2万円切りでもちゃんとうまいパナソニックの全自動コーヒーメーカー
今回徹底検証したパナソニックの全自動コーヒーメーカー「NC-A58」は、これまでの「低価格帯の常識」を見事に覆す、驚きの実力を持った一台でした。本製品は、従来モデルの「NC-A57」と比べ本体がスリムになったほか、抽出コースに新たに「ストロング」を追加。3種類のコース(デカフェコースを除く)と2種類の豆の挽き分けの組み合わせで、全6種類の味を楽しめるようになっています。テストに協力いただいたプロも驚いたその実力がどのようなものだったかを詳しく紹介していきましょう。
ラッセルホブス
アテンティブコーヒーバー 8000JP
NC-A58の実力をはかるべく、今回は以前のコーヒーメーカーランキングで2位だったドリップ式のラッセルホブス(1位は高級機のため除外)と味わいを比較。加えて、前回テストと条件をそろえ、操作性・お手入れ・手軽さ・設置性もチェックしました。なお、採点対象外となりますが、新搭載のストロングコースの味わいも確かめています。
コーヒーのプロが6つの項目で味を評価
約50年の歴史を持つ老舗喫茶店カフェ・トロワバグのオーナー 三輪徳子さんに採点していただきました。香り・苦味・甘みなど6項目を各5点満点で採点。今回パナは豆と粉のリッチコースで評価しました。
全自動コーヒーメーカーをプロと比較検証
パナソニック「NC-A58」
- パナソニックNC-A58
- 最安価格: ¥19,000〜
- おすすめポイント
-
- 雑味のないクリアな味わい
- 低価格帯では出色のグラインダー
- がっかりポイント
-
- 抽出時間が比較的長い
- グラインダーのお手入れがしにくい
- 幅
- 152mm(水容器持ち手、バスケット持ち手含まず)
- 奥行
- 272mm(水容器持ち手、バスケット持ち手含まず)
- 高さ
- 349mm(水容器持ち手、バスケット持ち手含まず)
- 容量
- 3.2kg
- 最大抽出量
- 4カップ(545ml)
- 型番
- NC-A58-K
豆挽きから抽出まで全自動!中細挽き、粗挽きを選べる
本体にセットするメッシュフィルターは付け替えができ、中細挽きと粗挽きを使い分けられる仕組み。中細挽きは濃く苦めの味わいに、粗挽きは薄く軽めの味わいに仕上がり、豆の特性や好みに合わせて抽出が可能です。
豆の焙煎度に合わせコーヒーの味わいが選べる
従来の「マイルド」「リッチ」コースに、新たに「ストロング」コースを搭載。マイルドは浅煎り豆に、リッチは中深煎り豆に、ストロングは深煎り豆に向くとされ、挽き方とコースの組み合わせで6種類の味を抽出できます。
香りはやや弱めながら豆でも粉でも本格的な味わいを実現!
パナ(粉・リッチコース)
程よい苦味で甘みもしっかり感じられ、後味はクリア。バランスのよさが光ります。
パナ(豆・リッチコース)
香りは弱めながら、豆の甘みと酸味をきちんと引き出し後味もクリア。
ラッセルホブス(粉・リッチコース)
香りがよく甘みはやわらか。ボディもちゃんとありますが、苦味がやや不足気味。
検証結果
「粉」対決では、ラッセルホブスを完全に凌駕。対して「豆」は低評価に見えますが、実はプロの反応のよさは過去イチでした。
うまさの秘密はグラインダーにあり!?
プロや編集部の予想に反し、かなり均一に豆が挽け、粉飛びもわずか。安価ながら高い実力を発揮しました。
新搭載の「ストロングコース」の実力は?
豆・粉ともに苦みが強くなり甘みが減少。豆のほうが苦みが幾分マイルドな味わいです。
深煎りの豆を使うと苦くなりすぎるので、豆選びは慎重に。
お手入れはやや手間ですがスリムで設置はしやすい!
幅15.2cmのスリムボディで狭いキッチンでも場所を取りません。なお、フィルターを入れる際ケースが少し出っ張るので、右側に少し余裕が必要です。全体的には設置性は良好で、見た目もスッキリしています。
パーツも多いですが、水タンクなど洗いやすいものもありました。
自動洗浄機能があるものの、グラインダーの刃は自分で清掃する必要あり。
ボタン操作はわかりやすく、フィルターの取り付けも慣れれば問題なし。抽出時間は4杯で11分と長めな分、丁寧に淹れられたおいしさが味わえます。しかし、朝の忙しい時間にはかなり長く感じるかも……。
パーツは多いですが、取り外しやすさや洗いやすさは及第点以上です。
たっぷり飲みたい人はラッセルホブスもおすすめ
ラッセルホブス「アテンティブコーヒーバー 8000JP」
- ラッセルホブスアテンティブコーヒーバー 8000JP
- 最安価格: ¥30,000〜
最大10杯分を抽出できてガブガブ飲む人向け
今回はパナの後塵を拝したラッセルホブスですが、最大10杯分を一度に抽出できるのは強み。本体にミルクフォーマーも搭載し、カプチーノやカフェラテも楽しめます。ファミリーや来客の多い家庭にはおすすめです。
- 幅
- 305mm(約)
- 奥行
- 215mm(約)
- 高さ
- 345mm(約)
- 重量
- 3.2kg(約)
- 最大容量
- 1.25L(約、サーバー・水タンク、カラフェ含む)
- タイプ
- ドリップ式
- 濃さ
- 3段階(アイスモードは含まず)
- フィルター
- メッシュorペーパー
- 保温
- ◯(40分間)
- 型番
- NA1659_18914-0034
手ごろな全自動ではダントツの実力、価格を超えたうまさ!
これまで5万円以下の全自動コーヒーメーカーは、「抽出がうまくてもグラインダーの性能はどれもイマイチ。豆を挽くなら単品のいいグラインダーを使うべし」というのが本誌の定説。2万円を切る低価格のパナも、当然期待薄……だったのですが、そんな予想を見事に裏切ってくれました!
あまたのコーヒーメーカーの味をテストしてきた三輪さんも「この価格で豆(から挽いたコーヒー)がおいしいのは初めて!」と感動を隠しきれない様子。粉で淹れたコーヒーに至っては、昨年のコーヒーメーカーテストで2位にランクインしたラッセルホブスを寄せつけない強者っぷりを見せるなど、テストは終始驚きの連続でした。
唯一惜しかったのが、抽出温度が高く香りが立たない点と、抽出に時間がかかる点。次世代モデルでこのあたりを解消してきたら、高級機にとって脅威になるかも!
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香りは立っていませんが、この価格帯で初めて豆でおいしいと感じました。