グリル鍋ってどんなもの?
「グリル鍋」と聞いてもどんなものかピンと来ない方もいるでしょう。
端的にいうと、卓上で使える電気鍋を基本として、焼肉やお好み焼きに使えるプレート、たこ焼き用のプレートなどにも切り替えて使える複合調理器です。
あると便利だけど、収納に場所を取る調理家電の代表「電気鍋、ホットプレート、たこ焼き器」がひとつにまとまって便利!ということで今注目を浴びている調理家電なのです。
ちなみに、グリル鍋という調理家電自体は結構昔からあります。
例えば、今回紹介する象印マホービンの場合、1984年にグリルパン あじまる(CF-100)を発売し…。
1991年に「グリルなべ あじまる(EPC-M13)」という製品を発売しています。
その頃のグリル鍋は、付属の鍋プレート一枚で「鍋もの」と「焼きもの」ができるというものでした。
つまり「グリル(焼く)」もできる「鍋」、ゆえに「グリル鍋」ということでしょう。
その後、39年間「あじまる」の愛称で親しまれ、2023年に発売された最新型が今回紹介する「グリルなべ あじまる (EP-FS30)」です。
象印マホービン「あじまる」最新型が登場!!
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こちらが今回紹介&徹底検証する象印マホービン「グリルなべ あじまる(EP-FS30)」です。
まずは、最新「あじまる」はどんな製品なのかをまとめていきましょう。
3種類のプレートで幅広い料理ができる
最新あじまるには3枚のプレートが付属します。
①土鍋風なべ
1つ目は「土鍋風なべ」です。
名前のとおり、土鍋風の淡いグレーのようなカラーリングで、出汁や食材の色が映えます。
また、こちらの土鍋風なべは、直火でも使用可能です。
下ごしらえの段階では、直火のほうがスピーディーに調理できて便利なので、これは嬉しいポイント。
下ごしらえが済んだあとは、卓上で保温しながら鍋を楽しんで、締めのうどんなどはそのまま卓上で調理、といった使い方ができます。
②たこ焼きプレート
2つ目は「たこ焼きプレート」です。
ひとくちサイズの直径40mmのたこ焼きが21個焼けます。
プレートにはたこ焼きを区切る溝が付いていて、生地が穴から溢れてしまっても区切り線で切り離して、焼きやすいように工夫されています。
③すき焼きなべ
3つ目は「すき焼きなべ」です。
こちらは焼きもの専用のプレートで、焼肉やお好み焼きなどの調理に使えます。
また、深さが3.5cmあるので、卓上で本格的なすき焼きもできちゃいます。
※すき焼き以外の鍋もの料理は「土鍋風なべ」をご利用ください。
使いやすさと安心設計へのこだわり
「あじまる」はみんなで食卓を囲って使う調理家電ということで、卓上での使いやすさや調理中の安全性についてもかなりこだわりが感じられます。
本体ガードで不意の接触を防止
熱源となるヒーターセットを囲うように本体ガードというパーツが付いており、火力調整のスライドとプラグ接続部以外が露出しないような設計になっています。
また、たこ焼きプレートとすき焼きプレート使用時には、本体ガードがプレートのふちより少し高くなるよう作られており、こだわりを感じるポイントのひとつです。
また、この本体ガードとヒーターセットは簡単に取り外しが可能。
本体ガードは丸洗いすることができ、ヒーターセットもお手入れがしやすく非常に便利です。
電源コードが長めで使いやすい&安心のマグネットプラグ
こういった卓上調理器の「買ってから気づいた欠点部門 第1位」は「コードの長さ」でしょう。
食卓から手近なところにコンセントがないのは結構あるあるです。
延長コードを使えばいいと思いきや、説明書には「延長コードは使用しないでください」と書いてあり、「どうしろっちゅうねん!」と嘆く。
その点、本製品のコードは「2.5m」と長めなので、ありがちな失敗もないことでしょう。
また、プラグ部分はマグネット接続になっています。
もしもコードに足を引っ掛けたりしても、鍋がひっくり返ることなくプラグが外れるので安心です。
地味なようで、使用感と安全性に大きくかかわるポイントをしっかり考えてある点には好感を持てます。
実際に調理して徹底検証!!
ここまで「グリルなべ あじまる(EP-FS30)」がどういった製品なのかを語ってきました。
ここからは、実際のところ使いやすいの? おいしく作れるの? といった踏み込んだ内容について、料理研究家の服部みどりさんをお招きして、徹底検証していきます。
先に結論から申し上げておきます。
結論:ちゃんと使いやすくて、料理もおいしく作れます!!
ということで、3つのプレートそれぞれで実際に使ってみてわかったことをまとめていきます。
①土鍋風なべの使い勝手
まずは「土鍋風なべ」で、調理する場合の沸騰までのおおよその時間を計測してみました。
市販の鍋つゆで3〜4人前の場合、「容量:750g」前後が多いため、750mlの水に代替して計測しています。
火力を最大にして沸騰するまでの時間を計測しました。
結果はおおよそ「6分前後」。
ガスコンロなどで沸かすよりは若干遅いですが、気になるほどではありません。
よりスピーディーに調理したい場合はガスコンロにかけられるので、不満はありません。
また、しっかりとした大きめの取っ手が付いているのもグッドポイント。
見た目を重視したキッチン家電は、やけに小さくて幅の狭い取っ手を付けがちなのですが、正直使い勝手が悪いです。
その点、ちゃんとした取っ手が付いている本製品は素晴らしいといえます。
鍋の構造もシンプルで、鍋のふちに折り返しがあって洗いにくいといったこともなく、お手入れもかなりラクです。
現代風のスマートなデザインにしつつも実用性も欠かさない点を評価したいです。
②たこ焼きプレートの使い勝手
次は「たこ焼きプレート」です。
本製品の是非が問われる一番のポイントがこの「たこ焼きプレート」といえるでしょう。
第一にたこ焼きをきれいにおいしく焼くには、火力がかなり重要です。
ホットプレートなどでもたこ焼きプレートが付属するものがありますが、こういった製品はたこ焼き専用機ではない都合上、どうしても火力にムラがありがちです。
そうなると、一部は早く焼けて、一部は焼けるのが遅いといったことが起こり、きれいにおいしく焼く難易度が上がります。
では、本製品はどうなのか。
実際に作ってみたところ、火力に変な偏りがなくまんべんなく火が通っていました。
サーモカメラの画像を見ても、全体がまんべんなく温まっているのがわかります。
注意して見張っていなくとも頃合いでひっくり返せばきれいに均等な焼き色がついています。
ほとんどたこ焼きを焼いた経験がないというスタッフにも焼いてもらいましたが、区切り線で生地を切り離してひっくり返せばやりやすいと評判でした。
火の入り方にムラが少なくカンタンにおいしく焼けるので、みんなで楽しく「タコパ」するにはもってこいです。
大阪に本社を置く象印マホービン。複合調理器だからといって抜かりはありません。
③すき焼きなべの使い勝手
最後は「すき焼きなべ」です。
ここでは、焼きの性能も見るため、先にねぎと肉を焼いてから割り下を加える手順で調理。
サーモカメラの画像からもわかるとおり、プレート全体がしっかりと熱を持っており、肉の焼き色も十分。
ねぎもしっかり焼き色をつけることができました。
焼きの段階で気づいた点は以下です。
このプレートは、中央部が少し盛り上がっている構造です。
肉から出た脂は端のほうに流れるので、ある程度の油切れは期待できます。
ただ、脂を流す溝などはないので、焼肉のように肉と野菜を一緒に焼く場合には、野菜が肉の脂を吸いやすい状況になりそうです。
また、プレートの端以外ほぼ全域が熱源に触れているので、そこそこの煙と油の飛び散りがみられました。
食卓で焼くとなると、後片付けとニオイの除去は必須レベルと考えていただければいいかと思います。
続いて割り下を加えていきます。
深さ3.5cmというのが丁度いい寸法で、ここに豆腐など他の素材を入れていくと、丁度2〜3人前の食材が収まります。
食材の収まりがいいと見た目もきれいにおいしそうに仕上がるので、グッドポイントといえます。
すき焼きなべは一般的なホットプレートのように使えて、すき焼きもできると考えると性能は十分だと感じられました。
焼きものを調理するのに十分な火力があり、肉や野菜にしっかり焼き色をつけることもできました。
すき焼きなべをメインに使いたいなら、煙の量と油の飛び散りがそこそこある点は考慮しておきたいです。
以上、3枚のプレートの実使用レビューでした。
総合的にみて、それぞれのプレートがちゃんと実用的なレベルで特に大きな欠点もないのには驚きました。
ここまで複合的な調理ができる家電が、包括的に高い完成度を有しているのは素直に賞賛したいです。
全てのプレートが実用的!! 卓上調理器はこれ一台に集約してOKです
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- 料理の仕上がり
- 使い勝手のよさ
- お手入れのしやすさ
1台に全て集約できる理想の複合調理器
象印マホービン「グリルなべ あじまる (EP-FS30)」は、3つのプレート全てがそれぞれ1つの調理器として成り立つほどの高い完成度です。
十分な火力と使い勝手のよさを備えているので調理がしやすく、特に家族で鍋やたこ焼きなどをよくするという方には、かなりおすすめです。
また、安全性も高いので、小さな子どもがいて卓上でカセットコンロを使うのは不安という場合にもおすすめ。
既に電気鍋、たこ焼き器、ホットプレートなどを持っている方やこれから導入を考えている方は、本製品1台に集約すれば収納スペースも効率化できます。
- おすすめポイント
-
- 必要十分な火力
- すべてのプレートが使いやすい
- お手入れがしやすい
- 安全性が高い
- がっかりポイント
-
- すき焼きなべの油の飛び散りと煙の量が改善されれば完璧
- 消費電力
- 1300W
- サイズ
- 土鍋風なべ使用時:約W40×D32.5×H19cm、たこ焼きプレート/すき焼きなべ使用時:約W32×D32.5×H17cm、プレート3枚重ね時:約W40×D32.5×H22.5cm
- プレート内寸
- 土鍋風なべ:約φ26×D5.5cm、たこ焼きプレート:約φ26×D1.4cm、すき焼きなべ:約φ26×D3.5cm
- 型番
- EP-FS30
どのプレートも実用的で、料理の幅が広がるいい製品だと思います。
かさばりがちなホットプレートやたこ焼き器などの調理家電をこれ一台にまとめられるのはかなりありがたいです。
以上、象印マホービン「グリルなべ あじまる (EP-FS30)」の紹介と徹底検証の結果でした。
本記事を読んで気になった方は、これを機に家にある調理家電の整理&集約を検討してみてはいかがでしょうか。
食卓を囲んでみんなで食事するのにピッタリなおすすめの逸品です。
当初の「鍋もの」と「焼きもの」ができる調理器から、時代を経るごとに機能が増えて、「グリルだけじゃなくてほかにもいろいろできる鍋」へと進化しており、「揚げもの」や「蒸しもの」ができるものもあるので、昨今ではグリル鍋とはどんなものかを説明しづらい感はありますが、基本の構造は一緒です。