近年目立つ水害……他人ごとではありません
災害大国といわれる日本、地震はもちろんですが、近ごろ目立つのが水害です。
先月は九州北部を中心に記録的な大雨が襲い、1時間に120ミリ以上の猛烈な雨を観測した地域もありました。川の氾濫、駅や市街地の浸水など、深刻な被害状況となったのは記憶に新しいところです。
実は「河川や海が近くにない」という地域でも油断は禁物。今回や昨年の西日本豪雨のような雨量であれば、想像よりも水位が上昇したり氾濫する恐れががあります。
浸水した車から脱出!水害時の緊急アイテム
今回ご紹介するのは、“車用緊急脱出ハンマー”です。
水害時には、車に乗ったまま浸水して閉じ込められてしまう事故が起きています。そのようなとき、ヘッドレストなどを使って窓を内側から割ることは可能ですが、コツが必要。
ふだんから脱出用ハンマーを車に置いておくことで、いざというときの備えになります。
[宝の持ち腐れにならないために…]
正しいハンマーの使い方、教えます
ハンマーを使って脱出した経験はそうそうないと思いますが、もしそのような状況に直面したら、窓をどう叩けばいいのかご存知ですか?
じつは、窓の中央を叩いても周囲に力が分散してしまい、割れないことがあります。正解は“四隅を狙って叩く”です。また、ハンマーは“窓に対して垂直に当てる”ことも重要。斜めに当たると力が逃げてしまい、割れにくくなります。
いざというときに焦らないように覚えておきましょう。
車用緊急脱出ハンマー4製品ガラスを割ってガチ検証です
いくらハンマーを準備しておいても、実際に割れなければまったく意味がありません。女性や高齢者などでも使えるよう少ない力でも割れること、また使いやすさや携帯性などが重要です。
通販サイトで入手できる製品を集め、その中から4製品を専門家とともに検証しました。
▼チェック項目
①使いやすさ
②割れるか
③携帯性
また、今回は実際に車の窓を割っての検証です。廃車のリサイクル、自動車 中古部品の販売、中古車の買取・販売などを行う株式会社3R様にご協力をいただき、検証を行いました。
それでは、車用緊急脱出ハンマー4製品のテスト結果をご覧ください!
収納には困りそうだけど女性の力でも割れそうな“ワイピー”
ワイピーシステム
消棒RESCUE
実勢価格:5400円
▼テスト結果
使いやすさ:◎
割れるか :◎
携帯性 :△
総合評価 :A
1位を獲得したのが、ワイピーシステムの「消棒RESCUE」。軽く叩いただけでも窓が割れる優秀製品です。
むしろ、力を入れると割れたガラスが手に当たってしまいそうなので、けがをしないように気をつけたほうがいいくらいでした。
本体にカッターや消火具が付いていてサイズが大きめ。性能面ではS評価にしたいくらいですが、携帯性にやや難ありなのでA評価となりました。
シートベルトカッターが付いているので、バックルが壊れた時に切って外せます。ガラス破砕先端部は小さくても高性能。消火具が付きです。
大きめなのでしまう場所はとりますが、小さな力で割れるので女性にもおすすめしたい優秀ハンマーです!
Amazonベストセラーだけど狭い場所でやや使いづらい…
LIHAO
緊急ライフハンマー
実勢価格 1199円
▼テスト結果
使いやすさ:○
割れるか :◎
携帯性 :○
総合評価 :A
金づちタイプは振り下ろすためのスペースが必要になります。問題なく割れましたが、狭い場所では使いづらい印象でした。
ただ、シートベルトカッター付きは便利ですね。
製品が小さすぎて割る時にケガ女性には不向きな“ジーエム”
ジーエム
レスキューミー
実勢価格 2680円
▼テスト結果
使いやすさ:×
割れるか :○
携帯性 :○
総合評価 :B
手に隠れそうなくらいの小さなサイズ感で、窓を割るのに危険を感じました。検証ではその不安が的中。割った時にガラスで切り傷を負ってしまいました。ガラスは問題なく割れましたが、手が痛い……。
C評価: 今回唯一窓が割れない!!
脱出不可能ハンマー
Coolli
緊急脱出ハンマー
実勢価格 599円
※現在は在庫切れ
▼テスト結果
使いやすさ:○
割れるか :×
携帯性 :○
総合評価 :C
今回、唯一、窓が割れなかったハンマーがコチラです。力を込めて3回叩いても割れませんでした。水没しそうな状況だったら……と考えるとかなりの不安がよぎります…。しかもライト付きですが、そのライトが防水仕様じゃないなんて…。
緊急時に使えるのでしょうか?
以上、車用緊急脱出ハンマーの4製品比較でした。
異常気象が続く昨今の日本。もはや他人事ではありません。しっかりと防災準備をして家族や大切な人の安全を守りましょう。
いざというときの脱出用に用意しておきましょう。