他社を徹底研究した絶妙なポジショニングの価格帯
「ダイソンより売れている掃除機」として、鳴り物入りで2018年に上陸したシャーク。コードレス掃除機に続き、立て続けにハンディ、ロボット掃除機へと、掃除機を中心にジャンルを拡充させています。
最近のロボット掃除機の売れ筋は、10万円近いの高級機と2万円前後の格安機に分かれる傾向がありました。しかし2018年末、この分野で圧倒的シェアを誇るアイロボットが上位クラスのルンバを5万円台という中価格帯で投入しています。
そして、それよりも約1万円以上安い価格で登場したのがシャークのロボット掃除機「EVOROBOT」です。
シャークニンジャ
EVOROBOT
実勢価格:3万7800円
サイズ・重量:W320×D315×H90mm・3.3kg
最長運転時間:約60分
充電時間:180分
ナビゲーション方式:ランダム(スマートセンサーナビゲーション機能)
実はシャークのコードレス掃除機も、ダイソンの売れ筋ナンバーワン機種よりも少しだけ安い価格設定でした。この辺りは、ダイソンやエレクトロラックスの日本法人社長を歴任したゴードン・トム氏率いるシャークの緻密なマーケティング戦略が見て取れます。
「ダイソンキラー」の異名を持つシャークのコードレス掃除機の評価については、こちらの記事をチェック!
ここからは、ロボット掃除機「EVOROBOT」の性能を検証していきます。
格安とハイエンドのちょうど中間といえる性能
【掃除力】動き方はランダム式。障害物の当たりがやや強め
本体の動き方はひたすら部屋を縦横無尽に動き回るランダム型。障害物へのぶつかり方はやや強めで、コードなどを引きずって進んでしまうこともあります。
障害物として置いたコードを巻き込み爆進。途中で停止しないのは優秀とも言える。
掃除力は優秀。高さギリギリのソファの下にも入り込んできれいにしてくれました。
ルンバでは、床に「バーチャルウォール」を置き、赤外線で境界を検出することで掃除エリアを制限できます。本製品は、床に「BotBoundaryストリップ(進入抑止テープ)」を貼ることで掃除の範囲を検出する仕組みです。
【使い勝手】アプリがないのは弱点ではない
最近のロボット掃除機では定番となっているアプリを使ったWi-Fi通信での操作機能はなし。その代わり、リモコンが付属します。この点も格安機寄りですが、実際のところ毎日決まった時間にしか稼働させないのであればアプリはなくても困りません。
付属のリモコンでできること
・掃除の開始・終了
・充電ドッグへの強制帰還
・スケジュール登録
【清潔性】水洗いOKはうれしい
ダストボックスの容量は十分で、水洗いができる点もうれしい。この辺りは格安ロボット掃除機よりも優れているポイントといえます。ブラシにゴミが絡まりにくい構造も良い。
大きいダストボックスは取り外して洗いやすい。
高コスパで最新ルンバに迫る性能予算に制限があるならアリ
本体を清潔に保つ機能は格安製品よりも備わっていまする。中価格帯のルンバとの差は約1万4000円……差額は大きいので、予算が限られている場合には選択肢になり得ます。
アイロボット
ルンバ e5
実勢価格:5万2090円
コードレス掃除機のころからシャークのブラシのクオリティには定評があり、掃除力は問題なし。ですが基本的に力尽き果てるまでガンガン掃除するタイプなので、入ってほしくない場所やコード周りなどは、付属のテープを貼って防護する必要があります。効率の良さ、賢さはルンバなど上位機種には劣る部分があるといえます。
ダストボックスの水洗いができることは、日本人の清潔性を意識した格安ロボットにはあまりない良い機構。ここにもしっかりとしたマーケットの分析が見て取れます。
2万円台の低価格帯の機種を大きく上回る性能が3万円台で手に入るのはお値頃と言えるでしょう。