SNS広告の製品が気になる理由は？
テレビや新聞などに比べて費用が安く済むうえ、バズればユーザーが勝手に製品を広めてくれるSNS広告。大ヒット商品が誕生するチャンスもあり、大手以外のメーカーも積極的に活用しています。
その結果、私たちは聞いたことのないメーカーや魅力的な機能をもった製品と出会う機会が増えました。なぜなら、SNS広告は年齢や性別などでターゲティングしているため。興味をもってくれそうなユーザーにだけ表示できることが理由です。
でも、一般的な知名度はないのに、高機能でおすすめと言える製品ってあるのでしょうか。
そこで、雑誌『MONOQLO』では、さまざまなジャンルの広告から、気になった製品を200以上リストアップ。広告を見て本当に欲しくなった製品を絞り込み、実際に使用してみました。
SNSの広告の商品にはどんな種類がある？
検証結果を紹介する前に、まずはSNS広告がどんなものなのか知っておきましょう。
実は商品は2種類あります
市場に出てくる商品は、一般メーカーによる通常のものと小規模プロジェクトや海外メーカーによるもの、またはクラウドファンディングによるものがあります。
一般メーカー
高い需要があるバランスの良い製品が多いのが特徴です。
クラウドファンディング
既存の商品よりも尖った特徴のある製品が目立っています。
このように商品は大きく分けて販売元が2つあります。
そしてSNS広告で目立っているのは、圧倒的に後者のクラウドファンディングの商品なんです。
メーカーからユーザーへのアプローチ方法は？
公式アカウント
SNSでメーカーをフォローすると表示されます。既存のフォローに似ているメーカーのアカウントがおすすめとして表示されることもあります。
公式広告
メーカーが製品ターゲットとする年齢や性別などのユーザーに表示する有料広告です。今回は、この方法で表示された製品を集めています。
ショップ広告
オンラインショップが、ユーザーの嗜好に合わせておすすめする製品を表示します。定番品が多く、今回の検証の対象からは外しています。
インフルエンサー
メーカーから依頼を受けて、フォロワーの多い有名ユーザーが製品を紹介します。基本的には案件として、広告であることを明示しています。
さまざまな手で興味を抱かせます
“あの有名人”が使用中
芸能人やインフルエンサーが製品を使用して魅力を紹介。年齢の近いユーザーや、ファンをガッチりと惹きつけます。
インパクト大の写真や動画
CGを駆使して、機能を誇張した写真や動画を作成。クラウドファンディングに多く、実現可能かの見極めが必要です。
注意すべきこと1：誇大広告のトラブルあり
有名メーカーやショップ以外からの通販サイトでの購入では、次のようなトラブルに巻き込まれる可能性も。購入は自己責任でお願いします。
広告全般
▼トラブルの事例
- 同等の製品がAmazonでより安価な価格で販売されていた
- お試しで購入したら定期購入になっていた
- 使ってみたら広告で謳われていたような効果がなかった
ショップ広告
▼トラブルの事例
- 激安ショップが実は詐欺サイトでクレカ情報を抜かれてしまった
クラウドファンディング広告
▼トラブルの事例
- 発送予定時期が過ぎてもいつまで経っても製品が届かない
- 問い合わせに返事がなく販売元に逃げられた
出典：国民生活センター2021年3月29日：公表 相談事例より
注意すべきこと2：クラウドファンディングのリターン製品もあり
SNS広告にはクラウドファンディングのリターンとなっている製品も多く存在しています。
クラウドファンディングは製品を開発するための資金を広く一般から募る仕組みで、広告で紹介されている機能はあくまで企画段階のものということも少なくありません。
機能が絞られても製品化されれば御の字、リターンが届かないことも時にはあることは覚えておきましょう。
以上をふまえたところで、今回はSNS広告で気になる製品、光触媒で除菌と消臭を行うという「ポータブル空気清浄機の検証」です。マスクフジコー「AkariAir」がおすすめなのかテストしました。
記事の最後では、SNS広告製品を検証してわかったまとめも紹介。そちらもぜひチェックしてくださいね。
マスクフジコー「AkariAir」
マスクフジコー
AkariAir
実勢価格：2万4200円
サイズ：W74×D73×H179mm
重量：約0.25kg
マスクフジコー「AkariAir」は、いろいろな場所で使えるのが嬉しい持ち運び可能な空気清浄機。
広告では「菌・ウイルス・花粉やイヤな臭いを撃退。」とうたっており、オフィスやカフェなどでも自分のまわりを光除菌してくれるというのがウリです。
製品の特長は？
- 特長1：光触媒による除菌・消臭
- 特長2：癒やされるやさしい照明
光触媒をメーカー独自の技術でフィルターに成膜することで、高い除菌力と消臭力を実現しているそう。ペットボトルサイズながら、約4㎥ほどの空間をカバーできるとのことです。
やさしい光で癒やし効果もあります。
カビの発生やタバコのニオイで検証
公式サイトと同条件で6日間検証を行いましたが、テストした時期が冬場ということもあり、目に見えるカビはどちらにも確認できませんでした。
しかし臭気判定士の石川さんによると、その匂いは明確に差があるとのことでした。
カビ対策評価：○
水と一緒にパンを6日間放置し、臭気判定士の石川さんがニオイをチェックしました。マスクフジコー「AkariAir」を入れておいた方だけ、カビ臭も腐食臭もしませんでした。
臭い対策評価：△
臭い対策を確認するべくタバコの煙でテストをしましたが、ほとんど煙を吸いませんでした。タバコの煙とニオイには残念ながら効果が薄かったです。
ということで、カビとタバコで結果が分かれました。
以上、SNS広告で気になる製品、マスクフジコー「AkariAir」の検証レビューでした。
検証では密閉した狭い空間にて、カビ対策として用途を絞るなら有効という結果に。しかし体感による違いが弱いので、割高感は強めです。
SNS広告製品の検証まとめ：驚きはあるが高価なのが悩ましい
SNSに表示される広告の製品を実際に試してみた今回の企画。紹介した5製品はどれも、使ってみると類似の定番商品にはない可能性を感じさせてくれるものでした。
完成度が高く実用的だったのは3製品。洗車の手間を軽減するカーピカネット「高機能水切りワイパー -しなやか-」。
ペットのオシッコ臭が広がるのを防いでくれる空気清浄機、サンスター「QAIS-air- 04A1J（for Pet）」。
そして、座るだけで体幹トレーニングや腰痛予防になるgymterior×OURNAL STANDARD FURNITURE「シークレットバランスミニ」。
どれも、その機能を求めている人であれば、高価ではありますが満足できそうです。
DOEARTH「冬キャンプで大活躍の魔法のホットマット Gee」と、今回ご紹介したマスクフジコー「AkariAir」は、「宇宙」がキーワード。
前者は宇宙服に使われていた素材をホットマットの断熱に使用。後者は宇宙ステーションの実験装置と同じ光触媒技術による除菌消臭ができる空気清浄機と、ガジェット好きにはたまらないバックグラウンド。「所有するよろこび」を満たしてくれます。
ただ、全製品「即買い」とならず、購入に二の足を踏ませるのはやはり価格の高さです。
考えられるのは、最新技術や特殊素材の使用などにより、コストダウンしにくいこと。早く手に入れたい欲求を抑えられれば、量産化を待つ手もありますが……。
▼こんな人は買ってよし！
- 誰より早く最新ガジェットや便利グッズを使いたい！
- 未知の機能を持った製品にロマンを感じる
- 量産品よりも価格が高いことに納得できる
- 趣味やこだわりのためならコスパなんて考えていない
SNS広告の製品は、コスパの高さよりも進化を体験したい人向け。今回の検証を、ぜひ参考にしてみてください。
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