注目機種を深ボリ!最新スマホはどれを選べばいい?
毎月のように新製品が登場しているAndroid(アンドロイド)スマホ。いざ買い換えようと思っても、機能や画質など気になることだらけ。特徴も様々で選びきれないですよね。
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』が、最新のアンドロイドスマホを調査。注目機種の画質や性能、使い勝手などを専門家と一緒に深ボリしました。
今回はドイツの高級カメラメーカー、ライカが全面監修しているスマホ、ライカ「LEITZ PHONE 1」を紹介します。
なお、処理性能・使い勝手の検証はITライターの古作光徳さん、カメラ・ディスプレイ検証にはプロカメラマンの文田信基さんにご協力いただきました。
こだわりのカメラを搭載! ライカ「LEITZ PHONE 1」
ライカ
LEITZ PHONE 1
実勢価格:18万7920円(ソフトバンク)
サイズ・重量:W162×D9.5×H74mm・212g
ディスプレイ:約6.6インチ
CPU:Snapdragon 888 5G
メモリ:12GB
バッテリー:5000mAh
写真好きから大きく注目されているライカ「LEITZ PHONE 1」。ドイツの高級カメラメーカーがシャープ・ソフトバンクと組んでスマホに参入したことで話題のモデルです。
複数のカメラ搭載が当たり前の時代にあえてカメラ1つで勝負している本機。まずは、どんなスマホなのか「LEITZ PHONE 1」の特徴を見てみましょう。
特徴1:AQUOS R6をベースにライカが全面監修
ライカ「LEITZ PHONE 1」は、実質的にはシャープの「AQUOS R6」の派生モデルです。そのため、機能や性能などはR6と同等。カメラ部分もレンズや画質はほぼ同一で、両機種ともスマホで定番の複数カメラを採用せずカメラは1つだけです。
しかし、「LEITZ PHONE 1」は外観を中心にライカが全面監修しているため、デザインは別物。
ライカにはレンズを保護する金属製キャップも付属されています。磁力でつく優れ物です。
また、ライカのほうが分厚く重たいものの、側面の加工が滑り止めの役割も果たしていてとても持ちやすいです。
特徴2:ライカ風の撮影モードを搭載
「Leitz Looks」と名付けられたモノクロ写真専用のモードを搭載しています。また、シャッター音もライカのカメラを再現するというこだわりようです。
特徴3:デジカメに近い設計
搭載されているレンズは超広角。カメラのアプリではズーム倍率を0.6倍(超広角)から6倍(望遠)まで選べますが、搭載レンズが超広角なので使用頻度の高い1倍もデジタルズームによる画像となります。しかし、1倍ではデジタルズームによる劣化は感じられません。
特徴4:大型のイメージセンサーを搭載
イメージセンサーはスマホでは世界最大クラスの「1型」を搭載しています。高画質で知られるソニーのデジカメ「RX100」と同サイズで、iPhoneやXperiaと比べてはるかに大きなセンサーです。
イメージセンサーのサイズをほぼ実寸で表すと上の図のようになります。同じ画素数なら、センサーが大きいほうが1画素あたりの面積が大きいため、高感度でもノイズが出にくく色や明るさの再現性も高まります。
ライカがベスト? カメラ自慢のスマホと画質を比較
ライカは、大型センサーならデジタルズームでも画質の劣化を抑えられるため1つのカメラで超広角から望遠まで賄えるという発想で、望遠カメラを強化したエクスペリアとは真逆の戦略と言えます。
こだわりのカメラを積み、価格も18万円! 当然、スマホカメラとしては最高峰なのでは?と思いますよね。
そこで「LEITZ PHONE 1」の実力を確かめるべく人物写真に絞って、カメラ自慢のスマホ4台と比較してみました。
【検証1】ポートレートでアウトカメラの画質を比較
まずは、逆光でのポートレートでアウトカメラの画質を比較しました。
顔の明るさに合わせて露出補正しつつ撮影。HDRやAI処理を有効にし美肌処理はオフにしています。
それでは、評価の高かった順に検証結果をご覧ください。
【S評価】ライカ「LEITZ PHONE 1」
▼検証結果
・肌の色:◎
適度な赤みがありバッチリ!
・肌の質感:○
無理な強調がなくしっとり感があります。
・HDR:○
スマホらしい見栄えのよさです。
・ボケ再現:○
不自然な点が少なく立派でした。
S評価だったライカ「LEITZ PHONE 1」。このシーンではモデルさんから最も好評でした。肌の白さと血色のよさを両立できています。空の色もしっかり出ていて高い完成度です!
【A評価】「Galaxy S21+5G」
▼検証結果
・肌の色:◎
くすみもなく、色の偏りも少ないです。
・肌の質感:△
ややノイズが多くザラつきがあります。
・HDR:○
スマホらしい見栄えのよさです。
・ボケ再現:○
OPPOに一歩及びませんでした。
A評価の「Galaxy S21+5G」は、ノイズがやや多いこと以外はハイレベルな仕上がり。背景の風景まで発色が良好で、HDRも適切です。まつ毛や眉毛の解像はややライカに及びませんでした。
【B+評価】「Xperia 1 Ⅲ」
▼検証結果
・肌の色:○
くすみもなく良好です。
・肌の質感:○
シャープネスが弱めでなめらかです。
・HDR:△
もう少し効いて欲しいです。
・ボケ再現:なし
ソフトウェア的なぼかし処理は非搭載。
B+評価だったのは「Xperia 1 Ⅲ」。望遠レンズで撮影しました。ソフトウェア処理をせずともある程度ボケてくれます。HDRの効きが悪く顔の明るさと背景の明るさを両立しづらいのが残念でした。
【B評価】「OPPO Find X3 Pro」
▼検証結果
・肌の色:△
血色は薄めでやや暗いです。
・肌の質感:△
ややノイズが多くザラつきがあります。
・HDR:○
スマホらしい見栄えのよさです。
・ボケ再現:◎
なびいた髪の毛の隙間までぼかせます。
B評価の「OPPO Find X3 Pro」は、露出補正しても少し暗めの仕上がりで肌はくすみがち。あまり人物撮影向きではないかもしれません。シャープネスが強いため服の生地感は超リアル。背景ぼかしの精度も抜群でした。
【B評価】「iPhone 12 Pro Max」
▼検証結果
・肌の色:○
やや暗めですが血色よくきれいです。
・肌の質感:◎
なめらかなのにまつ毛までくっきり写っています。
・HDR:△
この場面では効きが弱かったです。
・ボケ再現:△
髪の毛の処理に不自然な部分がありました。
B評価の「iPhone 12 Pro Max」は、なめらかさと解像感を両立した肌の表現は見事。ただし、もう少し強くHDRが効いてほしいし、背景ぼかしの処理もちょっと雑でした。得意・不得意がはっきりしています。
【検証2】自撮りでインカメラの画質を比較
続いては、自撮りでインカメラの画質を比較した結果です。評価の高かった順に紹介します。
【S評価】「Galaxy S21 +5G」
▼検証結果
・肌の色:◎
明るく血色良好です。
・肌の質感:◎
精細でシャープすぎない写りです。
・HDR:◎
バッチリです。
・ボケ再現:○
他メーカーより良好でした。
【A評価】「OPPO Find X3 Pro」
▼検証結果
・肌の色:◎
明るく血色良好です。
・肌の質感:◎
精細でシャープすぎない写りです。
・HDR:×
効きません。
・ボケ再現:△
雑な処理が目立ちます。
【B評価】「Xperia 1 Ⅲ」
▼検証結果
・肌の色:○
ライカよりは良好です。
・肌の質感:◎
しっとり感があります。
・HDR:×
効きません。
・ボケ再現:△
雑な処理が目立ちます。
【B評価】「iPhone 12 Pro Max」
▼検証結果
・肌の色:○
暗いですが血色はよいです。
・肌の質感:◎
精細でシャープすぎない写りです。
・HDR:△
効きは弱いです。
・ボケ再現:△
雑な処理が目立ちます。
【C評価】ライカ「LEITZ PHONE 1」
▼検証結果
・肌の色:△
血色が悪く青みが強いです。
・肌の質感:○
なめらかで解像感もあります。
・HDR:△
処理が不自然でした。
・ボケ再現:×
効きません。
【まとめ】自撮りには弱点あり、アウトカメラはピカイチ!
以上、人物撮影の検証結果でした。
アウトカメラのテストでは、弱点のない描写でトップクラスの結果となったライカ。スマホらしい見栄えを作るHDRでは大健闘していました。ライカとAQUOS R6も撮り比べてみましたが、今回の撮影ではややライカのほうが肌色がキレイに出ていました。
一方で背面カメラよりカメラを小型にする必要のあるインカメラは画質的に厳しいものがあり、ライカ(AQOUS R6も)は残念な仕上がりに。特に背景の処理は一体どうしたんだ? という不自然さです。自撮りに関してはGalaxy、OPPOが優勢でした。
最後に、今回のテストを元に導き出した、写真画質で選ぶときに正解のスマホを紹介します。
手軽さ重視の人におすすめのスマホ
「Galaxy S21+5G」は手軽さ重視の人向け。背面カメラもインカメラも人物撮影はハイレベルです!
自撮り重視の人におすすめのスマホ
自撮りを重視したいという人は「Galaxy S21+5G」か「OPPOFind X3 Pro」を選ぶといいでしょう。
自撮りをあまりしない人におすすめのスマホ
背面カメラ重視ならノイズが少ない「Xperia 1 Ⅲ」と「ライカ」。ライカとほぼ同様の「AQUOS R6」もおすすめです。
スマホの買い替えを検討している人はぜひ参考にしてみてくださいね。
スマホスタンドの売れ筋ランキングもチェック!
スマホスタンドのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
『家電批評』2021年10月号
晋遊舎
『家電批評』
2021年10月号
実勢価格:700円
『家電批評』2021年10月号では、「アンドロイドスマートフォン格付け2021年最新版」の特集を掲載しています。こちらもぜひチェックしてみてください。