ヘルスケアはじめに:口腔洗浄器は“歯磨きの補助的存在”です

はじめに:口腔洗浄器は“歯磨きの補助的存在”です イメージ

歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスと、歯をケアする手段はたくさんありますが、ノズルの先から高圧で噴出された水を当てることで、磨き残した食べかすなどを弾き飛ばしてくれるのが「口腔洗浄器」と呼ばれるオーラルケアグッズです。

ヘルスケアヤーマンの最新口腔洗浄器は置き型とコードレスの良いトコどりらしい!?

ヤーマンの最新口腔洗浄器は置き型とコードレスの良いトコどりらしい!? イメージ

ヤーマン(正規代理店)
ウォーターピック イオン
実勢価格:2万8600円


外形サイズ:約W158×D155×H193mm(チップ装着時)
製品重量:約607g
タンク容量:約651ml(約90秒間使用可能)
付属品:ジェットチップ2本、舌クリーナーチップ1本、充電用USBケーブル、取扱説明書(保証書付)

従来の口腔洗浄器は、電源コードをつないだまま使用する据え置きタイプと、水タンクと本体が一体になった充電式のハンディタイプが主流でしたが、口腔洗浄器の世界シェアナンバーワン「Waterpik(ウォーターピック)」より、コンパクトな充電式の置き型タイプが2022年11月に発売しました。

日本における正規代理店は、美容機器に定評のある「ヤーマン」が務めています。

置き型タイプとハンディなコードレスタイプの良いところを併せもち、さらにはコンパクト設計ながらパワーと操作性を兼ね備えているという新モデル「イオン」の実力はいかに……?

ヤーマンの最新口腔洗浄器は置き型とコードレスの良いトコどりらしい!? イメージ2

ということで、神保町タワー歯科・矯正歯科院長の越智信行先生による性能評価、また『家電批評』編集部・ライターによる使い勝手やメンテナンスの見極めにより、ヤーマンの最新口腔洗浄器を厳しくチェックしました!」

ヘルスケアテスト1:水圧は最適なの?

結果:水圧は10段階。「5〜6」で程よく「10」はちょっと強すぎた

結果:水圧は10段階。「5〜6」で程よく「10」はちょっと強すぎた イメージ

汚れ落ちの良し悪しにつながる水圧については、本体のダイヤルを回して1〜10まで無段階で調節が可能。

冷水を使用して「10」で当てると勢いがかなり強く、歯にしみるような感覚がありました。越智先生は「5〜6」ぐらいで、ほど良い圧がかかって気持ちよく洗浄できたそうです。

越智信行 氏
神保町タワー歯科・矯正歯科 院長
越智信行 氏 のコメント

水圧が強すぎると痛みを感じる恐れがあり、かといって「1」だと弱すぎます。「1」から徐々に出力を上げていって、自分にとって気持ち良い強さを探ると良いでしょう。冷水よりも、ぬるま湯を使用したほうが歯にしみにくいです。

松嶋千春 氏
商品テスト系編集者・ライター
松嶋千春 氏 のコメント

替えのチップで試してみたところ、私の場合は5でも歯にしみる感覚がありました。また、ダイヤルの印がやや見づらく、使い慣れてないとうっかり逆方向に回してしまいそうです。

多少の水ハネには許容が必要だった

洗浄時に発生する水ハネを完全に防ぐとなると、次の写真のような体勢でシンクに身を乗り出す必要があります。

多少の水ハネには許容が必要だった イメージ

こうなると、洗面所の鏡を見て細かく洗浄は難しくなりますので、多少の水ハネには許容が必要かもしれません。

松嶋千春 氏
商品テスト系編集者・ライター
松嶋千春 氏 のコメント

口を開いた状態だと水ハネが発生し、口を閉じた状態だと水がアゴをつたって垂れる可能性があります。これらがどうしても気になる方は前かがみの状態で手鏡を使うと良いでしょう。

ヘルスケアテスト2:使い勝手はいいの?

結果:水垂れは気になったが、水タンクがハンドルと別&大容量のおかげで疲れず長めに使用できた

結果:水垂れは気になったが、水タンクがハンドルと別&大容量のおかげで疲れず長めに使用できた イメージ

本製品は水タンクがハンドルと別になっているため、洗浄中も小回りがきいて持ち手が疲れにくかったです。

実際に試してみて気づいた使い勝手にまつわるポイントを以下にまとめました。

大容量タンクなので、水を長めの時間当てられた

大容量タンクなので、水を長めの時間当てられた イメージ

ハンディタイプの口腔洗浄器だとタンクの容量が小さく、連続使用時間が短いのがネックですが、本製品はタンクいっぱいに水を入れれば約90秒間使用することができました。

水の注ぎ足しの手間が少ないのもメリットです。

使用時間は、1日2回・1回1分(最大5分まで)。上の歯・下の歯それぞれ30秒ずつの洗浄が目安となるのですが、使用から30秒後と1分後に一時停止して時間を知らせてくれる機能を搭載しています。

使用中・使用後の水垂れは気になった

使用中・使用後の水垂れは気になった イメージ

水を噴出中、ハンドルとコードの間から水が漏れて垂れてきたのが気になりました。

また、使用後にハンドルやチップ内に水が残っている状態だと、後から水が垂れてきてしまいます。しっかり水気を切る、下にタオルを敷くといった対策が必要かも……。

ヘルスケアテスト3:メンテナンスはしやすいの?

結果:そもそもが面倒な口腔洗浄器のメンテをできるだけ簡単にしたいという企業努力を感じた

まず大前提として、水ですすぐだけで済む歯ブラシとは違って、口腔洗浄器のメンテナンスはそこそこ手間がかかります。

本体・タンク表面・チップのお手入れ方法は、「柔らかい布と研磨剤を含んでいない中性洗剤を使用して拭く」というもの。タンクは中の水を捨てて風通しの良い場所で乾燥させる必要があります。

このように、そもそも手間がかかる口腔洗浄器のメンテナンスですが、本製品からは「パーツの着脱だけでも可能な限り簡単にしたい」というメーカーの企業努力を感じました。

チップはボタンをスライドさせて簡単に取り外せた

チップはボタンをスライドさせて簡単に取り外せた イメージ

チップはハンドルの穴に差し込むだけで装着でき、ハンドル横のボタンをスライドさせれば、すぐに取り外せます。

タンクだけを取り外しできて、水を注いだり拭いたりするのがラク

タンクだけを取り外しできて、水を注いだり拭いたりするのがラク イメージ

また、タンクは底部から取り外し可能なため、水を注ぐのも、拭く作業もしやすいです。

充電はそこそこ長持ち

充電はそこそこ長持ち イメージ

室温25℃の場合、約4.5〜5時間で満充電となり、1日1回程度の使用で約4週間使用可能とのこと。充電のもちが良いのは嬉しいですね。

松嶋千春 氏
商品テスト系編集者・ライター
松嶋千春 氏 のコメント

そもそも口腔洗浄器のお手入れには手間がかかりますが、本製品にはメンテナンスしやすいように随所に工夫が施されていました。

ヘルスケアテスト4:置き場所はとらないの?

結果:省スペース化への工夫は見えるが、定位置は広めに確保は必要

結果:省スペース化への工夫は見えるが、定位置は広めに確保は必要 イメージ

本体自体は軽量かつコードレスなため、動かすのは苦ではありません。

しかし、水タンクが大容量であること、水が垂れる可能性があることを考えると、洗面台まわりに定位置の確保が必要そう。

置き型とハンディタイプのハイブリットな製品といえど、設置・収納面にはアップデートの余地がありそうですね。

といったように、一般家庭の洗面台まわりではかさばりそうな印象ですが、収納に対するメーカーの心遣いが垣間見える点も……。

ハンドルはマグネットでカチッとはまる

ハンドルはマグネットでカチッとはまる イメージ

本体とハンドルをつなぐコードはキレイに巻きグセが付いており、本体に戻す際、向きを合わせてホルダーに近づければマグネットでカチッとはまります。

A評価まとめ:パワフルかつ一般家庭で使いやすい!を意識した工夫の多い製品

以上がヤーマンの充電式口腔洗浄器「イオン」の検証結果です。

「口腔洗浄器を一般家庭に根付かせたい!」という気概が随所に見える製品でした。

まとめ:パワフルかつ一般家庭で使いやすい!を意識した工夫の多い製品 イメージ
まとめ:パワフルかつ一般家庭で使いやすい!を意識した工夫の多い製品 イメージ2

ヤーマン(正規代理店)
ウォーターピック イオン
実勢価格:2万8600円


外形サイズ:約W158×D155×H193mm(チップ装着時)
製品重量:約607g
タンク容量:約651ml(約90秒間使用可能)
付属品:ジェットチップ2本、舌クリーナーチップ1本、充電用USBケーブル、取扱説明書(保証書付)

▼テスト結果

総合評価 水圧 使い勝手

メンテナンス

のしやすさ

収納性 コスパ
A 4/5点 4/5点 4/5点 4/5点 2/5点

よかった点と残念だった点もまとめましたのでご覧ください。

▼よかった点

  • 弱〜強まで水圧がコントロールできる
  • 大容量タンク&コードレスで使い勝手は良い
  • パーツの着脱がラク

▼残念だった点

  • 使用時・使用後に水が垂れやすい
  • 本製品に限った話ではないものの、メンテナンスに多少手間がかかる
  • 洗面台に出しっぱなしするにはやや大きい
  • もう少し値段が安ければ初心者にもおすすめできる
  • プロ曰く、丁寧なブラッシングに勝るものはなし 

ヤーマン製品大健闘だが、プロからは口腔洗浄器そのものに対する違和感の声も

ちなみに、今回ご協力いただいた越智先生からは「歯ブラシと歯間ブラシ・フロスで事足りる」という声も上がっていました。

越智信行 氏
神保町タワー歯科・矯正歯科 院長
越智信行 氏 のコメント

歯列矯正用のブラケットなど、入り組んだところの食べかすを洗い流すのには使えそうですが、そもそも口をゆすぐだけでも大まかな汚れは取れるので……。また、ねばついたプラーク汚れは、水を当てるよりも物理的に擦ったほうがやはり落ちやすい。丁寧なブラッシングに勝るものはありません!

近年、需要が高まりつつあるオーラルケア用品ですが、必要性は熟考した上で購入することをおすすめします。

後悔のない購入のためにも、本記事をぜひ参考にしてみてください!