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※情報は『家電批評』2020年5月号掲載時のものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。また、本検証における食品の試食は、専門家の監修のもと、安全性を十分に考慮した上で行っています。
最新5台をテストして徹底検証!
時代やニーズにより進化する冷蔵庫
どの家庭にもある冷蔵庫。この冷蔵庫ですが、買い換える機会といえば、壊れてしまったり、新生活や結婚だったりと、何か機会が訪れたときが多いように思います。
つまりは、買い替える機会が訪れなければ、最新の冷蔵庫の機能など、どんな感じに進化しているのかを知らない方も多いのではないでしょうか。

しかし、大きく形が変わらないので気づきにくいですが、冷蔵庫は時代や環境による消費者ニーズの変化やメーカーの創意工夫によってその中身は進化し続けています。
10年以上前に買って以来、新しい冷蔵庫なんて全然見てないな~という方はきっと驚くはずです!
今回はそんな最新の機能が詰まった冷蔵庫を一堂に集めて、過去最大規模のスケールでの徹底検証テストを行いました。
▼テストした5製品はこちら
・パナソニック NR-F555HPX(550L)
・アクア AQR-TZ51H(510L)
・三菱電機 MR-MX57F(572L)
・東芝 GR-S600FZ(601L)
・アクアAQR-VZ46J(458L)
すると、メーカーによって特徴が全く異なることが判明。各メーカーが注力している点が結果に如実に現れたんです!
詳しくは次の段落以降で解説していきます。
なお、サンロクマルでは、「一人暮らし」「二人暮らし」におすすめの冷蔵庫の記事も公開中なので気になる方はどうぞ。
▼【サンロクマルで公開中】一人暮らし向け最新おすすめ冷蔵庫記事はこちら
▼【サンロクマルで公開中】二人暮らし向け最新おすすめ冷蔵庫記事はこちら
こんなにも進化しています
4メーカーのハイエンド機種は今回、4メーカーの最新の冷蔵庫5台の検証を行ったことでわかったことがありました。その3つの進化を詳しくお伝えします。
【進化1.「チルド」】肉や魚を劣化させずにおいしく保存できるかに注力
本来チルドとは「0℃程度での冷蔵」を指しますが、最近の冷蔵庫は0℃よりも低い、氷点下で保存できる機能を備えたチルドが人気。その呼び名は各社で違い、パナソニックは「パーシャル」、三菱は「氷点下ストッカーD A.I.」、東芝は「氷結晶チルド」など様々です。
全機種のチルドに肉と魚を7日間入れてみたところ、パナソニックは完全に「生鮮」をキープしました。
【パナソニック「微凍結パーシャル(約ー3℃)」】

公称では肉類・魚介類ともに約7日間。チルド(0℃)より低い約ー3℃で保存することで、細胞のまわりを少しだけ凍らせ、食品を傷めずに鮮度を保つのがウリの「微凍結パーシャル」。
▼パナソニック・チルド室7日間テストの結果

1週間後に取り出してみて驚愕! 表面が少しだけ凍っており、ひき肉も魚も、まるで買ってきたときと同じような鮮度のままでした。
従来のチルドよりも低い温度にすることのメリットは、ずばり生鮮食品の鮮度をより長く保つことができる点。特に、国内大手メーカーは「1週間新鮮」をキーワードにしており、いかに生鮮食品を劣化させずに保存するかに注力しています。
【進化2:「野菜室」】新鮮に長持ちできるかかカギ
野菜は温度と湿度が低すぎると、しおれて乾燥してしまいます。「呼吸」を続ける野菜を少しでも長持ちさせるため、いかに新鮮に、おいしく長く保存するかについて、各メーカーが様々な創意工夫をしています。
工夫の仕方は様々ですが、その多くは湿度のコントロールに注力しており、いかに買ってきたばかりの新鮮な状態を保つかがカギになっています。そんな野菜室もチルド同様に「1週間新鮮」がトレンドとなっています。
実際に7日間の保存テストをした結果、東芝は完璧といえるほど優秀でした。
▼【東芝「もっと潤う 摘みたて野菜室」】

潤った冷気が1日20回以上も循環し、冷気中の水分だけを野菜室内に入れるというのが「もっと潤う 摘みたて野菜室」。湿度の実測値も平均90%超えです。
▼東芝・野菜室7日間テストの結果

特に葉もの野菜は、買ったばかりの野菜以上においしいと大評判。驚愕レベルで新鮮でした。
【進化3:コスパ】見た目で攻める新勢力メーカーも選択肢の一つ
懐事情に直結するコスパは重要です。それでいうと家電量販店でもよく見かけるようになったAQUA(アクア)は、元サンヨーのブランド。現在は、冷蔵庫事業と洗濯機事業を継承した中国の家電メーカー「ハイアール」グループの傘下の新勢力メーカーです。
最大の特徴は、なんといっても「安くて実用的」なコスパのよさにあります。
▼アクア「AQR-TZ51H」

上は全部冷蔵室で下は全部冷凍室。AQR-TZ51Hは冷凍庫が5区画あるのが最大の特徴。冷蔵室も広く、収納力は抜群です。
また、有名デザイナーを起用するなど、“家具”としてのデザイン性も追求しています。元サンヨーだけあって、機能性にも期待でき、世界シェア1位のハイアール傘下のメーカーという点では、無視できない実力を秘めていそう。これはチェックするしかありません。
▼ちなみに冷蔵庫の世界市場のシェアはこちら

以上、3つの進化から最新の冷蔵庫はただならぬ進化を遂げていることがわかりました。
それでは、最新&現行機種の本当の実力をテストします。
冷蔵庫のチルドと野菜室をテスト
魚や肉、野菜を7日間保存してテスト1.チルド


各メーカーの冷蔵庫の、「氷点下だがー10℃以下の冷凍状態にはしない保管庫」(いわゆるチルド)でハム、ひき肉、生の切り身魚を保存。1週間後にチルドから出して見た目やニオイを審査したうえで、食用に問題ないと判断された場合はハムは生、ひき肉は加熱、魚は生でいけそうなら生で試食しました。
生の切り身魚(ラップあり)=「汁」に注目

生の切り身魚は、魚から旨味のかたまり=赤い汁が出ていないかを審査。
ひき肉(ラップあり)=「色」に注目

ひき肉は保管前後で肉の色やニオイ、味に変化があるか審査。
ハム(ラップあり/なし)=「形」に注目

ハムはラップなしだと水分が抜けて形状が変わるかを審査。
加えて、各食材の水分減少率、そして温湿度の変化もチェックしました。
テスト2.野菜室

各メーカーの冷蔵庫の野菜室に、大葉、レタス、ほうれん草などを1週間保管して取り出しました。大葉の黒いシミが広がっていないか、レタスの葉に瑞々しさはあるか、ほうれん草の茎にかたさがあるかを見た目で審査。腐敗していないと判断した場合、実際に試食して、その野菜の持ち味があるかを調べました。
ほうれん草(包装なし)=「茎」に注目

ほうれん草は茎が適度なかたさを保っているかを審査しました。
レタス(包装なし)=「葉」に注目

レタスは葉の見た目の瑞々しさとシャキシャキとした食感をチェック。
大葉(ラップあり/なし)=「色」に注目

冷蔵庫に入れると、大葉の水分が黒いシミになるかをラップのあり・なしでチェック。
チルドのテスト結果は、大変興味深い結果に。また、野菜室のテストは湿度が需要になります。これらのテスト結果を含めて、総合的にオススメの1台が決定しました。
それでは発表します!
パナソニック 「NR-F555HPX」
全てにおいて神レベル!
パナソニック
NR-F555HPX
実勢価格:32万4280円
内容積:550L
サイズ:W685×H1828×D699mm
質量:約111kg
年間消費電力量(50/60Hz):266kWh/年
「さすがパナソニック。すべてにおいてソツがない!」と、識者と編集部が思わず感嘆の声を上げ、ベストの評価を得たのがパナソニック「NR-F555HPX」でした。
さっそく、それぞれのテスト結果を見ていきましょう。
チルドは「微凍結パーシャル」で保管 “1週間前の魚でもおいしい”

スーパーで買ってきた肉や魚をチルド(0℃)より低い約-3℃の「微凍結パーシャル」にて1週間保存して、実際に食べてみました。パーシャルから取り出し、ニオイと色をチェック。その後、加熱して試食した結果、優秀な結果に収まりました。
まず素晴らしいのは、肉や魚が凍り始めるギリギリのマイナス3℃ですばやく凍結する「微凍結パーシャル」。
0℃で保存するチルドとの切り替えも、ボタンひとつと簡単です。実際に挽肉と魚を微凍結パーシャルで保存したところ、1週間後も魚は生で食べられたし、ひき肉には臭みがなく旨味もたっぷりでした。
【テスト結果】
▼生の切り身魚

(上写真・3日目)
まだみずみずしく、余裕で食べられます
(下写真・一週間後)
表面のみ凍り、さっと包丁で切れて魚の旨味があります。味もめちゃくちゃ美味しかったです。
▼ひき肉

(上写真・3日目)
3日目の肉は買った当初と色も変わらず、ニオイもなし
(下写真・一週間後)
ひき肉はまったく臭みがなく、加熱して問題なく食べられました。

ひき肉にもスッと包丁が入りました。
▼ハム


水分減少率:-4.2%
▼チーズ


ハムはラップなしだとさすがに脱水しますが、食べると旨味はそのまま!
特に驚いたのは魚の切り身。1週間前の魚なのに臭みも汁もなく、スライスして醤油を付けておいしく食べられました。ひき肉はほとんど変色がなく、臭みもありませんでした。加熱して試食すると肉本来の旨味にあふれています。ラップなしのハムは脱水してはいるものの、食べると味わいがありました。
0℃で保存するチルドとの切り替えも、ボタンひとつと簡単です。実際に挽肉と魚を微凍結パーシャルで保存したところ、1週間後も魚は生で食べられたし、ひき肉には臭みがなく旨味もたっぷりでした。
テスト前後で重量変化率の変動もほぼなく、凍結による脱水などがほとんど発生していないことがわかります。ラップなしで保存したハムやチーズはさすがに脱水しましたが、食べるときちんと旨味もありました。

チルド室は小刻みに温湿度が制御されています。

計測の結果、チルド室の温度はー6~0℃で推移し、平均ー2.7℃、湿度は39.9%でした。低めの湿度でラップなしのハムとチーズは丸まりましたが、食べると味わいはしっかりとあります。
※パーシャル・チルド室にて食品を保存する際に、ラップや密封容器を使用せずに保存することはメーカー推奨の使い方ではございません
冷蔵室は棚の自由度が高くて最上奥の有効活用もグッド

上段2つは外して高さを変えられます。下段はスライドして手前に高いものを置けます。

取り外しももちろん可能。

通常は冷凍室や野菜室の奥にあるコンプレッサーを、手が届かずデッドスペースになりがちな冷蔵室最上段奥に設置しています。

操作ボタンは庫内ここで一括管理できます。

設置後10時間以降で温湿度制御が緻密になり、平均温湿度はそれぞれ3.8℃・28.4%。
製氷室は作り置きや生鮮の長期保存も急冷でラクラク!
▼浄水フィルター付きの製氷室

給水タンクの直下に製氷皿があるので、給水パイプが短くて済み、清潔に保てるのもさすがの設計といえます。浄水フィルター付きです。
▼熱々ご飯の急速冷凍にも使える急冷室

クーリングアシストルームは専用のファンとアルミプレートで急冷します。できたての熱々おかずを「クーリングアシストルーム」で急速冷凍した後冷凍庫で保存できるので、作り置きにはもってこい。有名店で買ったふんわり食パンも、急速冷凍でおいしさをぎゅっと閉じ込めます。クーリングアシストルームは霜が降りにくいので、切った野菜もそのままパラパラな状態で冷凍できます。

▼3段構造で整理しやすい冷凍室

上段、中段、本体ケースの3つに分かれ、本体ケースには凍結用ペットボトルを縦置きできる。上中段にはアイスや小分けにした食品がたくさん入ります。

使いやすく保存力もある野菜室は下段に

野菜室は最下部ですが、力を入れずに引き出せます。小さい野菜用の上段、葉野菜など大きい野菜用の下段に分かれ、下段にはペットボトルや調味料の縦置きや、米びつが入るスペースも。パナ独自の「ナノイー」が野菜の栄養素を保つとのことです。
【テスト結果】
▼ほうれん草

水分減少率:-12.6%
ほうれん草の葉はしおれていて見た目も黒いですが、きちんと湯通しすれば食べられました。
▼レタス

水分減少率:-6.1%
レタスは直接外気に触れている部分は茶色くなっていますが、内側は普通に食べられます。
▼大葉


大葉は東芝よりも状態がよく、どんな料理にでも使えるほど味も香りもあります。大葉の黒いシミは大葉の中の水分が変色したものなので、「平均82.8%」という湿度が適していたのかもしれません。

18時間の平均温湿度は4.4℃・90.4%。最も高い湿度が、野菜の瑞々しさに貢献したようです。
週末の作り置きおかずで平日を乗り切っている共働き夫婦の力強い味方になってくれますし、ついデパ地下でたくさん買っちゃうグルメさんにもオススメ。ちょっと無理をしてでも欲しい製品といえます。
それでは、それ以外の4製品のテスト結果も見ていきましょう。
三菱電機「MR-MX57F」
細かく温度管理できる
三菱電機
MR-MX57F
実勢価格:43万7800円
内容積:572L
サイズ:W685×H1826×D738mm
質量:約124kg
年間消費電力量(50/60Hz):275kWh/年
三菱電機「MR-MX57F」は、約ー18℃の「冷凍」、約-7℃の「切れちゃう瞬冷凍A.I.」、約ー3~0℃の「氷点下ストッカーD A.I.」、約0℃の「ワイドチルド」と細かく温度管理。買った肉は氷点下ストッカーD A.I.に入れて、食べなかったら瞬冷凍室に移すなどして活用できます。
チルドはワイドで大きく広く魚、肉、ハムも問題なし

上段は加工食品などを入れる「ワイドチルド」、下段は約-3~0℃の「氷点下ストッカーD A.I.」。買ってすぐはここに入れるのがおすすめです。
【テスト結果】
▼生の切り身魚

水分減少率:0.00%
魚の切り身は汁はほとんど出ておらず、焼いて食べると、臭みなくおいしい。食感も普通です。
▼ひき肉

水分減少率:0.00%
ひき肉は強めのニオイがありましたが、加熱すれば食べられないこともない感じでした。
▼ハム


水分減少率:-2.20%
ハムは脱水でシワシワですが、カリッとして味はよいです。ただ噛み切れないです。
18時間の平均温湿度グラフを見ると、計測後13時間まではー3℃あたりをウロウロしており、その後急上昇して1℃に。そのため平均温湿度は1℃を超えていますが、肉、魚、ハムともに問題なく食べられました。
※冷蔵庫の貸出日程のずれにより、生の切り身魚は同一のものが手には入りませんでした。

-3~0℃の氷点下ストッカーで保管。18時間の平均温湿度は-0.2℃・24.6%と湿度が低かったです。
冷蔵室は3段構造でシンプル

棚は3段で固定されています。

冷却器の霜取り時の水分を利用して冷蔵室内のうるおいを保つ「うるおう冷蔵」室は、3段目の棚をスライドして背が高い鍋をそのまま収納できます。
1週間以上の保存なら「瞬冷凍室」に

扉の開閉に合わせ自動で瞬冷凍する「切れちゃう瞬冷凍A.I.」。「あついまま瞬冷凍」に設定すれば炊きたてご飯もおいしく保存できます。


買ってきた塊肉を切り分けずに瞬冷凍できて便利!
底トレーがあって手入れが超ラクな野菜室


野菜室は4つに分かれ管理しやすく、LEDライトで緑化する機能も。底トレーだけ取り外して洗えて手入れがしやすいです。
【テスト結果】
▼ほうれん草

水分減少率:-17.1%
水分はかなり抜けていて見た目も黒く、ゆでて食べてもあまり味を感じません。
▼レタス

水分減少率:-2.6%
レタスの旨味と香りは少し抜けてしまっていますが、葉は瑞々しく食べられます。
▼大葉


ラップなしの大葉は香りが薄く、端がかなり乾燥していて食べるのは辛いです。

18時間の平均温湿度は7.0℃・76.98%。波形は規則的で細かく、制御の細やかさが伺えます。
ほうれん草と大葉がかなり厳しい結果となりました。温湿度ともに細かく制御してはいますが、湿度が少し足りていないという印象。外側の葉がラップのような役割を果たすレタスは瑞々しさが残り、おいしく食べられました。冷蔵庫に野菜を保管する際は、ラップなどが必須でしょう。
東芝「GR-S600FZ」
野菜のおいしさが別世界
東芝
GR-S600FZ
実勢価格:41万5800円
内容積:601L
サイズ:W685×H1833×D745mm
質量:約124kg
年間消費電力量(50/60Hz):251kWh/年
東芝「GR-S600FZ」は、野菜はまとめて大量買いするという人にオススメなのが東芝。野菜室では野菜がずっとおいしいし、そのまま冷凍もできます。4つのモードが切り替えられるチルドルームや収納力抜群のドアポケット、力いらずのドア開閉などスキがありません。
チルドは2段で広く多めに買っても十分収まる


冷気中の水分を利用した氷のラップで食材全体を包む「氷結晶チルド」、約ー4℃の冷気で食品をすばやく冷やす「速鮮チルドモード」、冷凍した食材を約30分でサクッと切れるー7℃に解凍する「解凍モード」が選べます。
【テスト結果】
▼生の切り身魚

水分減少率:-0.1%
魚から汁が出てしまっており、ニオイも強めで生食・加熱食ともに断念しました。
▼ひき肉

水分減少率:0.0%
ひき肉は残念ながら傷みと臭みがあり、加熱調理を断念。92.7%という高湿度が原因でしょうか?
▼ハム


水分減少率:-1.8%
ラップなしのハムは全体的にしっとりしていて旨味もたっぷりでした!
魚、肉ともに残念な結果に。湿度が92.7%と高いので氷を作ろうとしている感じはあるのですが、平均温度1.1℃でうまく凍らなかった様子。他機種と条件を揃えた結果、チルドルームが満杯だったことが原因かもしれません。今回は時間の関係で断念しましたが、追加の検証を行いたいところです。

氷結晶チルドで保管。18時間の平均温湿度は1.1℃・92.7%で湿度が高く制御はとても精密です。
冷蔵室はシンプルな3段で棚の組み替え自由度が高い

「自在棚」は棚の手前半分を移動して1段増やせるので、背が高い鍋などもそのまま入れられます。

また、ワンタッチでドアが開閉するので力いらずです。
急冷室は小さめパックが重ねて入り野菜もそのまま冷凍できる

ブロッコリーなどの野菜を下ゆでせずに生のまま冷凍できる「野菜そのまま冷凍」機能などもあります。
野菜室はシンプルな構造! 真ん中なのも便利です

野菜室が真ん中なので出しやすいです。一段下がった右側には味噌なども入れられるうえ、野菜くずなどを捨てるおそうじ口も付いています。
【テスト結果】
▼ほうれん草

水分減少率:-5.7%
葉にも茎にもしおれはほぼ見られず、香りもほうれん草そのもの!
▼レタス

水分減少率:-3.2%
レタスは葉をむくとわきたつ香り、口に入れると弾ける水分、どれもが極上です!
▼大葉


大葉はラップなしだと黒いシミが大きいですが、香りも味もパスタに使えるレベルです。
「買ってきたときのまんま!」「スーパーから買ってきたばかりの野菜よりおいしい」と大好評。特にレタスの瑞々しさは驚くほど。大葉は黒ずみが見られるものの、薬味として使う分には問題ないクオリティでした。ほうれん草の茎もしっかり立っており、さっと湯がいたおひたしにも使えます。

18時間の平均温湿度は4.4℃・90.4%。最も高い湿度が、野菜の瑞々しさに貢献したようです。
アクア「AQR-VZ46J」
コンパクトで機能十分でお買い得
アクア
AQR-VZ46J
実勢価格:21万8000円
内容積:458L
サイズ:W600×H1840×D710mm
質量:約102kg
年間消費電力量(50/60Hz):275kWh/年
サイズが比較的小さめなのに、マルチポケットや外せるガラス棚のおかげで収納力が抜群のアクア「AQR-VZ46J」。また、野菜室が冷蔵室から見えるので、「キャベツそろそろヤバいか?」などと気付ける工夫がすばらしいです。チルドやクイック冷凍などの機能もあってコスパは◎です。
チルドは魚もひき肉も許容範囲 加熱すれば問題なく食べられる

15Lのチルドルームは通常(約0~2℃)と低温(約ー2~0℃)の切り替えが可能。通常は味噌やチーズ、サラダなど、低温は肉や魚などの生鮮食品に使いましょう。
【テスト結果】
▼生の切り身魚

水分減少率:-0.1%
魚の切り身は汁はほんの少しだけ出ました。生で実食。風味はイマイチですが食べられます。
▼ひき肉

水分減少率:0.0%
ひき肉はパックを開けると臭みはあったものの、加熱すれば問題なく食べられました。
▼ハム


水分減少率:-4.2%
ハムは脱水しますが噛み切れます。旨味はないけど、塩気は感じます。
魚は鮮度も風味もイマイチに感じられますが、生で食べられました。また、ひき肉は臭みはあるものの許容範囲で、加熱すると問題なく食べられます。もっとも、ラップなしのハムは一見するとパナよりも水分が残ってそうですが、かじると塩気しか感じず、明らかに旨味が足りませんでした。

チルドの「低温」で保管。18時間の平均温湿度は0.4℃・33.2%。小刻みに制御しています。
3段棚のシンプル構造になっている冷蔵室


ガラス棚は外せるので、カレーを鍋ごと冷蔵したいときなどに便利。小さいマルチポケットは高さを2段階に調節できるから、瓶詰めなどはもちろん、背が高いドレッシングなどもしまえます。
下の2段は冷凍室で下段は引き出し付きで整理しやすい

冷凍庫上段は食品収納スペースが約35L、下段は48Lと十分。上段のフリージングトレイではクイック冷凍ができるので、作り置きにも便利です。

また、下段は引き出し付きで整理しやすいです。
真ん中野菜室デビューには最適かも!

食品収納スペース約38Lの野菜室は、真ん中にあって引き出しやすく、冷蔵室の底面半分が透明で、冷蔵庫を開けると野菜室も自然と目に入ります。野菜好きならおすすめといえますね。
【テスト結果】
▼ほうれん草

水分減少率:-22.2%
ほうれん草はゆでても食べるのがためらわれる枯れぶりで、香りもほとんど感じられません。
▼レタス

水分減少率:-6.1%
外側はしおれてかたくなっていますが、外側をむくと中にはおいしい葉があります。
▼大葉


大葉はラップありでも黒く変色してしまい、ラップなしだと葉がカチカチでした。
こちらも三菱電機同様、レタスの外側の葉をむくとおいしく食べられましたが、ほかは、残念な結果となってしまいました。温度、湿度にあまり変化がなく、大きな時間軸で一定制御しているように見受けられる温湿度のグラフなので、細かく制御している機種と比べるとやはり差が出ました。

18時間の平均温湿度は2.7℃・74.8%。一定周期で制御しており、波形は割と大きめです。
アクア「AQR-TZ51H」
リビングにも置けてスタイリッシュ
アクア
AQR-TZ51H
実勢価格:19万円
内容積:512L
サイズ:W830×H1825×D635mm
質量:約130kg
年間消費電力量(50/60Hz):299kWh/年
アクア「AQR-TZ51H」は、auの携帯電話INFOBARなどを手がけた深澤直人氏デザイン。リビングに置いても違和感ないかっこよさ。635mmと薄型で奥の食品も取り出しやすく、横幅が830mmと広いので収納力も◎。広々とした冷凍庫でお弁当のおかずもたくさん入ります。
肉や魚のパックにピッタリの横幅なチルド


野菜室の上にフレッシュストッカー(チルド)があり、幅広なのでパックをたくさん収納できます。また、製氷タンクの上に小物ケースがあり、庫内の整理に便利です。
【テスト結果】
▼生の切り身魚

水分減少率:-0.2%
魚の切り身は汁がだだ漏れでかなり臭います。生食は難しいので加熱するも、食べられませんでした。
▼ひき肉

水分減少率:0.00%
ひき肉はかなりニオイがキツく、残念ながら加熱調理も断念。4.4℃という温度が原因でしょうか?
▼ハム


水分減少率:-2.6%
ハムは脱水によるシワは少なく、ラップなしでもハムが比較的瑞々しかったです。
フレッシュストッカーはいわゆる「チルド」をうたっていませんが、一応同じ条件で検証。肉と魚が傷んでしまうのは当然といえば当然の結果。76.9%という高い湿度が示すように、乾燥させたくないチーズなどを入れるための部屋です。ラップなしのハムも表面に瑞々しさがあり、味わいもよかったです。

フレッシュストッカーで保管。18時間の平均温湿度は4.4℃・76.9%と温度は最高記録に。
冷蔵室は超幅広の観音開きで男性も肩をぶつけない

ガラストレイはVZ46ほど簡単には取れませんが、下段に鍋がそのまま入ります。左右に奥行き十分な4段ポケットがあります。
冷凍室は下段が全部冷凍室で買いだめがはかどります

冷凍室の食品収納スペースは116Lの大容量! しかも高さ別に3段に分かれているので、食品を整理して入れられます。
野菜室はちょっと小さめ

野菜室は26Lと小さめで冷蔵室内にありますが、半密閉構造で冷気が直接は当たりません。野菜室の奥に庫内灯があり、野菜の状態がよくわかります。
【テスト結果】
▼ほうれん草

水分減少率:-6.8%
ほうれん草は茎がしっかりしており、香りも豊か。葉の状態もよく、ゆでるとおいしかったです。
▼レタス

水分減少率:-4.2%
レタスは外側の葉もしっとりしており、香りも歯ごたえもあります。葉の輪郭にかたさもないです。
▼大葉


大葉は黒く変色していますが、ラップなしでも大葉の香りは残り、細かく刻めば使えます。
湿度が一番低いのに葉もの野菜に旨味があったのは、温度が1.0℃と低いのと、野菜室が狭いので野菜同士が近くに置かれたことが原因として考えられます。特ににほうれん草は東芝に次いで水分減少率が低く、葉から香りを感じられました。レタスも水分を含んでおり、問題なのは大葉だけでした。

18時間の平均温湿度は1.0℃・60.9%。温湿度ともに最も低かったです。温度はほぼ一定で湿度は上下しました。
ベストはパナソニック「NR-F555HPX」!
1週間におよぶテストの結果4社の冷蔵庫をテストした結果、総合的にみて一番オススメなのはパナソニック「NR-F555HPX」でした。週末の作り置きおかずで平日を乗り切っている共働き夫婦の力強い味方になってくれますし、ついデパ地下でたくさん買っちゃうグルメさんにもオススメです。
重量は1週間前とほとんど変わりません。