4Kホームプロジェクターを徹底比較!
おうち時間に、テレビより大画面のプロジェクターで映画やドラマを楽しむ人が増えてきました。
比較的手を出しやすい10万円クラスの製品もありますが、今回はより本格的なホームシアターへの第一歩として、ワンランク上となる高輝度の4Kプロジェクターから最新機種をラインナップ。
価格は20万円台と高めですが、不満なく使うにはこれくらいの価格帯の製品がベストです。
本格的ホームシアターへの第一歩
休日の映画鑑賞もはかどります!
今回は30万円以下で、最大輝度が2000ANSIルーメン以上の4Kプロジェクターをラインナップしました。
家電批評が4Kプロジェクターをテスト
今回、雑誌『家電批評』はプロとともに4Kホームプロジェクターを比較テスト。
果たしてこれまでのベストバイ・XGIMI「HORIZON Ultra」に勝る実力を持った4Kプロジェクターが現れるのか、画質と音質を徹底チェックします!
4Kプロジェクターの選び方は?
ここからは、4Kプロジェクター選択時に抑えておくべきポイントを解説します。
選び方1:【解像度】4K解像度の“投影”に対応したプロジェクターを選ぶ
プロジェクターには4K対応との表記があっても“入力”のみで、“出力(投影)”はフルHDの製品も存在します。
今ではサブスクなどのストリーミングも4K(UHD)対応コンテンツが増えているため、できる限り4K出力に対応したプロジェクターを選ぶのがおすすめです。
100インチレベルの投影サイズで使う場合には、解像度の違いが明らかにわかります。
【4K】Dangbei「DBOX02」
【フルHD】XGIMI「Halo+」
テレビよりも大きいサイズで映すことが多いプロジェクターは、注視しなくても解像度の違いがわかりやすいです。
据え置きタイプの製品を選ぶときは4K解像度製品の一択といっても過言ではありません。
選び方2:【明るさ】ルーメン数が大きいものを選べば多少明るい室内でも見やすくなる
プロジェクターの輝度が高いものほど、室内の明るさに左右されずに使用できます。
夜間はもちろん、昼間にカーテンを閉めた薄明かりの室内で使う場合でも、1500ルーメン(lm)以上あれば視聴に耐えるレベルで投影が可能です。
製品を選ぶ際は輝度の数値をよく確認するようにしましょう。
▼200ルーメン
▼500ルーメン
▼900ルーメン
▼1200ルーメン
上の画像は暗室内にて100インチサイズで投影したもの(輝度は「ANSIルーメン」表記)。
暗い場所での輝度は900ルーメン以上あればおおむね満足できそうです。
同じ数字でも測定規格によって明るさは異なります
プロジェクターの輝度は製品スペック欄に「〇〇〇ANSIルーメン」などと書かれます。「ANSI」は投影面の輝度の測定規格で、同じ規格で輝度を表した製品同士であれば比較対象となります。
他の輝度規格表示の製品と比べる場合は、あくまで参考値として受け取りましょう。
ANSI規格
American National Standards Instituteの略。
投影された映像を9分割して、各領域の平均値を出し、その値にスクリーンの面積を掛けて算出したもの。
ISO規格
国際標準化機構が規格した明るさの基準。ISO21118に従って測定されます。
ANSIの後発規格で、投影面での測定に加えて数値の基準も厳格化されています。
ISOルーメン表示に1.2〜1.3を掛けた値がおおよそのANSIルーメン値になります。
CVIA規格
China Video Industry Associationの略。中国で2023年春に定められた明るさの規格です。
ANSIと同じ測定方法ですが、製品出荷時の表示値達成率も対象です。
部屋環境ごとの映り具合をシミュレートできる
プロジェクターの大手メーカー、エプソンの公式サイトでは、部屋の環境を指定したうえで投影輝度ごとの見え方の違いをシミュレーションできます。
製品選びの参考に使うと便利です。
選び方3:【スピーカー】プロジェクター内蔵のスピーカーに期待しすぎは禁物
プロジェクター本体に内蔵されているスピーカーがドルビーサラウンドに対応していることをうたっている製品も多いですが、過度な期待はできません。
より本格的なサラウンドで楽しみたいならサウンドバーなどを組み合わせるといいでしょう。
JBL
BAR 800
サイズ:W1174×H56×D120mm(サラウンドスピーカー装着時)
重量:3.4kg
サブウーファー:W305×H440.4×D305mm
サブウーファー重量:10kg
チャンネル数:5.1.2ch
脱着式のワイヤレスサラウンドスピーカーにより、リアルな立体音響空間を構築できます。
選び方4:【設置距離】大きく映すには投影面との距離がある程度必要になります
大きく映像を映すには、プロジェクターと投影面の距離がある程度必要です。
よく利用される約100インチのサイズで投影するには、壁面から約2.5〜3mぐらい離して本体を設置しなければならないため、部屋の広さも気にしなければなりません。
一般的にはテーブルなどの上にプロジェクターを置いて使うことが多いです。
当然、投影先までの間には映像を遮るものがないようにしなければなりません。
狭い部屋でも大きく投影したいなら短焦点プロジェクターを選ぶといいです。
4Kプロジェクターのテスト方法は?
プロジェクターで真っ先に気になるのは、やはり「画質」です。そこで、識者とともに過去ベストバイ製品を含めた4Kプロジェクター4台を徹底比較。差をより明確に見るため、2台ずつ並べて同じ映像で比較しました。
また、「画質」の他に「音質」「機能性」「操作性」もチェックしました。
4Kプロジェクターのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、4Kプロジェクターのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DangbeiDBOX02(Mars Pro 2)
|
|
2365mm |
201.5mm |
167mm |
3.98kg |
2450ISOルーメン |
ALPDレーザー |
最大200インチ |
12W✕2 |
|||||
XGIMIHORIZON Ultra
|
|
265mm |
224mm |
170mm |
5.2kg |
2300ISOルーメン |
LED+レーザー |
最大200インチ |
12W✕2 |
|||||
ベンキューX300G
|
|
212mm |
194.8mm |
180.9mm |
3kg |
2000ANSIルーメン |
LED |
最大120インチ |
8W✕2 |
【1位】Dangbei「DBOX02(Mars Pro 2)」
- DangbeiDBOX02(Mars Pro 2)
- 実勢価格: ¥194,256〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥194,256〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥208,091〜
- 画質
- 音質
- 機能性
- 操作性
- 幅
- 2365mm
- 奥行
- 201.5mm
- 高さ
- 167mm
- 重量
- 3.98kg
- 輝度
- 2450ISOルーメン
- 光源
- ALPDレーザー
- 解像度
- 4K(3840×2160)
- 投射サイズ
- 最大200インチ
- スピーカー出力
- 12W✕2
- 型番
- DBOX02
専用スタンド
付属の専用スタンドに取り付ければ、上下左右の角度調整が簡単にできます。
【画質】
HDR映像:空気感まで感じる爽やかな映像
輝度が高いので、日中でも部屋をやや暗めにすれば十分使えます。映像も階調の幅が広く、建物の構造までしっかり把握できました。
映像は全体的に澄んでいて爽やかな印象、色味の不自然さも感じられません。奥行きや空気感まで感じられる映像です。
SDR映像:不自然に突出した色がありません
色鮮やかなシーンでも突出した色がなく、自然な映像です。
見やすくハッキリした絵で、映像コンテンツの楽しさを巧みに引き出してくれます。
フレッシュで質がいい映像が楽しめます。プロジェクターの楽しさや魅力を十分伝えられる画質で、この価格帯でここまでの製品はなかなかありません。
【音質】広がりも感じられてネット動画を楽しむには十分!
両サイドのスピーカーでサラウンド感もアリ!
両サイドに12Wのスピーカーを搭載しており、広がりのある音が楽しめます。
アクション映画ではやや物足りなさを感じるかもしれませんが、ネット動画や動画配信なら十分な音質です。
ネット動画なら不満なく楽しめるレベルですが、人の声は若干つぶれ気味です。
【機能性】台形補正が優秀でNetflix4Kにも正式対応
台形補正もピントも一発で合わせてくれる!
台形補正もピント調節も優秀。置いて電源を入れれば、フルオートですぐ見られる状態にしてくれます。
Netflixも4Kで楽しめる!
Google TV搭載でさまざまなコンテンツを楽しめます。ネットフリックスも公式対応しており、4Kで視聴も可能です。
【操作性】スタンド付きで手軽に天井投影! リモコンも快適
リモコンはシンプルで、操作性も良好。側面のボタンで自動ピント調節や、設定の呼び出しも手軽です。
細かい映像調整まではできませんが、全体的に初心者でも使いやすいです。
側面のボタンで補正や設定を呼び出せます。
スタンド付属で角度調整しやすい
スタンドが付属しており、投影角度の自由度が高いのもポイント。天井投影も手軽です。
ファンノイズがほとんど聞こえないのも優秀。映像に集中できます。
【2位】XGIMI「HORIZON Ultra」
- XGIMIHORIZON Ultra
- 実勢価格: ¥256,697〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで探す
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥279,800〜
- 画質
- 音質
- 機能性
- 操作性
- 幅
- 265mm
- 奥行
- 224mm
- 高さ
- 170mm
- 重量
- 5.2kg
- 輝度
- 2300ISOルーメン
- 光源
- LED+レーザー
- 解像度
- 4K(3840×2160)
- 投射サイズ
- 最大200インチ
- OS
- Android TV 11.0
- スピーカー出力
- 12W✕2
- 型番
- HORIZON ULTRA
開閉扉
電源ONで自動的に前面の扉が開きます。未使用時にレンズの保護もできて安心です。
【画質】
HDR映像:解像感も色のりもよく派手な映像
解像感も色のりもよく、鮮明な映像が楽しめます。明るさも十分にあり、室内灯をつけていてもそれなりに視聴できます。
建物の影部分なども完全にはつぶれてはおらず、しっかり表現されていますが、全体的に色が濃いためやや暗めな印象。色のりが強く派手な映像です。
SDR映像:彩度が強めで赤が目立ちます
全般的に彩度が強めでメリハリがありますが、若干赤が強い感じがします。
彩度をやや抑えめに設定するとちょうどいいかもしれません。
映像もキレイでメリハリもありますが、並べて見るとやや彩度が強すぎる印象を受けました。派手めな映像が好きな人にはピッタリな製品です。
【音質】ネット動画なら十分ですが定位感がややあいまい!
2スピーカーが同じ向きでサラウンド感は微妙
Harman/Kardonの12Wスピーカーを2つ搭載しており、音にも手を抜いていません。
ただ、広がりは感じるものの、音の定位はややあいまい。とはいえ、ネット動画は十分楽しめる音質です。
YouTubeなら十分ですが、ハリウッド映画を楽しむならサウンドバー推奨です。
【機能性】一通りの機能はそろっていて十分満足できる
壁紙の色に合わせて色味を調整可能
一通りの自動補正機能を搭載しており、初心者向け。壁紙に色味を合わせる調整機能も用意されています。
Android TV搭載で配信アプリも使えます
Android TVを搭載しており、さまざまな映像コンテンツを楽しめます。ネットフリックスにも対応しています。
【操作性】リモコンでサクサク動くけれど音量調節しにくい
シンプルなリモコンで、動作も非常に軽快。ピントの自動補正ボタンも用意されているので、映像を見ながらいつでも再補正が可能です。
ただし、音量は若干操作しにくいです。
長押しすると一気に最大・最小に……。
音量ボタンが過敏で、細かなボリューム調節はやや不便。
eARC対応のHDMIでサウンドバーも即つながる
背面にはHDMIが2つ用意されており、片方は「eARC」に対応。サウンドバーをHDMIケーブルでつなぐだけで、手軽に利用できます。
【3位】BenQ「X300G」
- ベンキューX300G
- 実勢価格: ¥219,800〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥280,000〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥282,568〜
- 画質
- 音質
- 機能性
- 操作性
- 幅
- 212mm
- 奥行
- 194.8mm
- 高さ
- 180.9mm
- 重量
- 3kg
- 輝度
- 2000ANSIルーメン
- 光源
- LED
- 解像度
- 4K(3840×2160)
- 投射サイズ
- 最大120インチ
- スピーカー出力
- 8W✕2
操作スティック
本体上面のボタンとスティックで各種設定が可能。リモコンが無くても操作しやすいです。
【画質】
HDR映像:ゲーミングなので暗部が明るめ
この製品だけを単体で見ている分にはさほど気になりませんが、比べてみると価格帯の割には明るさが物足りなく感じます。
ゲーミングプロジェクターなので、影の部分が明るめに表現されており、構造がハッキリわかるのが特徴的です。
暗さが気になる人は、高価ですがもっと上位の機種という選択肢もあります。
SDR映像:BenQらしく色味はかなり自然です
BenQの特徴である色彩の自然さは、しっかり出ています。
絵の仕上がりはかなりいいものの、明るさや色のりで上位モデルにはやはりかないません。
暗部がかなり明るめなのは、さすがゲーミングといったところ。でも、輝度が低いので明度のメリハリが足りない印象で、用途を選びそうです。
【音質】広がりは小さいけれどそこそこいい音です!
両サイドのスピーカーは8Wとやや小さめ!
スピーカーは8Wとやや小さめですが、音質はそこそこいいのでネット動画を近くで楽しむなら不満はありません。
それほど音量が上げられないので、迫力はやや物足りないかもしれません。
サラウンド感のある作品だと、低域の不足や広がりの小ささがやや気になります。
【機能性】細かく映像調整できすぎて難易度はやや高め
PCモニターに近い豊富な設定項目
豊富なゲームモードと併せて、映像設定の項目がかなり詳細。PCモニターと同レベルで細かく調整できます。
Android TVは付属スティックで対応
付属のAndroid TVスティックを本体に装着することで、ネットフリックスをはじめさまざまなコンテンツが利用可能です。
【操作性】短焦点で場所いらず! でもリモコンはややもったり
リモコンはボタン多めですが、わかりにくさは感じません。ただ、動作はややもったりしています。
本体上部のスティックで操作できるのは便利
本体上部のスティックでも操作できるのは快適です。
スタンドを立てれば角度も変えられます
本体のフロント側にスタンドが付いており、角度を変えることが可能。このため、狭い場所でも投影できます。
角度は固定ですが、上向きに投影できるのは便利です。
OS非搭載4Kプロジェクターの実力は?
ViewSonic「LX700‐4K RGB」
- ビューソニックLX700-4K RGB
- 実勢価格: ¥259,000〜
- 画質
- 音質
- 機能性
- 操作性
- 幅
- 286mm
- 奥行
- 216mm
- 高さ
- 129mm
- 重量
- 2.7kg
- 輝度
- 2000ANSIルーメン
- 光源
- RGBレーザー
- 解像度
- 4K(3840×2160)
- 投射サイズ
- 最大300インチ
- スピーカー出力
- 15W
調整ダイヤル
拡大率やピント合わせは手動のダイヤル式。
本体を固定位置で使わないときに、毎回調整の手間がかかります。
【画質】
HDR映像:潜在能力は高いけれど調整は確実に必要
輝度が高く、映像も十分キレイですが、緑かぶりが激しく映像もやや眠い印象。空も白飛びしており、影部分も若干つぶれ気味です。
色味が強すぎるのも気になりました。潜在能力は高いものの、映像の細かな調整は必須といえます。
デフォルトでいくつかモードが用意されていますが、それぞれ癖が強い傾向です。
SDR映像:色味が強いせいで不自然さも感じる
全体的に彩度が強く、空などは派手を通り越してやや不自然な印象です。
中央の屋根も赤が強すぎて、形状がいまいちわかりにくくなっています。
設定を追い込めばそれなりに使えるレベルまで持っていけそうですが、クオリティを出すまでが大変なので、正直初心者にはおすすめできません。
【音質】人の声は明瞭ですがサラウンド感はありません
15Wで大きめだがモノラルスピーカー
スピーカーは15Wと大きめですが、モノラルスピーカーなのでサラウンド感はありません。
スピーカーシステムやサウンドバーと組み合わせてホームシアターを作りたい人向けです。
人の声は明瞭に聞こえますが、サラウンド感はなくて中高域の一部しか出ません。
【機能性】純粋なプロジェクターで便利なOSは非搭載
台形補正もピントもすべてマニュアル
ピントだけでなく、ズームやオフセットも可能ですが、すべてマニュアル。自動台形補正も非搭載です。
Android系の便利なOSはナシ!
OSはAndroidベースですが、TV系OSの多機能さはありません。ただ、設定で映像は細かく調整できます。
【操作性】ボタンが多いリモコンは慣れるまでが大変
設定は調整がほぼマニュアルなので、リモコンのボタンも多めです。
ボタンが多くてしばらく操作に戸惑います
若干わかりにくさを感じる配置で、慣れるまでは戸惑いそうです。
角度調整も脚1本で設置場所を選びます
フロント側にネジ方式の脚が用意されており、投影角度は調節可能。
ただし、脚は中央に1本だけなので水平の調節はできず、設置場所を選びます。
台形補正も4点ではなく垂直方向だけなので、水平な場所に置く必要があります。
まとめ:爽やかな映像で色も自然! 明るさも十分なDangbeiが優秀
以上、4Kプロジェクターのおすすめランキングでした。
今回の検証で最も映像が優秀だったのはDangbei「DBOX02(Mars Pro 2)」です。映像が非常に澄んだ印象で、色味も不自然さを一切感じません。
奥行きや空気感まで感じられる映像で、映っているものの形状や位置関係が明確に理解できました。
過去ベストバイ製品のXGIMI「HORIZON Ultra」も十分な実力ですが、並べて比べると、解像感もあって映像は派手なものの、奥行きが若干足りない印象です。
単体で見ると気にならない色味も、シーンによってはやや強すぎると感じることがありました。
記事を参考にお気に入りの4Kプロジェクターを見つけてください。
4Kプロジェクターのおすすめ
Dangbei
DBOX02
ホームプロジェクターの売れ筋ランキングもチェック!
プロジェクターのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
映画を大画面で視聴するなら、より精細感のある4Kで観たいですね。