家庭用鍋の種類はザックリ4つ 片手鍋は幅広く活躍できる!
ロジカルに料理を語った料理本『理系の料理』(秀和システム)の著者である料理研究家、五藤隆介さんいわく、今回のテーマ「片手鍋」こそ、毎日料理をする主婦だけでなく、料理を趣味とする人や料理初心者もこだわるべきキッチンツールだそう。まずは4つの鍋について詳しく見ていきましょう。
[その①:片手鍋] 汎用性の高い基本の鍋
麺、野菜をサッと茹でるのに最適です。味噌汁もすぐに作れて簡単な調理もおまかせ! もっとも容量が少ないミルクパンと、両手鍋の中間に位置する鍋なので汎用性が高く、最初に買う鍋にもぴったりです。
[その②:両手鍋] カレーを作るのにおすすめ
片手鍋よりも容量が多いのが特徴。カレーなど量が多い料理を煮込むときに最適です。
[その③:雪平鍋] 日本料理向き
日本料理向きの片手鍋。熱伝導率が高く、出汁を取る鍋として知られています。
[その④:ミルクパン] ミルクやお湯の温め用
ミルクなどを少量温めたり、お湯を温めるときに使う鍋。片手鍋より容量は少なめです。
使いやすい片手鍋の選び方は 2つのポイントでチェック!
見てきたように、片手鍋はほどよいサイズが魅力。主婦だけでなく男性でも簡単に使いこなせて、1人暮らしやキッチンの狭い人の家でも収納しやすいです。
ちょっとだけお湯を沸かしたい、味噌汁を少量作りたいというときに使う鍋なので、選び方には大事な2つのポイントが。それは、ズバリ熱伝導とサイズです!
[選び方①:軽くて熱伝導のいい材質]
片手鍋はアルミ、ステンレス、ホーローでできた製品が多いです。材質の違いを知って自分のライフスタイルに合ったものを選んでみましょう。
オススメは、もっとも熱伝導率が良くて料理の時短効果の高いアルミ製です。
●アルミ製:すぐ熱が伝わり軽い!
アルミは、ほかの素材と比べて圧倒的に軽く、熱伝導が速いのが魅力。短時間でお湯を沸かせるので、1つあると重宝すること確実です。ただし、軽量で素材自体が薄く酸やアルカリに弱いので、調理後はなるべく放置せず別容器に移す必要があります。
●ステンレス製:保温キープ力高め!
ステンレスは、熱伝導が悪く時短効果はない反面、保温性が高く温度キープに向いています。平均的な重さで使いやすいです。錆びにくく耐久性が高い一方で、焦げつきやすいという弱点もあります。
●ホーロー製:熱が逃げにくい!
ホーローは、ほかの素材に比べて重さが気になります。熱伝導率が高く、熱が逃げにくいというのがメリットですが、衝撃や急激な温度差に弱く、ヒビからサビができてしまうなど耐久性ではイマイチです。
[選び方②:使いやすいサイズ]
サイズも多種多様ですが、おすすめは直径18cm。小さすぎず大きすぎず、いろんな用途で活躍してくれます!
〈直径16cm〉
ゆで卵を茹でたりちょっとだけお湯を沸かすのに適したサイズ。1人暮らしの人にぴったりで小さめです。
〈直径18cm〉
2~3人分の汁物や煮物を作るのに最適。隣のコンロにフライパンが乗っかっていても邪魔になりません。
〈直径20cm〉
しっかりした調理ができるサイズ。けれど片手で持つのは大変なので、気軽に使いたいという人には不向き。
以上のポイントをふまえ、料理のプロがベストな片手鍋を探しました。良いものから順にS・A・B・Cで評価しています。結果をご覧ください!
焦げつきにくくて使いやすい 沸騰最速の「パール金属」
パール金属
片手鍋 18cm ガラス鍋蓋付
ガス火専用 フッ素加工 ミッドH-495
実勢価格:727円
堂々の1位に輝いたのは、パール金属「片手鍋 18cm」。沸騰までの時間が最短と高性能なのに軽くて小回りが効く、使い勝手のよさが光りました。もっとも焦げつきが少なかったのもこの鍋でした。
▼テスト結果
総合評価…………S
使いやすさ………◎
沸騰の速さ………◎(5分27秒)
焦げつきにくさ…○
使いやすさはトップクラス! 371gと軽くて調理もラクラクです。
持ち手の持ちやすさも感動もの。くぼみに親指がフィットして安定感が高く、ほかの調理をしながらでもサッと使えます。フタの取っ手も持ち上げやすいです。
焦げつきにくさも高評価です。ケチャップを塗布してカセットコンロの中火で3分ほど加熱してチェックしたところ、焦げつきがイチバン少なかったのがコチラの鍋。
ある程度は焦げつきますが、普段使いではストレスを感じないレベルでした。しかも、ニトリの最安クラスよりも安価といいことだらけ。文句ナシの1位決定です!
蓋の取っ手に溝があり、これがしっかり手に引っかかるのがポイント。持ち上げやすいし、安定感も◎です。
700円台とは思えないおしゃれさと高級感も魅力です。
799円とは思えない使いやすさ! 最安なのに優秀なのは「ニトリ」
ニトリ
ガス火 片手鍋18cm(ポルト)
実勢価格:799円
2位になったのは、ニトリの「ガス火 片手鍋18cm」。799円という安さも魅力です。沸騰するまでの時間は4製品中最下位でしたが、持ち手の滑りにくさなど扱いやすさが高評価でした。
▼テスト結果
総合結果……………A
使いやすさ…………◎
沸騰の速さ…………△(6分45秒)
焦げつきにくさ……△
フタの取っ手の持ちやすさ、持ち手の滑りにくさが優秀。1位のパール金属にも負けない使い勝手です。
手がしっかり引っかかり、持ちやすさは文句なしです。でも焦げつき具合は残念。
ただ、水につけておくとキレイに焦げを落とせました。沸騰までの時間がやや弱点ですが、使いやすさではトップクラスの片手鍋といえます。
フタの取っ手がちょっと惜しい 「クックスマーク」
クックスマーク
片手鍋18cm ガラス鍋蓋付き IH対応
フッ素加工 グリーン
実勢価格:1580円
3位になったのは、クックスマーク「片手鍋18cm」。沸騰までの速さや焦げつきにくさはなかなか優秀でしたが、取っ手がつかみづらくて持ち上げにくいところが惜しかったです。
▼テスト結果
総合結果…………B
使いやすさ………△
沸騰の速さ………○(5分59秒)
焦げつきにくさ…○
フッ素加工されていることもあり、焦げつきにくさは優秀。1位のパール金属とは大差ない成績でした。
ご覧のように焦げつきは少なめ!
けれど、溝が浅くちょっと持ち上げにくいのが残念!沸騰までの時間は1位より30秒かかりましたが、6分以内は合格圏内です。持ち手も溝があって握りやすいので、フタのつかみにくさだけが惜しいです。
4位: ケチャップがガチガチに焦げついた
「和平フレイズ」
和平フレイズ
片手鍋18cm IH対応 ネイブルー RA-9216
実勢価格:1771円
4製品中で最下位になってしまったのが、和平フレイズ「片手鍋18cm」。こちらは沸騰の速さこそトップクラスでしたが、ほかの項目で伸び悩みました。とくに焦げつきやすさが弱点です。
▼テスト結果
総合………………B
使いやすさ………△
沸騰の速さ………○(5分32秒)
焦げつきにくさ…×
3分の加熱でケチャップが炭化。焦げがしっかりこびりつき、水につけても付いたままでした。
このようにケチャップがほぼ炭と化してしまい残念すぎ!
取っ手の掴みにくさを感じてしまう。持ち手もやや短い印象です。
取っ手はつまむタイプの形で好みが分かれそう。でやや使いにくさを感じてしまいました。沸騰までの時間は優秀で、1位のパール金属とほぼ変わらないタイムでした。
今回は1人暮らしにはもちろん、料理好きの方のサブ鍋にももってこいの「片手鍋」を紹介しました。1位のパール金属は727円と激安にもかかわらず、毎日の料理に活躍してくれること確実。ふだん使いの手軽な鍋は、この片手鍋で決まりです!
1点だけ要注意!IHのご家庭は 3位の「クックスマーク」を
写真/PIXTA(トップ写真も)
今回ベストバイに輝いたパール金属、そして2位のニトリは残念ながらガス火専用片手鍋。IH調理器をお使いの方は、3位のクックスマークを選択肢に入れてみてください。使いやすさの点だけ惜しいポイントがありましたが、そのほかは評価の通り優秀。おすすめできる片手鍋でした。
鍋はフライパンに比べると熱が早く伝わります。その分焦げつきやすいので、煮物や汁物をいかに短時間で温められるかが鍋選びのカギです!