生活をラクにしてくれるお助け家電はどれ?
掃除やアイロンがけなど日々発生する家事。だけど、だるいし面倒。最近は運動不足で体力も低下したし、肩こりも辛い……。それなら頑張るのは家電にお任せして、少しでもラクしませんか?
ということで、本音の家電ガイド『家電批評』がしんどいことをラクにしてくれる「お助け家電」を検証! あらゆる製品を徹底テストし、ベストバイを探しました。
今回は、毎日着るスーツなどのクリーニングのタイミングが難しくて困っている人のために、注目の「シワ取りクローゼット」を検証しました。
なお、検証には家電評論家の戸井田満樹さんと、におい・かおり環境アドバイザーの石川英一さんにご協力いただきました。
「LGスタイラー」とは?
LG
LGStyler S3WF
実勢価格:14万36円
サイズ・重量:W445×D585×H1850mm・78kg
消費電力:489W(リフレッシュコース/標準 使用時)
収納アイテム数:4(ハンガー3+ズボン1)
スーツや子どもの制服って、家で洗濯できないし、毎日使うからクリーニングに出すタイミングも難しいですよね。そんな厄介な服を、手間なく短時間でケアできる新機軸の家電がLG「LGStyler S3WF」。
これに衣類などを入れると、振動するハンガーと庫内を循環する高温スチームで消臭やシワ取り、乾燥といったケアをしてくれるんです。また、スチームなどによりアレル物質や花粉、菌などを除去するとうたっています。
「そんな高いもの誰が買うの?」と思いきや、2021年1月から8月の国内販売台数は前年比の1.5倍(日経MJ 2021年10月04日記事より)。購入者やお試しでレンタルする人がかなり増えているのだそうです。
ポイント1:スチームが肝!
基本的にスチームを使うため、庫内の給水タンクに水を入れておく必要があります。なお、写真左は排水用タンクです。
ポイント2:操作がカンタン
庫内のハンガーに服を掛けたら、外側のパネルを操作。コースを選んで「スタート」を長押しするだけで運転が始まります。最大3着+ズボン1着を同時ケア可能です。
LGスタイラーの実力を検証!
さて、今回はLGスタイラーの「シワ取り」「消臭」「エアフレッシュ(乾燥)」の実力をチェックしてみました。
消臭のテストでは、タバコのニオイがついたシャツを、パナソニックの脱臭ハンガーとLG Stylerそれぞれで脱臭。プロがニオイを比較しました。
それでは、検証結果をご覧ください。
検証結果1:シワ取り
普段一番使いそうな基本のリフレッシュコース(3タイプ選べる)で、綿のシャツについたシワがどう変化するかを確認。
すると、短時間の「おいそぎ(20分)」コースで十分シワが取れることが判明。しわくちゃのシャツがスッキリふんわり仕上がりました。
「標準(48分)」コースは、おいそぎコースより若干ふんわりしました。
「しっかり(67分)」コースは標準コースと違いがわからず。おいそぎコースの20分以降は時間をかけても大きな変化はありませんでした。
検証結果2:ニオイ落ち
▼LG Stylerの検証結果
- 脱臭時間:約1時間
- ニオイ :5割減
▼パナソニックの脱臭ハンガーの検証結果
- 脱臭時間:約5時間
- ニオイ :4割減
パナソニックの脱臭ハンガーと比較したところ、LG Stylerも脱臭ハンガーも不快度は半減。ただ、ニオイは脱臭ハンガーが5時間で4割減に対し、LG Stylerは1時間で5割減。短時間で強力に脱臭できました。
たった1時間でむせるようなニオイがなくなりました。
検証結果3:エアフレッシュ(乾燥)
LG Stylerは、毛皮やレザーのリフレッシュも可能。そこで、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんが持参した10年もののレザージャケットで試してみたところ、溜まった湿気が抜けてふわっと軽くなりました。
10年間ほったらかしだったジャケットが着られるように!
ここは注意!目的はあくまで「リフレッシュ」
LG Stylerは、衣類スチーマーなどに比べるとシワ伸ばしなどの効果ははっきりと劣ります。そのため初代の発売時には本誌も辛口の評価でした。
ですが、LG Stylerの価値は庫内に服を入れておくだけで短時間である程度のケアができることや、毛皮のような洗濯しづらいものを扱えることにあります。いわば、アイロンなどの専用家電とブラッシングなどのアナログなケア手法の中間に位置する製品なんです。
「LG Styler」の評価とまとめ
以上、「LG Styler」の検証結果でした。
個々の機能を専用のケア家電と比べてしまうと一歩及ばずでしたが、それらを使わずに「服を掛けておくだけ」で簡単に、しかも毎日ケアできるのは、控えめに言っても便利すぎ。価格に納得なら買いの製品です。ということで、総合評価はA-。
ただし、最大の問題は設置場所。
高さと奥行は475Lクラスの冷蔵庫とほぼ同等。購入するなら設置場所の確保も必要になります。
手軽に試すならレンタルがオススメ!
▼Rentio公式サイト
「興味はあるけど…」という人は、一度レンタルで試してみるのも手です。月額1万3000円(最低3カ月利用)となります。
また、高すぎる! という声を受けてか、まもなく機能をシンプルにしたモデルも登場します。予想実売価格が14万円なので店頭価格はもう少し下がるはず。それに、コストコ専用のモデルもあります。不確定ではありますが、プロモーションで10万円以下で買えることもあるので要チェックです。
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晋遊舎
『家電批評』
2021年12月号
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