外音を聞きながら音楽を楽しめる骨伝導イヤホン!

音の振動が頭蓋骨から聴覚神経に直接伝わる骨伝導イヤホン。外音を聞きながら音楽を楽めることができ、ランニングやサイクリングで真価を発揮するデバイスとして注目を集めています。

しかし一応の仕組みがわかっても、本当にちゃんと聞こえるのか怪しいところ。普通のイヤホンと同じように音が聞こえるのか、また音漏れはしないのかなど疑問は増えるばかりです。

そこで今回は家電量販店で購入できる骨伝導イヤホン10製品の音質や使い勝手を検証・比較しました。いまオススメのイヤホンは一体どれでしょうか。

使用する場所は限られるけど音質は先入観ほど悪くない

ちらほら聞く話によれば、「骨伝導は音質が悪く、音漏れが酷い」いう噂を耳にします。やれ外音が気になるだとか……骨伝導はどこで音が鳴っているのかわからないだとか……。

でもそれって、慣れ親しんだイヤホンと異なり、頭がうまく認識できていないからではないでしょうか。あるいは、約15年前一部のケータイに搭載されたイメージが残っているだけかもしれません。

結果から言うと、今回の検証で明らかになったのは、音質に限っていえばピンキリだったということ。良いものは、「普通のイヤホン」レベルの良い音がします(超高級イヤホンには及びません)。

ただし、中には環境音に紛れて気にならないイヤホンもありますが、基本的に音漏れすると考えてください。電車通勤などには向きません。

それでは、今回の目的である骨伝導イヤホンを購入する際、気をつけておきたいポイントをさらに深堀りしていきたいと思います。

街ラン用の骨伝導イヤホン選びは「軽さ」と「音質」

骨伝導イヤホンは、ながら聴きができるという特性上、使用にもっとも適しているのはランニングです。そこで重要になってくるのは軽量なボディと操作性、そして音質ということになってきます。

【選ぶポイント1:軽さ】運動を邪魔しない軽量モデル

骨伝導イヤホンはネックバンド型、あるいは一体型の製品が比較的多く発売されています。走る際、重くかさばると邪魔になるので軽量でコンパクトなものを選びましょう。

また、操作性にも注意が必要です。走りながらの操作になるので、ボタンが押しやすいものがオススメです。

【選ぶポイント2:音質】高中低音がバランス良く出ているもの

ハウジングを耳に直接入れるインイヤータイプではない骨伝導イヤホンは、その代わりにもみあげの後ろあたりに押し当てます。普段はふさがって聞こえなかった環境音が音楽とともに聞こえるので違和感がありますが、開放感があります。

そのうえで高音・中音・低音がバランス良く出力され、迫力のある音になっているイヤホンが良い音といえます。

音質と使い勝手を音のプロが厳正チェック

さて骨伝導イヤホンのいろはを押さえてきましたが、実際に購入するあたり、一度は試したいところ。しかし、残念ながら店舗のデモ機で聴いたところで、どれも同じように聴こえる……なんてことがありがちです。

そこで今回は音のプロであるオーディオライターのゴン川野氏と、ランニングコンサルタントの牧野仁氏にご協力いただき、「音質」「使い勝手」を検証してもらいました。

識者による厳正なテストで行ったテスト内容は以下の3項目(※すべて◎◯△×評価)です。

【検証1:音質】各音域の出力量とバランスの良さが重要

採点方法は音質にこだわるために、「高音域の質」「中音域の質」「低音域の質」がバランスよく出力されているかを評価の対象にしています。

【検証2:操作性】走りながらでも簡単に操作できるか

目で確認できなくても音量などが簡単に操作できるかを、実際に走りながら検証しました。

【検証3:装着感】汗をかいてもズリ落ちてこないか

押し当てる部分が汗をかいても簡単にズリ落ちてこないかを、実際に走りながら検証しました。耳の裏の汗のかき具合も同時にチェックしています。

これら3項目を得点化し、ランキング形式で紹介していきます。それでは発表です!

骨伝導のイメージを払拭!AfterShokz「TREKZ AIR」

AfterShokz
TREKZ AIR
実勢価格;1万3504円

サイズ:W100×H50×D130mm
重量:約30g

AfertShokzは、極限まで軽く音質を追求し、150を超える世界の特許技術を採用した骨伝導イヤホン。

軽量ボディがぴったりフィットし、激しく動いても存在が気にならない装着感でした。ランニングコンサルタントの牧野氏が「重たくつけ心地の悪い骨伝導イヤホンのイメージが180度変わった」という逸品です。

低評価が出やすい音質も、高音から低音まで豊かな響きで、普通のイヤホンにかなり近い印象です。

汗をかいて耳に入る不快感がなく、近づく車の音や足音を聞き逃しません。

目で確認しなくても、電源のオンオフや音量調節を直感的に行えました。

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ボーカルのニュアンスまでわかる音質です。

牧野仁 氏
ランニング・コンサルタント
牧野仁 氏 のコメント

毎日のランニングで使うようになりました。

軽くて水濡れしないAfterShokz「Aeropex」

AfterShokz
Aeropex
実勢価格;1万9634円

サイズ:W100×H35×D122mm
重量:約26g

「TREKZ AIR」の後継機で、先代から進化した「TREKZ Aeropex」が2020年7月に発売されています。音質の良さはそのままに、装着がよりスムーズになり、防塵・防水性能を兼ね備えているので、スポーツ用途にうってつけです。

牧野仁 氏
ランニング・コンサルタント
牧野仁 氏 のコメント

操作ボタンが2つになって、より扱いやすくなりました。

AfterShokz「Aeropex」はジョギングに最適なネックバンド型の骨伝導。1位の「Air」より軽量で防水性能に優れています。音質は低音が弱いですが、中高音でまとまりインパクトがあります。

人気のベストセラーイヤホン BoCo「FIT BT-1」

BoCo
FIT BT-1
実勢価格:1万6593円

サイズ:W124×H54×D80mm
重量:約34g

「Fit BT-1」は、クラウドファンディングでは目標金額にすぐに到達し、期待値が高かった骨伝導イヤホンです。

耳にかかる部分が華奢で重く感じ、操作が迷いやすいのが惜しかったです。

4位: 骨伝導初の完全ワイヤレスイヤホン! Boco「PEACE TW-1」

Boco
PEACE TW-1
実勢価格:2万1780円

重量:約9g×2(イヤホン)、約43g(充電ケース)
再生時間:約5時間
Bluetooth規格:5.0
対応コーデック:SBC
防水規格:IPX7

骨伝導初の完全ワイヤレスイヤホンで、耳を塞がずスマートに音楽を聴くことができるBoco「PEACE TW-1」。こちらは2020年7月に発売された新製品です。

▼テスト結果
合計   :31.5/100点
低音域の質:5.5/20点
中音域の質:7.5/20点
高音域の質:7/20点
装着感  :7/10点
遮音性  :4.5/10点

※新製品のため、他の製品とは別に発売後にテストした結果です。

テストでは低音がほぼ出なかったのですが、在宅ワークやながら聴きであれば骨伝導の長所を生かした使い方ができます。今後に期待したいです。

耳に挟むだけでOK!

イヤホンと異なり、耳の中に入れないので気になりません。装着していることを忘れてしまうほど自然です。

大澤大輔 氏
サウンドプロデューサー
大澤大輔 氏 のコメント

音質は悪くありません。装着具合が重要です。

5位: 操作性がいい日本コンピュータ・ダイナミクス「DenDen」

日本コンピュータ・ダイナミクス
DenDen
実勢価格:1万2580円

サイズ:W105×H55×D152mm
重量:約40g

IT関連事業を皮切りに国内最大級の自転車パーキング事業を展開する日本コンピュータ・ダイナミクスから発売された骨伝導イヤホン。普段時には集音器で音を拾い、直接内耳に音を届けてくれます。

最大音量は上位製品に比べると少し小さい。バンド部がかためで窮屈なのが残念でした。

6位: ランには不向きな日本コンピュータ・ダイナミクス「CODEO」

日本コンピュータ・ダイナミクス
CODEO
実勢価格:1万2960円

サイズ:W130×H45×D150mm
重量:約70g

4位と同じ日本コンピュータ・ダイナミクス製の骨伝導イヤホン。音は悪くありませんが、ユニットが大きく重さも約70gもあります。

頭にかかる重さが気になって、またボタンが多く走りながらの操作も難しかったです。

7位: 音声AIに対応するEFGの最新モデル「ETEREO ONE」

EFG
ETEREO ONE
実勢価格:1万7820円

サイズ:W125×H55×D140mm
重量:約45g

キーボードやウェアラブルデバイスなどクラウドファウンディングで成功をおさめているEFGから発売された骨伝導イヤホン。「S2」からのアップグレードモデルで、音漏れを最小限に抑えています。またネックバンド部分には、ユーザーの頭の形に合わせられるようフレキシブル素材が採用されています。

音質は、それなりに迫力はありますが、どの曲を聴いても似た印象です。中音域で“ホワンホワン”と鳴ってしまのがマイナス点です。

8位: ネックバンドがフィットしにくいEFG「ETEREO S2」

EFG
ETEREO S2
実勢価格:1万7480円

サイズ:W145×H60×D125mm
重量:約35g

6位の前の世代のモデルで、とくに装着感に難がありました。バンドの部分がプラスチック製で硬めでした。また、うまくフィットしませんでした。

音質は、音量を大きくするとシャリシャリした音に。装着感も個人差があります。

9位: エコーのように音がこもるBoCo「WR-3 CL-1001」

BoCo
WR-3 CL-1001
実勢価格:1万300円

サイズ:W33×H18×D15mm
重量:約10g(コード含まず)

Bocoから発売されたクリップタイプの一体型骨伝導イヤホン。見た目は普通の一体型イヤホンの見えますが、音質は遠く及ばず……。

音がこもり、エコーがかかったように聴こえました。

10位: 装着にやや手間どったBoCo「WR-5 HK-1002」

BoCo
WR-5 HK-1002
実勢価格:1万2450円

サイズ:W55×H14×D50mm
重量:約5g(コードを含まない)

BoCoから発売されたフックタイプの一体型骨伝導イヤホン。スマートに見えますが、ちょうどいいところに装着するのが大変でした。コードも結構邪魔です。

音質はうまく骨伝導できていないからか、最低評価になってしまいました。

【番外編】音質だけならBoCo「BT-5 CL-1002」がオススメ

BoCo
BT-5 CL-1002
実勢価格:1万2930円

サイズ:W144×H22×D195mm
重量:約48g

一方で、「操作性」「装着感」を無視し「音質」だけに注目するならBoCoの「BT-5 CL-1002」がオススメです。

高音の繊細な表現が優れており、1位に劣ることもありません。

【結論】軽さと音質が重要! 街を走るなら「AfterShokz AIR」

AfterShokz
AfterShokz AIR
実勢価格:1万3504円

サイズ:W100×H50×D130mm

今回の骨伝導イヤホン2019“最強”に輝いたのは、音質の良さと圧倒的なフィット感でAfterShokzの「AfterShokz AIR」に決定しました。

良好な音質は、初めて使ったときに「どこから聞こえてるんだ?」と周りを見渡してしまったほど自然な聞こえ方。また長時間音楽を聴いても疲れないのがうれしいところです。

「骨伝導は音が悪そう」という先入観を持っているひとは是非一度「AfterShockz AIR」、または兄弟誌『MONOQLO』でトップだった「AfterShokz Aeropex」をお試しください。運動時だけでなく、家事や仕事のながら作業に欠かせない一台になるかもしれません!