Wi-Fi 7がネットを再加速する!
各社から初号機が続々登場しているWi-Fi 7対応ルーター。「日本ではいつ解禁?」「Wi-Fi 6Eより速いって本当?」「対応機種は?」いろいろ気になりますよね?
そこで今回は、雑誌『家電批評』編集部が10万円以下(検証時)で購入できる人気メーカーのWi-Fi 7対応ルーター4製品に絞って、テストを行いました。
Wi-Fi 7とは?
まずは、Wi-Fi 7とはどんなものか、みていきましょう。
最大速度46GbpsはWi-Fi 6Eの4.8倍 真のWi-Fi 7はガチで速い!
「Wi-Fi 7」は2023年12月に解禁されました。最大の特徴は、2022年のWi-Fi 6Eから対応した6GHz帯の帯域幅が160MHzから320MHzに拡張されたこと。これは道路の幅が2倍になったようなもので、よりつながりやすくなり、速度の低下を防げます。
ほかにも、快適な通信環境を実現する機能を多数搭載しています。
高速化、つながりやすさに貢献!Wi-Fi 7の機能
なお、各機能を利用するためには通信端末側も対応している必要があります。
パンクチャリング
接続中のチャンネルに電波などの干渉が起きても、干渉部分を避けて接続する技術です。干渉部分以外を効率的に使用することで、最適な通信環境を維持できます。
Multi-RU(Multi-Resource Unit)
Wi-Fi 6Eまでは接続した端末に1つのリソースユニットしか割り当てられませんでした。これを1つの端末に複数のリソースユニットを割り当て可能にし、通信を効率的にしています。
4096QAM
電波にするための変調方式をアップデート。Wi-Fi6Eまでの10bit(1024QAM)から12bit(4096QAM)になったことで、通信速度が20%高速になります。
MLO(Multi-Link Operation)
Wi-Fi 6Eまで端末は2.4/5/6GHzのいずれかの周波数帯に接続していました。Wi-Fi 7のMLOでは3つの周波数帯に同時接続できるようになり、障害物に弱いなど各周波数帯の弱点をカバーできます。
先行発売された製品も320MHzに対応済み
TP-Link
Deco BE85(1パック)
雑誌『家電批評』1月号でベストバイだった「Deco BE85」。2023年のテスト時は160MHzまでの対応でしたが、アップデートで320MHzに対応しています。
WI-Fi 7ルーターのテスト方法は?
戸建て(2階建て)住宅の2階にルーターを設置し、同部屋と隣室、別フロアの2部屋で通信速度を測定。Wi-Fi 7対応のパソコンを使用し、6GHz帯と5GHz帯の最大速度と平均速度で評価をしています。
WI-Fi 7ルーターのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、Wi-Fi 7 ルーターのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||||||||||||||||||
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バッファローAirStation WXR18000BE10P
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300mm(本体のみ) |
75mm(本体のみ) |
195mm(本体のみ) |
1.7kg(約) |
WAN×1(10Gbps)、LAN×4(10Gbps×1、1Gbps×3)、USB 3.2×1 |
10 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
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TP-LinkArcher BE805
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297mm |
104.3mm |
264.5mm |
2.13kg |
WAN×1(10Gbps)、LAN×5(10Gbps×1、1Gbps×4)、USB 3.0×2 |
12 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
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アイ・オー・データ機器WN-7T94XR
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|
180mm(約) |
65mm(約) |
247mm(約) |
1.4kg(約) |
WAN×1(10Gbps)、LAN×3(2.5Gbps) |
6 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
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TP-LinkArcherBE550
|
|
76mm |
231.7mm |
203mm |
WAN×1(2.5Gbps)、LAN×4(2.5Gbps)、USB 3.0×1 |
6 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
【1位】バッファロー「AirStation WXR18000BE10P」
- バッファローAirStation WXR18000BE10P
- 実勢価格: ¥46,414〜
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- 総合評価
- おすすめポイント
-
- 6GHz帯がとにかく速い
- つながりやすい外部アンテナ
- がっかりポイント
-
- インテリアになじまないデザイン
- 幅
- 300mm(本体のみ)
- 奥行
- 75mm(本体のみ)
- 高さ
- 195mm(本体のみ)
- 重量
- 1.7kg(約)
- ポート
- WAN×1(10Gbps)、LAN×4(10Gbps×1、1Gbps×3)、USB 3.2×1
- ストリーム数
- 10
- メッシュWi-Fi
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- IPv6
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- トライバンド
- ◯
- バンドステアリング
- ◯
- 型番
- WXR18000BE10P
▼テスト結果
※色付きの値は今回の製品中で最も速い測定値です。
【アンテナ】可動域の広いアンテナで狙った場所に電波が届く
10ストリーム、4本の外部アンテナは柔軟に回転して、あらゆる方向にある端末をロックオン。高速かつ安定した通信を実現してくれます。
【通信】メッシュでも3つの周波数帯を同時に利用できる
バッファロー「AirStation WXR18000BE10P」を複数台設置してメッシュネットワークを構築すると、3つの周波数帯を同時に利用するMLOという機能でルーター同士が接続します。これにより、通信環境を安定させられます。
Wi-Fi 6Eルーターより実測で最大55%も高速!
Wi-Fi 7モデルのバッファロー「AirStation WXR18000BE10P」を、2023年5月に発売されたバッファローのWi-Fi 6E対応フラッグシップモデル「AirStation WXR-11000XE12」と比較。同一フロアおよび全フロアの平均速度を比べてみました。
驚いたことに、同一フロアの上り平均速度は55%も高速化。全フロアでも上り・下りとも20%以上もアップ。Wi-Fi 7は確実に“速い”です!
▼【Wi-Fi 7】「AirStation WXR18000BE10P」のテスト結果
▼【Wi-Fi 6E】「AirStation WXR-11000XE12」のテスト結果
バッファローのWi-Fi 6E対応フラッグシップモデル「AirStation WXR-11000XE12」と比較
- バッファローAirStation WXR-11000XE12
- 実勢価格: ¥32,140〜
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【2位】TP-Link「Archer BE805」
- TP-LinkArcher BE805
- 実勢価格: ¥32,980〜
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- 総合評価
アンテナ内蔵型なら安定感のあるBE805
WI-Fi 7ルーターのおすすめランキングで2位は、A評価のTP-Link(ティーピーリンク)「Archer BE805」。
上りでは6/5GHz帯ともに1位のバッファロー「AirStation WXR18000BE10P」を超える速度を記録する部屋もあったTP-Link「ArcherBE805」。
テスト時には最大通信速度と最小速度の差が小さく、安定感がありました。また2つのUSB 3.0ポートを備えるのはTP-Link「ArcherBE805」のみです。
安定した通信を求める人におすすめです。
- 幅
- 297mm
- 奥行
- 104.3mm
- 高さ
- 264.5mm
- 重量
- 2.13kg
- ポート
- WAN×1(10Gbps)、LAN×5(10Gbps×1、1Gbps×4)、USB 3.0×2
- ストリーム数
- 12
- メッシュWi-Fi
- ◯
- IPv6
- ◯
- トライバンド
- ◯
- バンドステアリング
- MU-MIMO
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- 型番
- ARCHER BE805
▼テスト結果
【アンテナ】10本のアンテナ内蔵でスッキリとしたデザイン
※画像:TP-Link
ボディの上部に10本の内蔵アンテナをもつ構造で、効率的な通信を実現します。また、「Zero Wait DFS」という機能を搭載し、チャンネル切り替え時の待機時間をなくしているのもポイント。
【通信】最大・最小の速度差が少ない安定した通信
上表は各帯域における速度の最大平均値と最小平均値の差です。下りの最大速度と最小速度の差は、3つの周波数帯とも4製品中最小です。上りもすべて2番めと記録は安定。本気のメリットはパフォーマンスの安定感といえるでしょう。
とにかくデカい!幅約30cm。置き場所には悩むかも
幅が約30cm、高さは500mlのペットボトル超えと、ボディはかなり巨大。購入前に置き場所をしっかり確認しておきましょう。
【3位】アイ・オー・データ機器「WN-7T94XR」
- アイ・オー・データ機器WN-7T94XR
- 実勢価格: ¥25,800〜
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- 総合評価
スマートなボディでリビングにもよくハマる
WI-Fi 7ルーターのおすすめランキングで3位は、アイ・オー・データ機器(I-O DATA)「WN-7T94XR」。コスパBESTを獲得です。
ほかの3製品がいかついボディのなか、丸みを帯びた白いボディが際立ちます。本体はB5判サイズと4製品のなかでは小さく、リビングや寝室など置き場所の選択肢が広がります。
通信速度も優秀で、下りは4製品中1位のバッファロー「AirStation WXR18000BE10P」に次ぐ速さでした。
高速でインテリアになじむルーターが欲しい人におすすめです。
- 幅
- 180mm(約)
- 奥行
- 65mm(約)
- 高さ
- 247mm(約)
- 重量
- 1.4kg(約)
- ポート
- WAN×1(10Gbps)、LAN×3(2.5Gbps)
- ストリーム数
- 6
- メッシュWi-Fi
- IPv6
- ◯
- トライバンド
- ◯
- バンドステアリング
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- 型番
- WN-7T94XR
▼テスト結果
【通信】6/5GHz帯ともに下り最大は2位の記録
下りの最大速度は6GHz帯、5GHz帯 ともにバッファロー「AirStation WXR18000BE10P」に次ぐ2位と、通信速度に不足はありません。4K動画だって快適に再生できます。
速いルーターが欲しい人にとっては選択肢です。
白い壁にもなじむ
リビングの棚に並べてもこのとおり、インテリアをジャマしないスマートさがうれしいです。
2.5G×3ポートで有線接続も実用的
背面のLANポートで最大3台の端末を同時に有線接続できます。2.5Gbpsと高速なので、ゲーム機やパソコンなど高速通信が必要な端末が複数あっても安心です。
【4位】TP-Link「ArcherBE550」
- TP-LinkArcherBE550
- 実勢価格: ¥22,980〜
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- 総合評価
Wi-Fi 7対応で唯一の実売2万円台
WI-Fi 7ルーターのおすすめランキングで4位は、TP-Link(ティーピーリンク)「ArcherBE550」。
Wi-Fi 7対応ながら2万円台(検証時)と、4製品中最安値だったTP-Link「ArcherBE550」。通信速度は平均こそ最下位だったものの、6/5GHz帯ともに同一フロアなら下り1000Mbps超えを記録しています。
実用的には十分な速度が出ており、はじめの1台におすすめです。
- 幅
- 76mm
- 奥行
- 231.7mm
- 高さ
- 203mm
- ポート
- WAN×1(2.5Gbps)、LAN×4(2.5Gbps)、USB 3.0×1
- ストリーム数
- 6
- メッシュWi-Fi
- ◯
- IPv6
- ◯
- トライバンド
- ◯
- バンドステアリング
- ◯
- MU-MIMO
- ◯
- ビームフォーミング
- ◯
- 型番
- ARCHER BE550
▼テスト結果
【通信】過去のベストバイとメッシュも構築
過去に多数のベストバイを獲得しているTP-Link製品と接続して、メッシュを構築することも可能。旧製品も活用できます。
WI-Fi 7は確かに速いがまだ対応端末が少ない……
Wi-Fi 7ルーターの問題は、接続する端末側。テスト時点では25万円以下の320MHz対応のPCは15製品のみでした。スマホは端末が対応していても日本国内では未認可の製品が多いのが現状(検証時)。購入は対応端末が出そろってからでも遅くありません。
スマホは対応が分かれる
主な日本国内での対応明記モデル
国内メーカーではシャープが2024年7月にWi-Fi 7対応モデルを発売することを発表。ただ、320MHzへの対応は不明です。
※ソニー「Xperia 1 VI」は2024年秋以降のファームウェアアップデートでWi-Fi7に対応予定。
主な海外でのみ対応明記モデル
おなじみのモデルが海外ではWi-Fi 7に対応していますが、日本ではWi-Fi 6E対応として販売されています。
まとめ:“速い”Wi-Fi 7はバッファロー
以上、Wi-Fi 7対応ルーターのおすすめランキングでした。
今回は10万円以下(検証時)のWi-Fi 7ルーター4製品に絞ってテストを行った結果、ベストバイに輝いたのはバッファロー(BUFFALO)「AirStation WXR18000BE10P」でした。実測でWi-Fi 6Eルーターより最大55%も高速。確実に速いです!
また、3位のアイ・オー・データ機器「WN-7T94XR」はコスパBESTを獲得しました。
買い換えを検討している人はぜひ、記事を参考に自分にぴったりのお気に入りを見つけてください。
Wi-Fi 7ルーターのおすすめ
バッファロー「AirStation WXR18000BE10P」
アイ・オー・データ機器「WN-7T94XR」
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