エレコム「VM600PE」の実力をチェック!
エレコム
V custom VM600PE M-VM600PBK
実勢価格:1万1809円
サイズ・重量:W約66.5×D約123.5×H約42.0mm・約75g
対応OS:Windows 11/10/8.1
接続方式:USB無線・USB有線
連続動作時間:最大約95時間(充電約5時間)
ボタン数:8個(ホイールボタン含む)
センサー:光学式
センサー分解能:100~26,000DPI(100DPI単位で設定可能)
その筋のユーザーなら、ゲーミングデバイスといえば「Logicool」「Razer」「SteelSeries」など、海外メーカーを真っ先に思い浮かべるでしょう。
国内メーカーにもゲーミングデバイスを発売しているメーカーはありますが、正直なところ、海外メーカーと比べて影が薄いのが現状です。
そんな中、国内では老舗のPC周辺機器メーカーであるエレコムが「ELECOM GAMING V custom」(以下、V custom)というハイクラス・ゲーミングデバイスシリーズを発表しました。
ちなみに発表イベントが開催されたのは、世界中のゲーマーが注目する「東京ゲームショウ2022」。このことからも、V customに対するエレコムの力の入れようが感じられます。
というわけで、今回はV customシリーズのゲーミングマウス「VM600PE」を実力チェックします。
チェック1:形状やサイズは快適か?
結果:軽量&ちょうどいいサイズ感で「かぶせ持ち」なら疲れ知らず
本機は日本人向けのLサイズに分類されるマウス。
小柄な女性や子供だとやや大きく感じるかもしれませんが、平均的な手の大きさの方なら違和感なく扱えるサイズ感です。
質量は約75gとかなり軽量。仕様と肉抜きなしの構造を考えれば、だいぶ軽さを意識した作りだといえますね。
形状は右利きのつかみ持ち・かぶせ持ちに対応していますが、特にかぶせ持ちでは後部の丸みが手の平によく馴染み、長時間使用でも疲れ知らずでした。
ちなみに、以下の画像のように、手のひら全体でマウスを覆うのが「かぶせ持ち」です。
成人男性の平均よりも小さめな筆者の手のひら(手長17cm)でも違和感なくフィット。疲れることなく、長時間の精密操作が行なえました。
また、以下の画像は、人差し指と中指の爪を立てるような持ち方が特徴で、素早い操作がしやすい「つかみ持ち」です。
こちらの持ち方の場合、指の付け根を置くポジションによっては、前方のサイドボタンと親指の距離が遠く感じるかもしれません。
そして表面は、汚れが目立ちにくいツヤなしマット加工。
だたし、滑り止めの効果はあまり期待できなかったので、グリップ力を高めたい場合は、付属のグリップシート(後述)を使いましょう。
チェック2:接続インターフェースは使いやすいか?
結果:有線・無線のどちらでも、かなり快適に使えた!
本機はUSB接続の有線・無線両対応マウスです。
有線使用時は充電状態で、充電ケーブルを外して、下の画像の赤枠の電源スイッチをONにすると無線に切り替わります。
付属の充電ケーブルは布製のパラコード仕様。
上の画像のように、柔らかいので有線使用時の妨げにはなりません。
また、無線使用時にパソコンと接続するUSBレシーバーに対し、以下の図のように予め、付属のレシーバー延長アダプターを接続しておけば、充電ケーブルをつないだままで有線・無線の切り替えがスムーズに行なえます
しかも、これによりUSBレシーバーをマウスの近くに設置できるので良好な電波状態で無線通信が行えます。
このレシーバー延長アダプターの存在は、かなりナイスアイデアですね。
ちなみに、無線使用時の連続動作時間は最大約95時間と長く、他社の同価格帯製品と比べてもかなり優秀。
ゲーマーが最も気にする要素のひとつである遅延も有線・無線ともに体感するほどのレベルではありませんでした。
しかし、eスポーツの試合などで、万全を期すのであれば有線接続をおすすめします。
チェック3:スイッチ&センサー類も検証!
結果:高性能なスイッチとハイエンドセンサーを搭載!
操作のメインとなる左右のクリックボタンには、エレコム独自開発の「Mag-Infinity光学式スイッチ」が搭載されています。
一般的なメカニカルスイッチと比べて、光学式スイッチは反応と耐久性が非常に高いため、ハイグレードなゲーミングマウスで採用されています。
クリックボタンの押し心地は、光学式であるにも関わらず、メカニカルのような確かなクリック感があり、ボタンの戻りも速いです。
ボタンサイズは大きめですが、どこをクリックしてもしっかり反応し、あまり変わらない押下圧でクリックできました。
当然、チャタリング(操作時にスイッチの接点が細かく振動してオンオフが繰り返され、一度クリックしただけなのにダブルクリックしたような挙動になってしまう現象)は発生しませんでした。
クリックボタンに挟まれたスクロールホイールは、回すと引っかかりを感じるノッチ付きでゲーミングマウスの定番タイプ。
ホイールクリックはホイールの前方から後方まで、どの場所でも押せるようになっていました。
ちなみに、スクロールホイールの後ろにあるふたつのボタンは、標準では何も設定されていません。
専用アプリ(後述)で好みの役割を割り当てられます。
底面の中央に位置し、マウスの動きを検知する光化学センサーには、PixArt社のフラッグシップモデル「PAW3395」を採用。
設定可能な解像度は100~26000DPI(100DPI単位で設定可能)で最大トラッキングスピードは650IPS、最大検出加速度は50Gと、ゲーミングマウスでは最高クラスのセンサースペック。
専門的な単位が多くなりましたが、とにかくすごく細かくマウスの動きを読み取ってくれるので、操作に対する追従性は極めて高く、狙った場所に素早くカーソルを合わせられました。
また、高さを検出するセンサーも搭載しており、リフトオフ(操作時にマウスが接地面から離れること)を検出。専用ツールで操作が有効になる高さを7段階で設定できます。
チェック4:カスタマイズ性は?
結果:ソフト&ハードによる自分好みのカスタマイズが可能
本機には、マウス全体を覆える、専用の「フルカバーグリップシート」が付属されています。
これを使うことでマウスのグリップ力が飛躍的に向上。手汗などによる滑りを解消できました。
シートは分割されているので、上の画像のように必要な部分にのみ装着することも可能です。
さらに、接地面積の大きさを調節できる「ゼロエッジソール」なるカスタムツールも付属。
ソールなしだとスピード重視の操作感ですが、ソールを貼ることでコントロール重視の操作感にカスタムすることができます。
また、各種ボタンの役割は専用アプリ「EG Tool」で設定できます。
ボタン操作の入れ替えや、キーボードキーの割り当て、解像度設定などが可能です。プロファイル(設定)は複数登録でき、ゲームごとに使い分けられますが、ゲームの起動に合わせてプロファイルを自動的に切り替える機能はありません。
ちなみに、このアプリはエレコム製のゲーミングキーボードVKシリーズと共通の設定ツールなので、キーボードとマウスをエレコム製で揃えると設定ツールの使い分けが必要なくなります。
シリーズ名が「V custom」であるように、本機はハード&ソフトの両面でプレイヤーの好みやゲームに合わせた細かなカスタマイズが可能なのです。
競合製品に負けない! コスパの高い製品でした
本機は同価格帯のゲーミングマウスの中では頭ひとつ抜けた性能を備えています。
また、日本人の体型に合わせて作られている点、ゲーマー目線に立った数々のアイデアや国内サポートが受けられることを考慮すると、海外メーカーの競合製品と比べても非常に魅力的な選択肢といえます。
ただし、自分の手の大きさや握り方に合う合わないはどうしても個人差のある部分なので、できれば購入前に販売店の店頭などで実際に手にとって確認することをおすすめします。
また、フルカバーグリップシートとゼロエッジソールという経年&使用劣化する部分が別パーツになっており、別売されている点も嬉しいポイント。
これにより使用期間が飛躍的に向上し、長く使えるコストパフォーマンスの高い製品になっています。
ちなみに、ゲーム以外の一般用途で使う場合でも、反応の良さやカスタマイズ自由度の高さにより、ストレスのないパソコン作業が行えます。
テスト結果とアピールポイントを総まとめ!
エレコム
V custom VM600PE M-VM600PBK
実勢価格:1万1809円
サイズ・重量:W約66.5×D約123.5×H約42.0mm・約75g
対応OS:Windows 11/10/8.1
接続方式:USB無線・USB有線
連続動作時間:最大約95時間(充電約5時間)
ボタン数:8個(ホイールボタン含む)
センサー:光学式
センサー分解能:100~26,000DPI(100DPI単位で設定可能)
▼テスト結果
総合評価 | 形状・サイズ感 | インターフェイス | スイッチ&センサー | カスタマイズ性 |
A+ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
最後にエレコム「VM600PE」のよかった点と残念だった点をまとめました。
▼よかった点
- 高品質・高精度のパーツを採用し、海外メーカー製品に劣らない性能を持っている
- 日本人に合わせて設計されており、多くのユーザーが使いやすい形状になっている
- 消耗部分が別パーツになっており別途購入できる
▼残念だった点
- 強いていえばサイズバリエーションや左利き用がない