水拭き掃除機とは?
本当はこまめに床を雑巾がけしたいけれど、忙しくてなかなかできない……。そんな悩みを抱える方にこそおすすめしたいのが「水拭き掃除機」です。
液体のこぼし跡や皮脂汚れ、ペットの足跡など、従来の掃除機では取りきれなかった汚れも、水拭き掃除機なら吸い取りながら同時に拭き掃除。バケツや雑巾を使わず、手軽に床の清潔を保てます。
具体的に言うと、
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「ハイハイ期の赤ちゃんが床を舐めたり触ったりする」ので、見た目だけじゃなく、雑菌や皮脂汚れも拭き取りたい
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ペットを飼っているけど、足跡、よだれ、食べこぼし、抜け毛の周辺にある皮脂汚れなど、ドライ掃除では取りきれない汚れが気になる
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忙しいから掃除は一気に済ませたい
上記の条件にマッチする家庭には特に便利なアイテムです。今回取り上げるスティックタイプなら取り回しもラクで、フローリングのリビングからキッチン、洗面所まで一気にお掃除OK。“雑巾がけを手放せない人”ほど感動する家電なんです。
水拭き掃除機のメリット・デメリットは?
最大のメリットは固形と液体の汚れを同時に掃除できること。通常は固形ゴミを「掃除機」、液体汚れを「モップ」で掃除する必要がありますが、水拭き掃除機なら一度の掃除で両方できるので時短になります。今回取り上げた水拭き掃除機は、液体汚れからホコリや髪の毛などをまとめて掃除できる2in1の掃除機で、パワフルな吸引力でゴミを吸引し、回転モップで水拭きをしてくれます。
一方で、水拭き掃除機は重たい製品が多く、持ち運びしにくい点がデメリット。本体やヘッドも大きいため狭い場所や隙間の掃除は苦手な傾向にあります。
また、回収したホコリや髪の毛は排水用タンクに溜まるので、水を捨てる手間もかかります。
ホコリや砂程度であれば固形ゴミもしっかり吸い取ってくれる!
白い枠で囲った部分にばら撒いた細かいゴミを往復で吸い取る検証を行ったところ、全製品で十分に吸い取ってくれました。ただし、一般的なスティッククリーナーと比べると取り具合は弱め。吸い切れなかった砂のゴミが少し残ってしまいました。また、ブラシに汚れが残りがちなのも気になります。少し値段は張ってしまいますが、スティッククリーナーかほうきも併用した方が安心でしょう。
また、上記の写真で赤丸で囲った部分にも残っていますが、拭いたり持ち上げた後に本体から水汚れが出てしまうこともありました。本末転倒な気もしますが、念のため雑巾を用意しておくと安心です。
水拭き掃除機の選び方は?
まずは水拭きコートレス掃除機の選び方のポイントを紹介します。
掃除力ばかりに目がいきがちですが、使い勝手が悪ければ 掃除が大変になり、使用頻度も少なくなります。使いやすさやメンテナンスなど優先するべきことを決めて製品を選びましょう。
ネットの口コミやレビューだけでは選び方がわからないという人こそ、参考にしてみてください。
選び方1:サイズ感
水拭きコードレス掃除機はサイズが大きいので、広い部屋の掃除におすすめです。ただし、重量もあるので、女性やお年寄りにはやや扱いづらいかもしれません。店頭で持って軽いと思っても、いざ水を入れて使ってみると一気に重くなってしまっていることも。基本的に「水拭き掃除機は重い」という前提のもと選んだ方がいいでしょう。
選び方2:メンテナンスのしやすさ
快適に使うためにはお手入れのしやすさも大切です。
水拭き後にそのまま放置してしまうとカビやイヤな臭いの原因になることがあるので、毎回お手入れをしてあげましょう。また、水拭き掃除をした後は、排水タンクに溜まった 水や固形ゴミを捨てる必要があります。排水タンクが簡単に取り外せるか、すすぎやすいかなどを確認しておきましょう。
また、今回検証した4製品は全てセルフクリーニング機能を搭載していますが、定量評価が難しいと担当編集の方で判断し、検証内容に入れていません。
水拭き掃除機のおすすめは?
今回はダイソン(Dyson)、ナーワル(Narwal)、MOVA、ハイアール(Haier)の4製品を検証。使い勝手について家電プロレビュアーの石井和美さん、 水ふきの能力(拭き取り能力)について弊社ラボにて検証しました。
拭き取り力や使い勝手など5項目をテスト
テスト1:拭き取り力
ベタついた汚れを作り、掃除機を5回往復させて、汚れの落ち具合を目視にて評価しました。
テスト2:使い勝手
家電プロレビュアーの石井和美さんがそれぞれの製品を実際に使用し、操作性や持ち運びやすさを評価。その結果を編集部で合計して使い勝手の評価としました。
テスト3:メンテナンス
テスト1と同じく家電プロレビュアーの石井和美さんが洗浄水の入れやすさや汚水の捨てやすさをそれぞれ評価。その結果を編集部で合計して使い勝手の評価としました。
テスト4:静音性
最大出力のモードにして、一定の距離に設置した騒音計で音量を計測しました。ちなみに、今回の検証結果は60〜70dB程度でしたが、60dBは1m程度離れた状態での洗濯機の稼働音、70dBはうるさい街頭程度と言われています。
テスト5:手にかかる負荷
掃除機をかける姿勢での手にかかる負荷を計測して評価しました。また、水を満タンにした状態での重量も評価に入れています。
テスト5:拭き取り力
ベタついた汚れを作り、掃除機を5回往復させて、汚れの落ち具合を目視にて評価しました。
プロと一緒に実際に使ってみた、水拭き掃除機のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||||||||||
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ナーワルS20 Pro
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27.3cm |
117.2cm |
25.5cm |
4.27kg |
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MOVAMOVA K30 MIX
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24cm |
112cm |
27cm |
3.8kg |
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ダイソンWash G1
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|
30cm |
114cm |
22.5cm |
4.9kg |
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ハイアールMIZUKI
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|
261mm |
1116mm |
266mm |
4.0kg |
4時間(約) |
32分(約) |
【1位】ナーワル「Narwal S20 Pro」
- 使い勝手
- 使い勝手
- メンテナンス
- 静音性
- 手に掛かる負荷
- おすすめポイント
-
- 重心バランスが良くて重さを感じにくい
- 自走力が高い
- 最強モードでも静か
- 手にかかる負荷がかなり低い
- 高水準の水拭き力
- がっかりポイント
-
- 操作画面がわかりにくい
- 幅
- 27.3cm
- 高さ
- 117.2cm
- 奥行
- 25.5cm
- 重量
- 4.27kg
- 型番
- YJSC003
おすすめポイント1:手にかかる負荷が少なすぎる!
「手にかかる負荷」について検証したところ、トップクラスの結果に。公称の重量自体は約5kgと決して軽い方ではないのですが、重量バランスが良いせいかそこまで重く感じませんでした。
おすすめポイント2:抜群の拭き取り力を実現
汚れの拭き取りテストを行なったところ、全体的にかなり汚れを取ってくれました。コツさえつかめば、4台の中でもかなりのスピード感で掃除ができそうです。
水拭き1往復目では汚れが落ちなかったものの、2往復目から汚れが薄くなっていきました。5往復目でかなり汚れを取ってくれたので、掃除自体の負担も少なく済みそうです。
おすすめポイント3:排水タンクは比較的は外しやすい
レバーを引いて排水タンクを入れ替えるタイプ。力を入れずに外しやすいです
貯水タンクは本体下部に搭載
貯水タンクの搭載場所は独特で、本体下部に搭載。腰を屈めないと外せず、ちょっとアクセスしにくいです
【2位】MOVA「K30 MIX」
- MOVAMOVA K30 MIX
- 実勢価格: ¥41,880〜
- 拭き取り力
- 使い勝手
- メンテナンス
- 静音性
- 手にかかる負荷
- おすすめポイント
-
- ブラシ交換がやりやすい
- トップクラスの静けさ
- コンパクトで小回り抜群
- 高水準の拭き取り力
- がっかりポイント
-
- 操作画面の文字が少し見えにくい
- 洗浄水の残りが見えにくい
- 幅
- 24cm
- 高さ
- 112cm
- 奥行
- 27cm
- 重量
- 3.8kg
- 型番
- K30Mix-JP
おすすめポイント1:拭き取り力は必要十分
汚れの拭き取りテストを行なったところ、中央部分を比較的キレイに取ってくれました。
それなりにキレイになったものの、5回目でも汚れが少々残ってしまった点は気になります。とはいえ、今回はかなり強い汚れに対するテストだったので、そこまでしつこい汚れでなければ素早く掃除できそうです。
おすすめポイント2:ブラシ交換が非常にやりやすい!
ブラシ交換は比較的簡単で、ほとんど初めての操作でも迷うことなく交換できしました 。ストッパーを外して引っ張るだけ。一回の掃除で も想定以上に汚れることがあるので、ブラシ交換のやりやすさは大切なポイントです。
貯水タンクは本体背面
本体背面部分に貯水・排水タンクを搭載。水の残量は少しわかりにくいですが、アクセスしやすい点は◎です
【3位】ダイソン「Dyson Wash G1」
- 拭き取り力
- 使い勝手
- メンテナンス
- 静音性
- 手にかかる負荷
- おすすめポイント
-
- タンクの出し入れが快適
- 操作画面がシンプルで分かりやすい
- 最強の拭き取り力
- がっかりポイント
-
- ちょっと重い
- 水の減りが早い
- 幅
- 30cm
- 高さ
- 114cm
- 奥行
- 22.5cm
- 重量
- 4.9kg
- 型番
- WR01
おすすめポイント1:インパクト大の水拭き能力
拭き取りの回数を重ねるたびに順調に汚れが薄くなっていくのがはっきりわかり、最終的にはそこが汚れていたことがほとんどわからないほど。ここまでキレイになるのなら、本体の重さにも納得できそうです
おすすめポイント2:操作画面が見やすい
持ち手の部分にある操作画面。 操作にあわせて表示する項目を切り替えてくれるので、わかりやすくスムーズに使用できます
おすすめポイント3:貯水・排水タンクの外しやすさはトップ!
排水・貯水タンクは本体前面に搭載。ボタンを押して簡単に取り外せる上に、水の残量や排水の溜まり具合がひと目でわかります
【4位】ハイアール「MIZUKI」
- ハイアールMIZUKI
- 実勢価格: ¥27,419〜
- 拭き取り力
- 使い勝手
- メンテナンス
- 静音性
- 手にかかる負荷
- おすすめポイント
-
- タンクが出し入れしやすい
- ブラシも外しやすい
- 拭き取り力は高水準
- がっかりポイント
-
- 全体的に重め
- 手に負荷がかかりやすい
- 幅
- 261mm
- 奥行
- 266mm
- 高さ
- 1116mm
- 重量
- 4.0kg
- 充電時間
- 4時間(約)
- 連続運転時間
- 32分(約)
- 型番
- JC-M1A(K)
おすすめポイント1:拭き取り力は他製品と比べ劣るが悪くはない
拭き取り力のテストを行ったところ、十分に汚れを取ってくれました。多少汚れが残ってしまったものの、あと1、2回で完全に取れるレベルです。
おすすめポイント2:メンテナンス性はバツグン!
本製品のメリットはメンテナンス性。洗浄水を入れる部分が簡単に取り外せて、補充もカンタン。また、他製品では苦労することもあったブラシの取り外しもスムーズ。手を入れて外すだけなんです。
まとめ:水拭き掃除機にできることを慎重に検討して購入すべき
以上、水拭き掃除機のおすすめランキング4選でした。
前述の通り吸引性能はどの製品も平均的なので、あらかじめ大きいゴミを箒などで回収してから水拭き掃除機をかけるといいでしょう。
一方で、小さい子どもやペットがいる家庭では、水汚れを一気に拭き取れる水拭き掃除機は大活躍できるはず。どの製品も一定以上の拭き取り力を発揮してくれましたが、特に今回拭き取り力でベストになったナーワルやダイソンは、あまりに汚れがキレイに落ちるので、検証時に担当編集が思わず驚いてしまったほどです。
また、使い勝手の良さは、人によっては掃除力以上に気になるポイント。使いにくい掃除機だと、どんなに掃除力が長けていても掃除そのものがおっくうになってしまいます。その点では、MOVAの「K30 Mix」はブラシ交換などがやりやすく、さらに手にかかる負荷は4台中ベストの好成績でした。ちょっと掃除に時間がかかってもいいから、ストレスのない清掃がしたいという人であればMOVAもいいでしょう。
総合力で考えるなら、ベストのナーワルが一番。軽くて使いやすく、拭き取り力も高水準。欠点の少ないモデルです。
強力な自走力もあり、掃除機をかけている間は比較的軽く感じるのは魅力的です。