おいしい中華料理を作るなら中華鍋を使おう
料理をもっと極めたい!と思うとさまざまな調理器具も気になるところ。本格的な中華料理を作りたい人にはぜひフライパンではなく中華鍋を使ってみることをおすすめします。
中華鍋は手間がかかる?
中華鍋というと重たい鉄製のもので、使う時の手間がかかると思う人もいるかもしれません。ですが最近は軽いチタン製のものやIH対応で使いやすいタイプ、焦げ付きにくいように加工されているものや空焼きの必要がない商品もあります。以前よりは扱いが難しくなく、一般家庭でも使いやすくなりました。
揚げ物や焼きそばにもおすすめ 中華鍋はザックリ分けて2種類!
日頃のお料理に、中華鍋って使っていますか? あまりなじみがない方も多いかもしれませんね。
中華鍋には長い取手のついた「北京鍋」と両側に握れる取手がついた「広東鍋」があります。まずは、それぞれがどんな鍋なのか知ることからはじめましょう。
▼北京鍋
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家庭用で多く使われている中華鍋といえば取っ手が1つのコレ。取っ手が長く持ちやすいため、フライパンと同じように片手で鍋を振ることができるのがメリット。底が深く、チャーハンや炒め物に最適!初心者でも使いやすいのが特徴です。
少量でも作りやすいですが、量が多すぎると重くなってしまうので注意しましょう。
▼広東鍋
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プロの中華料理人が使用することが多いのはコチラ。北京鍋に比べて底が浅く、両側に持ち手がついているため安定感があり、五徳に置きやすいのが特徴です。調理面積が広く、一度でたくさん作れるので家族のいる家庭だと使いやすいでしょう。また、油や水を早く加熱することができてムラなく調理できるので揚げ物や蒸し物など料理の幅が広がります。ただし小さな持ち手を握りながら炒めるためチャーハンを作るにはコツが必要。
中華鍋はお手入れが大事 最初の空焚きは必須です
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中華鍋を購入したらまずは空焼きをしましょう。さいしょに高熱を加えることで焦げ付きの防止になります。また油を染み込ませて鍋ならしを行うことで使いやすくなります。
普段のお手入れとしては、洗う際に洗剤はNGです。油が剥がれてしまいサビの原因に。お湯を使ってたわしなどで洗いましょう。油がだんだん馴染んでくるとサビを防ぐだけでなく、ここでも料理の焦げ付きを防げますよ。
空焼きや鍋ならしの手間が面倒な人や焦げ付きが不安という人には、ステンレスとアルミの素材がを検討してみましょう。焦げ付きにくいように加工されているものもあるので、お手入れの心配もなく使うことができますよ!
では中華鍋についてざっくりわかったところで、どんなものを選べばいいのか大事なポイントを探ってみます。
買う前にチェック! 知っておきたい選び方のポイント
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良い中華鍋を長く使いたい! そのために知っておきたい項目は4つあります。
▼選ぶポイント①:重さとサイズ
炒め物は基本片手で鍋を振ることが多いので、日本人女性ならあまり重い中華鍋はおすすめできません。スピード勝負の炒め物なら軽くて使いやすい商品がベスト! あまり大きい中華鍋を買ってしまうと使い勝手が悪くなってしまいます。
サイズの目安は普段使っているフライパンより一回り大きいくらいを基準にしてみましょう。2人分で28~30cm、それ以上でも30~33cm程度の中華鍋を選んでおくようにしましょう。大きすぎる中華鍋を選ぶと家庭用のコンロでは二口分の場所を取ってしまうこともあるので、コンロの形状とサイズは買う前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
▼選ぶポイント②:鍋の素材
北京鍋と広東鍋、どちらを使うかも重要なポイントですが、どんな素材かも使い心地に関わってきます。鉄が主流ですがチタンは鉄よりも軽いため、鍋が振りやすく人気となっています。
またアルミとステンレスの多重構造だと鍋の表面に焦げ付きにくい加工がされているものが多いので、油を多く使う必要がなくなり、ヘルシーに仕上がります。鉄に比べると熱伝導率や耐久性などは劣るので、表面の加工が劣化したら買い換える必要があります。
▼選ぶポイント③:IHユーザーなら対応型を!
IH対応の商品も増えてきてはいますが、中華鍋の基本は底が丸く、ガス火用に作られているので、IHの場合は対応していないと使えないので注意が必要です。必ずIH対応型かチェックしてから買うようにしましょう。
またIHで使う場合は鍋を持ち上げて調理ができない点も留意してください。
▼選ぶポイント④:持ち手の形状で選ぶ
中華鍋によっては、持ち手が本体と同様の鉄製になっていることがあります。同じ素材だと安定して持つことができますが、持ち手が鉄製だと火力によっては持ち手にも熱が伝わってしまい、素手で持つことができない場合があります。鍋つかみなどを毎回使うのは面倒な人は持ち手部分も一体型の鉄よりは木製など素手で握れるものだと扱いやすいでしょう。
美味しいチャーハンを作れるのは? 味と使い心地を徹底検証
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選ぶポイントを踏まえた上で、使ってみないとわからない「使い心地」と「美味しく作れるのか」という点をテストしました。
今回はチャーハンづくりに焦点を当て、科学する料理研究家・さわけん氏の協力のもと、Amazonで人気を集める6製品の中華鍋を実際に調理した上で評価を決めます。使いやすさ、おいしさの他に、パラパラ感としっとり感もチェックしましたよ。
果たして最強の中華鍋はどれなのか? ランキングの結果はこちら!
なんとベストは“2000円” プロが使いやすさを大絶賛!
エポラス
ファンシア 鉄製木柄北京鍋 30cm お玉付き FAN-30P
実勢価格:2002円
材質:鉄
重量:835g
▼評価
使いやすさ:A
おいしさ :B
パラパラ感:★★★★★
しっとり感:★★★★☆
並みいるレビュー高評価モデルを退けたのは、なんと2000円の格安中華鍋! 実際に調理をして頂いた、さわけん氏も絶賛でした。
ご飯が踊る感覚がおわかりいただけますでしょうか? 油が全体に馴染みやすく、すぐにお米がパラパラと炒められました。
本体自体が軽いうえ、取っ手が細めの木製なので、たいへん持ちやすいというのもポイント。女性でも鍋を振って調理ができそうです。2000円という価格も魅力的。ぜひご自宅でお試しあれ!
今回テストしたその他の中華鍋も、それぞれ個性的な特徴を持っていました。評価のポイントとともにご紹介していきます。
これぞ、“ザ・中華鍋” 重いが仕上がりはピカイチ
EBM
鉄ブルーテンパープレス
中華片手 30cm
実勢価格:2501円
材質:鉄・ブルーテンバー
重量:1050g
▼評価
使いやすさ:C
おいしさ:A
パラパラ感:★★★★★
しっとり感:★★★★★
油のまわり具合が素晴らしく、炒飯の仕上がり自体はナンバーワンでした。1050gと重く、扱いにくい点は気になりますが、まさに中華鍋といった趣で、本格志向の方に最適です。
Amazonレビュー多数の人気鍋 木の取っ手が使いやすい!
リバーライト
極 ROOTS炒め鍋28cm
実勢価格:6556円
材質:鉄【IH対応】
重量:1130g
▼評価
使いやすさ:B
おいしさ:B
パラパラ感:★★★★★
しっとり感:★★★★☆
Amazonのレビュー数が228件と一番人気の中華鍋。重さはちょっと気になりましたが、取っ手部分の使い勝手がなかなか良く、人気があるのも頷けました。
味わいも文句ナシですが、お値段がちょっと高いところがマイナスポイントに。
4位: ほどよい深さで米がひっつかない
料理が苦手な人でも上手に使えそう
タマハシ
CK-323
陳建一 IH200V対応北京鍋28cm&
ミニシャーレンセット 0730i
実勢価格:3888円
材質:鉄【IH対応】
重量:980g
※Amazonでは在庫切れとなっています
▼評価
使いやすさ:B
おいしさ:B
パラパラ感:★★★☆☆
しっとり感:★★★★★
本格的な中華鍋のつくりではありませんが、ほどよい深さがあって、お米もひっつきにくく使いやすさが光りました。パラパラ度がちょっと物足りませんが、料理が苦手な人でも上手に使えそうな一品です。IH対応なのも嬉しいところ。
5位: 油なじみがよくて軽め
普段使いしやすい実力派
山田工業所
鉄 打出片手中華鍋
(板厚1.2mm)30cm
実勢価格:4558円
材質:鉄
重量:980g
▼評価
使いやすさ:B
おいしさ:B
パラパラ感:★★★★★
しっとり感:★★★☆☆
お椀型で油もよく馴染み、簡単にパラパラチャーハンができました。取っ手部分が鉄製なのですが比較的軽いので、普段の調理でも活躍できる実力派です。
6位: IH対応ですが重たさNo.1
少し使いづらいかもしれません
和平フレイズ
鉄いため鍋28cm 厳選素材
IH対応 GR-9749
実勢価格:2091円
材質:黒皮鋼板【IH対応】
重量:1260g
▼評価
使いやすさ:C
おいしさ:B
パラパラ感:★★★★★
しっとり感:★★★★☆
今回比較した鍋の中で一番重かった1260g。お米もくっつく事なくパラパラになったのですが、側面の油がなじみにくかったのが残念でした。
初心者は小さめのサイズで慣れるのもアリ
中華鍋を初めて使う場合、やはりフライパンよりは大きくて重く、扱いが難しいので思うようにいかずに焦げ付いてしまったり失敗してしまったりすることもあります。まずは中華鍋の使い方に慣れるために、小さくて重くないものや焦げ付きを防いでくれる加工がされているものを選び、重さや使い方に徐々に慣れていくのもアリです。
初めのうちにしっかりと慣れれば料理の幅が広がり、扱いもわかるようになってくるので、一度にたくさん作れる大きさの中華鍋にもチャレンジできるようになるでしょう。
長く愛用できる製品を選ぶことが大事
しっかり手入れをすることで鍋を育てることができます。鉄製の中華鍋は初めのうちは焦げ付きが心配なのでしっかりと空焼きをしたり、鍋なじみをする必要があります。しかし使っていくうちに油がしっかり鍋になじんでくるので焦げ付きにくくなります。
フライパンで調理するよりも鍋全体を強火で熱することによってムラなく熱が通り、食材の水分が外に出ることなく料理の仕上がりが格段とよくなりますよ。
中華鍋も手頃なものから高価なものまで幅広くありますが、自分好みの鍋に育てて長く愛用していきたいと思うのであれば、値段だけで選ばす耐久性の高いしっかりとした商品を選ぶ方がいいでしょう。
本格炒飯をつくるカギは “軽い中華鍋”を選ぶことでした
「炒飯がどれだけ美味しくできあがるか」という評価基準でテストを行ったところ、ポイントは「軽さ」と「熱伝導率」にあることがわかりました。片手でもラクに鍋を振れて、鍋全体に油がまわりやすい「ファンシア」だと、簡単にパラパラのお店風チャーハンが完成するのです!
奥深き中華鍋の世界、ぜひお試しあれ!