ながら聴きイヤホンって いったいどんなもの?
ながら聴きイヤホンには、大きく分けて2タイプあります。ひとつは、頭蓋骨の振動を、聴覚を司る蝸牛に直接届けて音を感じる「骨伝導」タイプ。
もうひとつが、イヤーパッドで耳をふさがずに、空気の振動を鼓膜→蝸牛へと伝える「オープンイヤー」タイプです。
音楽を聞きながら 外の音も聞きたいときに便利!
通常、イヤホンは耳をふさいで外からの音をシャットアウトしています。周囲の音に邪魔されず集中したいときには便利ですが、下記に示したようなシーンでは、外の音や声に素早く反応できる、ながら聴きイヤホンのほうが便利なのです。
上司に呼ばれたのに無視……なんて事態を防げるほか、イヤホンを外さず会話ができます。
外の音が聞こえるから、荷物の配達や来客があったときでもチャイムを聞き逃しません。
周囲の道路の交通状況に耳を傾けながら、ランニングや自転車の運転ができます。
テストしたのは骨伝導12製品+ オープンイヤー5製品
今回テストしたのは、下記の17製品。骨伝導もオープンイヤーも、耳を(完全に)ふさがず、“自分の耳”で外の音を聞けるモデルを集めました。
このほかにも、マイクを使った「外音取り込み機能」を備えたイヤホンも多数ありますが、今回は除外しています。
上記のラインナップで5つのテストを行い、それぞれにランキングを決定しました。
さっそくですが結果発表! 1位は「Xperia Ear Duo」!
SONY
Xperia Ear Duo (XEA20)
実勢価格:1万6562円
タイプ:オープンイヤー
重量:10.6g×2
通信方式:Bluetooth
今回、総合1位に輝いたのはSONYの「Xperia Ear Duo」でした。多機能ゆえに「値段が高すぎ」「アプリを入れるのが面倒」といった声もありましたが、結果を見れば現時点でトップの実力なのは疑う余地がありません。
すべてのテストで上位に食い込み、音漏れと通話品質のテストでは1位を獲得。安定して高性能ぶりを発揮しました。
使用状況を想定した 5つのテストで評価
ながら聴きイヤホンの性能を評価するために行ったテストは下記の5つです。音楽を楽しみたい人にとっては重要な音質や、やっぱり気になる音漏れなど、バラエティに富んだ内容になっています。
【テスト①:音質】
ながら聴き用であってもイヤホンはやはり音質が大事。ふたりのプロが音楽を再生して、高音や低音がしっかり出ているかをチェックしました。
【テスト②:音漏れ】
骨伝導・オープンイヤーともに耳をふさがないだけに、周囲に音が漏れてしまわないか気になりますよね。そこで、使用時にどのくらい音が漏れるのか騒音計で計測しました。
【テスト③:外音】
耳をふさがないながら聴きイヤホンの特徴のひとつが、周囲の音が聞こえること。「でも、ほんとうに会話ができるくらい聞こえるの?」という疑問に答えます。
【テスト④:通話品質】
マイクを備えているイヤホンは、接続しているスマホの通話にも使えます。実用的かどうか「スピーカー」「マイク」の両機能をチェックしました。
【テスト⑤:接続性】
Bluetooth接続イヤホンの宿命でもある音の遅延がどの程度あるのかを調べました。
評価をしてくれたのは東京音研サービス代表の原田裕弘さんと、サウンドプロデューサーの大澤大輔さんです。
それでは、まずは17製品の総合ランキング結果を発表します。その後で、上記のテストごとの詳細な結果もご紹介しますのでお見逃しなく!
音漏れ&通話品質で“総合1位” SONY Xperia Ear Duo!
SONY
Xperia Ear Duo(XEA20)
実勢価格:1万6562円
タイプ:オープンイヤー
重量:10.6g×2
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:最大4時間
充電時間;約2.5時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP
第1位は「音漏れ」「通話品質」「接続性」という3つのテストでトップの評価だったSONY「Xperia Ear Duo(XEA20)」でした。音質こそ6位でしたが音楽用途では評価が高く、実用性の高いオープンエアータイプのイヤホンです。
操作で迷いたくない人向け AfterShokz TREKZ AIR
AfterShokz
TREKZ AIR AFT-EP-000005
実勢価格:1万4990円
タイプ:骨伝導
重量:約30g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:約6時間
充電時間:約2時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、HFP
第2位のAfterShokz「TREKZ AIR」は、ほとんどの操作をふたつのボタンで行え、直感的に使えるイヤホンです。骨伝導なので耳にやさしい、騒音が大きな場所でも使いやすいなどのメリットもありました。音質の評価は第1位でした。
コスパ重視の安くていいイヤホン SONY SBH82D
SONY
SBH82D
実勢価格:8751円
タイプ:オープンイヤー
重量:約25.5g(ケーブル含む)
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:最大7.5時間
充電時間:約2時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP
ながら聴きイヤホンをできるだけ安く手に入れるなら、おすすめは第3位のSONY「SBH82D」です。高評価にもかかわらず、1万円程度で購入できるのがお得です。
4位: 耳をふさがないドーナツ型パッド
SONY STH40D
SONY
STH40D
実勢価格:4372円
タイプ:オープンイヤー
重量:約18.0g
第4位のSONY「STH40D」は、パッドの形状が第3位のSBH82Dと同じドーナツ型。ワイヤレスではなくケーブル接続だけに価格が安くなっています。遅延が許せない人はこちらがおすすめです。
5位: ゴツいユニットのワイヤレス
NCD CODEO
NCD
CODEO
実勢価格:1万2960円
タイプ:骨伝導
重量:約70g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:7時間
充電時間:約2.5時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、 HSP、 HFP
音質と外音のテストで好結果を残したNCD「CODEO」が第5位でした。音楽再生用には最適ですが、見た目のゴツさに比例してかなりの重量級なので、使う人を選びそうです。
6位: 高音質がウリのスポーツタイプ
TREKZ TITANIUM
TREKZ
TITANIUM AFT-EP-000001
実勢価格:9590円
タイプ:骨伝導
重量:約36g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:約6時間
充電時間:約1.5時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、HFP
※楽天のリンクは色違いの商品です
耐久性に優れたタイタニウム製のTREKZ「TITANIUM」が第6位です
IP55の防水設計で、運動時の汗も気にせずに使えます。密度のある音質も高く評価されました。
7位: 19年夏大注目の最新モデル
AfterShokz Aeropex
AfterShokz
Aeropex
実勢価格:1万9634円
タイプ:骨伝導
重量:約26g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:最大8時間
充電時間:約2時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、HFP
第2位となったTREKZ AIRの後継モデルになるAfterShokz「Aeropex」は第7位と、少々残念な結果に。ただし、差がついたのは通話の性能で、その他の項目はほとんど遜色ありませんでした。
8位: 骨伝導専門のメーカーが開発
Goldendance SOUNDBONE
Goldendance
SOUNDBONE GD-SB
実勢価格:8439円
タイプ:骨伝導
重量:約15g(コード含む)
コードタイプ:Y型
コード長:1.2m
第8位は骨伝導専門メーカーがつくったGoldendance「SOUNDBONE」ですた。耳の穴に引っ掛けるタイプなので一見すると普通のイヤホンですが、骨伝導タイプなので音漏れはほとんどしません。
8位: スポーツ用に最適化した最新モデル
BoCo FIT BT-1
BoCo
FIT BT-1
実勢価格:1万9310円
タイプ:骨伝導
重量:約34g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:約6時間
充電時間:約1.5時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、 HFP、SPP/SBC
同じく第8位となったBoCo「FIT BT-1」は、屋外でも安心して使用できる防水設計。ランニングの相棒にも最適です。音楽用途での評価が高かったです。
10位: 耳のフチにつけるイヤーカフ型
ambie sound earcuffs
ambie
sound earcuffs
実勢価格:5940円
重量:約5.2g(ケーブル含まず)
タイプ:オープンイヤー
第10位はambie「sound earcuffs」でした。独特の形状は耳のフチに引っかけて使うため。低音がほとんど出ないため音楽をメインに使うには微妙ですが、通話の音質は上々でした。
10位: パワフルなアンプ内蔵のワイヤレス
BoCo earsopen BT-5 CL-1002
BoCo
earsopen BT-5 CL-1002
実勢価格:1万4063円
重量:約48g
タイプ:骨伝導
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:約10時間
充電時間:約1.5時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP/SBC
BoCo「earsopen BT-5 CL-1002」も同評価で第10位です。骨伝導タイプですが耳たぶを挟んで装着します。音質はキレイだっただけに低音が出ないのが残念でした。
12位: イヤーカフ型のワイヤレス
ambie wireless earcuffs
ambie
wireless earcuffs
実勢価格:1万2960円
重量:約27g
タイプ:オープンイヤー
重量:約27g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:約6時間
充電時間:
対応プロファイル:SBC Codec (A2DP)、CVSD(HFP)、MSBC(HFP)
接続性のテストでもっとも遅延が少なかったambie「wireless earcuffs」でしたが、総合では第12位に甘んじました。第10位のsound earcuffsと同じく耳のフチに引っ掛けて使うもので、音質も同様に低音がほとんど出ません。
13位: 長時間駆動のスポーツイヤホン
bonein BN-702
bonein
BN-702
実勢価格:1万5980円
重量:約45g
タイプ:骨伝導
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:最大12時間
充電時間:約3時間
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、HFP
第13位のbonein「BN-702」音質と接続性で高評価を得ましたが、外音と通話の評価が悪かったためにこの順位に。識者からは装着ポジションの悪さも指摘されました。
14位: 耳の中の軟骨を使った骨伝導
earsopen WR-3 CL-1001
BoCo
earsopen WR-3 CL-1001
実勢価格:1万300円
重量:約10g(コード含まず)
タイプ:骨伝導
第14位はBoCo「earsopen WR-3 CL-1001」です。第10位のearsopen BT-5 CL-1002と同じく耳たぶ装着型ですが、こちらはケーブル付き。外音(中)のテスト結果はよかったものの、それ以外は軒並みイマイチな成績でした。
15位: 耳の裏に当てる珍タイプ
earsopen WR-5 HK-1002
BoCo
earsopen WR-5 HK-1002
実勢価格:1万1960円
重量:約5g(コード含まず)
タイプ:骨伝導
第15位はユニットを耳の裏に装着する珍しい骨伝導イヤホン、BoCo「earsopen WR-5 HK-1002」。装着位置のためか音がこもって聞こえるのが残念でした。
16位: 骨伝導イヤホン付きサングラス
ZUNGLE V2:VIPER
ZUNGLE
V2:VIPER
実勢価格:2万3480円
タイプ:骨伝導
重量:50g
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:4時間
充電時間:1時間
一見するとただのサングラス、でもツルの部分に骨伝導イヤホンを内蔵しているZUNGLE「V2:VIPER」が第16位です。全体的に評価は悪かったものの、同様の製品は増えはじめており、今後の動向に注目です。
17位: キャップ側面にイヤホンを内蔵
EFG ZEROi
EFG
ZEROi
実勢価格:1万6900円
重量:約140g
タイプ:骨伝導
通信方式:Bluetooth
バッテリー駆動時間:最大5時間
充電時間:2時間
※デザインに変更あり
第17位のEFG「ZEROi」はサングラス以上の変わり種。キャップの内側に骨伝導イヤホンを内蔵しています。音質には期待できませんが外音はよく聞こえるため、なんとなくBGMを流しておきたいようなときに使えるかも知れません。
▼ランキングの一覧はコチラ!
※ズームでチェックしてみてください
以上、17製品の総合ランキングでした。
続きまして、「①音質」「②音漏れ」「③外音」「④通話品質」「⑤接続性」の5つのテスト項目ごとの評価をくわしく見ていきましょう。
【①音質テスト】骨伝導=音が悪い のイメージを覆す高評価
まずは、音質テストの詳細から振り返ります。
イヤホンとしての性能を測るうえで、もっとも重要なのはやっぱり音質です。ただ、以前の骨伝導イヤホンしか聴いたことのない人や未体験の人にとっては「そもそもちゃんと音が出るの?」という心配もあるでしょう。
そこで、まずはプロのファーストインプレッションで順位付けを行い、そのうえで高音がちゃんと出ているか、低音も感じられるかといった点をチェック。音楽を聴くのに適しているかを評価してもらいました。
評価方法は以下のとおりです。
【音のよさ】
ひと昔前のながら聴きイヤホン(骨伝導)は「音が悪い」というイメージがありました。プロにはまず、パッと聴いたときの印象を「音のよさ」として20点満点で評価してもらい、2人の平均点でランキングを作成しました。
【音楽用途】
音がよくても、必ずしも音楽に向いているとは限りません。そこで、BGMを流したときに心地いい音を奏でられるかを◎~×で評価してもらいました。
続けて、上位の4製品を紹介します。
音質テスト1位!
AfterShokz TREKZ AIR
AfterShokz
TREKZ AIR AFT-EP-000005
- 音のよさ: 16.5/20pt
- 音楽用途: ◎
音質テストで1位になったのは、AfterShokzの骨伝導イヤホン「TREKZ AIR」でした。
独自の「PremiumPitch+」技術により、高品質なサウンドを実現しており、国内外で高い評価を得ているモデルです。
今回のテストでは「高音だけじゃなく低音も出ている」「骨伝導なのに明瞭感が高い」とプロからも高評価。最新モデル「Aeropex」をも抑えてしまうという結果になりました。
高音がちゃんと出ていて、低音も感じられました!
明瞭感が高く、それが音の広がりを生んでいます!
さらに大澤さんいわく、「低音の音圧がそれなりにあり、バランスがいい」ため、TVドラマや映画といった“映像作品”を試聴するのにも向いているとのことでした。
音質テスト2位!
SONY SBH82D
SONY
SBH82D
- 音のよさ: 15.5/20pt
- 音楽用途: ◎
第2位はSONY「SBH82D」です。ドーナツ型のチップが特徴のオープンイヤータイプ。識者が口をそろえて「ちゃんとSONYらしさが出ていてスゴい」と評価しました。SONYらしい音楽が聴けます。
音圧と音の厚み、バランスのよさに驚きました!
音質テスト3位!
NCD CODEO
NCD
CODEO
- 音のよさ: 15/20pt
- 音楽用途: ◎
大型のユニットを備えた骨伝導イヤホン、NCD「CODEO」が第3位でした。3年以上前に発売されたモデルですが、リズムの振動とキレのある高域はインパクト大。見た目負けしない実力があります。
中~低音が感じられ、音楽的にも悪くありません。
音質テスト4位!
SONY STH40D
SONY
STH40D
- 音のよさ: 14.5/20pt
- 音楽用途: 〇+
第2位のSONYと本体形状は同様ですが、第4位のSONY「STH40D」はコードタイプ。重低音は無理でも低音がそこそこあり、中低音~中高音もしっかりでした。音楽以外にも向きます。
このジャンルのモデルにしては低音が出ていました。
音質テストでは
AfterShokzとSONYが軒並み上位
音質テストで、第1位に輝いたのは、米国のイヤホンメーカー・AfterShokzの「TREKZ AIR」。同社は骨伝導技術に定評があり、TREKZ AIRも、その技術が生かされた高音質が魅力の製品でした。
久しぶりに骨伝導イヤホンを試聴したというサウンドプロデューサーの大澤さんも、最初に装着した際に「あれ!? ちゃんと音楽聴けるレベルだ!」と驚いていたほどです。
2位から7位までは大きな差はなかったものの、AfterShokzとドンシャリ系で音に“らしさ”が感じられるSONYの製品が、軒並み上位に食い込んでいます。ながら聴きでも特に音質を重視したい人は、このあたりから選ぶと失敗が少なそうです。
▼音質テスト4位以下はコチラです
【②音漏れテスト】 大音量でも音漏れしないのは?
続いて、音漏れテストの詳細も振り返ります。
頭蓋骨を振動させたり、耳をふさがないという構造を考えると、なんだか盛大に音漏れするのではないかと心配になってきますよね。そこで、音質に続き、どのくらい音漏れしにくいかを測るテストを行いました。
テスト方法については、当初iPhone(iOS 12)の音量ゲージの真ん中(中)と最大(大)で計測しようと考えていましたが、製品ごとに音量に大きな差があったことと、骨伝導の音量を機械で計測することが難しかったため、人力で同程度の音量に調節し、音漏れを計測しています。
ボリュームはiOS 12の16段階で調整(スマホ側から)しました。
【音量(中)】
各製品ごとの音量の差が大きかったため、人力で同程度のボリュームになるよう調節。快適に音楽を聴けるレベルに合わせ、騒音計と人の耳で音漏れをチェックしました。
【音量(大)】
「音量(中)」からボリュームを上げ、うるさいと感じるレベルにボリュームを調節後、音漏れをチェックしました。
なお「音量(中)」「音量(大)」とも42.8~43dBAの室内で検証を実施しています。
音漏れテスト1位!
SONY Xperia Ear Duo
SONY
Xperia Ear Duo(XEA20)
実勢価格:2万3988円
第1位となったSONY「Xperia Ear Duo」は、アプリを使って環境音に合わせた音量調節などもできる多機能ワイヤレス。音漏れの性能は骨伝導より劣ると予想されましたが、唯一大音量でも音漏れを感じず、1位を獲得しました。
音漏れテスト2位!
Goldendance SOUNDBONE
Goldendance
SOUNDBONE GD-SB
実勢価格:8439円
発売から5年以上経つロングセラーのGoldendance「SOUNDBONE GD-SB」が第2位です。ほかの骨伝導と違い耳をふさぐ(?)形状のためか、音漏れに強かったようです。
音漏れテスト3位!
AfterShokz Aeropex
AfterShokz
Aeropex
実勢価格:1万9634円
第3位はAfterShokzの最新モデル、「Aeropex」でした。従来品より音漏れは軽減されていますが、大音量で聴くと少しシャカシャカ音が聞こえました。
電車や街中、オフィスでも
音漏れ検証してみました
ながら聴きイヤホンの音漏れ問題。実際に近くに使用している人がいるとどの程度気になるのか、6つのシチュエーションで実験してみました。なお、表の評価は各環境ごとの使いやすさです。
【電車】
電車内は走行中も停車中もそこそこうるさいため、ボリューム13以上にしないと外の音に音楽が埋もれて聞こえませんでした。音漏れは気にする必要なさそうです。
- ラジオ: △
- 音楽: 〇
○ 周囲の騒音 : 67~80dBA
○ 隣人との距離 : 40cm
○ 自分が聴くのに必要な音量 : 13~(iOS)
○ 隣人に聞こえる音量 : -(iOS)
【街なか】
街なかもそこそこの騒音レベルなので、ボリュームを大きめにしないと音楽が聞こえません。しかし、音漏れは歩いている分には気にしなくてOKでした。
- ラジオ: △
- 音楽: ◎
○ 周囲の騒音 : 67~76dBA
○ 隣人との距離 : 60cm
○ 自分が聴くのに必要な音量 : 13~(iOS)
○ 隣人に聞こえる音量 : -(iOS)
【カフェ】
比較的静かなカフェでは、ラジオも音楽も小さめの音で聴きやすかったです。近くに人がいる場合、ボリューム13くらいから音漏れが気になるので注意しましょう。
- ラジオ: ◎
- 音楽: ◎
○ 周囲の騒音 : 53~63dBA
○ 隣人との距離 : 60cm(カウンター席)
○ 自分が聴くのに必要な音量 : 6~(iOS)
○ 隣人に聞こえる音量 : 13~(iOS)
【オフィス】
カフェと似た騒音レベルで結果も近かったですが、ラジオは少し大きめの音量のほうが聴きやすいです。
- ラジオ: 〇
- 音楽: ◎
○ 周囲の騒音 : 52~65dBA
○ 隣人との距離 : 100cm
○ 自分が聴くのに必要な音量 : 6~(iOS)
○ 隣人に聞こえる音量 : 14~(iOS)
【スタジアム】
静かめな場面でもかなりの騒音。ラジオは、ボリューム最大でも聞き取りづらく、音楽も歓声が起きると聞こえません。音漏れの心配は無用です。
- ラジオ: X
- 音楽: △
○ 周囲の騒音 : 75~100dBA
○ 隣人との距離 : 50cm
○ 自分が聴くのに必要な音量 : 16(iOS)
○ 隣人に聞こえる音量 : -(iOS)
【寝室】
空調も切った静かな室内では、音漏れの限界は低いです。ただ、音漏れが気になり出す本機のボリューム12は、この環境下なら十分以上の大音量でした。
- ラジオ: ◎
- 音楽: ◎
○ 周囲の騒音 : 42~43dBA
○ 隣人との距離 : 50cm
○ 自分が聴くのに必要な音量 : 4~(iOS)
○ 隣人に聞こえる音量 : 12~(iOS)
結果、カフェやオフィス、寝室では音量を上げすぎないように注意が必要ですが、意外と音漏れを気にせずに使えることがわかりました。
音漏れテストでは
Xperia Ear Duoが断トツでした!
第1位の「Xperia Ear Duo」は、中音量でも大音量でも騒音計は反応しませんでした。外から人の耳で聞いてみても、ボリューム7くらいまでは無音。大音量にしたときも、耳を澄まさない限りは、何かを聴いていることにさえ気づかない高性能ぶりを見せつけました。
第2位の製品でも、大音量にするとうっすらシャカシャカ聞こえたので、断トツの1位といってよさそうです。
▼音漏れテスト4位以下はコチラです
【③外音テスト】物音や声が ハッキリ聞こえるのは?
続いて、ながら聴きイヤホンの“キモ”である外の音の聴きやすさはどんな結果だったのでしょうか。詳細を振り返ります。
ながら聴きイヤホンの真骨頂は、やはり「外の音も聞こえる」ことでしょう。というわけで、周囲の音がどの程度聞こえるのかを比較してみました。
テスト方法は以下のとおりです。
【外音(中)】
音楽を心地よく聴ける音量で、1m離れたところからランダムにニュースの音声を流し、音声や内容が聴き取れるかをテストしました。音声が聞こえるだけの場合△、ところどころ内容が聞き取れる場合は○、問題なく内容が聞き取れたら◎と評価しています。
【外音(大)】
大音量で音楽を聴くことを想定し、その状態でもニュースが聞き取れるかのテストを実施しました。評価の採点基準は「外音(中)」と同様です。
テストした「音量(中)」と「(大)」は、音漏れテストと同じくiOS 12を搭載したiPhoneの16段階のボリューム調節を使用。参考値として表内にも記載しています。
外音テスト1位!
EFG ZEROi
EFG
ZEROi
実勢価格:1万6900円
- 電話: ◎
- LINE: ◎
音のプロから「隣の人の音漏れを聴いているみたい」と評されたキャップ型骨伝導イヤホンのEFG「ZEROi」ですが、その音のおかげで外の音はバッチリ聞こえました。
外音テスト2位!
AfterShokz TREKZ AIR
AfterShokz
TREKZ AIR AFT-EP-000005
実勢価格:1万4990円
音質では第1位となった骨伝導イヤホンは、中音量の聞こえやすさが抜群でした。
こちらも外音テスト2位!
NCD CODEO
NCD
CODEO
実勢価格:1万2960円
音質でも高評価だったNCD「CODEO」。大音量でもかなり聞き取れました。
音質や音漏れのテストで振るわなかった「ZEROi」が第1位となった理由は、実際に音楽を聴いてみるとわかります。ZEROiや4位の「V2:VIPER」は、音漏れが激しく、耳から離れた場所で音がしている“スピーカー”感覚。しかも、一般的なスピーカーに比べれば音が小さいため、ボリュームを上げても外の音が聞こえるのです。
そう考えると、音質や音漏れのテストで高評価だったのに、このテストでも上位に来ているAfterShokz「TREKZ AIR」とNCD「CODEO」はスゴいとしかいいようがありません。
▼外音テスト4位以下はコチラです
【④通話品質】“ながら通話”なら ソニーが上位独占!
マイク機能も備わっている製品は、実際に通話に使えるのかをテストしました。
テスト方法は以下のとおりです。
【電話】
イヤホンを用いてスマホで通話したときの音声が、大きく、クリアで聞き取りやすいかを比較しました。テストでは2名で通話をしながら、イヤホンの「マイク」と「スピーカー」両方の性能をチェック。スマホ本体の通話品質に近いほど、高く評価しています。
【LINE】
最近は、ネット回線を使ってLINEで通話する人も多いため、LIMEでも電話と同様のテストを実施しました。
通話品質1位!
SONY Xperia Ear Duo
SONY
Xperia Ear Duo(XEA20)
実勢価格:1万6562円
- 電話: ◎
- LINE: ◎
ながら聴きイヤホンは「音楽を聴きながら~」という使い方がメインになりますが、SONY「Xperia Ear Duo」は通話品質がめちゃくちゃ高く、電話もLINEも、スマホ本体で通話するより快適でした。文句なしのS評価です。
部屋のスピーカーでBGMを流し、コレで会話するという使い方をしたくなります。
通話品質2位!
SONY SBH82D
SONY
SBH82D
実勢価格:8751円
- 電話: ◎
- LINE: 〇+
LINEは話すのも聞くのもスマホ本体がやや勝りましたが、電話はイヤホンのほうが声を聞きやすかったです。
こちらも通話品質2位!
SONY STH40D
SONY
STH40D
実勢価格:4372円
- 電話: 〇+
- LINE: ◎
電話はスマホのほうがほんの少しクリア。LINEの声はイヤホンのほうが聞きやすかったです。
なお、最近のながら聴きイヤホンはほとんどマイク付きですが、Goldendanceのようにマイクなしもあるので、通話にも使う人は購入前に確認しましょう。
【⑤接続性テスト】 ワイヤレスはまだ改善の余地あり
最後にスマホとの接続性も振り返りましょう。
スマホとの接続はワイヤレスな製品が多いだけに、再生時に音の遅延がないかを確認しました。
Bluetooth接続のイヤホンで最も遅延を感じるのがゲーム。そこで、リズムゲームの判定調整機能を使い(数値が小さいほど遅延少)、遅延の差を比較しています。
スマホとの接続性1位!
ambie wireless earcuffs
ambie
wireless earcuffs
実勢価格:1万2960円
A評価だったambie「wireless earcuffs」は、耳たぶの上のフチにつけるイヤーカフ型のイヤホンです。10~15といった明らかに音ズレを感じる製品も多いなか、本機の遅延は6と低かったです。慣れれば調整なしでもギリギリプレイ可能な水準といえます。
スマホとの接続性2位!
SONY Xperia Ear Duo(XEA20)
SONY
Xperia Ear Duo(XEA20)
実勢価格:1万6562円
ほかのテストでも高評価のSONYの「Xperia Ear Duo」は、遅延6でここでも上位の評価を得ました。
スマホとの接続性3位!
bonein BN-702
bonein
BN-702
実勢価格:1万5980円
大型のユニットと長時間駆動が特徴の骨伝導イヤホン、bonein「BN-702」も遅延は少なめでした。
接続性では、ほかの製品が苦戦するなか、以上3製品が遅延が少なかったです。
すべてのテストで上位入賞は SONY Xperia Ear Duoでした!
今回の総合1位は文句なしで、SONYの「Xperia Ear Duo(XEA20)」でした。多機能だけに値段がお高めなどの点もありますが、現時点ではトップの実力は疑う余地なしです。
また、今回検証してみて全体に全体に言えるのは、音量を大きくしすぎると外の音が聞こえにくくなること。この点は、どのモデルでも課題だといえますね。今後の進化に期待です!
「結構音楽聴けるじゃん」と感じた製品もありました!