超高音域の再生能力だけじゃない「DM200」の実力をテスト
ハイレゾプレーヤーの認知度が高まってきたことにより、最近イヤホンでトレンドとなっているのがハイレゾ対応を謳うモデルです。家電量販店で「ハイレゾオーディオ」のロゴつきのパッケージを目にしたことがある人の多いのではないでしょうか。しかし、ハイレゾ対応=高音質といえるかわかりにくいのが実態です。
ハイレゾ音源には、音楽CDの約3倍~6倍もの情報量が詰め込まれており、その豊富な情報を音楽として再現するには、プレイヤーやイヤホンにも相応の実力が求められるのです。したがって、イヤホンの場合は日本オーディオ協会により音楽CDの2倍となる40キロヘルツ以上の超高域再生性能がハイレゾ対応を謳うための必須条件と決められています。
しかし、音の善し悪しは超高音域の再生能力で決まるものではありません。識者も「高音質の決め手は周波数帯域だけではない。優れたヘッドホンやイヤホンは、ハイレゾ音源にかかわらず、素晴らしい音楽を聴かせてくれる」と、ハイレゾ対応だからという理由だけで、商品を選んでしまうことに釘をさしています。
そこで、これまでのテストで高評価を獲得しているハイレゾイヤホン「DM200H」を例にハイレゾイヤホンの実力を改めて検証してみました。
Dynamic Motion
DM200H
実勢価格 2万6360円
ドライバー:ハイブリッド2wayドライバー
周波数特性:5Hz~40kHz
インピーダンス:24Ω
重量:15.6g(ケーブル含む)
サイズごとに色分けされたイヤーピースやしなやかなケーブルなども好印象です。
ソニー
NW-ZX300
実勢価格:6万2490円
今回の試聴テストのプレイヤーにはハイレゾウォークマンの新製品「NW-ZX300」を充てています。
プロも認めるホンモノのハイレゾ対応「ほどよいドンシャリ」が理由です
DM200HはiPhoneで試聴すると「味付けはオーバー気味」で、かなりドンシャリに聞こえます。それに加えて、今回試聴に使用したウォークマン自体もドンシャリな音質。
そのため、こてこてに仕上がるかと思いきや、「ちょっとドンシャリ気味だがハイレゾプレイヤーは全音域でしっかり音を出すので特に欠点はない。余裕で合格」とプロからも高評価を獲得しました。
ドライバーはダイナミック型とBA型によるハイブリッドタイプです。
青い部分が高音域担当のBAドライバー。それを囲むように低音域担当のダイナミックドライバーがリング状に配置されています。低音と高音が同じ位置から出るためズレが少ないのが特長です。
以上の構造により、イヤホンに届く音そのもののクオリティが高いため、「程度をわきまえたほどよいドンシャリ」で音楽をまとめてくれるのです。「DM200Hはハイレゾとの相性をしっかり考慮された本当のハイレゾ対応だった」というのが今回の結論です。
以上、ハイレゾイヤホンの紹介でした。DM200Hは「ハイレゾ」を最大限に表現できるイヤホンです。「ハイレゾ対応イヤホン」で迷ったときはかなりオススメです。