小さくスタイリッシュで音がいいイヤホンはある?
完全ワイヤレスイヤホンが普及しだしてからは、街を行き交う人々は三者三様のイヤホンを装着しています。
ただ、耳から大きく飛び出すイヤホンを見て「音質が良くても、見た目がちょっと」と思っている人も少なくないかもしれません。
ということで、アマゾンや楽天から小さいイヤホンだけを集め、音のプロによる音質検証を実施。さらに耳の穴にすっぽり収まって、スタイリッシュなものを探しました。
「小さくて良いイヤホン」とはどんなイヤホン?
【選ぶポイント1:サイズ】
耳への収まりやすさを重視
耳へ入れるということは、何はともあれ小さいことが重要です。メーカーが公表しているサイズを確かめてから装着してみました。
すると、耳の溝をうまく利用したイヤホンなどもあって、なかなかの奥深さを感じました。
【選ぶポイント2:音質】
性能とともに音質も向上している
完全ワイヤレスイヤホンというと、利便性が重視されがちで、正直なところ音質は期待されていませんでしたが、最新モデルは打って変わって音質が飛躍的に向上しています。
高音・中音・低音がバランス良く出力され、迫力のある音になっているイヤホンが良い音といえます。
小さいサイズの完全ワイヤレスイヤホンの比較検証方法は?
上の基本を抑えつつも、購入前に店舗のデモ機で聴いたところで、正直どれも良く聴こえる……なんてことありがちです。
そこで今回は音のプロであるサウンドプロデューサーの大澤大輔氏と、東京音研放送サービス代表の原田裕弘氏にご協力いただき、「音質」「装着感」「遮音性」を検証してもらいました。
辛口識者による厳正なテストで行ったテスト内容は以下の通りです。
なお、今回は点数順によるランキングではありません。
【検証1:音質】
各音域の出力量とバランスの良さが重要
採点方法は音質にこだわるために、「高音域の質」「中音域の質」「低音域の質」を各20点満点でジャッジ。総合的な音の広がりや響などを考慮する「ダイナミクス」も20点満点としています。
【検証2:装着感】イヤーピースの進化も重要
激しい動きをするとポロポロ耳から落ちがちな完全ワイヤレスイヤホンですが、イヤーピースの進化により紛失の心配は格段に減りました。装着感の良さは音楽を聴くうえで大事な要素です。配点は10点満点です。
【検証3:遮音性】
音漏れしないイヤホンはもはや常識
イヤホンを適切に装着した状態で、外の音がどの程度遮断できるかを検証しました。配点は10点満点です。
以上、合計100点とし、接続安定性を考慮したうえで、今買うべきモデルを選びました。
小さい完全ワイヤレスイヤホンのおすすめ1位は?
Cambridge Audio「Melomania 1」
Cambridge Audio
Melomania 1
実勢価格:9498円
[TOTAL]
66.5/100
高音域の質
12.5 /20
中音域の質
13.5 /20
低音域の質
12.0 /20
ダイナミクス
13.0 /20
装着感
7.5 /10
遮音性
8.0 /10
Cambridge Audio「Melomania 1」は1968年に設立されたイギリス・ロンドンに位置する、最先端オーディオメーカーです。軽量で高剛性かつ高耐久性の素材を利用したイヤホンで、最大連続9時間の長時間再生が可能です。
高級オーディオメーカーらしい音で、少しワイド過ぎる面もありますが、価格相応の音質の良さが感じられます。他のメーカーにはない独自のカラーを品良く提示してきたセンスがあるブランドでしょう。
SOUL「ST-XX」
SOUL
ST-XX
実勢価格:4200円
SOUL「ST-XX」は筐体が小さいカナル型のタイプ。フラットな面がスッキリ感をプラスしてくれてスタイリッシュです。
[TOTAL]
54.0/100
高音域の質
10.0 /20
中音域の質
10.0 /20
低音域の質
9.0 /20
ダイナミクス
9.5 /20
装着感
8.0 /10
遮音性
7.5 /10
J-POPのようなシャキンとした音源を小音量で電車内で聴くのに向いているイヤホン。中音が主に出ている印象です。
オウルテック「SE03」
オウルテック
SE03
実勢価格:8610円
オウルテック「SE03」の大きさはSOULの「ST-XX」と大差ないですが、丸っこい形なので、耳にはめたときに若干大きく感じます。スタイリッシュというより、ソフトな印象を与えてくれるイヤホンです。
[TOTAL]
62.0/100
高音域の質
12.0 /20
中音域の質
12.0 /20
低音域の質
11.5 /20
ダイナミクス
12.5 /20
装着感
7.0 /10
遮音性
7.0 /10
それなりにバランスは取れていますが、価格相応のイヤホン感が払拭できません。しっかり合うイヤーピースを使ってみてください。
4位:HACRAY「W1 True wireless earphones」
HACRAY
W1 True wireless earphones
実勢価格:8700円
HACRAY「W1 True wireless earphones」は少し変わった形のイヤホンで、筐体も小さく収まりよし。色はメタリックで派手ですが、人とかぶりたくない人にオススメです。
[TOTAL]
75.0/100
高音域の質
14.5 /20
中音域の質
14.5 /20
低音域の質
14.0 /20
ダイナミクス
14.5 /20
装着感
9.0 /10
遮音性
8.5 /10
高音域の質自体は高いレベルにあるのですが、量がともなわず少し落ち込んでいるのがわかります。
5位:Anero「T6」
Anero
T6
実勢価格:4280円
Anero「T6」は面積は広めですが薄っぺらいので、耳にはめたときに収まりがよく、横へのハミ出しが少ないのが特徴です。
[TOTAL]
62.5/100
高音域の質
11.0 /20
中音域の質
11.5 /20
低音域の質
11.5 /20
ダイナミクス
12.0 /20
装着感
7.5 /10
遮音性
9.0 /10
一聴すると普通に聞こえるように思えますが、価格なりの安いドンシャリイヤホンで音は細く遠いです。トータルとしては悪くありません。
6位:Sabbat「X12 Pro」
Sabbat
X12 Pro
実勢価格:5980円
※リンク先のカラーはブラックです。
AirPodsの先っぽをくっつけたような形の変わったイヤホン。耳への収まりがいいです。カラバリが豊富にあるので、お気に入りを見つけましょう。
[TOTAL]
53.0/100
高音域の質
9.0 /20
中音域の質
9.5 /20
低音域の質
11.0 /20
ダイナミクス
10.0 /20
装着感
7.5 /10
遮音性
6.0 /10
耳のくぼみにきれいにハマって収まりがいい本体ですが、音漏れがあるので注意が必要。中音は多少安っぽい印象です。
7位:Mavin「Air-XR」
Mavin
Air-XR
実勢価格:7960円
Mavin「Air-XR」は楕円形のデザインで耳への装着感はよいですが、上位と比較すると若干大きめ。落ち着いた色合いは服にも合わせやすそうです。
[TOTAL]
60.0/100
高音域の質
11.5 /20
中音域の質
11.5 /20
低音域の質
10.5 /20
ダイナミクス
10.5 /20
装着感
8.0 /10
遮音性
8.0 /10
やや中高音が多く、バランスがひと昔前の印象。クラシックロックを聴くにはちょうどいいイヤホンではないでしょうか。
まとめ
番外:Eonfine「Smallest」
Eonfine
Smallest
編集部購入価格:3999円
重量:4.3g(本体)、43g(ケース)
番外として、最後にご紹介したいのがEonfine「Smallest」。
残念ながら品切れですが、アマゾンや楽天で売られている中華系の格安イヤホン。なんといっても小さくて、耳にすっぽり収まっちゃうのが魅力。
「Smallest」という製品名はダテじゃなく、小さい耳栓のようなサイズのイヤホンで、いかにも高級なイヤホンしてます!といった感じを出したくない人にはオススメでした。
音質は編集部で検証したソニーやアップルなどを含めたランキング100選の中で32位。決してよいとは言えませんが、特段悪いわけでもなく、いわば普通のイヤホンといったところで、値段も超お手得でした。
極端な欠点は見つからず、コスパは高い1台でした。
以上、耳にスッポリ収まって音がいい完全イヤホンを探した比較検証ランキングでした。
検証をしてわかった注意点は、小ささや耳への収まりのよさを売りにしている中華系のイヤホンを片っ端から試してみましたが、小さくないんですけど……なんてものが結構ありした。小さいサイズの完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。