さらに外部USB PD電源につなぐことで、最大30W RMS(ピーク出力60W)のパワフル再生ができるといいます。
※RMS:連続して入力できるワット数のこと
※ピーク出力:最大音量を鳴らした時、瞬間的に許容されるワット数
今回はオーディオライター・ゴン川野氏のご協力のもと、オプションのACアダプター「Creative 30W PD Adapter」を使用して検証を実施。
クリエイティブ
Creative 30W PD Adapter
SP-PDA30
実勢価格:2398円
サイズ:約W58×D46×H28mm
重量:約85g
USBコネクター タイプ:USB-C、USB-A
付属品:変換ACプラグ(UK電源プラグ、EU電源プラグ)、クイックスタートガイド ※ケーブルは付属されていません。
最大15V/2AまでのUSB PD 3.0/QC 3.0に対応
デジタル/アナログ、有線/無線接続などの3パターンに分けて聴き比べを行いました。さらに、バスパワーでも試聴したので、計4パターンの音の違いにもご注目ください!
音楽と動画を試聴し、低音域・中音域・高音域・音の広がり・解像度・動画視聴・小音量の合計7項目をそれぞれ20点満点で音質を比較・評価しました。
テスト1:ACアダプターを使用・有線接続(USB C)で試聴
結果:左右の音の広がりが実感でき、動画視聴の迫力大!
計4パターン試聴した中で、もっとも音の総合評価が高かったのは、オプションのACアダプター「Creative 30W PD Adapter」からUSBケーブルで電源を引っ張り、USB Cケーブルでデバイスに有線接続したパターンでした!
音楽を聴いた時は、低音はややこもる部分があるものの量感があり、左右の広がり感がよく出ていました。
特に感動したのは動画視聴で、迫力がありつつも細かな音までクリアに聴こえ、セリフの歯切れも良かったです!
▼テスト結果
総合点 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 音の 広がり |
解像度 | 動画視聴 | 小音量 |
92/140点 | 15/20点 | 12/20点 | 11/20点 | 15/20点 | 12/20点 | 16/20点 | 11/20点 |
低音がよく響き、中音へのつながりが自然で、奥行きもしっかり感じられます。音の解像度については、中低音域は滑らかでやや甘い印象ですが、高音域の粒立ちは良いですね。動画視聴に関しては、迫力のある音でかなり良いと思います!
アクション映画の街がぶっ壊されるシーンでは、「バリバリバリ……」と建物の崩壊する音がめちゃくちゃ鮮明に聴こえて、まるで自分もその場にいるかのような迫力・臨場感が感じられました!
テスト2:ACアダプターを使用・無線接続(Bluetooth)で試聴
結果:動画の音ズレは気になるが、有線接続よりも音のキレが良く、小音量でも聴きやすい
ACアダプターを使用し無線接続したパターンでは、有線接続時に感じた低音域の量感はそのままに、音の歯切れが全体的に向上し、音の解像度も有線接続に迫るレベルでした。
また、小音量で聴いた時には、4パターン中でもっともボーカルの声がよく聴こえました。
一方で動画視聴の評価は、音が遅延し俳優の口の動きとセリフのズレが気になったため、イマイチという結果に。音数もやや減るものの、迫力は感じられました。
▼テスト結果
総合点 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 音の 広がり |
解像度 | 動画視聴 | 小音量 |
89/140点 | 15/20点 | 12/20点 | 12/20点 | 14/20点 | 12/20点 | 10/20点 | 14/20点 |
音楽のみに関していえば、有線接続よりも無線接続のほうが音の輪郭がクッキリして聴き取りやすく、小音量での視聴にも向いています。ただし、動画視聴やゲームに使用する際は音がズレるので、有線接続にしたほうが良いでしょう。
テスト3:ACアダプターを使用・有線接続(AUXケーブル)で試聴
結果:音が丸くなり、ややこもるが、動画のセリフや小音量での聴こえ方はデジタルと同等
続いて、ACアダプターを使用し、AUXケーブルで有線接続するパターンを検証。
AUXケーブルとは、両端が有線イヤホンのプラグのような形状になっており、スピーカーに接続することでデバイスから出る音を直接出力できます。これがいわゆるアナログ接続です。
アナログ接続では、有線/無線のデジタル接続時と比べて、音の輪郭が丸くなり、音の広がり方も少し狭い印象と、音の解像度ではデジタル接続にやや劣るものの、動画視聴時はセリフがクッキリと聴こえました。
▼テスト結果
総合点 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 音の 広がり |
解像度 | 動画視聴 | 小音量 |
86/140点 | 14/20点 | 10/20点 | 10/20点 | 14/20点 | 11/20点 | 16/20点 | 11/20点 |
ゴン川野さんの音楽プレイヤーにもつないでみたところ、音楽プレイヤーの出力に耐えられなかったためか、音割れに近いザラザラした音が出ました。
アナログ接続の音もなかなか良いですね。
こもった感じの音の出方はジャズとの相性が良さそう。個人的には、音楽プレイヤーにアナログ接続した際のノイズがかった音も好みでした。
テスト4:バスパワー・有線接続(USB C)で試聴
結果:音量は出るが、低音域の迫力と高音域の歯切れはあと一歩です
デバイスから給電を行うバスパワー接続の場合、中音域はUSB電源を使用した時とほぼ同じ聴こえ方ですが、低音のパワフルさと高音の歯切れ・抜けの良さは及ばず…。
動画視聴時の音の聴こえ方も同様でしたが、音のズレはありませんでした。
▼テスト結果
総合点 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 音の 広がり |
解像度 | 動画視聴 | 小音量 |
84/140点 | 13/20点 | 12/20点 | 9/20点 | 14/20点 | 11/20点 | 14/20点 | 11/20点 |
音量的には問題ありませんが、音の歯切れや解像度は全体的に下がっている印象です。
音のレスポンスは「バスパワー」よりも「ACアダプターを使用」が上でした!
4パターンの視聴方法を試した結果は、以下の通り。
- ACアダプターを使用・有線接続(USB C):92/140点
- ACアダプターを使用・無線接続(Bluetooth):89/140点
- ACアダプターを使用・有線接続(AUXケーブル):86/140点
- バスパワー・有線接続(USB C):84/140点
得点差はそこまで大きくないものの、ACアダプターを使用するパターンのほうが、音の歯切れが良く、解像度も高く、動画視聴時の迫力が向上。
給電専用ポート搭載、およびオプション品の「Creative 30W PD Adapter」の恩恵を実感する結果となりました。
やはり、デバイスから給電するバスパワーではなく、独立した電源があったほうがスピーカーの振動板を余裕をもって駆動できるので、レスポンスが良くなりますね。
さすが最上位モデル! 低音の迫力と音の広がりは下位モデルから底上げ!
下位モデルの「Creative Pebble V2」をテストした時の得点は63.5点。
▼過去に検証した「Creative Pebble V2」のテスト結果
総合点 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 音の 広がり |
解像度 | 動画視聴 | 小音量 |
63.5/140点 | 9.5/20点 | 9/20点 | 10/20点 | 9/20点 | 9.5/20点 | 9/20点 | 7.5/20点 |
価格差があるとはいえ、今回の「Creative Pebble Pro」は、バスパワー接続時でも84点と、下位モデルより大幅に評価がアップしました。
前回は複数人での検証、今回は1名による検証のため完全な同条件ではありませんが、低音の押し出しや音の広がりは確実にアップしたと言えるでしょう。
テスト結果とアピールポイントを総まとめ!
クリエイティブ
Creative Pebble Pro
SP-PBLPRO-GR
実勢価格:8900円
サイズ(各サテライト):約W123×D123×H118mm
重量:左側/約365g、右側/約415g
入力:3.5mmステレオライン、4極ヘッドセット、マイク入力
付属品:USBケーブル×2(USB C-C、USB A-C)、AUXケーブル
▼ACアダプターを使用・有線接続(USB C)時のテスト結果
総合評価 | 総合点 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 音の 広がり |
解像度 | 動画視聴 | 小音量 |
A | 92/140点 | 15/20点 | 12/20点 | 11/20点 | 15/20点 | 12/20点 | 16/20点 | 11/20点 |
視聴シーン別に、クリエイティブ「Creative Pebble Pro」のおすすめの接続方法と、音質以外の良かった点・残念だった点をまとめてみました!
●動画視聴なら「ACアダプターを使用・有線接続(USB C)」または「ACアダプターを使用・有線接続(AUXケーブル)」
低音の量感と音の広がりをしっかり感じ、大迫力のサウンドを楽しめます。
よりクッキリとした音が好みなら「USB C接続」、粒立った音よりも耳当たりが滑らかな音が好みなら「AUXケーブル接続」がおすすめです。
●音楽リスニングなら「ACアダプターを使用・有線接続(USB C)」や「ACアダプターを使用・無線接続(Bluetooth)」
普通の音量または大音量で音楽を聴く場合は、「ACアダプターを使用・有線接続(USB C)」が音の情報量が多く、滑らかな音を楽しめます。
一方の「ACアダプターを使用・無線接続(Bluetooth)」は、歯切れ良くメリハリのある音が特徴。小音量であってもボーカルの音が聴きとりやすいです。
接続方法は音の好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
●外出先で楽しむなら「バスパワー・有線接続(USB C)」
別途電源を確保するのが難しい場所で使用する場合は、バスパワーで。高音の歯切れがイマイチである点を除けば、音楽や動画を十分に楽しむことができます。
▼良かった点
- 小型・軽量なので場所を取らず、移動させるのもラク
- スピーカーが45℃上を向いているため、PCでの視聴に最適
- 音量の操作はダイヤル式でシンプル
- USB-ADC内蔵でマイク入力に対応
- ライトの点灯パターンを変えられる
▼残念だった点
- 説明書が簡素なため、初心者だと設定しづらい
- スピーカー同士をつなぐケーブルが1.8mと、PCで使用するにはちょっと長い
- USB C-Cケーブルの付属は1本のみ
PCスピーカーのUSB PD給電を行いながらデバイスとUSB C接続する場合、USB C-Cケーブルが2本必要になります。
コンパクトで場所を取らないPCスピーカーは価格的にも挑戦しやすく、ひとり暮らしのお部屋や書斎などの狭いスペースでの使用にもぴったり。映画館さながらの迫力サウンドを楽しめる「Creative Pebble Pro」で、お家時間を充実させてみてはいかがでしょうか。
「Creative Pebble Pro」の音を存分に味わうために、オプションのACアダプターもぜひあわせてチェックしてみてください!
クリエイティブ
Creative 30W PD Adapter 型番:SP-PDA30
実勢価格:2398円
以上、11月発売の最新PCスピーカー「Creative Pebble Pro」のレビューでした。サイズ:約W58×D46×H28mm
重量:約85g
USBコネクター タイプ:USB-C、USB-A
付属品:変換ACプラグ(UK電源プラグ、EU電源プラグ)、クイックスタートガイド ※ケーブルは付属されていません。
最大15V/2AまでのUSB PD 3.0/QC 3.0に対応
以上、11月発売の最新PCスピーカー「Creative Pebble Pro」のレビューでした。
音楽は、男性/女性ボーカルのJ-POP、女性ボーカルのシティポップ、男性ボーカルの洋楽ジャズなどをひと通り試聴。動画は、邦画のアクション作品を観て、セリフ・効果音がクリアかどうか、音の奥行きや迫力、ズレの有無などをチェックしました。