外付けSSDの魅力は?
持ち運べる小型の外付けSSDはパソコンだけではなく、スマホやゲーム機に接続する機会も増えてきています。
スマホは写真がキレイに撮影できる分より多くの容量が必要になり、ゲームではSSDの転送速度が速いほどロード時間やダウンロードしたゲームのインストールを短縮できます。
そこで今回、雑誌『家電批評』は外付けSSDを徹底比較! 前回ベストバイを獲得した製品を含む11製品を、転送速度別(「1000MB/sクラス」、「2000MB/sクラス」)にランキング化しました。
外付けSSDの選び方は?
USBには下の表のような種類があり、規格によって最大データ転送速度が異なります。
同じUSBでもGen(ジェネレーション)が違えば速度は大きく異なります
USBの規格は現在「USB4」まで存在し、規格によって最大データ転送速度が異なります。
最新の「USB4」では「5000MB/s」まで転送可能ですが、対応する外付けSSDはまだ少なく、「USB3.1/USB3.2 Gen2×2」が主流です。
また、フルに性能を発揮させるためにはSSD・ケーブル等のUSB規格もチェックしましょう。全部が同じ規格に対応している必要があります。
なお、今回は、「USB3.1/3.2 Gen 2対応SSD」を5機種、「USB3.2 Gen 2×2対応SSD」を6機種、計11機種を検証しました。
外付けSSDの用途ごとの見るべきポイント
ストレージとして使うなら転送速度の高さに注目
写真・動画ファイルなどのデータを頻繁に出し入れするならば、転送速度に注目。特に細かいデータを大量に送る際には製品差がつきやすいです。読み書き「1000MB/s」以上の製品がおすすめです。
PS5やPS4などのゲームデータ保存で使うなら1TB以上の容量を!
ゲームデータは年々大きくなっているので、元々内蔵されているSSD容量では足りないという状況になるかもしれません。
そんな時は外付けSSDを接続すれば余裕を持って遊べます。もちろんゲームによってデータ容量は異なるのですが、ゲーム用としてなら1TBあればおおよそ20本ほどのデータを入れることができるはずです。
また接続端子についても注意が必要です。PS5(PlayStation 5)はUSB-AとUSB-Cのどちらも接続可能ですが、PS4(PlayStation 4)はUSB-Aのみ接続できます。
持ち運びするなら安全性もチェックしておこう
外付けSSDは、ポータブル製品なだけに持ち運ぶ機会もあります。そんな時に不意の落下や雨といったトラブルがあったら大変です。
そこで製品は落下試験をクリアしているものや防水・防塵規格に対応しているものだと安全性も高まります。
防水・防じん規格はどちらも5等級となるIP55以上のものを選びたいところです。
外付けSSDの比較方法は?
今回は、高速データ転送が可能な外付けSSDを、転送速度1000MB/sクラス(USB3.2 Gen2)と、2000MB/sクラス(USB3.2 Gen2x2)別にランキングを決定します。
転送速度や発熱をテストして採点!
テスト1:読み込み速度と書き込み速度
1TBのSSDで検証
ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」シーケンシャルリード・ライトを5回測定し、最もよい数値を評価しました。
ベンチマークソフトでの測定は、パソコン環境との相性による影響を受けます。あくまで一例です。
検証には自作PC(※)を使用しました。
※検証はCPU:AMD Ryzen 7 5800X、マザーボード:GYGABYTE X570 AORUS PRO、SSD:SAMSUNG 980 PRO 1TB、メモリ:Corsair CMK16GX4M2A2666C16(16GB)を搭載した自作PCにUSB3.2 Gen2×2対応のインターフェースカード AREA SD-PE4U32-C1Lを増設して行いました。
テスト2:写真15GB分のコピー速度
RAWデータ15GB!
写真のRAWデータ約15GBをパソコンから外付けSSDへ書き込む所要時間を計測しました。
テスト3:空き容量100%、50GB転送
50GBファイルのコピー時間
空き容量が100%時に、50GBのファイル書き込みにかかる時間を計測ソフト「転送速度計測」で実施しました。
テスト4:空き容量40%、50GB転送
空き容量が少ない時は?
空き容量が40%で50GBのファイルを書き込み。書き込み時間が伸びないかをチェックしました。
テスト5:SSDの放熱性
熱を上手に逃がせているか?
ベンチマーク検証直後の温度を「CrystalDiskInfo」で測定。発熱が抑えられているのかを確認しました。
テスト6:付加価値
使いやすさに問われる評価
SSDのスペック、保証年数、耐衝撃、防水・防塵の仕様などを総合的に評価しました。
【1000MB/sクラス】外付けSSDのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、外付けSSDのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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ネクストレージNX-P2SE1TB
![]() |
|
66mm(約) |
40mm(約) |
9mm(約) |
19g(約) |
1050MB/s(最大) |
1000MB/s(最大) |
||||||||
![]()
バッファローSSD-PHP1.0U3-BA
![]() |
|
57mm(約) |
106.5mm(約) |
12.2mm(約) |
79g(約) |
1050MB/s(最大) |
1000MB/s(最大) |
||||||||
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キオクシアSSD-PKP1.0U3-B
![]() |
|
45.0mm(約) |
105.0mm(約) |
14.7mm(約) |
76.0g(約) |
1050MB/s(最大) |
1000MB/s(最大) |
||||||||
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サムスンMU-PC1T0T
![]() |
|
85mm |
57mm |
8.0mm |
58g(最大) |
1050MB/s(最大) |
1000MB/s(最大) |
||||||||
![]()
サンディスクSDSSDE61-1T00-J25
![]() |
|
52.55mm |
100.8mm |
9.6mm |
52g |
1050MB/s(最大) |
1000MB/s(最大) |
【1位】ネクストレージ「NX-P2SE1TB」
- ネクストレージNX-P2SE1TB
- 実勢価格: ¥17,580〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 66mm(約)
- 奥行
- 40mm(約)
- 高さ
- 9mm(約)
- 重量
- 19g(約)
- 読み込み
- 1050MB/s(最大)
- 書き込み
- 1000MB/s(最大)
- 型番
- NX-P2SEシリーズ
コンパクトサイズなのに転送速度もトップのSSD!
端子
端子はUSB Type-C。ケーブルもType-C to Type-CとType-C to Type-Aの2本付属しているので、端末に応じて使い分けできます。
手のひらサイズでコンパクト!
約19gと非常に軽いです。持ち運ぶときも邪魔になりません。
今回の検証で頭一つ抜けた速度に!
公称値を上回る転送速度!
読み込み・書き込みの速さはどちらも公称値(1000〜1050MB/s)を上回りました。
専用ケースで携帯性アップ!
好みのストラップを付けられる!
付属のPUレザー製ケースにSSD本体を収納すれば、ほかのものを傷つけにくくなりますので、持ち運びにも便利です。
長時間利用すると温度が高くなるので注意
連続で使用する時は温度が上昇します
ベンチマークソフトで測定後、温度を測ると66°Cまで上昇。検証した他の製品は50°Cを超えなかったので、長時間の使用は注意が必要です。
【2位】バッファロー「SSD-PHP1.0U3-BA」
- バッファローSSD-PHP1.0U3-BA
- 実勢価格: ¥17,851〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 57mm(約)
- 奥行
- 106.5mm(約)
- 高さ
- 12.2mm(約)
- 重量
- 79g(約)
- 読み込み
- 1050MB/s(最大)
- 書き込み
- 1000MB/s(最大)
- 型番
- SSD-PHP1.0U3-BA
転送速度
トップクラスの速度
読み込み、書き込みどちらもトップクラスです。連続で書き込みしてもブレなく安定した数値を記録しました。
端子カバーでホコリや水滴から保護
端子カバーで接続部分を保護!
唯一端子カバーを搭載しており、利用してないときも安心です。
【3位】キオクシア「SSD-PKP1.0U3-B」
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 45.0mm(約)
- 奥行
- 105.0mm(約)
- 高さ
- 14.7mm(約)
- 重量
- 76.0g(約)
- 読み込み
- 1050MB/s(最大)
- 書き込み
- 1000MB/s(最大)
- 型番
- SSD-PKP1.0U3-B
転送速度
公称値以上の速度
読み込み(1050MB/s)、書き込み(1000MB/s)どちらも公称値以上の数値を記録しました。
洗練されたデザインで見た目もGOOD
アップル製品も相性抜群!
机の上にノートパソコン(Mac)やスマホ(iPhone)と一緒に置いても違和感のないスタイリッシュなデザインです。
【4位】サムスン「MU-PC1T0T」
- サムスンMU-PC1T0T
- 実勢価格: ¥16,141〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 85mm
- 奥行
- 57mm
- 高さ
- 8.0mm
- 重量
- 58g(最大)
- 読み込み
- 1050MB/s(最大)
- 書き込み
- 1000MB/s(最大)
- 型番
- MU-PC1T0T/EC
【5位】サンディスク「SDSSDE61-1T00-J25」
- サンディスクSDSSDE61-1T00-J25
- 実勢価格: ¥16,200〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 52.55mm
- 奥行
- 100.8mm
- 高さ
- 9.6mm
- 重量
- 52g
- 読み込み
- 1050MB/s(最大)
- 書き込み
- 1000MB/s(最大)
- 型番
- SDSSDE61-1T00-J25
【2000MB/sクラス】外付けSSDのおすすめは?
【1位】トランセンド「TS1TESD410C」
- トランセンドTS1TESD410C
- 実勢価格: ¥14,800〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 42mm
- 奥行
- 79mm
- 高さ
- 14.5mm
- 重量
- 65g
- 読み込み
- 2000MB/s(最大)
- 書き込み
- 2000MB/s(最大)
- 型番
- TS1TESD410C
堅牢性もあり、移動のときに落ちても安心です。
転送速度
放熱性能が圧倒的No.1
他製品は55°C前後でしたが、36°Cと圧倒的に放熱性に優れています。
高い堅牢性で落下にも強い
衝撃に加えて防水機能も!
米軍落下試験規格相当で、3mの落下にも耐えられます。
【2位】サンディスク「SDSSDE81-1T00-J25」
- サンディスクSDSSDE81-1T00-J25
- 実勢価格: ¥26,890〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 57.34mm
- 奥行
- 10.22mm
- 高さ
- 110.26mm
- 重量
- 77.5g
- 容量
- 1TB
- 読み込み
- 2000MB/s
- 書き込み
- 2000MB/s
- 型番
- SDSSDE81-1T00-GH25
転送速度
読み書きどちらも2000MB/s超え
読み込み、書き込みどちらも公称値(2000MB/s)を上回り、ブレもありませんでした。
ファームアップが必要な場合があり
公式サイトで必ず確認を!
個体によっては、パソコンから予期せず切断される不具合があるので注意が必要です。
【2位】バッファロー「SSD-PHE1.0U3-BA」
- バッファローSSD-PHE1.0U3-BA
- 実勢価格: ¥24,805〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 120mm
- 奥行
- 16mm
- 高さ
- 37mm
- 重量
- 100g(約)
- 容量
- 1TB
- 読み込み
- 2000MB/s
- 書き込み
- 2000MB/s
- 防水・防じん
- IP55
- 型番
- SSD-PHE1.0U3-BA
【4位】サンワサプライ「600-USSH1TB」
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 34.3mm(約)
- 奥行
- 73.8mm(約)
- 高さ
- 7.5mm(約)
- 重量
- 28g(約)
- 読み込み
- 2000MB/s(最大)
- 書き込み
- 1800MB/s(最大)
【5位】キングストン「SXS2000/1000G」
- キングストンSXS2000/1000G
- 実勢価格: ¥17,980〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 69.54mm
- 奥行
- 32.58mm
- 高さ
- 13.5mm
- 重量
- 28.9g
- 容量
- 1TB
- 読み込み
- 2000MB/s
- 書き込み
- 2000MB/s
- 防水・防塵性能
- IP55
- 型番
- SXS2000/1000G
【6位】MSI「DATAMAG 20Gbps 1TB」
- MSIDATAMAG 20Gbps 1TB
- 実勢価格: ¥14,949〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
- 幅
- 66mm
- 奥行
- 66mm
- 高さ
- 13mm
- 重量
- 81g
- 読み込み
- 1600MB/s(最大)
- 書き込み
- 1500MB/s(最大)
- 型番
- DATAMAG 20GBPS 1TB
外付けSSD まとめ:ほとんどのモデルが高性能をマーク!
以上、外付けSSDのおすすめランキングでした。
【1000MB/sクラス】読み込み速度はほぼ同じ 実際の転送時に差がつく
1000MB/sクラスのSSD検証では、どれも公称値以上のベンチマーク結果を、どの製品も優れたSSDでした。
ベンチマークソフトでの検証ではほとんど違いは出ませんでしたが、実際にファイルを転送したときに大きく差がつきました。
実際に利用したときを想定した50GBのファイル転送では、1位のネクストレージ「NX-P2SE1TB」の58.28秒に対し、2〜4位は約75秒で5位のサンディスク「SDSSDE61-1T00-J25」は106.35秒と約2倍の差がついています。
15GB分のRAWファイル写真転送でもネクストレージ「NX-P2SE1TB」が1位で16.43秒。ちなみに2〜4位が約24秒ほどで5位はサンディスク「SDSSDE61-1T00-J25」の32.58秒という結果でした。
差がついたものの、15GBほどのファイル転送では、どの製品もそこまで体感は変わりません。
なお、サムスン「MU-PC1T0T」は50GBのファイル転送時間が79〜115秒とブレが生じていたため、大容量のファイルを転送するのは苦手そう。
こうした用途ではバッファロー「SSD-PHP1.0U3-BA」のように連続書き込みにも強いSSDを選ぶのがいいでしょう。
とにかく転送速度が速い製品が欲しい人はネクストレージ「NX-P2SE1TB」、持ち運びのコネクタの接触不良が不安な人はバッファロー「SSD-PHP1.0U3-BA」、コスパを重視するならキオクシア「SSD-PKP1.0U3-B」をおすすめします。
【1000MB/sクラス】外付けSSDのおすすめ
ネクストレージ
NX-P2SE1TB
【2000MB/sクラス】転送速度は拮抗 自分の用途に合わせて選ぼう
2000MB/sクラスのSSD検証では、読み込み速度はどの製品も公称値以上でしたが、トランセンド「TS1TESD410C」・サンワサプライ「600-USSH1TB」・キングストン「SXS2000/1000G」は書き込み速度が少し遅めでした。
とはいえ、1850MB/s以上は出ているので十分速い数値です。
ファイル転送時間も大半の製品が44秒前後を記録。一方、MSI「DATAMAG 20Gbps 1TB」だけが70秒ほどかかりました。
MSI「DATAMAG 20Gbps 1TB」はベンチマークソフトで測定中、温度が最大60℃まで上昇。これは転送速度が最大1600MB/s止まりで他製品より動作に時間がかかってしまったためと考えられます。
今回のテスト結果から言えるのは自身の用途に合わせて大きさや付加価値の面からSSDを選びましょうということです。
データ破損が不安な人はバッファロー「SSD-PHE1.0U3-BA」のようなデータ復旧サービスがある製品やキングストン「SXS2000/1000G」のような5年保証がある製品を。
持ち運びが不安な人はトランセンド「TS1TESD410C」のような耐衝撃性に強い製品やコンパクトな製品を選びましょう。
【2000MB/sクラス】外付けSSDのおすすめ
トランセンド
TS1TESD410C
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温度以外の全ての検証で1位を獲得しました!