そもそもピュアオーディオとは?
「ピュアオーディオ」とは、純粋に音楽を楽しむためのオーディオのこと。好みの音を追求するのを目的とし、まず専用のオーディオ製品を揃えることから始まります。それぞれ選んで音楽を聴けば、これまでとは別物のクオリティに感動することでしょう。
3つのオーディオ製品を揃えればシステムが完成する
ピュアオーディオを始めるには、「スピーカー」「アンプ」「プレイヤー」が必要です。
その中で最も音に対する支配力が強いのがスピーカーで、音色や音の量感などが決まります。次に、音のスピード感、低音の歯切れの良さなどに影響するのがアンプ。プレーヤーは情報量などを決定づけます。
音の出口に近いものほど重要になるので、予算の比率はスピーカー5、アンプ3、プレーヤー2の割合で考えるとバランスが良くなります。
そこで今回は、「スピーカー」「アンプ」「プレイヤー」の選び方の基本を紹介します。
【スピーカー】自分の好きな音の傾向を知る
選び方のポイント1:【形状】カタチ次第で低音再現力に差がある
スピーカーは原則として箱の容積が大きいほど低音が出ます。なので、予算と置き場所の許す限り大型にするのが正解。ただし、小型になるほど点音源に近づくので、音像定位の点では有利となっていきます。
それでは、形状が異なる「ブックシェルフ」「フロア」「トールボーイ」のそれぞれの特徴を見てみましょう。
ブックシェルフ
▼特徴
- 定位:4/5
- 低音:3/5
- 設置:5/5
「ブックシェルフ」タイプは、使いやすく音場感にも優れたタイプ。小型軽量で設置が容易です。低音再生で不利ですが、アンプの進化によって、不満のない低音を実現可能にしています。
フロア
▼特徴
- 定位:3/5
- 低音:5/5
- 設置:2/5
「フロア」タイプは高音用、中音用、低音用に独立したユニットを搭載したマルチウェイが多く、ワイドレンジで低音もでます。場所は必要ですが、大口径ウーハーで歯切れのいい低音を再生してくれます。
トールボーイ
▼特徴
- 定位:4/5
- 低音:4/5
- 設置:3/5
「トールボーイ」タイプは、AV用として登場し、音楽観賞にも適しています。ダブルウーハータイプが多く、映画の重低音も出せます。背が高く細いのでテレビの横でも設置が可能。スタンド不要でハイコスパです。
選び方のポイント2:【傾向】「美音」か「モニター」か
スピーカーの音は録音された原音を忠実に再生する「モニター」タイプと、心地よく聞かせる「美音」タイプに分かれます。「モニター」は音の粒立ちが良く、音像定位がシャープです。「美音」は豊かな響きでなめらかな音になる傾向があります。
どちらが好ましいかは人それぞれ。購入する前に、店頭などで聴き比べてみて自分がどちらの傾向が好きかを把握しておくと製品を選びやすくなります。
【アンプ】スピーカーに合うプリメインアンプを選ぶ
音声信号を増幅するパワーアンプと入力切替と音量調整を担うプリアンプを一体化したのが「プリメインアンプ」です。その中でDAC内蔵、Bluetooth対応などが重要になります。どんな機器を接続したいのかがアンプ選びの決め手になります。
AVアンプとの違いは?
AVアンプはドルビーサラウンドなどのマルチチャンネルに対応する複数のパワーアンプを内蔵しています。その代わり、同価格帯では音質的にプリメインより不利です。
プリメインアンプで確認すべき2つの項目
1:出力
一般家庭では5Wもあれば充分。低インピーダンスに対応できるアンプはドライブ能力が高いです。
2:入力
DAC内蔵なら光や同軸、USBのデジタル入力があり、ロスなく高音質な伝送ができます。
【プレイヤー】メイン音源を何にするのかで選ぶ
プレーヤーは音源によってさまざまな選択肢があります。最も趣味性の高いのがアナログプレーヤーです。一方でユーザーの多いCDプレーヤーもすでに新製品はあまり出ません。
最近のトレンドはストリーミング対応でDAC内蔵のデジタルプレーヤーとなっています。そしてデジタル音源の音質を決めるのはDACなので、音が変わってきます。なので注目すべきはDACの性能です。
ここでは、「CD」「レコード」「デジタル音源」のタイプ別に特徴を覚えておきましょう。
CD
サイズ重視で決めましょう。アンプ側のDACを使うにはデジタル出力があるモデルが必要です。
レコード
レコードを再生するためのプレーヤーです。フォノイコライザー内蔵タイプがオススメです。
デジタル音源
SSDやHDDを内蔵してデジタル音源を保存できるプレーヤーです。スマホのアプリから操作できます。
予算30万円で2タイプのシステムを作ってみました
今回、雑誌『家電批評』では予算30万円で、おすすめのシステムを作ってみました。
ブックシェルフ型1:狭い部屋でも設置可能なコンパクトシステム
独自設計の同軸ユニットを搭載したKEFのスピーカーを中心に組んだシステムです。
コンパクトなので狭い部屋でも設置可能。フルレンジに見えますが同軸2Wayと呼ばれる音場感に優れた方式でTEACのデジタルアンプがパワフルにスピーカーを駆動します。モニター再生指向のシステムです。
選んだオーディオ製品はこちら
▼スピーカー
KEF
LS50 Meta
実勢価格:17万6000円
▼アンプ
TEAC
AI-301DA
実勢価格:5万2800円
▼CDプレーヤー
TEAC
PD-301
実勢価格:4万円
▼スピーカースタンド
NorStone
SYSTEM 2.2
実勢価格:2万5300円
ブックシェルフ型2:豊かな低音で床置きもできる中型システム
「JBL」のホーンツイーターを使った2Wayモデルにフルサイズコンポで組んだシステムです。
ジャンルはスタジオモニターですが、個性的な音を聞かせてくれます。歯切れが良く量感のある低音にヌケのいい高音が特長です。マランツのアンプは温かみのある音色と響きがあります。
選んだオーディオ製品はこちら
▼スピーカー
JBL
4309
実勢価格:18万円
▼アンプ
マランツ
PM6007
実勢価格:5万4000円
▼CDプレーヤー
マランツ
CD6007
実勢価格:4万7000円
以上、ピュアオーディオの基礎知識と、予算30万円のおすすめシステムを紹介しました。
次回からは、スピーカー編やルームチューニング編など、4回に分けてこのシステムをより高音質に育てていきます。ぜひ、ご覧ください。
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