注目機種を深ボリ!最新スマホはどれを選べばいい?
毎月のように新製品が登場しているAndroid(アンドロイド)スマホ。いざ買い換えようと思っても、機能や画質など気になることだらけ。特徴も様々で選びきれないですよね。
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』が、最新のAndroidスマホを調査。注目機種の画質や性能、使い勝手などを専門家と一緒に深ボリしました。
今回は、ソニーの最新技術が詰まりまくったハイエンドモデル、「Xperia 1 Ⅲ」に注目。実際にどれくらいスゴいのかを徹底検証した結果をお届けします。
なお、処理性能・使い勝手の検証はITライターの古作光徳さん、カメラ・ディスプレイ検証にはプロカメラマンの文田信基さん、AV用途の検証はAVライターの折原一也さんにご協力いただきました。
随所にこだわりを感じる「Xperia 1 Ⅲ」
ソニーモバイルコミュニケーションズ
Xperia 1 Ⅲ
実勢価格
NTTドコモ:15万4440円
au:17万8000円
ソフトバンク:18万8640円
サイズ・重量:W71×D8.2×H165mm・188g
ディスプレイ:有機ELシネマワイドディスプレイ
CPU:Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform
メモリ:12GB
ストレージ:256GB
バッテリー容量:4500mAh
カメラ:超広角1220万画素(16mm)、広角1220万画素(24mm)、望遠1220万画素(70/105mm)
2021年7月にソニーから発売された「Xperia 1 Ⅲ」。高い処理性能に、デジカメやテレビなどのソニーのノウハウが注ぎ込まれたフラッグシップモデルです。
例えば、ベーシックモード以外のカメラ画面は、横向きにするとミラーレスカメラの画面とほぼ同じものに。スマホで定番の背景ぼかし機能も「邪道だ!」と言わんばかりに使えなくなります。
また、望遠レンズは人物撮影で使われる70mm相当と、より望遠の105mm相当を可動レンズで光学的に切り替え、その間をデジタルズームでつなぐ仕様に。スマホが苦手とする望遠撮影の高画質化にも果敢にチャレンジしており、カメラメーカーのプライドを感じます。
それでは、「Xperia 1 Ⅲ」の特徴をもっと詳しく見ていきましょう。
特徴1:カメラアプリが一眼カメラみたいに本格的!
Xperia 1 Ⅲの大きな特徴が、ミラーレス一眼カメラ「αシリーズ」のノウハウを導入したカメラアプリの「Photography Pro」です。
ベーシックモードでは一般的なスマホのカメラUIで手軽に撮影できます。シャッターボタンを半押ししてオートフォーカスを効かせるなど、デジカメ的な操作もできます。
モードを切り替えると、一眼カメラαから継承したUIで本格的な撮影も可能です。ただし、多機能すぎて使いこなすまでには慣れが必要そうです。
広角も望遠も写真はかなり自然で高画質
カメラは超広角・広角・2つの望遠と4種類の焦点距離をもっています。どのカメラでも写真はナチュラルな色味。
▼24mm広角で撮影した写真
▼105mm望遠(約4.4倍ズーム)で撮影した写真
望遠側で被写体に近づけば背景をある程度ぼかすこともできます。
露出設定が保存できる
設定変更すれば前回の撮影モードで起動が可能ですが、これとは別にMRモードにお気に入りの設定を保存しておけて便利です。
特徴2:細長い画面は分割時にかなり便利!
21:9という比率のシネマワイドディスプレイの印象は、そのままですが「細長い!」のひと言。しかし、薄くて比較的角ばったフォルムなので持ちやすさは上々です。この細長さが真価を発揮するのが、画面分割で2つのアプリを並べたときです。
上の写真は、YouTubeアプリとTwitterアプリの2画面を開いた様子。分割しても窮屈さは感じず、快適そのものです。
片手モードで画面を縮小できる
指が届かない上部を操作する際は、ホームボタンをダブルタップ。これで片手モードに切り替わり、画面が下部に縮小表示されます。手が小さい女性でも安心です。
マスク生活で重宝する指紋認証搭載
画面とは関係ありませんが、電源ボタンに指紋認証を搭載しているのも使い勝手は良好。顔認証のようにマスクを外す必要がありません。
特徴3:AV用途では映像やゲームをハイレベルで楽しめる
画質はスタンダートモードでも割と鮮やかです。画質処理のおかげでメリハリもクッキリしています。さらに、より色域が広いクリエイターモードや、ブラビアから生まれた「X1 for mobile」による高画質化機能も搭載しています。
音は広がり感はあるものの、ちょっとこもった印象です。
動画の画質を向上できる機能は効果的
画面設定の「画質設定」→「動画再生時の高画質処理」をオンにすると、「X1 for mobile」を適用できます。オンにすると映像のハイライトがより明るくなりメリハリが出ました。
特徴4:ゲームを有利にしてくれそうな独自機能搭載
Xperia 1 Ⅲにはゲームをより快適にする独自技術が搭載されています。
120Hzの低残像設定では素早い動きもハッキリと描画され、タッチ検出も最大240Hzと高速。ほかにも、「ゲームエンハンサー」機能により暗い部分を明るく表示したり、足音だけを大きくしたりといった調節が可能です。
また、プレイ時の発熱を抑えるため、バッテリーを介さずにゲームに直接電源を供給する機能も搭載しています。
画質や音声をプレイしやすく調節できる
ゲーム画面に表示されているアイコンから画質設定を選ぶと、「画質モード」「L-γレイザー」「ホワイトバランス」の3つの項目を調節可能です。3項目の組み合せは最大4通りまで保存しておけるので、いつでも見やすい画質設定でプレイできます。
Xperia 1 Ⅲだけで実況動画が作れる
ゲーム画面を録画しながらフロントカメラでプレイヤーの様子も映像化、さらにプレイヤーの声もマイクで収録できます。つまり、これ1台で実況動画が完成するんです!
特徴5:撮影やゲームですぐ発熱してしまう
Xperia 1 Ⅲは随所に“こだわり”を強く感じられるので使っていて楽しいのですが、気になるのは稼動時間と発熱です。
以前のモデルでも「発熱がスゴい」という声が多かったエクスペリアシリーズですが、今回複数台を試用したところ、やはり懸念が残る結果に。検証中も温度上昇でアプリが落ちました。
YouTube動画の連続再生程度なら平気ですが、4K60Pの動画撮影では広範囲が40~45度と高温に……。さらに、炎天下での撮影では熱暴走も発生してしまいました。
YouTube動画を連続再生時のバッテリー稼動時間
YouTube動画の連続再生では高画質処理オフで約11時間、オンで約10時間半でした。STAMINAモードを使ってもGalaxy S21+の15時間に届きません。
【まとめ】AV用途は文句なし、稼働時間と発熱がやや不安
以上、ソニーの高スペックスマホ「Xperia 1 Ⅲ」の紹介でした。
AV用途では文句なしの優秀さでしたが、ゲームや撮影では稼働時間や発熱が不安という結果となりました。ゲームが快適に遊べる独自機能は使っていて楽しいので、スマホの買い替えを検討している人は参考にしてみてくださいね。
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クリエイターモードにすると映画っぽい色合いになります。