エプソン「PF-81-2023」の実力を実使用視点でチェック!
エプソン
PF-81-2023
実勢価格:45000円
収納時サイズ:187×278×100mm(キーボード含まず)
使用時サイズ:352×296×338mm(キーボード含まず)
重量:約2.6kg(本体のみ)
PF-81シリーズは2015年から発売されているハガキプリンターで、最新モデルはこちらの「PF-81-2023」です(型番の末尾が年号になっています)。
初代から最新モデルまでハードウェアの仕様変更はなく、毎年、収録イラストやデザインを追加しながらマイナーチェンジしてきました。
ロングセラーシリーズだけにユーザーからの支持が根強いと考えられますが、実際の使い勝手はどうなのでしょうか?
ハガキ印刷に特化した「PF-81-2023」の実力を、デジタル機器に精通したプロと家電批評編集部が忖度なしでチェックしました!
テスト1:本体デザインとサイズ、インターフェースをチェック
結果:使わないときはコンパクトに収納できて、データの転送手段も豊富!
収納時は187×278×100mmの直方体ですが、モニターカバーを外し、給紙&排紙トレイを展開することで使用形態に早変わりします。
プリンターにホコリは大敵ですが、収納時には給紙&排紙トレイが塞がれ、ホコリの侵入を防ぎます。
本体重量は約2.6kgとそこそこ重いですが、取っ手があるので持ち運びは苦になりません。
また、付属の手さげ式収納バックには本体に加えてACアダプターや説明書など付属品一式が収納できます。
インターフェースはSDカードリーダー、USB、Wi-Fi、そしてガラケーや昔のデジカメで使われていたIrDA(赤外線通信)を備えており、豊富な手段でデータを読み込めます。
このように使用しないときはコンパクトにおさまり、持ち運びもラク。
またさまざまな方法でスマホやパソコンに保管していた写真を本体に取り込めるので、年末年始の親戚周りの際に「孫の写真がほしい!」と要望されたときにすぐ印刷、なんてこともできます。
新モデルになりアップグレードされたというわけではありませんが、使い勝手としては非常に良いです。
テスト2:タッチパネル液晶・専用キーボードの操作性は?
結果:スマホやパソコンには劣るものの及第点
本機の操作は、液晶のタッチ操作と専用キーボードで行います。
液晶モニターは9.0型で、ハガキを実寸表示できます。
操作ボタンなどのタッチ対象は大きく作られており、デジタル機器の初心者(特に高齢者)でも迷わず操作できます。
ただ、本体の処理能力が低いためか、操作にはラグ(時間差)が感じられ、全体的にモッサリとした動作です。
サクサク動く今どきのスマホやパソコンを使っている人にとっては非常に気になる点ですが、比較対象になるような機器に触れていない人であれば、あまり気にならないかもしれません。
また専用キーボードはJIS(広く普及している日本語配列の規格)をベースにした独自配列です。
アルファベットはJIS配列と同じなので、パソコンでローマ字入力をしている人は違和感なく扱えます。
一方、「かな」はJIS配列とは違い50音順に並べてあるので、キーボードを扱ったことがない人でも目的の文字を探さずに入力できます。
ただし、パソコンでかな入力をしている人は非常に使いづらいです。
キーはゴム製で、ペコペコとした打鍵感。
キートップは平坦でツルツルしていて引っかかりがなく、一般的なキーボードと比べてキーサイズはかなり小さめです。
パソコン感覚でタイピングするのはかなり厳しいです。
おそらくは一本指打法(人差し指のみでのタイピング)を想定して作られているのでしょう。
普段パソコンで文字入力している人にとっては、入力ラグと合わせて、かなりストレスを感じるキーボードです。
しかし、タッチ操作と同様に、比較対象になる機器を知らなければそれほど不満を感じることはないでしょう。
テスト3:年賀状をデザインしてみたら?
結果:テンプレートや素材を選ぶだけと簡単だった
まずは「住所録」に「差出人」と「宛名」(発送先)を入力します。
差出人は10件まで登録できるので、家族が多かったりプライベートと仕事で使い分けたいときも対応できます。
宛名の登録件数は1000件で、グループ分けや「印刷済」「喪中」などのマーキング機能で管理できます。
この際は「差出人」と「宛名」は専用キーボードで入力します。
これらの入力データは「CSV」ファイル(汎用データ)による読み込みと書き出しが可能なので、パソコンで作成した住所録がある場合、本機に読み込んで使用できます。
通信面のデザインは「かんたん通信面作成」と「こだわり通信面作成」の2通りがあります。
「かんたん通信面作成」はその名の通り、テンプレートや素材を選択するだけでデザインできるお手軽機能です。
「こだわり通信面作成」は、より自由度の高いデザインがしたい場合に使用します。
こちらも難しい操作はなく、ハガキの上に文字や画像を配置して、サイズや位置を調整するだけ。直感的に操作ができます。
通信面や宛名面で使用できる書体は15種類。
基本の明朝体とゴシック体に加え、年賀状で活躍する毛筆系の書体や、手書き風の書体など、豊富に揃っています。
デザイン素材は本体に内蔵されているもの以外に、SDカード、USBメディアやスマホ・タブレットからも読み込めます。
メディアをセットするだけで使用可能な素材が一覧表示されるのはラクですが、プレビュー表示に時間がかかります。
また、サイズが大きすぎるファイルは読み込めません。
ちなみに弊社の年賀状ムック「超かんたん筆まめ年賀状2023 うさぎ年スペシャル」や「超かんたんパソコン年賀状2023」の付録CD-ROMに収録されているイラスト素材も、SDカードやUSBメモリにコピーすれば本機で読み込めます。
テスト4:印刷機能と品質はどうなの?
結果:初めてでも迷わず印刷できて、仕上がりもキレイです
印刷時には用紙のセット方法が動画で解説されます。
これにより年賀状印刷でありがちな裏表や上下を間違えることがなくなります。
印刷時間は配置したイラストや写真の面積によって変化しますが、上図デザインの場合は約45秒かかりました。
シンプルなデザインなら30秒ほどで印刷できます。
宛名面の印刷時間は上図の内容で約27秒でした。
ハガキ印刷の場合、宛名面と通信面を印刷する場合がほとんどなので、自動両面印刷機能がないのは残念です。
印刷品質はかなりキレイで、各社のハイエンド機と同等レベルと言っても差し支えありません。
テスト5:スマホやデジカメで撮影した写真の印刷品質は?
結果:ハイエンド機に匹敵する印刷品質でした!
本機はハガキプリンターですが、写真用紙を使うことでフォトプリンターとしても使えます。
印刷品質はハガキ印刷と同様にハイエンド機に匹敵するレベルです。
なお、1枚あたりの印刷時間は約30秒でインク・用紙の合計コストは1枚あたり約27.2円。
コンビニプリント(30円)よりも安くて高品質です。
インクはシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色で、写真印刷に強い染料インクが使われています。
カートリッジは4色一体型なので交換はラクですが、4色中1色でもなくなったら他の3色が残っていても交換になるので、ランニングコスト的には残念ポイントです。
テスト結果とアピールポイントを総まとめ!
以上がエプソン「PF-81-2023」の新製品レビューでした。
エプソン
PF-81-2023
実勢価格:45000円
収納時サイズ:187×278×100mm(キーボード含まず)
使用時サイズ:352×296×338mm(キーボード含まず)
重量:約2.6kg(本体のみ)
▼テスト結果
総合評価 | 印刷品質 | 操作難易度 | 操作性 | インターフェース |
A | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
最後にエプソン「PF-81-2023」のよかった点と残念だった点をまとめました。
▼よかった点
- パソコン不要! 宛名入力・デザイン・印刷がコレ1台で完結
- 操作が簡単なのでパソコンやスマホが使えない高齢者でも扱える
- 豊富なデザインテンプレートやイラストを収録
- スマホからのダイレクトプリントが可能
- ハガキだけでなく最大A5サイズまで印刷できる
- 印刷品質は高く、写真プリンターとしても優秀!
- 持ち運び可能なサイズで、帰省時やパーティ会場に持っていけば
- その場で写真を印刷できる
▼残念だった点
- キーボードの打鍵感がイマイチ
- 操作レスポンスにラグがある
- 外部メディアの読み込みスピードが遅い
- インクが独立式じゃないのでランニングコストがやや高め
- パソコンを持っているユーザーには魅力があまりない
メール、SNSやリモートワークなど、デジタル媒体を介して人と繋がり合うのが当たり前になった昨今。
そんな今だからこそ親しい人には本機で印刷した年賀状を送ってみてはいかがでしょうか?
また、高齢者には非常にオススメなので、両親へのプレゼントとしても最適です。
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。