SSDの最新事情は?
ストレージの単価は年々下がっていますが、ここ数年で最も値下がりした媒体がSSDです。
パソコンがSSDを搭載し始めた2006年頃の容量は32GBほどで、「SSD=小容量で高額」というイメージでした。しかし、今では1TB以上も当たり前。さらに1GBあたりの容量単価でHDDに迫る製品もあり、とても買いやすくなっています。USBメモリからの買い換えに最適なんです。
SSDにはPCに搭載する「内蔵型」とUSBケーブルを使用する「外付け型」、そしてUSBポートに直挿しする「スティック型」があります。
スティック型はパソコンに加えて、PS5などのゲーム機の容量確保やテレビ録画が主な用途。USBメモリくらい小型なので、ゲーム機やテレビではケーブルが邪魔にならず便利です。
そこ今回は、ゲーム機と相性の良いUSB-Aに対応したスティック型SSDの1TB製品をランキングにしました!
スティック型SSDとは?
スティック型SSDは同じUSB接続の外付け型SSDと用途が似ていますが、USBケーブルを使わずにPCに直挿しできる点と、ほとんどの製品は外付け型よりもコンパクトで携帯性が高い点に特徴があります。
しかし、外付け型は2000MB/sクラスの製品があるのに対し、スティック型は1000MB/sクラス止まり(検証時)です。
また、外付け型の方が大容量モデルが充実。つまり、性能や容量を重視するなら外付け型、手軽さや携帯性重視ならスティック型といえます。
なお、スティック型の用途としては、USBメモリのようなPC間のデータのやり取りや、テレビやレコーダーの録画用、ゲーム機での使用が代表的です。
同じUSBでもGen(ジェネレーション)が違えば速度は大きく異なる
パソコンで使用されているUSBには上表のような種類があり、規格によって最大データ転送速度が異なります。特にUSB 3.0から大幅に速度が上がり、USB 3.2 Gen 2x2では実測で2000MB/sを超えます。
しかし、その恩恵を受けるには、パソコンとUSBストレージの両方が同じ規格に対応している必要があります。
最近ではUSB 3.1/3.2 Gen 2がミドルクラス以上のパソコンに搭載されるようになりましたが、USB 3.2 Gen 2x2はまだ一部のハイエンド機しか対応していません。
なお、デスクトップPCの場合は、未対応でも拡張カードで対応するという方法があります。
スティック型SSDの選び方は?
スティック型SSDは外付け型SSDと違い、防塵・防滴性能を備えている製品はないので、乱雑な扱いは禁物。また、スティック型SSDの用途としてゲーム機が挙げられますが、調べてみると意外な落とし穴があることがわかりました。
スティック型SSDは外付け型ほどのタフさはない
外付け型SSDは、製品によって衝撃・防塵・防滴を備えているものもありますが、スティック型はあっても衝撃耐性のみ。
スティック型SSDは外付け型ほどのタフさはないので、タフさ重視で選ぶなら外付け型SSDです。ですが、携帯性の高さで選ぶなら小型軽量なスティック型SSDです。
厚みのあるスティック型SSDは薄型のPS4では使えない
PS4でスティック型SSDを使う場合、PS5のような制限はありません。しかし、一部製品は物理的に薄型のPS4には接続できません。
薄型のPS4で使いたい場合、端子周りの厚みを確認しましょう。
SKHynix「Tube T31」は大型ですが端子周りは薄いのでPS4に接続可能でした。ロジテック「LMD-SPBH100U3BK」は小型ですが厚みがあるためPS4に接続できませんでした。
PS5対応でもそのままではPS5ゲームが遊べない
USB接続のSSD(外付けSSD<スティック型SSDを含む>)をPS5で使う場合、「PS5ゲームは保存できるが起動できない」という点に注意が必要です。USB接続のSSDに保存したゲームを遊ぶ場合はPS5の内蔵SSDへコピーする必要があります。
▼PlayStation 5のUSBストレージ必要条件
PS5ゲームは内蔵SSDでしか起動できません。
なお、PS5でPS4のゲームを遊ぶ場合は、USB接続のSSDで起動できます。
スティック型SSDのテスト方法は?
今回は、雑誌『家電批評』編集部がゲーム機と相性の良いUSB‐Aに対応したスティック型SSDの人気6製品をピックアップし、以下の主要な項目でテストしました!
テスト1:読み込み速度と書き込み速度
SSDの速度はベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で15回計測し、もっとも値の良かった数値を記録しました。
テスト2:写真1000枚の書き込み
写真のRAWデータ1000枚(約15GB弱)をパソコンからステック型SSDへ書き込む所要時間を計測しました。
テスト3:空き容量100%時で50GBを転送
空き容量が100%時に50GBのファイル書き込みにかかる時間を計測ソフト「転送速度計測」で測ります。
テスト4:空き容量40%時で50GBを転送
空き容量40%時に、50GBのファイル書き込みにかかる時間を計測。100%時との差を比較します。
テスト5:SSDの放熱性
ベンチマーク検証が終わった直後の温度を「CrystalDiskInfo」で計測しました。
テスト6:付加価値
SSDの体積、保証年数、耐衝撃、USB-C対応、端子の保護方法などを総合的に評価します。
今回の検証では LGエレクトロニクスのノートPC「LG gram 14Z90Q」のUSB Type-Aポート(USB 3.2 Gen2対応)を使用しました。
なお、検証環境が変わると結果は変化します。検証結果はすべての環境における速度を保証するものではありません。あらかじめご了承ください。
スティック型SSDのおすすめは?
スティック型SSDのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||
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トランセンドESD310 ポータブルSSD
|
|
71.3mm |
20mm |
7.8mm |
11g |
1050MB/s |
950MB/s |
|
SKHynixTube T31
|
|
92.5mm |
30.5mm |
14mm |
35g |
1000MB/s |
1000MB/s |
|
エレコムESD-EMB1000GBK
|
|
67.3mm(約) |
23mm(約) |
8.6mm(約) |
13g(約) |
1000MB/s |
700MB/s |
|
アイ・オー・データ機器SSPM-US1K
|
|
23mm(約) |
68mm(約) |
9mm(約) |
14g(約) |
600MB/s |
500MB/s |
|
ロジテックLMD-SPBH100U3BK
|
|
61mm |
21mm |
11mm(約) |
12g(約) |
1000MB/s |
700MB/s |
|
バッファローSSD-SCT1.0U3BA/N
|
|
68.2mm |
23mm |
11mm |
17g(約) |
600MB/s |
【1位】トランセンド「ESD310 ポータブルSSD」
- トランセンドESD310 ポータブルSSD
- 実勢価格: ¥12,500〜
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- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
転送速度と汎用性の高さを両立した小型SSD!
スティック型SSDのおすすめランキング1位は、USB 3.1/3.2 Gen 2対応のトランセンド「ESD310 ポータブルSSD」。
ベンチマークテストでは、カタログスペックを上回る速度を記録。写真コピーや50GBのファイルコピーも、今回検証した6製品中最速だったSKHynix「Tube T31」に次ぐ速度で性能面はトップクラスでした。
また、サイズも一般的なUSBメモリよりも小さく、USB Type-AだけでなくType-C端子も備えているため汎用性は抜群です。
性能テストではSKHynix「Tube T31」に僅差で劣ったものの、小型であることや、USB-C端子も搭載するなど利便性の高さからのベストバイです。
なお、今回は1TB版を検証しましたが、それ以外にも256GB、512GB、2TB版があり、購入時に使用目的に応じた容量を選択できます。
- おすすめポイント
-
- 幅広い機器で使える高速のスティック型SSD!
- USB-A&C両対応で使うハードを選ばない!
- 幅
- 71.3mm
- 奥行
- 20mm
- 高さ
- 7.8mm
- 重量
- 11g
- 読み込み
- 1050MB/s
- 書き込み
- 950MB/s
- 型番
- TS1TESD310S
▼テスト結果
- 写真1000枚コピー:31.9秒
- 空き容量100%・50GB:76.5秒
- 空き容量40%・50GB:85.5秒
公称値通りの速度を計測
ベンチマークでは読み込み1050MB/s、書き込み950MB/sのメーカー公称値を安定して上回る速度が計測できました。
非常に長い保証期間
保証期間は国内メーカーが1年、SKHynixでも3年ですが、トランセンドは驚異の5年保証。安心して使えます。
USB-Cを搭載
USB-AだけでなくUSB-C端子も備えているので、iPadなどのタブレットやiPhone 15を始めとしたスマートフォンにも直接接続できます。
群を抜いて小型
小型なので他の機器と干渉しません。ちなみに、今回一番大きかったSKHynix「Tube T31」の体積は本機の約3.6倍です。
隣のUSBポートに干渉しません!
【2位】SKHynix「Tube T31」
- SKHynixTube T31
- 実勢価格: ¥8,998〜
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- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
空き容量が減っても速度が落ちない。速度重視ならSKHynix一択!!
スティック型SSDのおすすめランキング2位はSKHynix(SKハイニックス)「Tube T31」。今回の書き込みテストでトップスコアをたたき出し、こちらもベストバイ獲得となりました。
特に空き容量が40%時の50GBファイルの書き込みは6製品中最速で、空き容量100%時と比べても誤差のレベル。頻繁に大容量のファイルをコピーする場合や、空き容量が少ない状態でも快適に使いたいユーザーにおすすめです。
ただ、性能面のテスト6項目で6製品中最高得点を出すなど性能面は優秀ですが、大きすぎる本体サイズやUSB-C端子の非搭載などで総合評価は惜しくも2位に。
今回検証した他製品がUSBメモリサイズなのに対し、本機はスティック型のSTB(Fire TVなど)を思わせるほどの大きさ。スティック型は外付け型SSDよりも小さいことがメリットなので、このサイズはユーザーを選ぶでしょう。
「とにかく速度が一番重要!」な人におすすめです。
- おすすめポイント
-
- 今回検証した6製品中最速
- 容量が減っても速度は維持
- がっかりポイント
-
- 本体サイズが大きい
- 幅
- 92.5mm
- 奥行
- 30.5mm
- 高さ
- 14mm
- 重量
- 35g
- 読み込み
- 1000MB/s
- 書き込み
- 1000MB/s
- 型番
- SD30NB21
▼テスト結果
- 写真1000枚コピー:31.2秒
- 空き容量100%・50GB:75.5秒
- 空き容量40%・50GB:78秒
安定して公称値を超える速度
読み込み、書き込み速度ともにメーカー公称値を超える1000MB/s以上を記録しました。
容量が減っても速度は維持
50GBファイルの書き込みにかかる時間を空き容量100%と空き容量40%の2パターンで比較しました。
その結果、空き容量100%時で約75秒。空き容量40%時でも約78秒とその差は誤差レベル。他製品では50秒近く遅くなるものもありました。
大きさが問題になることも
速度で選べば文句なしの「Tube T31」ですが、他製品よりも二周り以上ある大きさにより隣のUSBポートと干渉してしまいました。
Tube T31の大きさだとUSBメモリ感覚では使いにくいです!
【3位】エレコム「ESD-EMB1000GBK」
- エレコムESD-EMB1000GBK
- 実勢価格: ¥13,860〜
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- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
高レベルでバランス良し!
スティック型SSDのおすすめランキング3位は、エレコム「ESD-EMB1000GBK」。
端子部分はキャップレスのスライドタイプで、ストラップホール付きという、多くのUSBメモリが採用しているスタンダードな形状。
写真や50GBファイルの書き込み速度は今回検証した6製品中3位。速度1位の「SKHynix」や速度2位の「トランセンド」より25〜30%ほど遅かったものの、空き容量が低下しても性能維持ができている良品です。
性能は上位の製品に匹敵。国内メーカーの安心感を求めるならおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 高レベルでバランス良し!
- 使い慣れたUSBメモリの外見に高速なSSDを搭載
- 幅
- 67.3mm(約)
- 奥行
- 23mm(約)
- 高さ
- 8.6mm(約)
- 重量
- 13g(約)
- 読み込み
- 1000MB/s
- 書き込み
- 700MB/s
- 型番
- ESD-EMB1000GBK
▼テスト結果
- 写真1000枚コピー:44.6秒
- 空き容量100%・50GB:100.8秒
- 空き容量40%・50GB:108.9秒
端子はスライドタイプ
端子部はスライド式。未使用時は端子を保護します。キャップ式と異なり、紛失する心配がありません。
申し分のない速度
書き込みはメーカー公称値の700MB/sを大きく上回りました。
【4位】アイ・オー・データ機器「SSPM-US1K」
- アイ・オー・データ機器SSPM-US1K
- 実勢価格: ¥11,500〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥11,500〜
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- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
公称速度を大きく上回る!
スティック型SSDのおすすめランキング4位は、アイ・オー・データ機器「SSPM-US1K」。
ベンチマークでは、読み込み993MB/s、書き込み965MB/sとメーカー公称値を上回る速度を記録。
しかし、空き容量が少なくなると速度は低下します。
- 幅
- 23mm(約)
- 奥行
- 68mm(約)
- 高さ
- 9mm(約)
- 重量
- 14g(約)
- 読み込み
- 600MB/s
- 書き込み
- 500MB/s
- 型番
- SSPM-US1K
【5位】ロジテック「LMD-SPBH100U3BK」
- ロジテックLMD-SPBH100U3BK
- 実勢価格: ¥12,480〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥12,480〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥12,480〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
サイズは最小クラス!
スティック型SSDのおすすめランキング5位は、ロジテック「LMD-SPBH100U3BK」。
ベンチマークは公称値以上の数値を記録しましたが、50GBの書き込みに142秒かかるなど、写真や大容量ファイルコピーの速度が伸びませんでした。
- 幅
- 61mm
- 奥行
- 21mm
- 高さ
- 11mm(約)
- 重量
- 12g(約)
- 読み込み
- 1000MB/s
- 書き込み
- 700MB/s
【6位】バッファロー「SSD-SCT1.0U3BA/N」
- バッファローSSD-SCT1.0U3BA/N
- 実勢価格: ¥12,744〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥12,744〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥14,980〜
- 読み込み
- 書き込み
- 写真コピー
- 空き100%コピー
- 空き40%コピー
- 放熱
- 付加価値
価格で選べばアリです!
スティック型SSDのおすすめランキング6位は、バッファロー「SSD-SCT1.0U3BA/N」。速度より耐衝撃性やType-C変換アダプター付属など、普段使いやすさに重きを置いた製品。
USB 3.0環境なら実勢価格の安い本機は良い選択肢です。
- 幅
- 68.2mm
- 奥行
- 23mm
- 高さ
- 11mm
- 重量
- 17g(約)
- 読み込み
- 600MB/s
- 型番
- SSD-SCT1.0U3BA/N
まとめ:幅広い機器で使えるトランセンドがベストバイ!
以上、スティック型SSDのおすすめランキングでした!
今回の検証結果では上位3製品と下位3製品の明暗を分けた項目があります。それは、空き容量が少なくなった際の速度。上位3製品は、SSDに何も保存していない状態(空き容量100%)と容量が少なくなった状態(空き容量40%)での書き込み速度にほとんど差がありません。
しかし、下位3製品は30〜40%ほど速度が低下しました。これは、書き込み速度がさほど重要ではない録画やゲーム機での使用では気になりませんが、大容量データの受け渡しやバックアップなどに使う場合、コピー時間が大きく変わります。
上位3製品はそれぞれ特徴があり甲乙つけがたいですが「速度も汎用性も携帯性も求めたい!」という場合は、1位のトランセンド「ESD310 ポータブルSSD」。
「多少大きくてもいいので速度を最重視!」という人は2位のSKHynix「Tube T31」。「安心して使える高速なUSBメモリ」を求めるなら3位のエレコム「ESD-EMB1000GBK」がおすすめです。
なお、下位の製品もUSBメモリやHDDに比べれば十分高速。コスト重視で選ぶなら選択肢に入れていいでしょう。
スティック型SSDに限った話ではありませんが、製品を選ぶ際は、用途を定め、それに必要な性能や機能を持ったものを選んでください。
スティック型SSDのおすすめ
トランセンド
ESD310 ポータブルSSD
外付けSSDの売れ筋ランキングもチェック!
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速い、小さい、汎用性が高いと3拍子揃った欠点のないSSDです。