家電おすすめ水拭き掃除機とは?

本当はこまめに床を雑巾がけしたいけれど、忙しくてなかなかできない……。そんな悩みを抱える方にこそおすすめしたいのが「水拭き掃除機」です。

液体のこぼし跡や皮脂汚れ、ペットの足跡など、従来の掃除機では取りきれなかった汚れも、水拭き掃除機なら吸い取りながら同時に拭き掃除。バケツや雑巾を使わず、手軽に床の清潔を保てます。

具体的に言うと、

  • 「ハイハイ期の赤ちゃんが床を舐めたり触ったりする」ので、見た目だけじゃなく、雑菌や皮脂汚れも拭き取りたい

  • ペットを飼っているけど、足跡、よだれ、食べこぼし、抜け毛の周辺にある皮脂汚れなど、ドライ掃除では取りきれない汚れが気になる

  • 忙しいから掃除は一気に済ませたい

上記の条件にマッチする家庭には特に便利なアイテムです。今回取り上げるスティックタイプなら取り回しもラクで、フローリングのリビングからキッチン、洗面所まで一気にお掃除OK。「雑巾がけを手放せない人」ほど感動する家電なんです

水拭き掃除機のメリット・デメリットは?

水拭き掃除機のメリット・デメリットは? 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

最大のメリットは固形と液体の汚れを同時に掃除できること。通常は固形ゴミを「掃除機」、液体汚れを「モップ」で掃除する必要がありますが、水拭き掃除機なら一度の掃除で両方できるので時短になります。今回取り上げた水拭き掃除機は、液体汚れからホコリや髪の毛などをまとめて掃除できる2in1の掃除機で、パワフルな吸引力でゴミを吸引し、回転モップで水拭きをしてくれます

一方で、水拭き掃除機は重たい製品が多く、持ち運びしにくい点がデメリット。本体やヘッドも大きいため狭い場所や隙間の掃除は苦手な傾向にあります

また、回収したホコリや髪の毛は排水用タンクに溜まるので、水を捨てる手間もかかります。

ホコリや砂程度であれば固形ゴミもそれなりに吸い取ってくれる!

ホコリや砂程度であれば固形ゴミもそれなりに吸い取ってくれる! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
ホコリや砂程度であれば固形ゴミもそれなりに吸い取ってくれる! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
ホコリや砂程度であれば固形ゴミもそれなりに吸い取ってくれる! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ3
ハイアールでテスト。細かいゴミの清掃テストでしたが、一定レベルで吸ってくれました

白い枠で囲った部分に一定量の砂を散布し、往復で吸い取る検証を行ったところ、行きで砂を寄せるだけのような挙動を示しましたが、帰りでそこそこ吸い取ってくれました。ただ、ほとんどの機種で吸い切れなかった砂のゴミが少し残ってしまうなど、一般的なスティッククリーナーには劣る結果に。また、ブラシに汚れが残りがちなのも気になります。少し値段は張ってしまいますが、スティッククリーナーやほうきも併用した方が安心でしょう。

また、上記の写真で赤丸で囲った部分にも残っていますが、拭いたり持ち上げた後に本体から水汚れが出てしまうこともありました。本末転倒な気もしますが、念のため雑巾を用意しておくと安心です。

家電おすすめ水拭き掃除機の選び方は?

まずは水拭きコートレス掃除機の選び方のポイントを紹介します。

掃除力ばかりに目がいきがちですが、使い勝手が悪ければ 掃除が大変になり、使用頻度も少なくなります。使いやすさやメンテナンスなど優先するべきことを決めて製品を選びましょう。

ネットの口コミやレビューだけでは選び方がわからないという人こそ、参考にしてみてください。

選び方1:サイズ感

選び方1:サイズ感 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

水拭きコードレス掃除機はサイズが大きいので、広い部屋の掃除におすすめです。ただし、重量もあるので、女性やお年寄りにはやや扱いづらいかもしれません。店頭で持って軽いと思っても、いざ水を入れて使ってみると一気に重くなってしまっていることも。基本的に「水拭き掃除機は重い」という前提のもと選んだ方がいいでしょう。

選び方2:メンテナンスのしやすさ

選び方2:メンテナンスのしやすさ 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

快適に使うためにはお手入れのしやすさも大切です。

水拭き後にそのまま放置してしまうとカビやイヤな臭いの原因になることがあるので、毎回お手入れをしてあげましょう。また、水拭き掃除をした後は、排水タンクに溜まった 水や固形ゴミを捨てる必要があります。排水タンクが簡単に取り外せるか、すすぎやすいかなどを確認しておきましょう。

また、今回検証した6製品は全てセルフクリーニング機能を搭載していますが、定量評価が難しいと担当編集の方で判断し、検証内容に入れていません。

家電おすすめ水拭き掃除機の選び方は?

水拭き掃除機の選び方は? 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
水拭き掃除機の選び方は? 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2

ダイソン(Dyson)、ナーワル(Narwal)、MOVA、ハイアール(Haier)、ロボロック(roborock)、ドリーミー(Dreame)の6製品を検証。使い勝手について家電プロレビュアーの石井和美さん、 水ふきの能力(拭き取り能力)について弊社ラボにて検証しました。

拭き取り力や使い勝手など6項目をテスト

テスト1:拭き取り力

テスト1:拭き取り力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

ベタついた汚れを作り、掃除機を5回往復させて、汚れの落ち具合を目視にて評価しました。少ない回数でキレイにできるのかも評価に加味しています。

テスト2:吸引力

テスト2:吸引力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

白い枠で囲った部分に一定量の砂を散布し、掃除機を1回往復。往路、復路それぞれでどの程度ゴミを吸引できているか、目視で評価しました。

テスト3:使い勝手

テスト3:使い勝手 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

家電プロレビュアーの石井和美さんがそれぞれの製品を実際に使用し、操作性や持ち運びやすさを評価。その結果を編集部で合計して使い勝手の評価としました。

テスト4:メンテナンス

テスト4:メンテナンス 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

テスト1と同じく家電プロレビュアーの石井和美さんが洗浄水の入れやすさや汚水の捨てやすさをそれぞれ評価。その結果を編集部で合計して使い勝手の評価としました。

テスト5:静音性

テスト5:静音性 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

最大出力のモードにして、一定の距離に設置した騒音計で音量を計測しました。ちなみに、今回の検証結果は60〜70dB程度でしたが、60dBは1m程度離れた状態での洗濯機の稼働音、70dBはうるさい街頭程度と言われています。

テスト6:手にかかる負荷

テスト6:手にかかる負荷 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

掃除機をかける姿勢での手にかかる負荷を計測して評価しました。また、水を満タンにした状態での重量も評価に入れています。

家電おすすめ 水拭き掃除機のおすすめは?

プロと一緒に実際に使ってみた、水拭き掃除機のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。

ランキングは項目名で並び替えられます
商品
A+評価
ナーワルNarwal S20 Pro
水拭きコードレス掃除機おすすめ ナーワル Narwal S20 Pro イメージ
4.36
4.50 4.00 4.00 4.50 4.00
27.3cm
117.2cm
25.5cm
4.27kg
A評価
ロボロックRoborock F25 RT
水拭きコードレス掃除機おすすめ ロボロック Roborock F25 RT イメージ
4.08
5.00 3.50 3.50 4.50 3.50
262mm
1100mm
221mm
4.1kg
A評価
ドリーミーH12 Pro-FlexReach
水拭きコードレス掃除機おすすめ ドリーミー H12 Pro-FlexReach イメージ
3.85
4.50 3.25 3.75 4.50 2.50
381mm
317mm
1219mm
5.1kg
B評価
ダイソンWash G1
水拭きコードレス掃除機おすすめ ダイソン Wash G1 イメージ
3.46
4.50 3.50 3.00 3.50 1.50
30cm
114cm
22.5cm
4.9kg
B評価
ハイアールMIZUKI
水拭きコードレス掃除機おすすめ ハイアール MIZUKI イメージ
3.27
3.25 3.50 4.00 3.50 2.50
261mm
1116mm
266mm
4.0kg
4時間(約)
32分(約)
B評価
MOVAMOVA K30 MIX
水拭きコードレス掃除機おすすめ MOVA MOVA K30 MIX イメージ
3.19
2.00 4.00 3.50 4.50 3.00
24cm
112cm
27cm
3.8kg

A+評価【1位】ナーワル「Narwal S20 Pro」

総合評価: 4.36

拭き取り力
 4.50
吸引力
 3.25
使い勝手
 4.00
メンテナンス
 4.00
静音性
 4.50
手にかかる負荷
 4.00

メンテナンス性ふくめ総合力でNo.1

ベストバイに輝いたのはナーワル(Narwal)の「S20 Pro」。絶妙な重心バランスによる使い勝手の良さに加え、汚れの拭き取り力もベストでした。

気になるメンテナンス性も好印象。特にブラシの交換がやりやすく、あまり力を入れずに外せるのは魅力的でした。

一方で、インターフェイスのわかりにくさは気になります。モード数が5つとバリエーション豊富なのは良いのですが、画面がゴチャついていてわかりにくいんです。

また、自走力がある分、机の脚など小回りを効かせたい場面では苦戦しがち。ある程度広いスペースをざっくりスピーディに掃除したい人におすすめです。

おすすめポイント
  1. 重心バランスが良くて重さを感じにくい
  2. 自走力が高い
  3. 最強モードでも静か
  4. 手にかかる負荷がかなり低い
  5. 高水準の水拭き力
がっかりポイント
  1. 操作画面がわかりにくい
27.3cm
高さ
117.2cm
奥行
25.5cm
重量
4.27kg
型番
YJSC003

おすすめポイント1:手にかかる負荷が少なすぎる!

おすすめポイント1:手にかかる負荷が少なすぎる! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

「手にかかる負荷」について検証したところ、トップクラスの結果に。公称の重量自体は約5kgと決して軽い方ではないのですが、重量バランスが良いせいかそこまで重く感じませんでした。

石井和美 氏
家電レビュー歴10年以上のプロレビュアー
石井和美 氏 のコメント

強力な自走力もあり、掃除機をかけている間は比較的軽く感じるのは魅力的です。

おすすめポイント2:抜群の拭き取り力を実現

おすすめポイント2:抜群の拭き取り力を実現 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
掃除機をかける前
おすすめポイント2:抜群の拭き取り力を実現 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
3回目の往復でかなり汚れが落ちてくれました。
おすすめポイント2:抜群の拭き取り力を実現 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ3
6製品の中ではトップクラスで汚れを取ってくれました。

汚れの拭き取りテストを行なったところ、全体的にかなり汚れを取ってくれました。コツさえつかめば、6台の中でも優れたスピード感で掃除ができそうです。

中山壮太
家電批評編集部
中山壮太 のコメント

水拭き1往復目では汚れが落ちなかったものの、2往復目から汚れが薄くなっていきました。5往復目でかなり汚れを取ってくれたので、掃除自体の負担も少なく済みそうです。

おすすめポイント3:排水タンクは比較的は外しやすい

おすすめポイント3:排水タンクは比較的は外しやすい 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

レバーを引いて排水タンクを入れ替えるタイプ。力を入れずに外しやすいです。

貯水タンクは本体下部に搭載

貯水タンクは本体下部に搭載 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

貯水タンクの搭載場所は独特で、本体下部に搭載。腰を屈めないと外せず、ちょっとアクセスしにくいです。

A評価【2位】ロボロック「Roborock F25 RT」

総合評価: 4.08

 
拭き取り力
 5.00
吸引力
 3.25
使い勝手
 3.50
メンテナンス
 3.50
静音性
 4.50
手にかかる負荷
 3.50

ちょうどいいサイズ感と高い拭き取り力を両立

ロボロックの「Roborock F25 RT」は、水拭き掃除機としては比較的取り回しに優れた製品です。

さらに肝心の拭き取り力も高水準で、実際に使ってみると驚くほどスムーズに汚れを拭き取ってくれました。2万Paの吸引力は伊達じゃありません。今回の検証でベストの拭き取り力でした。

また、特徴的なのはモード数の少なさ。1位のナーワルは5つ、6位のMOVAは4つと、最近の水拭き掃除機は4〜5つほどモード数を備えていることがほとんど。ただしロボロックは標準モードである「エコモード」と強力な吸引力で吸い取る「マックスモード」の2つだけです。

少ない手間でサクッと掃除を済ませたい人にとっては、シンプルに使えるロボロックの方が使いやすいでしょう。

洗浄水も入れやすく、使用時に迷うことも少ないはず。ただ汚水タンクは、上部のフィルターがちょっと硬めで、最初は少し手こずるかもしれません。

価格は約4万円と決して安くはないですが、6~7万円台の製品も多い水拭き掃除機全体で見れば、比較的安め。初めての水拭き掃除機として選んでも後悔しないでしょう

おすすめポイント
  1. 3回でほぼ吸い取る吸引力
  2. 乾燥ゴミにも十分に対応
  3. 小回りが効いて操作性に優れる
  4. 価格も比較的安め
がっかりポイント
  1. 汚水タンクのフィルターが外しにくい
262mm
奥行
221mm
高さ
1100mm
重量
4.1kg

おすすめポイント1:サイズ感からは想像できない高い拭き取り力

おすすめポイント1:サイズ感からは想像できない高い拭き取り力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
たったの3往復でほとんど汚れが消えてしまいました。
おすすめポイント1:サイズ感からは想像できない高い拭き取り力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
5往復もすると、完璧に汚れを拭き取ってくれました。
中山壮太
家電批評編集部
中山壮太 のコメント

シンプルな機能性で、検証前は拭き取り力を不安視していたのですが、実際に使ってみると驚きの拭き取り力を発揮。感動しました!

おすすめポイント2:シンプルなボタン配置が魅力的

おすすめポイント2:シンプルなボタン配置が魅力的 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

電源ボタンとモード切替ボタン、それにセルフクリーニング(自動洗浄)ボタンの3種類のみとシンプルな設計でわかりやすいです。

おすすめポイント2:シンプルなボタン配置が魅力的 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2

ただ、製品の状態を示すランプが持ち手部分の根元にあるのですが、少々見にくい点は気になります……。

おすすめポイント3:1位とほぼ変わらないサイズ感

おすすめポイント3:1位とほぼ変わらないサイズ感 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

1位のナーワル、4位のドリーミーと並べてみましたが、ナーワル同様、コンパクトさが際立っていました

A評価【3位】ドリーミー「H12 Pro FlexReach」

総合評価: 3.85

 
拭き取り力
 4.50
吸引力
 3.25
使い勝手
 3.25
メンテナンス
 3.75
静音性
 4.50
手にかかる負荷
 2.50

強さと機能性を一番に求めるのなら買い

無骨なデザインが印象的なドリーミー。ゴツいビジュアルどおりに、その拭き取り力は高水準でした。

3回の往復で汚れはほぼ消えて、5回目には油汚れはほとんど見えず2つの補助輪と強力なパワーにより自走力も高く、引っ張られるように掃除するだけで、汚れをガンガン吸い取ってくれます

清掃モードは4種類を搭載。強力なパワーで吸い取る「強力モード」、汚れに応じて強さを自動で変えてくれる「スマートモード」、乾燥ゴミだけを吸い取る「吸引モード」、比較的静かに掃除してくれる「静音モード」の4つで、状況に応じて掃除の仕方を切り替えられます。

ただ、重すぎて使用時の方向転換にすら苦戦するのは難点。しかも充電やセルフクリーニングする際には、最大で約5.4キロの本体を持ち上げてスタンドに設置しないといけません(水を満タンまで入れた場合)。30代前半の筆者(男性)も、検証のために何度かスタンドに運びましたが、ちょっと辛かった……。

肝心の値段は、定価で6万円程度ですが、店舗によっては4万円前後で購入できることもあり、水拭き掃除機としてはお安め。強力なパワーと、どこにでも使える機能性を求めるなら、本製品を選ぶのも十分にアリです。

おすすめポイント
  1. 高水準の吸引力
  2. モード数が多い
  3. ディスプレイがわかりやすい
がっかりポイント
  1. 重くて持ち上げにくい
  2. 小回りが効かない
381mm
奥行
1219mm
高さ
317mm
重量
5.1kg

おすすめポイント1:重さに見合った拭き取り能力

おすすめポイント1:重さに見合った拭き取り能力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
3回の往復で、一部汚れは見えるものの、ほとんど汚れを吸い取ってくれました。
おすすめポイント1:重さに見合った拭き取り能力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
5回目にもなると、ほとんど汚れは残っていません。キレイに拭き取ってくれました。

おすすめポイント2:わかりやすいディスプレイを採用

おすすめポイント2:わかりやすいディスプレイを採用 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

アイコンがわかりやすいディスプレイにより、使い勝手は優秀。モードの他に、浄水不足やセルフクリーニングの進捗も教えてくれます。

中山壮太
家電批評編集部
中山壮太 のコメント

ちなみに日本語の表記も写真には写っていますが、こちらはシールなのがちょっと残念でした。

B評価【4位】ダイソン「Dyson Wash G1」

総合評価: 3.46

 
拭き取り力
 4.50
吸引力
 2.75
使い勝手
 3.50
メンテナンス
 3.00
静音性
 3.50
手にかかる負荷
 1.50

世界のダイソンは伊達じゃない! 重いけど拭き取り力はピカイチ

4位となったのはダイソンの「Wash G1」。高い拭き取り力が魅力で、元から汚れなどなかったかのように汚れを完璧に拭き取ってくれます。水拭き掃除機としての基礎能力の高さは1位のナーワルと肩を並べるレベル。モードの切り替えも簡単です。

では、どこで点数を下げてしまったのかというと、「手にかかる負荷」と「メンテナンス」の2点。

手にかかる負荷のテストでは水を満タンまで入れた際の重量がネックに。6.05kg(実測)と6キロ超えの重さになってしまいました。ただ、重量がある分、自走力は高く、その点は評価できるポイントです。

また、ブラシの取り外しにくさは検証機中最低レベル……。家電プロレビュアーの石井和美さんも「水のタンクの出し入れはやりやすいのに、ブラシ部分が取りにくい。工程が多すぎる」と苦戦していました。ブラシ部分のツールが多く拭き取り力の高さに貢献している分、取り外しにくくなってしまったようです。

パワーは凄いものの、それを使いこなすにはこちらも一定のパワーと手間が必要な一台。広いリビングなどを月一程度の少ないペースで一気にガツっと掃除するのにおすすめです。

おすすめポイント
  1. タンクの出し入れが快適
  2. 操作画面がシンプルで分かりやすい
  3. 最強の拭き取り力
がっかりポイント
  1. ちょっと重い
  2. 水の減りが早い
30cm
高さ
114cm
奥行
22.5cm
重量
4.9kg
型番
WR01

おすすめポイント1:インパクト大の水拭き能力

おすすめポイント1:インパクト大の水拭き能力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
清掃前の状態です。
おすすめポイント1:インパクト大の水拭き能力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
1往復でベタつき汚れの色がかなり薄くなりました。
おすすめポイント1:インパクト大の水拭き能力 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ3
5往復すると汚れは、ほとんど見えない状態に!

拭き取りの回数を重ねるたびに順調に汚れが薄くなっていくのがはっきりわかり、最終的にはそこが汚れていたことがほとんどわからないほど。ここまでキレイになるのなら、本体の重さにも納得できそうです

おすすめポイント2:操作画面が見やすい

おすすめポイント2:操作画面が見やすい 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

持ち手の部分にある操作画面。 操作にあわせて表示する項目を切り替えてくれるので、わかりやすくスムーズに使用できます。

おすすめポイント3:貯水・排水タンクが外しやすい!

おすすめポイント3:貯水・排水タンクが外しやすい! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

排水・貯水タンクは本体前面に搭載。ボタンを押して簡単に取り外せる上に、水の残量や排水の溜まり具合がひと目でわかります。

B評価【5位】ハイアール「MIZUKI」

総合評価: 3.27

 
拭き取り力
 3.25
吸引力
 2.50
使い勝手
 3.50
メンテナンス
 4.00
静音性
 3.50
手にかかる負荷
 2.50

重量感が気になるがメンテナンス性は良質

5位になったのは、「家電批評」23年9月号でベストのハイアール「MIZUKI」。とはいえ、上位との点差は少なめでした。ほとんどが2024年以降に販売した製品のなかで、2023年の製品がここまで競り合ったのは驚異といえます。

拭き取り力の検証では上位製品で完璧に落とし切れたところが、全体的にうっすらと残ってしまう結果に。ただし「ざっくり全体的にキレイになればいいか」という考えであれば十分な性能でしょう。

さらに気になったのは、手にかかる負荷が比較的高かった点。本体重量(実測)は4.64kgと検証した6製品ではトップクラスで軽いのにも関わらず、手にかかる負荷のテストでは最下位に。実際に使ってみた家電プロレビュアーの石井和美さんも「ちょっと重く感じる」とのことでした。

一方で評価すべきなのは、メンテナンス性の高さ。洗浄水の入れやすさや汚水の捨てやすさなどがシンプルでわかりやすく、初めて使っても迷いません。水拭き掃除機は 一度の掃除で汚水を捨てることが推奨されているので、汚水の捨てやすさは日常的に使っていく上で大切な要素と言えます

操作性などの評価も悪くないので、ちょっと掃除に時間がかかっても使い勝手優先という人にはおすすめできます。また、発売から時間が経っているのもあり、3万円を切る価格で購入できるのもメリット。価格を重視するなら本製品も選択肢に入ります。

おすすめポイント
  1. タンクが出し入れしやすい
  2. ブラシも外しやすい
  3. 拭き取り力は高水準
がっかりポイント
  1. 全体的に重め
  2. 手に負荷がかかりやすい
261mm
奥行
266mm
高さ
1116mm
重量
4.0kg
充電時間
4時間(約)
連続運転時間
32分(約)
型番
JC-M1A(K)

おすすめポイント1:拭き取り力は他製品と比べ劣るが悪くはない

おすすめポイント1:拭き取り力は他製品と比べ劣るが悪くはない 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
最初の汚れが……
おすすめポイント1:拭き取り力は他製品と比べ劣るが悪くはない 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
5往復後の結果です。

拭き取り力のテストを行ったところ、十分に汚れを取ってくれました。多少汚れが残ってしまったものの、あと1、2回で完全に取れるレベルです。

おすすめポイント2:メンテナンス性はバツグン!

おすすめポイント2:メンテナンス性はバツグン! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

本製品のメリットはメンテナンス性。洗浄水を入れる部分が簡単に取り外せて、補充もカンタン。また、他製品では苦労することもあったブラシの取り外しもスムーズ。手を入れて外すだけなんです。

B評価【6位】MOVA「K30 MIX」

総合評価: 3.19

 
拭き取り力
 2.00
吸引力
 3.25
使い勝手
 4.00
メンテナンス
 3.50
静音性
 4.50
手にかかる負荷
 3.00

優れた使い勝手と静音性

6位でB評価となったのはMOVAの「K30 MIX」。ただ、使い勝手では1位を上回る結果になりました。 家電レビュアーの石井和美さんも「サイズが小さめで小回りが効いて使いやすい」と高評価。

汚水の捨て方は多少わかりにくいものの、ブラシ交換がやりやすいのはメリットです。

また、予想以上に良かったのは静音性。どのモードでも70dBを超えず、実際に使ってみてもそこまでうるさく感じませんでした。

ただ、他製品と比べて劣ってしまったのが拭き取り力。検証では5往復してほとんどの製品は汚れが完全に拭き取られていたのに、MOVAでは少し汚れが残ってしまったのは気になります。

使い勝手にこだわるのであれば、本製品を選んでもいいでしょう。

おすすめポイント
  1. ブラシ交換がやりやすい
  2. トップクラスの静けさ
  3. コンパクトで小回り抜群
がっかりポイント
  1. 操作画面の文字が少し見えにくい
  2. 洗浄水の残りが見えにくい
  3. 拭き取り力はそこそこ
24cm
高さ
112cm
奥行
27cm
重量
3.8kg
型番
K30Mix-JP

おすすめポイント1:ブラシ交換が非常にやりやすい!

おすすめポイント1:ブラシ交換が非常にやりやすい! 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

ブラシ交換は比較的簡単で、初めてでも迷うことなく交換できました。ストッパーを外して引っ張るだけ。一回の掃除でも想定以上に汚れることがあるので、ブラシ交換のやりやすさは大切なポイントです。

おすすめポイント2:貯水タンクは本体背面で外しやすい

おすすめポイント2:貯水タンクは本体背面で外しやすい 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ

本体背面部分に貯水・排水タンクを搭載。水の残量は少しわかりにくいですが、アクセスしやすい点は◎です。

拭き取り力は課題あり

拭き取り力は課題あり 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ
強いベタつきが……
拭き取り力は課題あり 水拭きコードレス掃除機おすすめ イメージ2
5往復後ではそこそこ落ちました

汚れの拭き取りテストを行なったところ、汚れを落としきれず、拭き残りがありました。

中山壮太
家電批評編集部
中山壮太 のコメント

それなりにキレイになったものの、5回目でも汚れが少々残ってしまった点は気になります。とはいえ、今回はかなり強い汚れに対するテストだったので、そこまでしつこい汚れでなければ素早く掃除できそうです。

家電おすすめまとめ:水拭き掃除機にできることを慎重に検討して購入すべき

以上、水拭き掃除機のおすすめランキング6選でした。

前述の通り、乾燥ゴミの吸引性能はどの製品も大きな差はなく、平均的なので、あらかじめ大きいゴミを箒などで回収してから水拭き掃除機をかけるといいでしょう。ただ、ハイアールだけ他製品より少し吸い残しが多かったです。

一方で、小さい子どもやペットがいる家庭では、水汚れを一気に拭き取れる水拭き掃除機は大活躍できるはず。特に今回拭き取り力で高評価になったナーワルやロボロック、ダイソンは、あまりに汚れがキレイに落ちるので、検証時に担当編集が思わず驚いてしまったほどです。

また、使い勝手の良さは、人によっては掃除力以上に気になるポイント。使いにくい掃除機だと、どんなに掃除力が長けていても掃除そのものがおっくうになってしまいます。その点では、順位自体は低くなってしまったものの、MOVAの「K30 Mix」はブラシ交換などがやりやすく、さらに手にかかる負荷は6台中3位の好成績でした。ちょっと掃除に時間がかかってもいいから、ストレスのない清掃がしたいという人であれば、MOVAもいいでしょう。

総合力で考えるなら、ベストのナーワルが一番。軽くて使いやすく、拭き取り力も高水準。欠点が限りなく少ないモデルです。コスパ重視で考えるのなら、2位のロボロックもぜひ検討してみてください!