なんで「中が透ける」といいの？
お子さんのいる家庭では、よく聞かれる「冷蔵庫が開けっぱなしで困る…」とのお悩み。
昨年末、ツインバードから発売された「中身が見える冷蔵庫（HR-EI35B）」の「タッチ&ビュー機能」なら、ドア下のセンサーにタッチするだけで中が透けて見えるので、開けっ放しによる無駄な電気代を解消できるかもしれませんよ？
ということで今回は、日本メーカーでは初となるツインバードの「中身が透ける冷蔵庫」の実力を徹底検証！
透ける機能だけではなく、そもそもの「冷蔵庫としての使いやすさ」もプロと一緒にガチテストしました。
ツインバード「中身が見える冷蔵庫」の実力は？
ツインバード
中身が見える冷蔵庫（HR-EI35B）
実勢価格：20万円
サイズ：幅685×奥行630×高さ1648mm
重量：約84kg
定格容量：354L（冷蔵室191L、冷凍室103L、野菜室60L）
年間消費電力：345kwh／年
ツインバードから発売された本製品には、触れると透けるハーフミラー「タッチ＆ビュー」機能が搭載。
ドアを開けずにじっくり中身が確認できるから、中身を確認したらすぐに閉めなければならないという当たり前から解放されることが主なアピールポイントです。
これまで「家電批評」の誌面上にて、何機種も冷蔵庫を検証してきた家電プロレビュアーの石井和美さんと編集部で、実使用における実力をチェック。
また、臭気判定士の石川英一さんに冷蔵庫内に入れた食品の残臭も確認していただきました。
テスト1：そもそも“触れると透けるドア”は本当に便利？
結果：節電効果はもちろんのこと、エンタメ性もありました！
下の写真のように、上段の冷蔵庫スペースの右ドア下にあるセンサーにタッチすると、ドアが透けて中が確認できます。
やっぱり節電の基本は、なるべくドアを開けないこと。スーパーに行く前に「卵がまだ冷蔵庫内に残っているかな」と確認したいときでも、ドアを開ける必要がないのはありがたいですね。
また、あらかじめオシャレなデザインのボトルを手前に入れておけば、来客時に透けるドアを見せて自慢できるかもしれません。
透けていない状態のドアは黒色ですが、周囲の景色を反射する鏡面デザインなので、黒色の圧迫感はなく部屋が広く見えます。
このように、簡易的な姿見としても使うこともできます。
ミラー加工されていることで、黒色による威圧感を防ぐ効果もあります。
だた、鏡面デザインは高級感がある反面、触ると指紋が目立つことも。気になる方は店頭で実物チェックしましょう。
テスト2：背が低くて横が広いサイズは使いやすいの？
結果：特に女性や高齢者は使いやすそうです！
大容量タイプだと高さがあるので、上段奥の物を取るには手を伸ばす必要がありますが、本製品は高さ1648mm（約1.6m）と控えめ。
これは、背が低い女性や高齢者には、非常にうれしいポイントです。
上段奥を掃除するときも、手が届くのでラクちんです。
ただ、横に長いサイズなので、マンションによっては廊下や扉につかえて入らない可能性も。
購入前の搬入経路チェックは肝心です。
冷蔵庫の背が低いため、上に収納ボックスなどを置きたくなりますが、放熱のためにあける必要があります。物は置けないので注意しましょう。
テスト3：冷蔵庫スペースは使いやすいの？
結果：整理整頓がしやすく、アレンジや掃除も簡単でした！
観音開きタイプのドアは省スペースで使え、ドアポケットの整理もしやすかったです。
また、中を照らすLEDライトは明るくて、十分奥まで確認できました。
右ドアにはドアポケットが2段。
透けるセンサーをタッチした際に、中が見えやすいように中段が空いています。
※右ドアの上段ポケットは別売りで追加可能なパーツとなります
左ドアは小さめ。
ドアポケットは3段あります。
ドアポケットは取り外しやすく、透明で清潔感がありました。
ポケット背面は短くなっていないので汁がこぼれにくく、掃除もしやすかったです。
棚は、傷が付きにくく汚れも拭き取りやすいガラス製です。
２カ所のガラス棚（大）は取り外して高さを変えることができるので、鍋などの大物も入れられます。
下にあるチルドケース内は、マイナス１〜５℃と低めに保つことができます。
食品が凍り始める直前の温度帯なので鮮度が長持ちし、生鮮食品や発酵食品などの保存に適しています。
チルドケースが上下２段に分かれているのも便利なポイントです。
右利きだとドアを右から開くことが多いので、よく使う食品は収納力が高い右ドアのほうに置きましょう。
テスト4：冷凍庫スペースは使いやすいの？
結果：たっぷり入るし、取り出しやすかったです！
中央にある冷凍庫スペースは、扱いやすい二段の引き出し式。
庫内温度はマイナス23〜マイナス15℃に保てました。
上段と下段の引き出しともに深さがあり、約103Lと収納力が高いので、写真の量の冷凍食品がすべて入りました。
スーパーやお取り寄せで冷凍食品をたくさん購入する人にはオススメです。
上段は、肉などの生鮮食品を分けて保存するのに便利な印象でした。
製氷皿は、水を入れたケースに仕切りの付いたフタを被せる独特の形状。仕切りの形は将棋の駒のような、面白い形をしています。フタをして製氷するので、水を入れたあとに水面をならす手間はありません。
製氷皿を入れる専用ゾーンはなく上下段のどちらかに入れておく形なので、水をこぼさないよう引き出しはそっと閉めるようにしましょう。
氷を取り出すときは本体をひねるだけで簡単に小分けにできました。
製氷皿は水を入れるケースが2個付いているので、氷づくりに使用しない方のケースに氷をストックしておけます。
急速冷凍など特別な機能はいらない、たくさん入るだけでいい、という人に向いています。
テスト5：野菜室は使いやすいの？
結果：上段はやや狭いものの、下段は広めでした
野菜室は一番下にあるので、野菜をよく出し入れする場合はかがむことが多くなるかもしれません。
中は上下段に分かれており、下段はキャベツなど大きな野菜も入る広さがありました。
上段は奥に段差がついているため、やや狭く感じるかもしれません。
テスト6：肉や野菜の鮮度は保つことができるの？
結果：包装なしだと、ややしおれるけど許容範囲でした
まずは、野菜を包装なしで野菜室に入れて、３日後の状態をチェックしました。
葉物はややしぼんでいましたが許容範囲。根菜類はあまり変化が見られませんでした。
他にもハム、豚肉、サーモンのサクなどを包装なしでチルドルームに入れ、３日後の状態をチェックしました。
水分は抜けましたが、包装なしの状態だったので、こちらも許容範囲という結果になりました。
▼家電プロレビュアーによる食品の見た目の評価
| 大葉 | きゅうり | しいたけ | なす | キャベツ （半玉） |
にんじん | れんこん | パセリ | ほうれん草 | まぐろサク | ステーキ用 牛肉 |
ハム | とんかつ用 豚肉 |
サーモンサク |
| 3/5点 | 4/5点 | 4/5点 | 3/5点 | 4/5点 | 4/5点 | 4/5点 | 3/5点 | 3/5点 | 3/5点 | 3/5点 | 3/5点 | 3/5点 | 2/5点 |
▼家電プロレビュアーによる食品の触感の評価
| 大葉 | きゅうり | しいたけ | なす | キャベツ （半玉） |
にんじん | れんこん | パセリ | ほうれん草 | まぐろサク | ステーキ用 牛肉 |
ハム | とんかつ用 豚肉 |
サーモンサク |
| 2/5点 | 3/5点 | 4/5点 | 3/5点 | 4/5点 | 4/5点 | 4/5点 | 2/5点 | 2/5点 | 3/5点 | 3/5点 | 2/5点 | 2/5点 | 2/5点 |
※あくまで主観での評価です。最終評価点には反映していません
多湿タイプの冷蔵室ではないので、妥当な結果です。
テスト7：たくあん、ししゃもの臭いは残るの？
結果：たくあんは臭いが残るが、ししゃもは臭いなしでした
たくあんとししゃもにラップを軽くかけて冷蔵庫内に入れ、約12時間後に取り出し、その1時間後に臭いが残っているかをチェック。
またもう1回入れて、30分後に臭いが残っているかもチェックしました。
1時間後に確認したときは、魚臭さは感じないものの、たくあんは少し臭いが残っていました。
さらに、もう1回入れて30分後に確認したときは、たくあんの臭いは残っており、ほんの少しししゃもの臭いも感じました。
ただ、冷蔵庫内の臭いのこびりつきはありませんでした。
臭いが強い食品は、ラップに包んでジップロックに入れるなどして封をして保存しましょう。
※こちらは参考として行ったテストです。本製品には特別な脱臭機能等はないため、最終評価点には反映していません
わざと臭いが残るように試験をしましたが、庫内への臭い付着は起こりませんでした。ラップをしっかりかけるなど、普通に気をつける使い方でいいでしょう。
テスト8：そのほかの機能や温度変化もチェック
結果1：引き出し部分の掃除がしやすかったです！
冷凍室、冷蔵室は上部引き出しの取っ手部分に深さがあるので持ちやすく…。
引き出しの取っ手部分の端が閉じていないので、クロスで中を掃除しやすかったです。
結果2：高級感を損なわないロゴ配置でした
ツインバードのメーカーロゴは、上段冷蔵庫スペースの左下。
ロゴが過剰に目立たないデザインなので、本体の高級感は損なわれていませんでした。
結果3：内部温度の変化具合も問題なし
冷蔵庫内、チルド室内、冷凍室内の温度変化を12時間計測しました。
▼冷蔵庫内の温度変化は？
▼冷凍庫内の温度変化は？
冷蔵庫内は6℃前後、チルド室内は3〜4℃前後、野菜室内は3.5℃前後、冷凍庫内はマイナス21℃前後でした。
まとめ：電気代やサイズを重視する女性にオススメ！
以上が、ツインバード「中身が見える冷蔵庫」の検証結果です。
家電プロレビュアー・石井和美さんと臭気判定士・石川英一さんと検証した結果、「電気代やサイズを重視したい女性に特にオススメできる、350リットルクラスの冷蔵庫」との評価になりました。
ツインバード
中身が見える冷蔵庫（HR-EI35B）
実勢価格：20万円
サイズ：幅685×奥行630×高さ1648mm
重量：約84kg
定格容量：354L（冷蔵室191L、冷凍室103L、野菜室60L）
年間消費電力：345kwh／年
▼評価
| 総合点 | 見える機能 | 冷凍室の使い勝手 （入る量） |
チルド室の 使い勝手 |
冷蔵室の 使い勝手 |
野菜室の 使い勝手 |
見た目 | 女性・高齢者 向けの配慮 |
| 36/40点 | 5/5点 | 5/5点 | 5/5点 | 4/5点 | 3/5点 | 4/5点 | 5/5点 |
【総合評価：A+】
最後に、ツインバード「中身が見える冷蔵庫」のよかった点と残念だった点をまとめました。
▼よかった点
- ドアの開閉を減らせるので節電効果も高い
- 女性にとって使いやすいサイズ感
- 男性の一人暮らしにも向いていそう
▼残念だった点
- 横幅が長めなので家に入らない可能性がある
- ガラス加工なので指紋が目立つ
デッドスペースができにくいので、食品の廃棄を減らせそうです。
ドアが透けたときの見やすさのほか、中への手の入れやすさ、ガラス加工の光り具合などは、使う人によって評価が異なると思われます。気になる方には、購入前の実物をおすすめします。
▼大容量冷蔵庫のおすすめランキングはこちら！
冷蔵庫の売れ筋ランキングもチェック！
冷蔵庫のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
思ったよりも奥まで見渡せて、たしかにドアを開ける頻度が減らせます。ただし大きなペットボトルなどを入れていると、やや確認しづらくはなります。