カレーに合うご飯の炊き方は? 気になるウワサを検証!
みんな大好きなカレー。でも、どんなにカレーが美味しく立って、ご飯が美味しくなければ台無しです。
「カレーなんて旨くて当たり前。カレーの味はご飯で決まる」と思っている人もいらっしゃるのでは。
そんな方々の思いに応えるために、今回は「カレーに一番合うご飯の炊き方」の大正解を求めて、徹底検証しました。
カレーにベストマッチするご飯を炊く裏技はないかと調べてみると、炊き方に関してさまざまなウワサがあることがわかりました。
お米のプロの片山さんいわく、カレーに合うご飯とは、「粘りが控えめ」「粒立ちがしっかり(シャッキリとした食感)」のことを指します。
よく、「カレーには硬めが合う」というウワサを聞きますが、これは半分間違っています。というのも、芯が残ったような硬さでは、美味しくないからです。
つまりは、ご飯の「硬さ」だけにこだわるのではなく、粒立ちが良く、ご飯の食感をしっかりと感じられつつ、さらにはご飯本来の甘みや旨みを最大限に引き出せていることが大事といえます。
カレーに合うとウワサの3つの炊き方をプロと比較!
今回の検証では、巷でウワサの「カレーに合うご飯の炊き方」の真偽を明らかにすべく、お米のプロと一緒に3つの炊き方を試しました。
【テストした3つの炊き方】
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ウワサ1:氷を入れて炊く
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ウワサ2:水を1割減らす
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ウワサ3:15分浸水&早炊き
【評価方法】
評価は、五つ星お米マイスターの片山さんが、以下の2つのポイントでチェックしました。
1:普通に炊くより旨いか
通常炊きした時と比べて、カレーとの食べ合わせが良くなったかをチェック。炊飯器4台で炊き分けました。
2:甘口、中辛、辛口のどれと合う?
カレーとの食べ合わせに加えて、甘口・中辛・辛口のバーモントカレーの、どれと特に相性が良いのかをテスト。
なお、判定は次の5段階です。
- 超うまい
- かなりうまい
- 少しうまい
- 変わらない
- 合わない
それでは、ウワサ1~3の検証結果を見てみましょう!
ウワサ1の検証:氷を入れて炊く
まずは氷を入れたあと、目盛りまで水を追加して炊いてみることに。
有名食品メーカーによると、「氷を入れることでお水の温度が下がる。米は低温から炊き始めることで、美味しさを引き出すことができる」らしいです。
結果【△】:甘みが出ておいしいけど、カレーとの相性は大差なし
いざ、実食。通常炊きよりも、ご飯に甘みが出ました! 甘口カレーと一緒に食べると、米の甘さとカレーの甘さが相乗効果となり、おいしさが際立ちます。
そのいっぽう、中辛や辛口などのスパイスが強いカレーになると、一般的にごはんの甘さを感じにくいため、食感が重要。しかし、この炊き方だとご飯の粒感が弱まり、辛めのカレーと食べ合わせるとご飯の印象が薄くなりました。
ウワサ2の検証:水を1割減らす
通常よりも、水を少し少なめにして炊飯。水を1割減らして炊く方法は、実は有名食品メーカーや米専門店などでも紹介されているメジャーなウワサです。
水分を減らして炊くと食感が硬めに炊き上がるので、カレーのとろみが際立つ、との理論らしいです。
結果【◯】:ごはんの粒感が少し出たけど、もう一歩
水の量を減らすことで、通常炊きよりもご飯の粒感がしっかり出てきました。
食感はもっちりではなくシャッキリ寄りで、中辛や辛口カレーといったスパイシーな(それゆえ味のパンチがある)カレーに対しても、ごはんの存在感がかき消されることなく楽しめるでしょう。特に中辛に合います。
カレーとの相性は良いですが、欲を言えばもっとシャッキリ感が欲しい……!
粒感が出てしっかりしたものの、効果は弱め。さらに食感を引き出したい。
ウワサ3の検証:15分浸水&早炊き
早炊きモードでスイッチオン!早炊きモードは浸水と蒸らしの工程を短縮することで、短い時間で一気に高温で炊き上げるのが特徴です。
某「米専門店」のホームページによると、浸水時間を短縮しているぶん、事前に15分ほど水に浸したあと、早炊きモードで炊飯するのが良いのだとか。
結果【◎】:ごはんの甘みとシャッキリ食感のバランスが良い
15分浸水&早炊きモードで炊飯すると、米の粒立ちがしっかり出て、シャッキリとした食感に。甘みと食感のバランスがよく、甘口・中辛・辛口いずれのカレーとも相性が良いです!
強いていえば、さらにご飯の旨みを引き出したいところ。
なお、試しにお米を浸す工程を飛ばして早炊きモードで炊飯してみたら、米の芯が残ってイマイチな味わいになりましたのでご注意を。
3つのウワサを全部合わせたら最強のカレーご飯に!
ウワサ1~3のご飯の炊き方を行って実食してみましたが、食感が物足りなかったり、甘みを引き出せていなかったりと、全体的に惜しい印象でした。
そこで次に試したのが、プロもイチオシの「全部合わせ技」。1~3の炊飯方法をすべて合わせてやってみたところ、もっともカレーに合った旨いご飯が炊けました!
噛むほどに米の甘みが口いっぱいに広がり、ご飯単体としておいしいです。さらにはシャッキリとした食感が、カレーのスパイシーさと相性抜群。超簡単な炊飯の大正解を発見できました!
甘みと粒感がしっかり感じられます。カレーライスとして完成形です。
まさかの全部のせが最強だった!
カレーに合うご飯を炊く! 「炊飯の裏技」完全版
1:米をといだら、氷を適量入れる
米2合を研いだあと、氷(アイスキューブ)を適量入れます。無洗米よりも普通の米がおすすめ。
2:氷を入れたまま、水を1割少なめに注ぐ
氷を入れた状態のまま、2合の目盛りよりも1割少なめに水を注ぎます。水の量はなるべく正確に。
3:15分ほど放置して米に水を吸わせる
米に水を浸した状態で、15分間放置(漬けおき)します。この工程がとても大事!
4:早炊きモードで炊飯する
早炊きモードに設定して炊飯します(すし・カレー専用モードでもOK)。
【プロのおすすめテク】炊飯器を開けたら「少し待つ」と旨さ倍増!
炊飯器からお茶碗によそうタイミングひとつで、ご飯の美味しさが変わるのをご存知ですか?
お米のプロ・片山さん曰く、まず蓋を開けたら、ご飯をよくほぐすのが非常に重要です。そして、白っぽかった湯気の色が透明になるまで待ってからよそうと、ご飯の風味をより堪能できますよ。
水分が飛ぶことで、ご飯の旨みを堪能できたり、カレーの味を引き立てたりする効果があります。
【プロのおすすめの米の品種は4つ
】
- 雪若丸(山形)
- ササニシキ(宮城)
- 天のつぶ(福島)
- 粒すけ(千葉)
そもそも米は、品種によって風味が大きく変わります。そして、カレーに合う米の品種は、この4つ。いずれも粘り気が控えめなのが特徴です。
カレーと食べ合わせたとき、カレーの存在感に負けずにご飯の食感や風味を楽しめるんだそう。気になる方は、ぜひお試しください!
米とカレーのスパイスに一体感が出て、おいしくいただけます。
おまけの検証:「ご飯を炒めるとカレーに合う」のウワサは?
ちなみに、「ご飯を炒めるとカレーに合う」というウワサもあったので、この方法も試しました。
フライパンに通常炊きしたご飯を入れ、油を引かずに軽く炒めます。炒め続けると粘りがなくなりましたが、どうしても米粒同士がくっついてしまうので、ご飯の食感としてはイマイチ。
さらに、ご飯の甘みが減ったような印象も受けました。ひと手間かけるほどの効果はないようです。
カレーに合うか?というと、普通に炊くのと変わらなかったので、手間の割に効果が薄いという結果になりました。
ごはんの粘りが減ることでカレールーを受け止めるが、ごはんがくっつき、粒感ナシ。
まとめ:ウワサの炊飯方法の合わせワザが大正解!
以上、気になるウワサ「カレーに一番合うご飯の炊き方」の検証でした。
カレーにはもっちりとした粘りのある食感よりも、シャッキリとした粒立ちの良い食感が相性良し。米本来の甘みや旨みを引き出せていることも必須条件です。
今回の検証では、ウワサの方法を3つ合わせることで、粒立ちのよい激ウマご飯が完成。自宅で簡単にできますので、次にカレーにするときはぜひ試してみてください!
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甘さは増したものの粒感はなく、カレーのルーを受け止めきれません。