水拭き機能を搭載した「ルンバ」が登場!
アイロボット
ルンバ コンボ j7+
実勢価格:15万9800円
サイズ・重量:W33.9×D33.9×H8.7cm・約3.4kg(ルンバ本体)、W31×D40×H34cm(クリーンベース)
「変形」に「ロボット」と、特に30代以上の男性には胸アツのキーワードで注目を浴びているアイロボットの最新製品「ルンバ コンボ j7+」。
本製品は、競合他社ではすでに主流となっている吸引と水拭きの両方に対応した2in1ロボット掃除機で、既存モデルとは大きく以下の2点が違っています。
▼既存モデルとの違い
- ルンバ単独で水拭き掃除ができる
- 水拭きパッド装着時でも吸引のみの掃除が可能
今さら……と思ってしまいますが、ただの2in1機にとどまらないのが、ロボット掃除機の老舗です。
水拭きパッド部が可変する!
というのも、ルンバコンボは水拭き用のモップ部を本体天面に格納する“変形機構”を搭載。以下のように、水拭きのときだけパッドプレートが下りる仕組みになっています。
モップ装着や給水は競合他社の従来機と似ていますが、吸引のみの清掃時はモップパッドが床面に触れない構造を採用したのが本機の特徴です。
水拭き用パッドの装着も簡単!
水拭き用のモップパッドを取り付けるプレートは、本体後方の上部に搭載。
まずはパッドプレートを持ち上げます。
ブラーバと同じ仕組みの“レール”にモップパッドの中央部を差し込みます。
左右をそのまま面ファスナーで固定するだけ。簡単に装着できます。
それでは、この変形機構が水拭きにどう影響するのでしょうか? それを含めた実力を検証しました。
「ルンバ コンボ j7+」のテスト方法は?
水拭き機能搭載機ということで、最新ルンバの実力測定には2022年8月号の水拭きロボット掃除機の検証のときに行った最新テストを採用。
ただし、立ち回り性能と水拭き性能は、アイロボット「ルンバ コンボ j7+」の特性や前回の反省点を踏まえて内容を刷新しました。特に立ち回りは厚手のじゅうたんとぬいぐるみ1個が増え、難易度が増しています。
前回テストと同様、吸引・騒音といったハードウェア面をLAB.360の松下が、アプリや使用感などは編集部の下田が検証・評価しています。
水拭き時の立ち回りや性能に注目!
テスト項目1:吸引性能
カーペットなど3種類の床面それぞれに、紙片や髪の毛を散布。掃除後に残ったゴミの量で吸引力を評価しました。
テスト項目2:立ち回り性能
電源コードやぬいぐるみといった障害物に対する回避性能のほか、段差乗り越え能力を評価。さらに今回は厚手のカーペットを敷いて、新機能であるルンバの可変機能の実力をチェックしました。
テスト項目3:アプリ性能
清掃モードや清掃マップの活用など、専用スマホアプリの機能性をチェック。実際に使用し、機能や使い勝手のよさで評価しました。
テスト項目4:静音性
掃除機本体の動作音、自動ゴミ収集時の騒音値を測定。それぞれの騒音値が低い製品ほど高評価にしています。
テスト項目5:メンテナンスのしやすさ
清掃後のメンテナンスのしやすさを評価。ユーザーの手間が少ない製品ほど、高く評価しています。
テスト項目6:設置性
掃除機本体とクリーンベースの設置スペースの大小を評価。省スペースな製品ほど高評価としました。
テスト項目7:水拭き性能
前回の結果からテスト内容を精査。今回は汚れ拭き取りのテスト方法を、きちんと隅々まで水拭きしているか(水拭き範囲)、砂やホコリといった軽微な汚れを取れるか(拭き取り)の2項目に刷新。これに水拭き準備の手間を加えて評価しました。
それでは、各項目ごとにテスト結果を解説していきます。
【吸引性能】ベースが「j7」だけに吸引力は前回と大差なし
最初に実施したのは吸引力のテスト。
メーカーも「水拭き機能以外は既存の「j7」と同じ」と公言しているように、水拭き機能が関係しない吸引力は、及第点以上ながらもゴミの取り残しがそこそこあって物足りないという、前回テストの「j7」とほぼ同じ結果でした。
フローリング
評価:合格
今回も前回と同程度にコーヒー粉が残り、可もなく不可もない結果に。なお、評価には関係ありませんが清掃時間は前回の5分から8分へと増えています。
クッションフロア
評価:合格
砂が全体的にうっすらと残る結果に。前回より2分ほど少ない時間でベースに帰還した影響なのか、取り残しが多めで評価を少し下げました。
カーペット
評価:優秀
カーペットは前回と同様にまいた紙片と毛髪をすべて吸い取り、満点評価。前回は清掃時間が約7分でしたが、今回は約9分とじっくり掃除していました。
【立ち回り性能】洗濯物・電源コード・ぬいぐるみは回避
吸引力と同様、水拭き以外の清掃機能は過去の「j7」とほぼ同等の結果でした。
ただし、このうちの障害物回避は前回も怪しい挙動だった「おもちゃ」に、なんと突撃。前面カメラ非搭載機さながらに蹴散らかしてしまいました。
突っ込む直前に様子見をしていたので何かの判断をしていたと考えられますが、結果的におもちゃは障害物として認識されず、回避能力の評価を下げることになりました。
障害物回避
洗濯物
評価:優秀
電源コード
評価:優秀
ぬいぐるみ
2個のぬいぐるみも間をぬって回避。
評価:優秀
おもちゃ
前回とは異なり、蹴散らかしました。
評価:難あり
洗濯物、電源コード、ぬいぐるみは前回と同様に難なく回避するも、おもちゃは検知できずに突撃。直前、1分間ほど手前で止まって思案していたところを見ると、今回は障害物ではないと判断したと考えられます。
段差乗り越え
やや苦労しながら乗り越えました。
評価:合格
結果は2cmまでの段差の乗り越えに成功。ただし、斜めから進入したり力ずくで強引に進んで失敗したりと、スマートさにはやや欠けました。
【アプリ性能】水拭き禁止エリアも指定可能にマップ機能がパワーアップ
障害物回避で評価を下げた一方、評価を上げたのがアプリ性能です。
水拭き機能の追加により「吸引のみ」「吸引+水拭き」の2つの清掃方法が選択できるほか、マップ編集機能では水拭きの可否を含めた細かなエリア指定が可能に。これまでより柔軟な清掃ができるようになっています。
ホーム画面
評価:良好
専用アプリのインターフェースは以前とほぼ同じ。ホーム画面のボタンからすぐに清掃が開始できます。ルンバを使ったことがある人は操作に迷いません。
清掃履歴
評価:良好
前面カメラによる障害物撮影も健在で、発見した障害物の対処方法を尋ねてきます。ルンバのレポートに「障害物」と回答しておけば次回の清掃では回避します。
マップ画面
評価:優秀
今回、最も進化を感じたのがマップ画面。進入禁止、拭き掃除禁止、部分清掃と細やかなエリア設定が可能になっています。清掃場所をピンポイントで指定できる点は評価が高いです。
【静音性】クリーンベースのゴミ吸引音は相変わらずの爆音
評価:合格
本体の動作音は71.6dBとやや大きい程度。気になるもののうるさくはありません。一方、自動ゴミ収集時の音は以前と変わらず爆音がします。
【メンテのしやすさ】吸引ゴミの処理はラク!水拭きは手間あり
吸引ゴミ
評価:優秀
自動ゴミ収集機能があるので、吸引清掃直後のゴミ捨ては不要。ベースのメンテも年数回とラクです。
水拭き
評価:合格
水拭きはモップパッドの取り付けに給水+洗剤投入と手間は多少かかりますが、本体を持ち上げずに準備できる点は良いです。
【設置性】コンパクトさは今回も同様
評価:良好
自動ゴミ収集機能があるクリーンベースは、j7と同じもの。幅31cm、高さが34cmとそこそこの大きさに収まっており設置場所の選択肢は広めです。
【水拭き性能】準備は少し手間でも性能は良好
肝心の水拭き機能は、給水・洗剤の投入やタンクの着脱といった準備の手間は競合他社の製品と変わらないものの、パッドプレートが本体天面にあるためモップパッドの取り外しはラクにできます。
水拭きの範囲も問題なく、拭き取りも完ぺきではありませんが、吸引で取りきれなかった砂を捕集し、ザラザラ汚れも大幅に軽減。水拭き機能としては及第点以上でした。
水拭き準備
評価:合格
水拭きの準備の手間は半円形モップを採用した他のロボット掃除機とほぼ同じ。ただし、モップ取り付けがしやすいため「合格」と判定しました。
拭き取り
評価:良好
床に散布した砂塵を拭き取るテストでは、吸引+水拭き時にザラザラ感が大幅減少。吸引で取り切れない汚れを水拭きでフォローしています。砂は若干残りましたが、汚れ取り性能は上々です。
水拭き範囲(サーモグラフィで確認)
評価:優秀
水拭き範囲は指定した廊下全般をきちんと水拭き。ただ、壁際から5cmまでのエリアはモップが届かないようでした。
サーモ画像から床が十分に濡れる状況が確認できました。
これまでよりも気軽に水拭きが任せられます。
【結果】「ブラーバ」併用よりも清掃効率がアップする
アイロボット「ルンバ コンボ j7+」
アイロボット
ルンバ コンボ j7+
実勢価格:15万9800円
サイズ・重量:W33.9×D33.9×H8.7cm・約3.4kg(ルンバ本体)、W31×D40×H34cm(クリーンベース)
▼テスト結果
- 総合評価 :A
- 合計点数 :72.5/100点
- 吸引性能 :10/15点
- 立ち回り性能 :16/20点
- アプリ性能 :22.5/30点
- 静音性 :4/10点
- メンテのしやすさ:8/10点
- 設置性 :4/5点
- 水拭き性能 :8/10点
ヒットを予想する理由:水漏れの心配なく使える!
アイロボット「ルンバ コンボ j7+」は水に濡れたモップパッドが本体上部に移動するため、中〜長毛のじゅうたんがある部屋でも安心して使えるのが特徴。競合他社の製品とは異なりパッド装着時でも吸引掃除可能なのは嬉しいポイントです。
また、水拭き時は「じゅうたんの吸引後に水拭き」という清掃ルーティンになっているので、パッドの位置と相まって気軽に水拭きを頼めます。
まとめ
水拭き機能の搭載により他社製品と同じ土俵に上がってきたアイロボット「ルンバ コンボ j7+」。特に水拭きモップの変形機構は実際に使うと、その秀逸さが実感できます。
というのも、ロボット掃除機は人間のように力を入れて床を拭けないため、水拭きは回数を増やすのがキモ。前回ベストのDEEBOTを含めた他社製品は水拭きモップが床面に近いため、吸引掃除だけをしたいときにモップを外す手間が発生していました。
モップが常に床に触れないアイロボット「ルンバ コンボ j7+」はこの不満を見事に解消しており、モップの装着状態を気にせずに掃除を任せられます。最小限の手間で“毎日水拭き”できるのは感動モノで、さらに内蔵OSも進化したことから将来にも期待ができます。
それでは、最後にアイロボット「ルンバ コンボ j7+」のヒットの予測指数や、よかった点と残念な点を紹介します。
【予測ヒット指数:70%】
▼よかった点
- 厚手のじゅうたんを敷いた部屋でも気軽に水拭き可能
▼残念な点
- 子どものおもちゃを検知できず散らかしたのが惜しい
ロボット掃除機は高額なだけにヒット指数は70%としましたが、アイロボット「ルンバ コンボ j7+」は今後の水拭きロボットに少なからず影響を与えそうです。
以上、アイロボット「ルンバ コンボ j7+」の検証レビューでした。毎日の水拭きが自動でかなう楽さに感動です!
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