搭載カメラを1つに集約した「AQUOS R6」
最近の多くのスマートフォンは、小さなカメラを3つ、4つ搭載することで性能強化してきましたが、シャープが行ったのはその真逆。今回ご紹介する「AQUOS R6」は高性能カメラをひとつに集約。
しかし、そのレンズはあの「ライカ」が監修した「ズミクロン」。カメラブランドと協業することで 他社よりワンランク上の画質を目指したということで、カメラ好き界隈でも注目が集まっているようです。
シャープ「AQUOS R6」
シャープ
AQUOS R6
実勢価格:ソフトバンク13万3920円/ドコモ11万5632円
サイズ・重量:約W74×D9.5×H162mm・約207g
ディスプレイ:6.6インチWUXGA+(1260×2730)
CPU:Qualcomm?Snapdragon?888 5G Mobile platform 2.8GHz+1.8GHz オクタコア12GB
アウトカメラ:有効画素数 約2020万画素、F値1.9レンズ
インカメラ:有効画素数 約1260万画素、F値2.3レンズ
RAW撮影:◯
生体認証:◯(指紋・顔)
そこで今回はこのAQUOS R6のカメラの実力を、デジカメライターの荻窪圭さんと検証しました。
ライカレンズの描写力と1型センサーの合体!
カメラをひとつに絞り、レンズはライカ監修のズミクロンを搭載した「AQUOS R6」。
画質の決め手となるイメージセンサーは、スマホで唯一となる1型2040万画素を搭載。現在の高性能スマホのメインカメラはイメージセンサーが1/1.7型1200万画素ほどですので、(センサー面積はおおよそ倍で)ボケや表現力が格段に違います。
ライカレンズの描写力と1型センサーの高画質を合体した高性能カメラ。つまりハイエンドコンデジをスマホに搭載したようなスペックといえます。
今回比較したカメラ
ソニー
RX100V
(DSC-RX100M5A)
実勢価格:9万5773円
サイズ・重量/W101.6×D41.0×H58.1cm・299g(総質量)
画素数:約2100万画素(総画素)、約2010万画素(有効画素)
AQUOS R6のカメラ性能をチェックするにあたって比較したのが、ソニー「RX100V」です。
ソニーRX100シリーズの5.5世代モデルで、R6と同じく1型センサーを採用しています。焦点距離24-70mmにF1.8-2.8の明るいレンズと、高速AFや手ブレ補正を搭載。18年発売ですが、今なお通用する実力を持った一台です。
それでは、AQUOS R6の実力を検証してみたいと思います。
使ってわかったこと1:肉眼に近い再現性
AQUOS R6は、ハイエンドコンデジと同じサイドのセンサーを用いながら、同時にスマホならではのAIシーン解析やオートHDRといった高度な処理を施しています。
そのためコンデジに比べるとデジタル処理が優秀で、スマホに比べると基本画質が上といういいとこ取り。画作りは肉眼に近いナチュラル系で派手さはありませんが、スマホとしては極めて高画質です。
肉眼に近い色で映えよりリアル派
HDRのおかげで青空や緑はRX100VやiPhoneよりもリアルできれい。写真全体の階調が豊かでナチュラルな写りなうえ、建物の白飛びもなく撮影できました。
RX100Vだと……
明暗が激しい構図のため、空が明るすぎて真っ白に。
iPhone12 ProMAXだと……
スマホらしく、実際より発色が派手め。空が青すぎてリアルさにやや欠けます。
実際に比べてみると、AQUOS R6は風景などを肉眼に近い色で表現。またデジカメのように難しい操作や切り替えがないのでラクチンでした。
使ってわかったこと2:人物撮影はたまに失敗することも
風景の再現性が優秀でしたが、人物撮影ではシーンによってはいま一歩なことも。光や照明の具合によっては顔が暗く写ったり、肌色がきれいに出ないことがありました。このあたりはまだ発展途上といえるでしょう。
AQUOS R6だと……
肌が暗く、血色が悪く見えることも。
RX100Vだと……
顔全体が明るくなめらかな肌色が自然です。長年のカメラ開発の蓄積があるため、画質のに安定感はさすが。さまざまな状況できちんと顔を描写してくれました。
使ってわかったこと3:背景ぼかしが得意!
AQUOS R6は被写体との距離を測るToFセンサーを搭載しているため、背景だけを忠実にボカしてくれます。
背景ぼかしモードON
背景のぼけ方がきれいで、被写体と背景がきっちり分離されてます。
背景ぼかしモードOFF
元々ぼけやすいのでこのままでもOKですが、ONに比べると物足りません。
画質以外の優秀ポイントもありました
以上が画質についてわかったことですが、そのほかにも優秀ポイントがありました。
▼高性能なナイトモード
スマホならではの画像処理技術を駆使したナイトモード。超暗くてもピントが合い、三脚モード時の夜景画質はバツグンです。光学式手ブレ補正がないのは残念ですが、使っていて気になることはあまりないでしょう。
▼広角や望遠もOK
カメラはひとつですが超広角レンズなので、デジタルズームを使って広角や望遠撮影も可能。使い勝手は従来のAQUOSと同じで、ライカだからといってとくに難しいことはありませんでした。
▼美しい「IGZO OLED」ディスプレイ
本製品に初搭載の「IGZO OLED」ディスプレイは動きがなめらか。大きくて明るいので撮った写真もとてもきれいに見られます。さらに消費電力も抑えられていて、この新ディスプレイはすばらしい出来といえます。
結論:映えよりリアル系の高画質スマホカメラ
検証した結果、基本画質も動画性能も高く、ディスプレイも大きく撮影しやすいので、使っていて満足できるスマホカメラといえます。
ただし本格的なデジカメの操作感を期待すると、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。ライカとの共同開発ということで期待した人は多いと思いますが、操作感はふつうのスマホなのに撮れる写真は高画質、というところがこのカメラのポイントです。
検証のまとめ
▼良かった点
・ディテールまでくっきり
・背景ぼかしは優秀
・夜景モードは超キレイ
・ディスプレイは最高
▼残念な点
・まだ写りに不安定な面あり
・レスポンスはあまり高くない
得手・不得手があり、センサーの性能を引き出しきっているとはいえない面もありますが、シャープにとって1型センサーは初挑戦。そこは今後のバージョンアップに期待したいところです。
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以上、シャープ「AQUOS R6」の紹介でした。ライカ監修レンズ搭載の話題のスマホ。気になったら試してみてくださいね。