ガスの残りを気にせず使える 卓上IHクッキングヒーターのおすすめは?
寄せ鍋にすき焼きに串揚げ……。寒い季節はお家でアツアツのお鍋を囲みたくなりますよね。そんなときに必要になるのがカセットコンロや卓上で使える調理器です。
今回は「卓上IHクッキングヒーター」に注目! 電気で調理するので、カセットコンロのようにガスの残りを気にすることなく楽しむことができて「鍋」はもちろん「揚げもの」などの調理にも重宝しますよ。
テストしたのは大手メーカーの製品からAmazonで人気の廉価な製品全10製品。火力や使いやすさ、機能などあらゆる面でおすすめのベストバイ製品を調査。最終的に「これを買えば間違いなし」と言える一台を発見しましたので、ご期待ください。
また、ランキングとともに選び方のポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
欲しい機能が全部ある! 日立「HIT-S55」
まずは徹底検証の結果高得点を叩き出し、ベストバイに選ばれた逸品をご紹介しちゃいます。
こちらです!
日立
HIT-S55
実勢価格:21,800円
サイズ:約W300×H366×D55mm
重量:2.7kg
最大消費電力:1400W
ベストバイに輝いたのは日立の「HITーS55」。とくに評価が高かったのは、冷凍コロッケを入れて下がった油の温度が素早く回復した点です。ふつうは一度にたくさんの揚げ物を調理すると、なかなか温度があがらずカラッと揚がらないことがありますが、これなら安心して使うことができます。
また使いやすさや機能性も抜群。油を熱したときに、設定温度になると「適温」の表示が出て知らせてくれます。水の沸とうにはやや時間がかかりましたが、それを補って余りある高機能IH調理器といえるでしょう!
一方、コスパ最高の「安くて良い卓上IH」はSandooの「IHクッキングヒーター HA1487」でした。
Sandoo
IHクッキングヒーター HA1487
実勢価格:4699円
サイズ:W276×H57×D345mm
重量:約2.1kg
消費電力:1400W
5000円前後のモデルのなかでは唯一、揚げ油の温度をそこそこキープしてくれました。湯わかしのスピードも十分、保温機能もあります。6位になったCusimaxの「CMIC‐140B」と全く同じ見た目ですが、性能には差が出ました。この価格帯ではSandooが頭一つ抜けています。
続いて、残りのランキングをご紹介する前に、選び方のポイントとテスト方法をご覧ください。
[選び方のポイントは5つ] 意外と差が出るので要チェック!
まずは「卓上IHクッキングヒーター」の選び方をご紹介します。一見どれも同じように見えますが、様々な違いがあります。
卓上IHクッキングヒーター選びで重視したいポイントとしては、まず火力。同条件でお湯がわくまでの時間を計測し、評価しました。
続いてIHなら自動で温度調節してくれるから、揚げ物も得意なはず。ということで冷凍コロッケを使って温度調節の精度を調べました。
機能面では、保温機能なども実際に使って評価。使いやすさについては、料理のプロ、さわけん氏と風間章子氏の評価を加えて採点しました。
選び方のポイント①お湯が沸くまでの時間(30点満点)
テストでは各機種の最高火力に設定し、25℃の水1Lが95℃に到達するまでの時間を計測しました。
選び方のポイント②揚げ物がカラッと揚がるか?(20点満点)
揚げ物は均一の火力で調理をすることが大切。食材を入れても温度がすぐに回復するかも重要になります。今回は、180℃に設定した油に冷凍コロッケ2つを投入し、3分後の温度を計測。コロッケの色も確認しました。
選び方のポイント③使いやすいか?(30点満点)
ボタンやパネルの表示の見やすさ、わかりやすさ、操作のしやすさを評価しました。
選び方のポイント④便利な機能が搭載されているか?(15点満点)
保温機能や、油が設定温度になったときにお知らせしてくれる機能などがあると便利委で安全に使うことができます。どんな機能があるかチェックしました。
選び方のポイント⑤静音性はどうか?(5点満点)
お湯をわかすときの動作音を、テーブルから50cmの高さに設置した騒音計で計測しました。
今回位は以上の5つのポイントで、総合評価の高かった順にランキングを作成しています。それではさっそく発表したいと思います!
アツアツ鍋の温度をしっかり キープしてくれる日立「HIT-S55」
冒頭でご紹介したとおり、日立「日立HIT-S55」はとにかく使いやすい! と大好評。とろ火や強火のボタンや、タイマー機能、保温機能、揚げ油が設定温度になれば音と表示で知らせてくれる親切設計、と至れり尽くせりです。
他機種が苦手だった揚げ油の温度コントロールもばっちり。お鍋はもちろん、リビングで串揚げパーティーにも挑戦したいなら買って損はありません!
日立
HIT-S55
実勢価格:21,800円
サイズ:約W300×H366×D55mm
重量:2.7kg
最大消費電力:1400W
保温機能があるので、ちょうどいいアツアツ加減で楽しむことができます。
テストの結果はこちらです。
他機種と比べると、沸騰に時間がかかりましたがそれ以外は高評価でした。
ポイントを見てみましょう。
[揚げ物がカラッと揚がる!]
冷凍コロッケを入れたあと、温度が下がったまま戻らない製品もあったなか、日立は181℃まで回復。規定の3分間で衣がしっかり色づきました。
[見やすく使いやすいパネル]
黒地に白の文字のバックライトパネルが見やすく好評でした。加熱の火力や揚げ物の温度の調節も簡単です。ワンタッチで強火やとろ火にできるのも嬉しいポイントです。
[便利な保温機能も3段階!]
保温の温度が3段階に調節可能だったのは、10機種中これだけ! それぞれの温度は、90℃のお湯1Lを保温状態にして20分後の温度を計測しました。
「保温1」実測:約73℃
「保温2」実測:約84℃
「保温3」実測:約88℃
各温度設定がボタン一つでできるのは「IH調理器」ならでは! この保温機能があればいろいろな調理に便利そうですね。
総合評価はこちらです。
12~26cmの鍋底に対応した広々サイズなので、大人数で鍋を囲むときも重宝しますね。
湯沸かしも揚げ物も好成績 パナソニック「KZ-PH33-K」
湯わかしも揚げ物も好成績でパナソニックの製品は2位にランクインしました。動作音も静かですが、ただ一点「保温機能」といった機能性で日立に一歩及びませんでした。
パナソニック
KZ-PH33-K
実勢価格:17,900円
テストの結果はこちらです。
保温機能がないのだけが残念。それ以外は高評価でした!
高火力だけど揚げ物は苦手 「アイリスオーヤマIHC-TE7」
「アイリスオーヤマIHC-TE7」は火力がしっかりしていて、湯わかしスピードはトップクラスの成績! 比較的静かなのもポイントが高かったのですが、揚げ物の温度の回復が振るいませんでした。
アイリスオーヤマ
IHC-TE7
実勢価格:7,456円
テストの結果はこちらです。
冷凍コロッケを投入し3分後の温度の回復が遅かったです。
4位: 揚げ物の温度が上がりすぎ
東芝「MR-S20M」
東芝は3位のアイリスオーヤマと違って、コロッケ投入後に温度の回復は良くすぐに戻ったものの、高温になりやすいのがマイナスになりました。
東芝
MR-S20M
実勢価格:7980円
テストの結果はこちらです。
高温になりすぎるため、揚げ物は焦げやすいです。
5位: コスパNo.1はこちら
Sandoo「HA1487 」
ベストバイの日立およそ半額のSandoo「IHクッキングヒーター HA1487」は、湯沸かしスピードも早く、保温機能付きと、性能・機能を備えたコスパ最高の一台です。価格で選ぶならこれが圧倒的No.1といえるでしょう!
Sandoo
IHクッキングヒーター HA1487
実勢価格:4699円
サイズ:W276×H57×D345mm
重量:約2.1kg
消費電力:1400W
テストの結果はこちらです。
湯わかしスピードはベストバイの日立よりも優秀! 冷凍コロッケ投入で160℃近くまで下がった油の温度も回復し、3分間でちゃんとキツネ色に揚がりました。
テストの結果はこちらです。
6位: 揚げ物の温度が低いまま
Cusimax「CMIC-140B」
5位のSandoo「IHクッキングヒーター HA1487」と同じ見た目ですが、性能面ではマイナスとなった「Cusimax」。揚げ物もカラッと揚がりませんでした。
Cusimax
CMIC-140B
実勢価格:5199円
テストの結果はこちらです。
7位: 湯わかしスピードは爆速!!
ティファール「IH2021JP」
とにかく火力があり、湯沸かしスピードが最速だったのが「ティファール」です。ただ、揚げ物は苦手でした。
ティファール
IH2021JP
デイリーIH
実勢価格:9000円
テストの結果はこちらです。
8位: 「アイリスオーヤマIHK-T36」は
動作音は比較的静かです
3位にランクインした「アイリスオーヤマIHC-TE7」に比べると、かなり廉価版の「IHK-T36」。こちらはIH調理器特有の動作音は比較的静かでした。
アイリスオーヤマ
IHK-T36
実勢価格:5,480円
テストの結果はこちらです。
9位: お湯をわかすのに時間がかかる
山善「YEL-S010E」
こちらは加熱のみ対応のシンプルなモデル。加熱に特化しているのかと思いきや、沸騰スピードはかなり遅めでした。
山善
YEL-S010E
実勢価格:4440円
テストの結果はこちらです。
10位: 湯わかしも揚げ物も厳しい
ドリテック「 DI-216ピコ」
沸騰スピードは12分以上と、全製品中いちばん遅かった「ドリテック」。また、油温が140℃を超えずコロッケがべしゃべしゃになってしまいました。
ドリテック DI-216
IHクッカー「ピコ」
実勢価格:7,980円
以上、「卓上IH調理器」のランキングBEST10でした。
卓上IHでの揚げ物は 温度計必須です
IH調理器は温度調節を自動でしてくれるから安心……と思いきや、使用する鍋によっては180℃設定なのに200℃を超えても温度上昇が止まらないことがあり危険と感じました。
使用できる鍋に指定がない機種は要注意です。
[おまけ]カセットコンロは IHよりも静かな点が特徴
今回のテストでは、カセットガスのコンロの性能とも比較をしました。IH調理器は排熱ファンの動作音がある分、少しうるさく感じることもありますが、こちらの音は控えめです。
イワタニ
カセットフー
達人スリムIII
実勢価格:4300円
沸騰にかかった時間は、IH調理器に比べるとやや遅め。動作音は圧倒的に小さかったです。
※カセットコンロの沸とう時間は中強火で加熱した場合
[まとめ]最高出力1000Wは不安 1400Wモデルがおすすめです!
全10製品の比較で、ベストバイに輝いた日立は沸騰スピードを除いては、文句ナシの一台でした。3段階の保温機能や難しい揚げ物がカラッと揚がるなど、プロも「これは間違いない!」と太鼓判を押しました。
一方5位のSandooの「IHクッキングヒーター HA1487」はコスパ最高の「安くて良い卓上IH」。5000円前後のモデルのなかでは唯一、揚げ油の温度をそこそこキープしてくれました。湯わかしのスピードも十分、保温機能もばっちり。この価格帯ではSandooが頭一つ抜けています。
8位から10位には比較的安い最高出力1000Wのモデルが並びました。結果的に7位以上の機種は全て1400Wのモデルだったことを考えると、1000Wでは火力や揚げ物の温度キープは期待できないことがわかりました。
高火力で調理したり、揚げ物をしたり、IHをメインの調理器としてバリバリ使いたい人は、5位以上の機種を選ぶのが安心です。ぜひこの結果を参考に“アツアツ”を楽しんでくださいね!