自動調理器で何ができる?
自動調理器(電気調理器)は、材料や調味料を入れてセットするだけで、カレーや肉じゃが、角煮、煮魚、炒め物など、さまざまなメニューを“ほったらかし”で作れる調理家電。面倒な火加減の調整も、機械が自動で行ってくれる頼もしいアイテムです。
これまで長年、“かき混ぜ機能付き”の自動調理器は、シャープの「ホットクック」が独走していました。そこにパナソニックやティファールが参入し、競争が激化。
シャープやパナソニックは「全自動」機能が強みですが、価格は7万円台(検証時)と高めです。一方、ティファールはかき混ぜ機能付きながら4万円以下(検証時)と手頃。とはいえ、料理の味や使い勝手、機能性は製品によって大きく異なります。
そこで今回は、雑誌『家電批評』編集部がプロとともに、人気の自動調理器3モデルを徹底比較。実際に使用して検証した結果をもとに、味や性能からおすすめ製品をランキング形式で紹介します。
【結論】自動調理器のおすすめは「シャープ」
雑誌『家電批評』が実機を集め、プロとともに比較テストを行った結果、自動調理器のおすすめランキング第1位・ベストバイに選ばれたのは、シャープ「ヘルシオ ホットクック プロ KN-HW24H」でした。
同製品で調理したカレー、豚の角煮、さばのみそ煮は、いずれも3製品中で最も高い評価を獲得。操作のしやすさや、パーツの洗いやすさなど、使い勝手の面でも高く評価されました。
とくにさばのみそ煮の完成度が高かった!
- シャープヘルシオ ホットクック pro KN-HW24H
- 最安価格: ¥54,340〜
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自動調理器の比較方法
味や性能をプロと検証!
科学する料理研究家のさわけんさん、スーパーエコごはん研究家の桃世真弓さんと一緒に炒飯、カレー、豚の角煮、さばのみそ煮を調理し、味と性能、使い勝手をチェックしました。
※炒飯は2人分、カレー・豚の角煮・さばのみそ煮は4人分を作りました。調理時間は本体で自動調理する時間です。
自動調理器のおすすめランキング
プロと一緒に実際に使用してわかった、自動調理器のおすすめランキングです。比較ポイントは「チャーハン」「カレー」「豚の角煮」など全5項目。ランキング1位はシャープの「ヘルシオ ホットクック プロ KN-HW24H」、2位はパナソニックの「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」でした。各項目は緑のボタンで並べ替えができるので、製品選びの参考にしてみてください。
商品 | |||||||||||||||||||
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シャープヘルシオ ホットクック pro KN-HW24H
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|
345mm |
305mm |
256mm |
6.0kg(約) |
2.4L(調理)、4.7L(満水) |
800W |
2~6人分 |
172(自動161、手動11) |
✕ |
15時間(最大) |
◯ |
まぜ技ユニット |
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パナソニックオートクッカー ビストロ NF-AC1000
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|
333mm |
336mm |
260mm |
8.2kg(約) |
2.4L(調理)、4.2L(満水) |
1290W |
2~6人分 |
25(アプリで追加・入替可能220種以上) |
◯ |
15時間(最大) |
◯ |
羽根 |
||||||
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ティファールラクラ・クッカー プロ 自動調理鍋 CY3811J0
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|
310mm |
326mm |
274mm |
5.3kg(約) |
2.0L(調理)、3.0L(満水) |
800W |
2~4人分 |
13 (圧力7/通常6) |
◯ |
12時間(最大) |
✕ |
パドル |
【1位】シャープ「ヘルシオ ホットクック pro KN-HW24H」
- シャープヘルシオ ホットクック pro KN-HW24H
- 最安価格: ¥54,340〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥56,480〜
- 炒飯
- カレー
- 豚の角煮
- さばのみそ煮
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 具材の柔らかさがGood
- お手入れがしやすい
- がっかりポイント
-
- かき混ぜが不得意なメニューも
- 幅
- 345mm
- 奥行
- 305mm
- 高さ
- 256mm
- 重量
- 6.0kg(約)
- 容量
- 2.4L(調理)、4.7L(満水)
- 消費電力
- 800W
- 量の目安
- 2~6人分
- メニュー数
- 172(自動161、手動11)
- 圧力機能
- ✕
- 予約時間
- 15時間(最大)
- 無線LAN・アプリ対応
- ◯
- 自動かき混ぜ
- まぜ技ユニット
- 電源コード長さ
- 1.4m(約)
- 型番
- KN-HW24H-W
まぜ技ユニットをふたに差し込む
3製品中で唯一、ふたに取り付けます。大きめですが、付け外しは簡単です。
【炒飯】
調理時間:約30分
ご飯はしっとりおいしいですが、炒めムラがあり、焼飯的な仕上がりに。味つけに市販の炒飯の素を使うので、味は安定しています。
【カレー】具材の食感◎
調理時間:約45分
じゃがいもは煮崩れず「一番おいしい!」と高評価です。調理時間は長めですが、切った材料を投入するだけです。
じゃがいもは滑らかで、ねっとりとした食感。甘みをちゃんと感じられました。
【豚の角煮】
調理時間:約120分
豚肉を30分ほど下茹でする手間があり、完成まで約2時間。箸を入れるだけでお肉が切れて、柔らかくトロッとできあがりました。
【さばのみそ煮】赤みそ使用の絶品レシピ
調理時間:約25分
さばの下処理なしでも臭みがなく、「レシピが絶品」とプロの評価はほぼ満点。赤みそを使うので味がよく絡み、ご飯が進む仕上がりです。
【機能性】
ホットクック | 一般的なレシピ※ | |
炒飯 | 約30分 | 約20分 |
カレー | 約45分 | 約40分 |
豚の角煮 | 約2時間 | 約2~3時間 |
さばのみそ煮 | 約25分 | 約20~30分 |
圧力機能を搭載しておらず、パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」・ティファール「ラクラ・クッカー プロ 自動調理鍋 CY3811J0」に比べて自動調理時間の長いメニューは多いです。
今回の4品は、一般的なレシピの調理時間と同じくらいでした。
※一般的なレシピの調理時間には、仕込み時間も含まれます。
【かき混ぜ機能】
カレー:ルーがよく溶け具材になじんだ
カレーのルーは溶け残りがなく、しっかり混ざりました。
炒飯:炒めムラがありパラパラ感はない
一方、炒飯は炒めムラが。かき混ぜが苦手なメニューには、別売のアクセサリーが活躍するかもしれません。
▼かき混ぜ力がアップする!別売アクセサリーはこちら
- シャープもっとクック TJ-U2A
- 最安価格: ¥7,962〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥9,000〜
- サイズ(アームを開いた状態)
- W175×D158×H160mm
- サイズ(アームを閉じた状態)
- W175×D158×H77mm
- 重量
- 0.4kg(約)
- 型番
- TJ-U2A
<ここで差がついた!>パーツは多いけどお手入れはしやすい
パーツは洗いやすい
水を入れボタン操作のみ
パーツは多いものの、内鍋以外は食洗機で洗浄が可能。本体の底の汚れを拭きやすく、こびりつき汚れも「お手入れ」機能を使うとラクちんです。
【2位】パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」
- パナソニックオートクッカー ビストロ NF-AC1000
- 最安価格: ¥68,800〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥71,200〜
- 炒飯
- カレー
- 豚の角煮
- さばのみそ煮
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 時短で調理できる
- アプリ操作が便利
- がっかりポイント
-
- 具材が煮崩れることも
- 幅
- 333mm
- 奥行
- 336mm
- 高さ
- 260mm
- 重量
- 8.2kg(約)
- 容量
- 2.4L(調理)、4.2L(満水)
- 消費電力
- 1290W
- 量の目安
- 2~6人分
- メニュー数
- 25(アプリで追加・入替可能220種以上)
- 圧力機能
- ◯
- 予約時間
- 15時間(最大)
- 無線LAN・アプリ対応
- ◯
- 自動かき混ぜ
- 羽根
- 型番
- NF-AC1000-K
羽根を鍋の底に取り付け
羽根の付け外しは簡単。かき混ぜ力には定評があります。
【炒飯】
調理時間:約10分
手間いらずで、具がしっかり混ざったパラパラな仕上がりに。ただ2製品に比べご飯にしっとり感がなく、パサつきました。
ビストロは火力が強すぎるようです。
【カレー】
調理時間:約35分
材料を投入したら完成までおまかせ。ただ、具を指定通り小さく切る手間があります。じゃがいもが煮崩れ、ルーに溶けました。
小さいと切る手間も
じゃがいもが溶けた要因の1つは、サイズにあります。
ティファール「ラクラ・クッカー プロ 自動調理鍋 CY3811J0」は中1/2個、シャープ「ヘルシオ ホットクック pro KN-HW24H」は4〜6等分なのに対し、パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」は2〜3cm角の指定で小さめでした。
じゃがいもの煮崩れは、高い火力とサイズが関係しているので、工夫が必要です。
【豚の角煮】
調理時間:約110分
仕上げにはちみつを入れるひと手間があります。圧力調理で肉は柔らかですが、歯応えもなくなりました。
【さばのみそ煮】
調理時間:約20分
下処理不要ですが、紙製の落としぶたを入れる指示があります。さばの身はしっとり、汁はしゃばしゃばでした。
【機能性】
ビストロ | ホットクック | |
炒飯 | 約10分 | 約30分 |
カレー | 約35分 | 約45分 |
圧力機能と1290Wの高火力を搭載しています。
シャープ「ヘルシオ ホットクック pro KN-HW24H」に比べて、時短できるメニューが多いです。
アプリから選んで送信!
本体搭載の自動メニュー数は25ですが、専用アプリ上の約120のメニューから送信し、簡単に追加が可能です。
【3位】ティファール「ラクラ・クッカー プロ 自動調理鍋 CY3811J0」
- ティファールラクラ・クッカー プロ 自動調理鍋 CY3811J0
- 最安価格: ¥37,600〜
10/4(土)~10/10(金) お得すぎる7日間!Amazonで見る¥37,620〜
- 炒飯
- カレー
- 豚の角煮
- さばのみそ煮
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- かき混ぜ性能は良好
- がっかりポイント
-
- 手動調理が必要
- ふたの置き場所に困る
- 幅
- 310mm
- 奥行
- 326mm
- 高さ
- 274mm
- 重量
- 5.3kg(約)
- 容量
- 2.0L(調理)、3.0L(満水)
- 消費電力
- 800W
- 量の目安
- 2~4人分
- メニュー数
- 13 (圧力7/通常6)
- 圧力機能
- ◯
- 予約時間
- 12時間(最大)
- 無線LAN・アプリ対応
- ✕
- 自動かき混ぜ
- パドル
- 型番
- CY3811J0
パドルを鍋の底に取り付け
圧力機能搭載で、パドルを内鍋に取り付ける点がパナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」と共通しています。
【炒飯】ご飯がしっとり&パラパラな仕上がり!
調理時間:約10分
ねぎとベーコンを先に調理
先にベーコンとねぎを炒め、後からご飯と調味料を投入するひと手間がありますが、ご飯にほどよい水分が残り、仕上げのごま油でパラパラな炒飯が完成! なお、付属レシピはやや薄味です。
炒め具合がいいので、炒飯の素を使えば味がよくなり最強。
【カレー】
調理時間:約12分
ルーは後入れ
3製品のなかで唯一、ルーは後入れです。じゃがいもは、中サイズを2等分にカット。崩れるほど柔らかですが、形は残りました。
【豚の角煮】
調理時間:約20分
下茹で不要で、3製品中最短時間で完成しました。ただ、お肉は一番硬かったです。汁の味は「おいしい」と好評価です。
【さばのみそ煮】
調理時間:約14分
さばは下処理しましたが、臭みが残りパサつきがあります。汁は濃度が薄く、味がのりませんでした。
【操作性】
パネルをタッチしメニューを設定
パネルの14のメニューから、調理モードを設定。ただ「炒め」は8回タッチが必要で、回数が多いのが面倒でした。
大きいふたは置き場所に困る
ふたは取り外しが可能です。ただ大きいので、調味料の後入れなど手動調理で開いたとき、置き場所に困ります。
【かき混ぜ機能】
炒めモードはふたナシで調理
中身の状態を確認できる!
「炒め」モードは、ふたを開けたまま調理。手動調理のタイミングや仕上がり具合を確認しやすいです。
中身が見えるので、自動調理でも、料理している感はあります。
自動調理器を選ぶ際のよくある質問
電気圧力鍋と自動調理器の違いは?
電気圧力鍋は、圧力機能を搭載した自動調理器(電気調理器)の一種です。鍋内に圧力をかけることで、一般的な鍋に比べて具材に火が通りやすく、硬い食材も柔らかく仕上がりやすいとされています。厚みのある肉や骨の多い魚、煮込み料理などに向いています。
今回テストした製品では、パナソニック「ビストロ」とティファールが圧力機能付き、シャープ「ホットクック」は圧力機能を搭載していません。
自動調理器を便利に使うには?
自動調理器は、予約機能や保温機能を上手に活用することで、より便利に使えます。食材をあらかじめカットしてセットしておけば、起床時や帰宅後すぐに温かい料理を楽しめ、時間のロスを減らして時短にもつながります。また、メニュー登録や自動メニュー機能を活用すれば、同じレシピを手軽に再現でき便利です。
かき混ぜ機能はどんなメリットがある?
かき混ぜ機能は、調理中に具材を自動で混ぜることで焦げつきを防ぎ、味のむらを抑えるのに役立ちます。炒飯や炒め物などのメニューに便利ですが、混ぜ方や回転の強さは機種によって異なります。
お手入れのしやすさに違いはある?
自動調理器は、パーツの数や構造によってお手入れのしやすさが異なります。内鍋やかき混ぜユニットを取り外せるタイプや、食洗機に対応したパーツが多いものは、洗浄が比較的簡単です。内鍋にはフッ素加工を施すなど、洗いやすさに配慮した工夫も各社で見られます。
まとめ:ホットクックはおいしくて使い勝手もよい
これまで頂上争いを繰り広げてきたビストロとホットクックですが、今回はホットクックが勝者に。ビストロが得意とする「チャーハン」でも、ティファールにトップの座を譲るという予想外の展開となりました。
プロとの検証を重ねる中で見えてきたのは、ビストロの特徴です。「ビストロ」のチャーハンはパラッとした仕上がりに定評がありましたが、今回2製品との差がついたのはご飯のしっとり感。比較すると明らかにパサつきが感じられました。その理由を「火力が強すぎるのでは」と、さわけんさん。レシピでは醤油とごま油を「お好みで後入れ」とありますが、必須で入れたほうがよいでしょう。
カレーは過去にもテストしていますが、じゃがいもが溶けたのは今回が初めて。使用した男爵いもは、付属レシピの指定サイズより大きめに切るなど、ひと工夫が必要です。
一方、シャープ「ヘルシオ ホットクック プロ KN-HW24H」は、「カレー」や「さばのみそ煮」がワンステップで完成する手軽さも高評価のポイントに。初心者にはやや難しいティファール「ラクラ・クッカー プロ 自動調理鍋 CY3811J0」も、価格の割に健闘を見せました。
記事を参考に、お気に入りの自動調理器を見つけてください。
自動調理器のおすすめ
シャープ
ヘルシオ ホットクック pro
KN-HW24H
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シャープとパナソニックは過去の対決でもしのぎを削ってきました。