品質も値段も優秀な「安くて良い家電」はどれ?
半導体不足によるデジタル家電の品薄、パナソニックやバルミューダの家電製品値上げ表明と、お財布を直撃する話題の多い昨今。
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』では、コスパに優れた逸品を探すことに。また、話題の最新製品も辛口ジャッジ。そんなテストを重ねて見つけた「安くて良い家電」を紹介します。
今回は、「格安電動アシスト自転車」です。約8万円という破格の値段でも快適に乗れるのか、自転車のプロと徹底検証しました。
電動アシスト自転車が高いのはなぜ?
坂や長距離もラクに走れる電動アシスト自転車。便利なのですが、価格が高いんですよね。
その理由は、バッテリーやモーターなどを搭載するので、特殊な構造が多いということ。
また、安全性のためのセンサーや制御装置がついていることや、スポーツタイプであれば速く快適に走るための設計がされているためです。
ちなみに、雑誌『家電批評』がおすすめする電動アシスト自転車はこちら。
過去ベストバイのジャイアント「FASTROAD E+」
ジャイアント
FASTROAD E+
実勢価格:38万5000円
ジャイアント「FASTROAD E+」は、電動アシスト自転車のなかでもさらに高価なスポーツタイプの自転車です。雑誌『家電批評』の2021年年間ベストバイに選ばれた実力者ですが、価格はなんと約40万円……。
コスパNo.1のブリヂストンサイクル「TB1e」
ブリヂストンサイクル
TB1e
実勢価格:14万2780円
ブリヂストンサイクル「TB1e」は、スポーツタイプのなかでも安価とされる機種。それでも価格は約15万円。公道走行に必要なライトや反射板、付属していないことが多い鍵やスタンドも標準装備なのでコスパは高いです。
ところがスポーツタイプの電動アシスト自転車なのに8万円を切る製品を発見しました。今まではそのような製品は無名の海外メーカーの怪しい製品が多かったのですが、こちらはなんと日本製。
そこで、気になる実力を確かめるべく、乗り心地や性能などを徹底検証してみました。
あまりの安さにびっくり!ペルテック「TDA-712L」
ペルテック
TDA-712L
実勢価格:7万4800円
ペルテック「TDA-712L」は、ライトもスタンドも鍵もとにかく全部入りで8万円以下という破格の電動アシスト自転車。今まで雑誌『家電批評』で紹介してきたコスパの高い製品と比べても約半額とおどろきの安さです。
販売元であるペルテックは日本製の自転車のパーツを取り扱うOEMメーカー。実はイオンなどのオリジナル自転車を製造しているメーカーなので、怪しいメーカーよりはかなり期待できそうです。
それでは、検証の結果を見ていきましょう。
テスト1:過去ベスト&コスパNO.1機種と比較
まずは、前述で紹介したジャイアントとブリヂストンの2製品と「スペック」「アシスト」「乗り心地」「コスパ」の4項目を比較しました。
1:スペック
ジャイアント【評価:◎】
- 重量……19.4kg(Sサイズ)
- 変速機……1×10速
- ホイール/タイヤ……700×32c
- ブレーキ……油圧ディスク
- 最長航続距離……205km
- バッテリー容量……500Wh
ブリヂストン【評価:○】
- 重量……22.5kg
- 変速機……1×7速
- ホイール/タイヤ……27×1-3/8(インチ)
- ブレーキ……Vブレーキ
- 最長航続距離……200km
- バッテリー容量……361Wh
ペルテック【評価:○】
- 重量……23kg
- 変速機……1×7速
- タイヤ……27.5×1.75(インチ)
- ブレーキ……Vブレーキ
- 最長航続距離……42km
- バッテリー容量……8.0Ah(約192wh)
2:アシスト
ジャイアント【評価:◎】
独自チューニングで、強力で自然なアシストです。
ブリヂストン【評価:○】
ペダリングに合わせて自然に加速してくれます。
ペルテック【評価:○】
はじめにグンと加速して、その後は緩やかでした。
3:乗り心地
ジャイアント【評価:◎】
軽快さと安定感をハイレベルに両立しています。
ブリヂストン【評価:○】
20km/hくらいまでのスピードで快適です。
ペルテック【評価:◎】
軽快さはそこそこですが、走行安定性がバツグンでした。
4:コスパ
ジャイアント【評価:△】
ブレーキや変速にもこだわっているので、その分価格は高価にならざるを得ません。即決は難しい価格です。
ブリヂストン【評価:◎】
スペックや走行性など、どれを取ってもそつがなく、ライトやスタンドも付いていて、コスパは文句なしです。
ペルテック【評価:◎】
ブリヂストンと比べると、スペックやアシストはやや見劣りしますが、価格を考えるとコスパはペルテックに軍配が上がりました。
テスト2:安さの理由は?
さらに乗り回して「安さの理由」を確かめたところ、大手じゃできない「巧みな割り切り」設計があることがわかりました。ここでは、割り切りポイントとこだわりポイントを解説します。
割り切りポイント
1:スピードに合わせたレベルのブレーキ
ブレーキも安価なものでコストダウン。速度控えめが気持ちいい走りのモデルなので、安全に止まれます。
2:安定性重視の太いタイヤ
タイヤが太くなれば重さも増すので、軽快さは失われますが、その分段差や路面の凹凸に強くなります。
3:長距離走行を想定せずバッテリー容量を抑えた
エコモードでも約40kmとかなり短い航続可能距離。片道10km程度の走行を想定しています。
4:アシストは初速重視
高価な製品と比べて、グングンと伸びるような加速も、自然さもありませんが、初速の加速が強力で、漕ぎ出しを安定させています。
こだわりポイント
1:必要なパーツは全部入り
ライト、スタンド、反射板、鍵など必要なパーツは全部入っています。
2:通販で届いて即乗れる
通販で購入するとタイヤやハンドルなどを自分で組み立てなければならないことがほとんどですが、本製品は完成状態で届きます。
3:重要なパーツはすべて日本製
モーターは日本電産製。命とも言える駆動部分が日本製なのは安心。前輪駆動で坂道もスイスイ進みます。
変速はかなり本格的で、安定のシマノ製。7段変速なので、切り替えは楽しいです。
結論:ペルテックは普段乗りにちょうどいい超快適自転車
ペルテック
TDA-712L
実勢価格:7万4800円
【総合評価:S】
ペルテック「TDA-712L」は、大手のメーカーでは、自転車製作の常識が邪魔をして難しい大胆な設計とコストダウン方法を採用しています。今回テストしてみて、8万円以下でこの出来にはおどろきました。
ユーザーの欲しいの声を体現し、「速くてかっこいい電動アシスト自転車が欲しいけど、本格的なものには手が出ない……」というニーズに応えてくれます。初めての1台にかなりオススメ。毎日の通勤や通学が快適になりそうです。
安定感があるので、交通量の多い道路や、凹凸のある路面でも安全に走行できます。
どこで買えるの?
ペルテック「TDA-712L」はネット通販がメイン。Amazonプライム会員ならかなり早く届きます。楽天でも購入可能。
安さ重視という人は、一番安く買えるコストコでチェックしてみてください。
以上、ペルテック「TDA-712L」の紹介でした。電動アシスト自転車が気になっていたという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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必要な箇所やニーズにコストを割き、そのほかの部分はかなり割り切っています。そのバランスがかなりよくまとまっていて、考え抜かれている設計です。