どこでも大画面!XRグラスの進化に迫る
メガネのように掛けるだけで、目の前の空間にPCモニターをはるかに超える巨大なスクリーンが広がるXPグラス。
カフェでリラックスしながら映画やドラマを楽しむ、就寝前に寝転びながらYouTubeを見るなど、日常的に使えるメガネ型デバイスとして近年注目を集めています。
Q. そもそもXRグラスとは?
A. XRグラスとはメガネ型のディスプレイで、スマートグラスとも呼ばれます。
外観はサングラスのようですが、内部に組み込まれた有機ELディスプレイの映像をインナーレンズに反射させ、それを見ることで、目の前にスクリーンがあるように見えるというデバイスです。
スマホやパソコンの画面をUSB-Cケーブルやワイヤレスで入力します。
メガネ型なので持ち運びが楽々で、しかも電源は不要です。
XRグラスの構造
有機ELディスプレイの映像をインナーレンズに反射させ、それを見ることで、あたかも目の前にスクリーンがあるように見えます。
Q. XRグラスのメリットは?
A. XRグラスのメリットは、どんな場所でも大画面で仕事したり映像を楽しめること!
電車に揺られつつ、スマホを覗き込むようにしてドラマや映画、テレビの配信を見る……誰もが経験ありますよね。たしかにスマホなら手軽に視聴できますが、ちょっと画面が小さすぎませんか?
しかし、XRグラスがあれば電車内でも視界いっぱいにスクリーンを広がるので、スマホとは比べ物にならない没入感を楽しまめます。
電車内だけではありません。
例えば寝る前の動画視聴。メガネ型ディスプレイなら頭部に画面が追従するので、寝返りを打とうが、トイレに行こうが問題なし。家族にテレビを占領されている時も、これ一台持っていればテレビよりも高品質(かもしれない)映像を独り占めできるんです。
XRグラスの選び方は?
「VITURE」と「XREAL」の2大ブランドが人気を二分!
XRグラスは、VITUREとXREALが人気を二分している状況です。
特にXREALの最新モデル、XREAL「XREAL One」は従来必要だった周辺機器なしで画面の固定やサイズ変更が可能になり注目されています。接続できるのはiPhone 15など(※)。
(※)このほか、DP出力対応のAndroidスマホ、Windows PC、iPad、MacBook、Steam Deck、ROG Allyに加え、別売のXREAL HUBでNintendo Switchにも対応します。
今回は過去ベストバイ製品と徹底比較します
今回は、雑誌『家電批評』のベストバイを獲得している人気モデルのVITURE「VITURE Pro」、XREAL最新モデルのXREAL「XREAL One」、軽さと安さが魅力のXREAL「XREAL Air 2 Pro」の3製品を集めて実力を検証。
AndroidスマホとiPhone、WindowsPCとMacBook Proに接続して、「画質」「音質」「操作性」をAV評論家の本田雅一さんと雑誌『家電批評』編集部でテストしました。
XRグラスのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、XRスマートグラスのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||
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XREALXREAL One
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|
82g |
400万画素(1920×1080P) |
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VIRTUREVITURE Pro
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|
77g |
400万画素(1920×1080P) |
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XREALXREAL Air 2 Pro
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|
75g |
400万画素(1920×1080P) |
【1位】XREAL「XREAL One」
- 画質
- 音質
- 装着感
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 単体で3DoFに対応
- 音質がいい
- 映像サイズの拡大縮小が簡単
- がっかりポイント
-
- 操作がやや煩雑
- 重量
- 82g
- 解像度
- 400万画素(1920×1080P)
- ディスプレイ
- SONY製0.68インチ マイクロOLED
【2位】VIRTURE「VITURE Pro」
- VIRTUREVITURE Pro
- 実勢価格: ¥63,648〜
- 画質
- 音質
- 装着感
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- トータルバランスに優れる
- 視度調整機能がある
- がっかりポイント
-
- 映像サイズの変更ができない
- 幅
- 47.7mm(折りたたみ時)
- 奥行
- 163mm(折りたたみ時)
- 高さ
- 53.7mm(折りたたみ時)
- 重量
- 77g
- 解像度
- 400万画素(1920×1080P)
- 型番
- VITURE Pro XR Glasses
【3位】XREAL「XREAL Air 2 Pro」
- XREALXREAL Air 2 Pro
- 実勢価格: ¥52,400〜
- 画質
- 音質
- 装着感
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 軽量で装着感がいい
- 価格が安い
- がっかりポイント
-
- 単体では3DoFに非対応
- 幅
- 56.4mm(収納時)
- 奥行
- 56.4mm(収納時)
- 高さ
- 51.4mm(収納時)
- 重量
- 75g
- 解像度
- 400万画素(1920×1080P)
- ディスプレイ
- SONY製0.55インチ マイクロOLED
- 型番
- XREAL AIR 2 PRO
テスト結果の詳細は?
【テスト1】スクリーン表示:3DoFで大画面を空中に固定。3画面表示もできます
スペック比較:XREAL Oneが一番大画面で3DoFにも対応
※1 別売のBeamまたはBeam Proを使用することで対応可能です。
※2 スマホ、パソコンともに専用アプリ「SpaceWalker」が必要です。
XRグラスはメガネの内側に映像を投影し、目の前にスクリーンを表示します。そのため、従来は顔を動かすと映像も顔(メガネ)の動きに合わせて移動していました。
しかし、「XREAL One」が新対応した「3DoF」は、スクリーンを特定の位置に固定でき、顔を動かしても映像がその場から動かないすごい機能。
固定する位置を工夫すれば、いろいろ活用できます。例えば、スクリーンを横側に固定し、料理などの作業をしながら手順を動画で確認することができます。想像すると便利そうですよね。また、パソコンと接続することで、擬似的なマルチ画面を構築可能。
「XREAL One」のワイドモードとWindowsの画面分割を使って3画面の環境が作れるため、中央の画面でメインの作業、横の画面でブラウザ検索なんてことも簡単です。
なお、「XREAL Air 2 Pro2」や「VITURE Pro」を「3DoF」に対応させるには、「XREAL Air 2 Pro2」では別売の「XREAL Beam」が必要で、「VITURE Pro」はスマホなどに専用アプリの「SpaceWalker」が必要です。
単独対応の「XREAL One」がスゴイです!
3DoFって何?
スクリーンの空中固定にはXRグラスが傾いても水平垂直を維持する必要があります。それを担うのが「3DoF(Degrees of Freedom)」。
3軸の傾きを検知してスクリーンがどの位置にあるかを判断します。
3DoF(固定画面)をオンにすると顔を動かしても映像は空中に固定
任意の場所にスクリーンを固定でき、顔を動かしてもスクリーンは動きません。顔の向きを戻せば、また映像が見えます。
基本は顔の動きに合わせて映像が追従します
顔を右に向ければ映像も右へと連動して動きます。常に目の前に映像がある状態です。
パソコンと続接して擬似マルチ画面で作業
外出先でもパソコンと接続して、複数画面で作業ができます。これはとても便利!
XRグラス単体で画面固定ができるのは便利です。
「XREAL Air 2 Pro2」で「3DoF」機能を使うには「Beam」が必要
XREAL
XREAL Beam
XREAL
XREAL Beam Pro
実勢価格:¥32980 (検証時)
XREAL「XREAL Beam Pro」はほぼスマホな形状です。
【テスト2】操作と設定:画面サイズなど細かな設定が可能
XRグラスはスマホやPCの映像をミラーリングするデバイスなので、本体でできる設定は画面の明るさやボリューム程度とシンプルです。
「XREAL One」では画面サイズや表示距離、透過モード、ワイドモードなど、さまざまな設定ができるようになりました。また、透過モードやワイドモードをショートカットとして2つのボタンに登録できるのも便利です。
ボタンに機能の割り振りも可能(「XREAL One」)
右テンプル部分に3つのボタンを配置。ショートカットボタンに「ワイドモード」などを割り当てられます。
設定項目は増えたが操作がやや煩雑
メニューは映像の上に表示されます。表示は見やすいですが、カーソルの移動や設定変更するためのボタン操作がやや煩雑に感じました。
「VITURE Pro」は視度調整が可能
VITURE「VITURE Pro」には、本体の上部に視度調整ダイヤルが装備されています。
0.0から-5.0D(0.07程度)までの度数調整が可能。軽度の近視なら対応できます。
【テスト3】画質チェック:画質「XREAL One」の画質はシャープで鮮やか!
3機種とも、輝度が高く映像がくっきりと見え、色彩も鮮やかで不満は感じません。
その中で一番画質がキレイだったのは「XREAL One」でした。ダイナミックレンジが広く、シャープで色鮮やかな画質です。輝度が高いので日中など明るいシーンでも、背景はほとんど透けませんでした。
「XREAL Air 2 Pro」よりも明らかに画質は向上しています。
一方、「VITURE Pro」は「XREAL One」よりもコントラストや彩度が高く、派手めな色味。色のにじみはほぼ感じず、映像のフチまでくっきりしています。
「XREAL One」<優秀>映像のフチまでピントが合って歪みもなし
自然な色彩。映像周辺までボケることなくキレイな映像です。
映像パネルそのものも進 化しているのか、ダイナミックレンジが広がっており、明暗部の階調がし っかり出ています。
テキスト表示では、細かな文字までしっかり見えました。
「VITURE Pro」<良好>キリッとしたシャープな画質
フチににじみがなくクッキリ。色の出方や階調は3機種の中で一番自然です。ただし、コントラストやシャープネスが強く感じるため、目の疲れを一番感じました。
「XREAL Air 2 Pro」<良好>鮮やかですが少し大げさです
色が鮮やかに出過ぎる傾向があり、蛍光色に見えることも。ピントはしっかりと合っているので、小さなテキストも読めます。
※「画質チェック」の画像は、XRグラスの映像を直接写したものです。実際の見え方とは違う場合があります。
メガネの隙間からキーボードを確認できます
タッチタイピングが苦手でも大丈夫。映像が映る下からアウターレンズを通してキーボードを確認できるので、しっかりキー入力できます。
【テスト4】音質チェック:「XREAL One」は高音質でした!
今回検証した3機種とも、小型スピーカーを搭載。どれも中域が強くセリフは聞きやすいです。
「XREAL One」<良好>
重低音は出ませんが、低域~中域がしっかり出ており、アクションシーンも 迫力ある音が楽しめます。ステレオの音場表現も的確です。
「VITURE Pro」<良好>
「XREAL One」と比較すると、中域が強く低域がやや不足しています。ニュースやドラマなど人の声が重要なコンテンツにあう音質です。
「XREAL Air 2 Pro」<合格>
低域がほぼ出ておらず、密度の低いサウンドなので、決して音質がいいとは言えません。好みのイヤホンなどを利用するほうがよいでしょう。
「XREAL One」は、画質だけでなく音質も向上しています。
まとめ:隙間時間や移動中に使えて軽作業なら仕事もできる!
以上、XRグラスのおすすめランキングでした。
今回のテストを通じて、XRグラスの大きな進化を実感しました。本体のみでスクリーンの空間固定や映像サイズ・表示距離の調整が可能になり、従来モデルに比べて使い勝手が大幅に向上しています。
1週間ほど「XREAL One」を試用したところ、作業をしながら映像を視聴できる利便性の高さを強く感じました。
特に、仕事にも使える点が魅力。移動中にブラウザで資料を調べたり、原稿を書いたりと、とても便利です。
ただし、人によっては酔ってしまう可能性もあるので、長時間の使用には注意が必要。実際に担当編集は、装着後5分足らずで酔って頭痛がしてきました。そのため、万人にはおすすめできません。
しかし、こうしたデバイスに慣れている人が新たにPCモニターの購入を考えているなら、XRグラスも絶対検討すべきです!
単に映像を楽しむだけなら、3DoFの必要性は高くないかもしれません。しかし、マルチ画面など空間を活用するなら必要な機能と言え、今後搭載デバイスが増えるでしょう。
記事を参考に、お気に入りのXRグラスのユーザーとなって、魅力的な映像体験を体感してください。
XRグラスのおすすめ
XREAL
XREAL One
スマートグラスの売れ筋ランキングもチェック!
スマートグラスのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
「VITURE Pro」は発色や階調表現が自然、「XREAL Air2 Pro」は見え味は良好なものの派手な発色で色再現に違和感がありました。一方、新製品の「XREAL One」は映像のトーンに落ち着きがあり、「XREAL Air2 Pro」に近い見え味も確保されており、画質が向上しています。