メッシュWi-Fiルーターのメリットは?
通常の家庭用Wi-Fiネットワークは、PCやiPhone、Androidスマホ、タブレッドなどを1台の無線LANルーターに接続し通信します。
接続するデバイスが少ないうちは問題なく使えますが、多くのデバイスを接続すると無線LAN速度が低下してつながりにくくなってしまうことも……。また、広いマンションや戸建て住宅での利用においても、電波が届きにくく、途切れる場所が生じたりします。
一方、強力な信号を発することで、文字通り網の目のようにWi-Fiを家中に張り巡らしてくれる「メッシュWi-Fi」のネットワークを活用すれば、接続する端末が5台、10台と増えても通信を分散させることができるほか、一番電波の状態がいいルーターに接続されるため高品位な通信が行えるというメリットがあります。
複数のルーターや中継器を設置するものの、全体を通してひとつのメッシュネットワークと認識されるため、いちいち接続先を選ぶ煩わしさもありません。
昨今、Wi-Fi接続に対応する機器の多様化や接続台数の増加により、“快適に通信したい”というニーズはどんどん高まるばかり。
そこで本記事では、つながりやすさを重視したい人にオススメの「メッシュWi-Fiルーター」に注目。人気のメッシュWi-Fiルーターを10製品集め、比較テストを実施。おすすめランキングを発表します。
メッシュWi-Fiルーターとは?
Wi-Fiルーター(親機)と専用のサテライトを使って、ひとつのネットワークを作り出すルーターのこと。モデムを本体ユニットに接続してサテライトを家の中のいろいろな場所に設置することで、どの場所にいてもWi-Fiの電波をキャッチできるというわけです。元来は、駅などの公共施設用に開発されたシステムで、親機からサテライトを組み合わせることによって、親機への負荷を軽減し、自宅内でも快適な通信環境を構築できるのが特徴です。
メッシュWi-FiのQ&A
Q. リビングではつながるのに他の部屋だとつながらない。どうしたらいい?
A. 中継機かメッシュWi-Fiを使いましょう。
2階建てや2LDK以上になると、Wi-Fiの電波が届きにくい部屋が生じがちです。中継機やメッシュは、ルーターからの電波を中継し、再発信してくれるため、手軽につながりやすくできます。
Q. メッシュWi-Fiと中継機の違いは?
A. 中継機は子機、メッシュはすべて親機です。
中継機とメッシュWi-Fiは「単独のWi-Fiルーターでは電波が届きにくい場所にも電波を受信できるエリアを拡大する」という目的は同じですが、親機の電波を中継してエリアを拡大する中継機は、中継するたびに電波が減衰してしまいます。それに対しメッシュはサテライトと親機で同一のネットワークをつくるので、電波の減衰が起こらず、電波が不安定になりにくく、安定した通信が期待できます。
中継器
中継器は、あくまでも親機とは別として認識。
◯設置や設定が簡単
◯安価に購入できる
✕電波は減衰してしまう
メッシュ
サテライトも親機として認識する。
◯通信が高速かつ安定
◯サテライトを後から追加しやすい
✕高価かつ設定が難しい
戸建てなどで通信を重視するならメッシュWi-Fi!
メッシュWi-Fi
ルーターとサテライトがネットワークを構築し広範囲をカバーします。また2階や3階など高低差がある環境でも有効です。
通常のルーター
単体だと離れた場所(薄い緑色の部分)は電波強度が低くなります。
Q. 今持ってるルーターはメッシュにできない?
A. 実は一部対応機種ならできます。
今使用しているルーターが「EasyMesh」に対応している製品の場合、同様にEasyMesh対応している製品を買い足して設定すれば、メッシュ環境を構築することが可能です。
EasyMeshとは
メッシュの規格の一つで、より簡単に設定できるように制定された統一規格のこと。それぞれ単独で機能するWi-Fi ルーターや、異なるメーカーの機器でメッシュを構築できたりします。
EasyMeshを利用する場合、同 一メーカーのル ーター同士で組み合わせるのがスムーズです。
Q. メッシュWi-Fiのデメリットは?
A. メッシュWi-Fiの最大のデメリットは「値段が高い」という点です。価格面で購入をためらうユーザーも多いことでしょう。しかも、サテライトを増設すれば、その分余計に費用がかかることもデメリットだといえます。
ただし、現在の自宅のネット環境がメッシュWi-Fiに代わることで受ける恩恵と費用とのバランスを考えて、充分に費用対効果ありと判断できるのなら導入を推奨できます。
メッシュWi-Fiルーターの選び方は?
一戸建て(2階建て)にルーターを設置して4部屋で速度を計測
実際の使用環境を再現すべく、一戸建て(1、2階)の間取りでテストを敢行しました。
Wi-Fiルーターを設置した隣の部屋はもちろん、別の階でのつながりやすさもしっかりチェックしています。
ルーターは上図の一戸建ての2階①ベッドルームに設置。Wi-Fi 7に対応したノートパソコンを使用して、①ベッドルーム・②書斎・③キッチン・④リビングの4つのポイントで転送速度を測定。下り(受信速度)と上り(送信速度)の両方の性能を計測しています。
最高速度と平均速度、付加機能を点数化し、ランキングを作成しました。
計測機にはWi-Fi 7(320MHz幅)対応PCを使用
NEC
LAVIE SOL
S1355/JA
大学生をターゲットに開発された13.3型のノートPC。Wi-Fi7にしっかり対応しています。
メッシュWi-Fiルーターのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、メッシュWi-Fiルーターのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||
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ASUSRT-BE14000
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159mm |
72mm |
186mm |
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Amazoneero Max 7
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|
184mm |
90mm |
222mm |
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TP-LinkDeco BE65 Pro(2pac)
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|
107.5mm |
107.5mm |
176mm |
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TP-LinkDeco BE25(2pac)
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|
150mm |
150mm |
62mm |
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TP-LinkDeco BE85(2パック)
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|
128mm |
128mm |
236mm |
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TP-LinkDeco XE75 Pro(2pac)
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|
105mm |
105mm |
169mm |
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Amazoneero Pro 6E(2pac)
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142mm |
139mm |
55mm |
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バッファローWNR-5400XE6P(2pac)
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140mm |
75mm |
217mm |
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Amazoneero 6+ (2pac)
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97mm |
99mm |
66mm |
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バッファローWNR-3000AX4/2S
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|
120mm |
73mm |
174mm |
【1位】ASUS「RT-BE14000」
- ASUSRT-BE14000
- 実勢価格: ¥43,799〜
- 総合評価
- おすすめポイント
-
- 6GHz帯上りはハイエンドも圧倒
- がっかりポイント
-
- 下りは2位も6GHz帯が1Gbps超え
- メッシュなのにセット販売がない
- 幅
- 159mm
- 奥行
- 72mm
- 高さ
- 186mm
- 重量
- 896g
- ストリーム数
- 8
- IPv6
- ◯
- バンドステアリング
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- トライバンド
- ◯
- Wi-Fi7
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- ポート
- 2.5Gbps×2、USBポート×1
- 型番
- RT-BE14000
テスト結果(単位:Mbps)
上りと下りの総合力で勝利しました。
【ポート】2.5Gbpsポート×2搭載で高速バックホールを構築
<優秀>
2.5GbpsのWANポートとLANポートを1個ずつ備えているため、2台のルーターを有線ケーブルで接続してバックホール(※)を構成すればより高速なメッシュネットワークの構築が行えます。
※ルーター(親機)とサテライト(子機)をつなぐネットワークのこと
【アプリ】接続と詳細な設定が簡単
<優秀>
専用アプリを使えば設定は3ステップで完了。
ルーターに接続されているデバイスの確認やゲスト用SSIDの作成、ペアレンタルコントロール、ファームウェアの更新など、セキュリティ管理もスマホで簡単です。
【ココがBAD!】メッシュだけど単体売り
2台買うと約9万円(検証時)!
メッシュルーターにはめずらしく、セット売りがありません。メッシュを構築するには2台分の金額がかかります。
【2位】Amazon「eero Max 7」
- Amazoneero Max 7
- 実勢価格: ¥95,980〜
- 総合評価
- おすすめポイント
-
- 6GHz帯は実測で2Gbps超え
- ルーターっぽくないデザイン
- がっかりポイント
-
- 1台で約10万円と高価格
- 幅
- 184mm
- 奥行
- 90mm
- 高さ
- 222mm
- ストリーム数
- 10
- IPv6
- ◯
- バンドステアリング
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- トライバンド
- ◯
- Wi-Fi7
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- ポート
- 10Gbps×2、2.5Gbps×2
- 型番
- 53-035804
テスト結果(単位:Mbps)
2部屋同時に下り2Gbpsを達成しました。
6GHz帯の下りはハイスペッククラスの下位製品より速度が出ています。上りも差はありません 。
搭載ポート
10Gと2.5Gを2ポートずつ、WANとLANを自動切り替えするポートを備えています。
【ココがGood!】設置フロアで2Gbps超えを記録
ルーターと同じ階の2部屋で下り2Gbps超えはハイエンドも含めてAmazon「eero Max 7」だけ。別階も1Gbps超えと高速です。
※色付きの値は今回の製品中で最も早い測定値
【ココがGood!】やわらかなデザイン
ルーターっぽさを感じさせない!
曲線を多用したデザインで、ルーターっぽさがなくやさしい印象です。リビングに置いても違和感がありません。
【3位】TP-Link「Deco BE65 Pro(2pac)」
- TP-LinkDeco BE65 Pro(2pac)
- 実勢価格: ¥43,260〜
- 総合評価
- 幅
- 107.5mm
- 奥行
- 107.5mm
- 高さ
- 176mm
- ストリーム数
- 6
- IPv6
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- トライバンド
- ◯
- Wi-Fi7
- ◯
- ポート
- 5Gbps×2、USBポート×1
- 型番
- DECO BE65 PRO 2-PACK
テスト結果(単位:Mbps)
6/5GHz帯とも下り平均は1Gbps超えです。
搭載ポート
IoTデバイスは専用ネットワークへ
パソコンやスマホとIoTデバイスの接続ネットワークを簡単に分けて、セキュリティを向上できます。
【4位】TP-Link「Deco BE25(2pac)」
- TP-LinkDeco BE25(2pac)
- 実勢価格: ¥24,775〜
- 総合評価
- 幅
- 150mm
- 奥行
- 150mm
- 高さ
- 62mm
- ストリーム数
- 4
- IPv6
- ◯
- メッシュWi-Fi
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- Wi-Fi7
- ◯
- ポート
- 2.5Gbps×2
- 重量
- 1kg(約)
- 型番
- DECO BE25 2-PACK
テスト結果(単位:Mbps)
6GHz帯下りは最大2.2Gbpsを記録しました。下り2.2Gbpsはメッシュで最速です。
搭載ポート
どこに置いても目立ちにくい
直径15cm、高さ6cmととても小さく、置き場所を選ばないのがメリットです。
【5位】TP-Link「Deco BE85(2パック)」
- TP-LinkDeco BE85(2パック)
- 実勢価格: ¥98,235〜
- 総合評価
- 幅
- 128mm
- 奥行
- 128mm
- 高さ
- 236mm
- 重量
- 非公表
- Wi-Fi 7
- ◯
- Wi-Fi 6E
- ◯
- Wi-Fi 6
- ◯
- Wi-Fi 5
- ◯
- 無線LAN規格
- IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be
- Wi-Fi最大転送速度(理論値)
- 6GHz:5760Mbps、5GHz:5760Mbps、2.4GHz:1376Mbps(2023年7月時点)
- ストリーム数
- 12
- トライバンド
- ◯
- バンドステアリング
- メッシュWi-Fi
- ◯
- IPv6(IPoE)
- ◯
- WAN(インターネット)ポート
- 10Gbpsポート×1、10Gbps SFP+/RJ45コンボ×1、2.5Gbpsポート×2
- LANポート
- WAN/LAN自動判別
- 型番
- DECO BE85 2-PACK
テスト結果(単位:Mbps)
同時接続に強い12ストリームです。
【6位】TP-Link「Deco XE75 Pro(2pac)」
- TP-LinkDeco XE75 Pro(2pac)
- 実勢価格: ¥33,800〜
- 総合評価
- 幅
- 105mm
- 奥行
- 105mm
- 高さ
- 169mm
- ストリーム数
- 6
- IPv6
- ◯
- メッシュWi-Fi
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- トライバンド
- ◯
- バンドステアリング
- ◯
- Wi-Fi 6E
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- ポート
- 2.5Gbps×1
- 型番
- Deco XE75 Pro
テスト結果(単位:Mbps)
下り平均1Gbps超えではもっとも安い製品です。
【7位】Amazon「eero Pro 6E(2pac)」
- Amazoneero Pro 6E(2pac)
- 実勢価格: ¥60,480〜
- 総合評価
- 幅
- 142mm
- 奥行
- 139mm
- 高さ
- 55mm
- ストリーム数
- 6
- IPv6
- ◯
- メッシュWi-Fi
- ◯
- トライバンド
- ◯
- Wi-Fi 6E
- ◯
- ポート
- 2.5Gbps×1
- 型番
- 53-036053
テスト結果(単位:Mbps)
小型ですが同一階なら高速です。
Wi-Fi 6対応モデルとあまりサイズ差がありません。
【8位】バッファロー「WNR-5400XE6P(2pac)」
- バッファローWNR-5400XE6P(2pac)
- 実勢価格: ¥29,851〜
- 総合評価
- 幅
- 140mm
- 奥行
- 75mm
- 高さ
- 217mm
- 重量
- 610g(約)
- 型番
- WNR-5400XE6P/2S
テスト結果(単位:Mbps)
【9位】Amazon「eero 6+ (2pac)」
- Amazoneero 6+ (2pac)
- 実勢価格: ¥28,980〜
- 総合評価
- 幅
- 97mm
- 奥行
- 99mm
- 高さ
- 66mm
- 型番
- 53-032911
テスト結果(単位:Mbps)
【10位】バッファロー「WNR-3000AX4/2S」
- バッファローWNR-3000AX4/2S
- 実勢価格: ¥18,565〜
- 総合評価
- 幅
- 120mm
- 奥行
- 73mm
- 高さ
- 174mm
- 重量
- 370g(約、本体のみ)
- Wi-Fi 7
- ✕
- Wi-Fi 6E
- ✕
- Wi-Fi 6
- ◯
- Wi-Fi 5
- ◯
- 無線LAN規格
- IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
- Wi-Fi最大転送速度(理論値)
- 5GHz:2401Mbps、2.4GHz:573Mbps
- ストリーム数
- 4
- トライバンド
- ✕
- バンドステアリング
- ◯(バンドステアリングLite)
- メッシュWi-Fi
- ◯
- IPv6(IPoE)
- ◯
- WAN(インターネット)ポート
- 1Gbpsポート×1
- LANポート
- 1Gbpsポート×3
- 型番
- AirStation WNR-3000AX4/2S
テスト結果(単位:Mbps)
まとめ:Wi-Fi 7対応増! メッシュの2Gbps時代
以上、メッシュWi-Fiルーターのおすすめランキング10選でした。
メッシュにもWi-Fi 7対応ルーターが増えたことで、上位製品は最大速度がインフレ。6GHz帯の下りでは3製品が2Gbpsを超える速度を記録しました。
メッシュでもハイエンドルーターと変わらないような高速通信環境を構築できそうです。
今回の注目はAmazon「eero」(イーロ)の3製品。将来はスマートスピーカーの「Echo」が中継器になるようで、今後の展開から目が離せません。
そんな中、ベストバイを獲得したのはASUS「RT-BE14000」。上りも下りも速いだけでなく、6GHz帯も5GHz帯も速い一台です。
本記事を参考に、お気に入りのメッシュWi-Fiルーターを見つけてください。
メッシュWi-Fiルーターのおすすめ
ASUS
RT-BE14000
Wi-Fiルーターの売れ筋ランキングもチェック!
Wi-FiルーターのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
Wi-Fi 7対応のため、6/5/2.4GHz帯の3つの周波数帯を利用可能です。