1万円以下で本格的なEQ搭載。JPRiDEの新イヤホンはおすすめ?
パラメトリックイコライザーを使って、好みの音に調節できるワイヤレスイヤホンが、JPRiDEから発売しました。
その名は「model i ANC」。これまでのイコライザーとは一線を画した音作りができるというので、実力を検証します。
Amazonでの評価をチェックしてみると「4.4」。レビュー数は「245件」(検証時点)。レビューでは、「アプリのサウンドメイク機能と組み合わせると、高級イヤホンに負けないクオリティ。簡易イコライザーとは似て非なるもの」という意見があがっていました。
実際のところはどうなのか、おすすめのワイヤレスイヤホンと言えるのか?『家電批評』が専門家3名とともにテストしました。
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イコライザーで無限に好きな音が作れる!
JPRiDE(ジェイピーライド)「model i ANC」の特徴は、専用アプリのイコライザーで音を自分好みに作れること。
これまでも多くのイヤホンにイコライザー機能は実装されていましたが、決められたチューニングしかできない簡易的なものが多数でした。
しかしJPRiDE「model i ANC」は、より本格的で細かな調節が可能。本当の意味で、自分好みの音に作り替えられます。
- 重量(充電ケース+イヤホン両側)
- 46g(約)
- 再生時間(イヤホン単体)
- 7.5時間(最大)
- 対応コーデック
- SBC、AAC
- 防水性能
- IPX4
- イヤーピース
- S、M、L
- 型番
- model i ANC special package edition
JPRiDE(ジェイピーライド)「model i ANC」
イコライザーの2つの種類とは?
イコライザーは大きく分けて、2種類あります。ひとつは、周波数とゲインを簡易的に調節できる「グラフィックイコライザー」。もうひとつは周波数やゲインに加えバンド幅とフィルターを細かく設定できる「パラメトリックイコライザー」です。
JPRiDE「model i ANC」は、本格的にこの2種のイコライザーを操作でき、音を自在に作り込めます。
グラフィックイコライザー
「グラフィックイコライザー」は、決められた周波数(横軸)を選択し、ゲイン(縦軸)のスライダーを上下にして帯域をブーストor カットします。一般的なイヤホンのEQがコレです。
こちらは一例として、前に完全ワイヤレスイヤホンの12製品比較でベストバイになった製品、ソニー「WF-1000XM4」のEQ。バンド数も調節幅も少ないです。多くのイヤホンは、このようにEQのバンド数が少ないです。
パラメトリックイコライザー
「パラメトリックイコライザー」は、周波数やバンド幅やゲインを自由に設定し、音色を制御します。また、バンドにフィルターをかけて細かく調節もできます。
バンド幅:各バンドの周波数帯範囲の広さをコントロールできます。
ゲイン:選択したバンドのブーストや減衰を-12から+12で指定可能。
フィルター:Low Shelf(低い帯域に作用)、Bell(ピンポイント)、High Shelf(高い帯域に作用)を選べ、音の影響が及ぶ範囲の方向性を決めます。
周波数:各バンドの周波数を20~20000Hzまでの範囲で設定可能。
JPRiDE「model i ANC」は音楽のジャンルや特徴に沿ったプリセットが豊富にあり、さまざまな音色を楽しめます。
今回の検証方法
各帯域の音質に加え、ダイナミックレンジと解像度、レスポンスを音質評価とし、機能面ではノイキャン・外音取り込み・通話性能を専門家とテスト。また、編集部内で装着感や操作性、接続のしやすさをなどをチェックしました。
それでは検証結果を見てみましょう。
検証1:音質
デフォルトの音質はAirPods Proより上! 何でも鳴らしてくれる
まずチェックしたのは音質。いくらイコライザーが優秀でも、イヤホンのパフォーマンスが低くてはカスタムの性能を発揮できません。
ところがJPRiDE「model i ANC」は、高音のヌケが若干不足気味にも感じますが、低・中・高音域の音量バランスが非常に優れた聴きやすいイヤホンでした。また、音の分離もよく、楽器のディテールもしっかり聴こえます。
コーデックはAACですが解像度も高く、同じくフラット傾向のApple「AirPods Pro」と比較しても、明らかに音質が上回っています。
▼音質テストの結果
音質総合 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | ダイナミクス | 解像度 | レスポンス |
44.5/60点 | 7/10点 | 8/10点 | 7/10点 | 8/10点 | 10.5/15点 | 4/5点 |
オールジャンル鳴らせますが、とくにJ-POPがイイです!
音数が多い曲も再現しています。
検証2:アプリ(イコライザー機能)
プロ仕様まではいかないがガチ操作&効果でばっちり音が作れる
目玉となるイコライザー機能は、自由度の高さに音のプロも驚きました。
プロの現場で使うサウンドイコライザーに比べるとバンドの本数は少ないですが、そのなかで細かく調整することができます。周波数とゲインに加え、バンド幅やフィルターを細かく設定可能なので、自分好みの音に変えられます。
たとえば、ボーカルに焦点を当てて息づかいまで聴き取れるよう調節したり、繊細な高音を楽しむようにするといったカスタムもできるんです。さらに、低音好きの人ならギターやベースを強調し、重低音と音圧を爆盛りにする無茶もできます。
そのうえ、作ったイコライザーはLINEなどで共有も可能です!
専用アプリでのイコライジングの手順
1:楽曲に合う好みのプリセットを選択
イチから作るのは難しいので、好きな音の傾向を見つけて調節してみましょう。
2:低音域のゲインを調節
いったん、極端に上げたゲインを楽曲に合うように下げます。変化を感じやすいです。
3:BW(バンド幅)を調節
BWは幅が広いほど自然で、音はウォーム(丸く)になります。
4:フィルターを調節
3で調節した各バンドをブーストやカットをして、音の影響が及ぶ範囲や方向性を決めます。
5:特定の周波数に合わせて調節
より細かく調節する場合は、特定の数値に合わせて3、4を繰り返します。
6:高音域のゲインを調節
低音域と同じように、極端に上げたゲインを楽曲に合うように下げます。
イコライジングしやすい曲は?
プロがカスタムしたのは、Uru「心得」。低音域と高音域がやや盛り上がり、高音のヌケがよくなりました。
イコライジングはしやすい曲としにくい曲があるので、下記を参考にしてみてください。
▼イコライジングしやすい曲の特徴
- レンジが狭い曲
- 音数が少ない曲
- ボーカル曲
例:あいみょん、スピッツ、宇多田ヒカル、荒井由美など
▼イコライジングしにくい曲の特徴
- レンジが広い曲
- 音数が多い曲
- 打ち込み曲
例:YOASOBI、米津玄師、ado、乃木坂46など
初心者は慣れるまでに時間がかかるので、まずは好みのプリセットから低音と高音を調節していくのがおすすめです。
検証3:機能性
外音取り込み&通話性能が優秀!
機能性も優秀。かなり自然な外音取り込みで満点を獲得しました。ノイキャン性能も実用レベルの十分な静けさです。
▼機能性テストの結果
機能性総合 | ノイキャン | 外音取り込み | 通話 |
20/25点 | 10.5/15点 | 5/5点 | 4.5/5点 |
ノイキャンは騒音低減は結構効果があり、低音から中音域まで全体的なボリュームダウンが有効です。また、外音取り込みはほぼ違和感なくサウンドも自然に聴こえます
検証4:使い勝手
タッチセンサーが使いにくく、同時接続できるマルチポイント機能はなし
使い勝手をテストしたところ、微妙な点も。複数のデバイスに同時接続可能なマルチポイントは搭載されていません。後継機には実装してほしいです!
また、操作がやや複雑でした。1〜4回のタップに機能が割り振られ、さらに長押しでノイキャンが切り替わります。
JPRiDE「model i ANC」 の検証まとめ
JPRiDE「model i ANC」
- ジェイピーライドmodel i ANC
- 実勢価格: ¥12,999〜
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- 音質
- 機能性
- 使い勝手
以上、JPRiDE「model i ANC」の検証レビューでした。
音質もイコライザーの自由度の高さも高評価。調節するほど自分好みのサウンドに近づけられる完全ワイヤレスイヤホンが1万円弱とは、優秀です。
結論としては、JPRiDE「model i ANC」はビギナーも玄人も無限に音作りが楽しめる傑作イヤホン。間違いなくおすすめできる製品です!
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細かく調節できるだけでなく、しっかり音に反映されます。