ルンバの最新機でズボラすぎる家庭も変えられる?
2022年2月にルンバの最新機が発売されました。障害物を識別して回避する能力が大幅にアップしたのが特徴なのだそう。
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』がその実力を徹底検証。編集部員がルンバの最新機を1カ月使ってみた実録レポをお届けします。
アイロボット「ルンバ j7+」
アイロボット
ルンバ j7+
実勢価格:12万9800円
サイズ・重量:W339×H87mm・約3.4㎏(本体)、W310×D400×H340mm(クリーンベース)
稼働時間:最大75分(1回の充電につき)
サイドブラシ:1本
アイロボット「ルンバ j7/j7+」はルンバ史上初の前面カメラを搭載した最新のロボット掃除機。障害物識別能力が大幅に向上し、従来機で大惨事になりがちだったペットの糞、電源コードを確実に回避するのが特徴です。
ルンバと1カ月生活すると部屋はキレイになる?
第1回は本検証のきっかけと家の現状についての話でした。ルンバを使おうにも、「多忙」「ズボラ」「掃除が苦手」で家中が散らかっていてルンバの入る余地がなく、そもそも日々の生活における意識改革も必要な状態。
第2回は、そんな中で準備もせず、実際にルンバをお迎えした話。一カ月でいったいどうなったのでしょうか。
問題点1:設置条件が厳しく、ルンバの置き場がない!
ルンバ使用の最初の一歩は、本体充電や収集したゴミを回収するルンバの拠点「クリーンベース」の設置です。
クリーンベースは、向かって両側を50cmずつ、正面と段差は1.2m空け、Wi-Fiの受信状態が良好な場所に設置と取扱説明書に記載があります。もちろん電源コードが届く範囲に電源コンセントも必要。そもそもの床スペースが少ない散らかっている家では、設置がかなり厳しいと言わざるを得ません。
そこで、電源コンセントに近く、かつ最小限の掃除でクリーンベースが置ける場所を探し、玄関にあるポールハンガーの場所が最適と判断。廊下の角で取説記載の空きスペースは確保できなかったものの、とりあえずは最初の一歩が踏み出せました。
問題点2:玄関マットに惑わされて玄関に落ちる!
無事にクリーンベースが設置できたので、スマホに専用アプリを導入してルンバを登録&設定。普通はマッピングランで室内の外枠を学ばせてから掃除させるのが王道だと思うのですが、画面に「マッピングラン時は障害物認識機能をオフにします」的な表示が。
部屋のひどい散らかり具合を考えあると、障害物を認識させずに走らせたら、大惨事の予感しかありません。そこで初回は掃除とマッピングランを同時に行う方法で動かすことに。
障害物認識機能はきちんと働いているようで、周囲の様子を探りながら慎重に動いていました。
しかし、ルンバの掃除で玄関マットの端がずり落ち、段差の境界線があいまいに。少し目を離した間に、そのまま進んだルンバは段差を認識できず玄関に落ちてしまいました。
最近のロボット掃除機は段差認識力が高く、本体が玄関に落ちることはまれ。前回テストでも落下した製品はゼロだったため油断していました。初回の掃除は目を離さないほうが無難なようです。以降、稼働時はマットをどかすことにしました。
その後、部屋を片付けないまま、繰り返し掃除させましたが、強化された障害物認識機能が影響してか、掃除したのは廊下と各部屋の入り口近辺のみ。複数の掃除をしているようですが、実際は1m四方の狭い範囲しか侵入していません。新型ルンバは散らかった部屋では無理に掃除しない仕様なのだと感じました。
そんな状況でスタートしたルンバとの生活でしたが、1カ月使っている内に家族の心境に変化が出てきたのです。
変化1:前半2週間で廊下まわりの髪の毛や猫の毛が激減
清掃マップのエリアを広げるには気合を入れた片付けが必要なので、ルンバにはしばらく廊下まわりの掃除に専念してもらうことに。
たまに動きを眺めていると、前回テストで1位だった最上位クラスの「s9+」に比べ、清掃能力は若干落ちる印象でしたが、障害物への対応力の高さから散らかった家でも対応できているといえます。
ただし、ゴミの取り残しを目の当たりにすると、購入したいと思うまでの心境の変化は起きません。
そんな心に転機が訪れたのが、ルンバが来てから2週間がたったころ。
今まで足の裏に付着していた家族の髪の毛や猫の毛などのゴミが、ルンバで掃除を始めたあたりから付着する機会が激減していました。廊下まわりしか掃除させていないのにもかかわらず、この変化にはちょっと感動です。
これは清掃エリアを広げればもっとキレイになるのでは? と、期待が膨らみます。
変化2:後半2週間でルンバが働けるよう、意識の変化が
2週間を過ぎてルンバの効果を実感したのか、片付けを面倒くさがる家族たちもルンバの清掃エリア拡大に強力してくれることに。
ただ片付けるだけでなく、ルンバに活躍してもらうためには散らかさない工夫が必要という考えに至り、ランドリーの棚の買い替え、乾いた洗濯物の置き場所の確保といった自宅改造案の話し合いが始まりました。
ルンバが落ちるため、以前の玄関マットは清掃のたびに外していましたが、それも面倒になったので動かないマットに新調しました。
ひと通り片付けたあと、以前は部屋をさらに荒らしそうで怖かった「マッピングラン」を実行。
ざっくり片付け&障害物検知機能がオフだったこともあり、実行中はどこからかハンガーを拾って引きずってきたり、LANケーブルを引っ張り出したりと、やや荒れた走行を見せたルンバでしたが、その結果である清掃マップは以前とは大きな変化を見せることになります。
結果:ルンバの活動範囲が大幅に増加!
家族全員の協力により、編集部員の床面積は以前よりも拡大。ルンバの清掃履歴のマップも縮尺が変化しました。
モノを部屋の隅や端に寄せる、床の上から撤去するといった簡単な片付けでしたが、それでもぱっと見は随分とスッキリ。これでルンバを毎日稼働すれば、廊下や部屋の端に見られたホコリ・髪の毛もなくなりそうです。
ルンバが来る前より広くキレイになりました
リビング:ぬいぐるみや座布団は高所に退避
コタツとラグはそのままですが、周囲に転がっていたモノは高い位置に移動。障害物が減り、ルンバが進入可能になりました。
寝室:進入口を用意して布団も端に
仕事部屋に置かれたモノで入れなかった中へ入れるように。布団はたたみ、床のモノも端に寄せて置くようにしました。
ランドリー・キッチン:床にモノを置かなくなった
ランドリーもキッチンも、床にモノを置かないようにルール化。ゴミ袋やペットボトルを撤去し、床の洗濯物は洗濯機の中と上へ。ルンバが進入可能な床面積がだいぶ増えました。
仕事部屋:洗濯物は片付けて本は部屋の端に移動
室内の半分を埋めていた洗濯物は全部たたんで各自の部屋へ。散らかった本類も片付けると見えなかった床が現れました。
さいごに
そもそも、編集部員の自宅が散らかっていたのは、家族それぞれがこまめな片付けや掃除を面倒がって放置したのが原因。
それがルンバが来たことによって、「ルンバ、結構キレイにするじゃん」→「もっと掃除させたほうがいいよね」→「片付けをして床面積を広げよう」という思考ルーチンになって、片付けが一気に進みました。ただ、ルンバありきの片付けなので、検証が終わってルンバを返却したら、元の状態に戻る可能性は大。
さて、次回は、いよいよ気になる掃除能力や障害物回避能力を徹底検証した結果をお届けします。
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