デザインだけじゃないコスパに優れたミドルクラススマホ
ロンドン発の高いデザイン性が特徴となっているスマートフォン「ナッシング」シリーズのなかで、約5万円の廉価モデルである「Nothing Phone(2a)」。
その実力を「家電批評」編集部とプロが徹底検証して、定番であるグーグルPixelシリーズ(ミドルレンジ)の対抗馬となりえるのか調査しました。
6項目で検証テストしています
1.基本性能:CPU性能やバッテリー性能など基本的な要素を評価しました。
2.使い勝手:サイズ感や重さなど使用する際に気になる部分を評価しました。
3.エンタメ性能:3Dゲームのプレイ実感やYouTubeでの動画品質を検証しました。
4.カメラ性能:広角や望遠、ポートレートなど様々な撮影を行って評価しました。
5.付加価値:サイズ感や重量、耐久性などを電源アダプターも含めて採点。
6.価格:販売価格を考慮してコストパフォーマンスを採点しました。
個性派のようでコスパ優秀モデルなんです
Nothingu Technology「Nothing Phone(2a)」
- Nothing TechnologyNothing Phone(2a)
- 実勢価格: ¥49,740〜
- 基本性能
- 使い勝手
- カメラ性能
- エンタメ
- 付加機能
- 価格
Nothing Technology「Nothing Phone(2a)」はミドルクラスとなるモデルで、上位モデル「Nothing Phone(2)」からいくつかのスペックをダウンしていますが実用には十分な性能を持っている製品となります。
独自のデザインが気に入った人はもちろん、できればスマホの価格を抑えたいというユーザーに対してもおすすめできるハイコスパな1台となっています。
- おすすめポイント
-
- 操作しやすいボタン配置
- おサイフケータイ対応
- がっかりポイント
-
- ポートレートはイマイチ
- 幅
- 76.32mm(約)
- 奥行
- 8.55mm(約)
- 高さ
- 161.74mm(約)
- 重量
- 190g
- 型番
- A10400067
ナッシングの特徴は自分でアレンジできることなんです!
アイコンもモノクロに変更できる
ホーム画面のビジュアルスタイルを選べ、アプリアイコンやウィジェットをモノクロ基調に変更できます。またダークモードのオン・オフをすると対応するように白黒が切り替わります。
天気表示も独特
ドット柄のアイコンでその日の天気を表示。慣れればひと目で天気がわかり、視認性も高いです。
光り方&音を自分で設定
背面のライティングパターンは10種類を用意。着信音まで自分でカスタマイズできるんです。
見た目だけじゃない? 気になる性能をプロが検証しました
検証1:基本性能編 - 対・高級機だと「そこそこ」ですが、5万円でこの性能はスゴい!
「Nothing Phone(2a)」はメディアテック社製のミドルクラスチップを採用しています。処理性能は格別高くはありませんが、普段使いには困らないレベルにあります。
「原神」などの高いグラフィックス性能が求められるゲームなどでは、カクつきが気になりました。とはいえ、同価格帯ならどの製品も似たようなもの。ミドルクラス界の優等生のような実力でした。
検証2:映像品質編 - 映像画質は少しボケるが音質はスマホ最強レベル
サウンドは低域の伸びがあまり感じられないものの、音の広がりはスマホとしては望外レベル。解像感や定位の正確性では、実際に前機種の「Nothing Phone(2)」ユーザーであるAV評論家の野村さんから「Phone(2)」よりも上と、高い評価を獲得しました。
映像はやや派手めで、赤が少し目立ちがち。動きに対して少しボケた感じが出て、粗さも気になります。有機ELを生かしきれていません
迫力不足に感じる部分もありますが、音の広がりは突出しています。
検証3:カメラ機能編 - 暗所撮影で実力発揮! クッキリとした描写に
アウトカメラの解像力はかなり高く、立体感もバッチリ。色みはやや暖色に寄りがちです。夜景撮影はノイズが少なく、くっきり描写します。明暗差が激しい部分も白飛びがありません。
アウトカメラのポートレートは、ボケ感があまりなく、境界部分の処理もイマイチでした。動画撮影は、細かい描写もしっかりしており、色みはビビットながらもまずまずの評価。手ブレ補正の効きは甘めです。
基本はシャープに撮れますが、色みが暖色に寄りがち。癖があります。
【まとめ】低価格ながら総合力の高いコスパ最強スマホ
背面のスケルトンデザインに、LEDライトが光る「グリフ・インタフェース」が特徴のナッシングシリーズに登場した約5万円の廉価モデル「Nothing Phone(2a)」の実機を検証テストしました。
背面の中身が見える透明デザインは従来のままですが、価格を抑えるために上位モデル「Nothing Phone(2)」からLEDライトの数が減らされ、ややチープ感は否めません。
また、上部中央に配置された2眼レンズも好みが分かれるところでしょう。着信通知などを知らせるライティング機能は健在。10種類のデフォルトパターンに加え、光り方を自分でカスタマイズすることも可能です。
デザイン性へのこだわりは見た目だけではなく、Androidの画面にも強く反映されています。モノクロのアプリアイコンやドット柄のウィジェットは見た目もユニークで、代わり映えのしないスマホに飽き飽きしている人にも刺さるはず。
性能面を見ると搭載チップは従来モデルの「Nothing Phone(2)」からスペックが引き下げられましたが、ディスプレイは6・7インチの有機ELディスプレイを採用。最大120Hz駆動に対応し、スワイプ操作はなめらか。
バッテリー性能もまずまずでしたがワイヤレス充電非対応なのは残念でした。
しかし、すべての面でスペックダウンしたわけではありません。上位モデルでは見送られたおサイフケータイに対応したのは最大のメリット。ナッシングのデザインは好きだけど、おサイフケータイ非対応という理由で購入を悩んでいた人も多いはずです。
また、今回の検証で特に評価が高かったのはステレオスピーカーの音質です。このクラスとしては音の広がりが段違いで、ハイエンドに迫るクオリティでした。
カメラのテストでも望遠、アウトカメラのポートレート、動画の手ブレ補正以外の項目で平均点以上を獲得。暗所撮影もノイズが少なく、解像感の高い一枚を撮影できます。
全体的に今回検証した「Nothing Phone(2a)」はそこまで悪い点がなく、約5万円とは思えないほどの総合力でした。
バッテリー持ちもまずまずで、YouTubeの動画を15時間ほど再生できました。使い勝手もそこそこ。ボディは大きいものの、サイドエッジがしっかりと利くように処理されているので、大きさの割に持ちやすいです。