安いスマホ対応プロジェクターの魅力は?
雑誌『家電批評』編集部ではこれまで、30万円超の高級機から4万円程度の格安機まで、さまざな価格帯のプロジェクターを検証してきました。
しかし今回は、群を抜いて安い1万円以下(検証時)のプロジェクターをターゲットにすることに。
基本的にこの価格帯では投影しかできませんが、スマホとHDMIでつなげばYouTubeなどの動画を大きな画面で楽しめます。
HDMIケーブルでつないでスマホの画面を投影できます
フルHD対応プロジェクターが1万円以下で買えてしまう!
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでは、数は少ないもののフルHDの投影解像度をうたうプロジェクターが1万円以下で販売されています。
そのようなプロジェクターは投影機能しか備えていないため、スマホやBDレコーダーを再生元として使用します。
ギリ1万円以下で販売!
XGODY
X1
検証時価格:¥9,999
▼安いワケ
- 最低限の機能しかない投影“のみ“可能な製品が多い
- 投影時の輝度が低い(200ANSIルーメン前後)
- 内蔵スピーカーの音は聞こえればOKのレベルのものが大半
▼高額な製品はココが違う!
- Android搭載で単体でも使える
- 投影輝度が高いので多少部屋が明るくても視聴できる
- ドルビーにも対応する“聴ける”レベルのスピーカーを内蔵
雑誌『家電批評』ベストバイのモバイルプロジェクター
XGIMI
Halo+
実勢価格:¥108,660
安いスマホ対応プロジェクターの選び方は? 5製品を徹底比較
先ほども触れたように、Amazonなどで流通している海外メーカーの製品には1万円程度でフルHDの投影解像度を確保しているプロジェクターがあります。解像度が低いと、投影された映像にドット感が目立ったりテロップが判読できなくなるので、フルHDの投影解像度の製品を選びましょう。入力解像度ではなく投影の解像度であることに注意してください。入力解像度は、通販サイトで見かける「4K対応」や「フルHD対応」という文言は入力解像度のことを示している場合があります。
また、投影画面の明るさを示す「ANSIルーメン」を公表している製品を優先して選びましょう。今回比較した製品では2製品のみ公表していました。1万円前後の製品では高くても200ANSIルーメン前後です。9000ルーメン(9000LM)など高輝度を謳う製品もありますが、それは画面の明るさではなくプロジェクター内部の光源の明るにすぎません。
そして、この価格帯のプロジェクターは性能に限界があるので、あくまでも暗くした部屋で使用しましょう。
今回は1万円以下で仕様上の投影解像度がフルHDである5製品をピックアップ。格安機といえど気になる画質や内蔵スピーカーの音質は、オーディオ&ビジュアル評論家の折原一也さんにしっかりチェックしてもらいました。
安いスマホ対応プロジェクターのおすすめは?
スマホプロジェクターのおすすめ比較表
プロと一緒に実際に使ってみた、安いスマホプロジェクターのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
XGODYX1
|
|
Wi-Fi、Bluetoothに対応しAndroidアプリも使える/明るくて画面端までくっきり映る/低音、臨場感があり、人の声もクリア |
2430mm |
1930mm |
930mm |
1.6kg |
1920×1080ピクセル(1080p) |
240ANSIルーメン |
||||
ArtliiEnjoy3
|
|
発色が良くて画面の明るさも十分/声が立ち音楽のライブ感もある |
230mm |
90mm |
90mm |
1.5kg |
1920×1080ピクセル(1080p) |
200ANSIルーメン |
||||
HAPPRUNH1
|
|
色表現がまともで黒の再現も可能/最大音量が大きく低音の鳴りもいい |
240mm |
210mm |
96mm |
1.57kg |
1920×1080ピクセル(1080p) |
仕様非公表 |
||||
FUDONIP2
|
|
暗室なら見られるレベルの明るさ/コンパクトで持ち運び・収納がラク |
148mm |
123mm |
72mm |
500g |
1920×1080ピクセル(1080p) |
仕様非公表 |
||||
Tuttios15pj01
|
|
手のひらにのるコンパクトサイズ |
136mm |
88mm |
57mm |
252g |
640×360ピクセル(360p) |
仕様非公表 |
【1位】XGODY「X1」
- XGODYX1
- 検証時価格: ¥9,999〜
※Amazonにて製品名・価格が異なる同製品が複数販売されています
- 画質
- 音質
- 文字
1万円なのにAndroid搭載! 暗い部屋なら明るさ十分です
スマホ対応プロジェクターのおすすめランキング1位でベストバイに輝いたのは、XGODY「X1」。フルHD投影に対応する製品として非常に安価ながら、画質だけならアンカーの定番機「Nebula Capsule II」に匹敵する性能とスペック。
そのうえ、この価格帯では異例のAndroidも搭載されており、スマホをつないで使用する以外に単体利用できるのも◎。
- おすすめポイント
-
- Wi-Fi、Bluetoothに対応しAndroidアプリも使える
- 明るくて画面端までくっきり映る
- 低音、臨場感があり、人の声もクリア
- がっかりポイント
-
- 冷却ファンの音が大きめ
- 幅
- 2430mm
- 奥行
- 1930mm
- 高さ
- 930mm
- 重量
- 1.6kg
- 投影解像度
- 1920×1080ピクセル(1080p)
- 輝度
- 240ANSIルーメン
【画質・音質テスト】スペックに偽りない性能を発揮
通販サイトで格安プロジェクターを検索すると「フルHD対応」と表示があっても実際は“入力“に対応で、投影するとそれ以下の解像度という製品が多いです。
今回の検証では投影解像度を示す「ネイティブ1080p」の表示がある製品を選びましたが、それでも未対応の製品がありました。その点、X1はスペックどおりの解像感があり、300ANSIルーメンくらいの明るさも出ています。
画質
1万円のプロジェクターとしては十分すぎる明るさです。解像感も高くドットが目立ちません。投影距離による画質低下は見られないし、レンズの端で映像がボケることもありません。発色はやや白っぽいが、今回比較した5製品のなかでは総合的にトップの画質です。
音質
スピーカーは低音も高音も臨場感も「そこそこ」といったところ。人の声もクリアに出しています(あくまでも「少しクリア」と言う程度ですが)。ただ、試聴に使用したYouTube映像では、人の声に低音が被って聞こえてしまい本来とは全く違う聞こえ方になっていました。
文字
中央、四隅ともに文字がくっきり見えています。
【使い勝手・性能】手動での微調整が基本です
高額なプロジェクターだと自動調整できる製品もある「ピント調整」は、安価な製品のため、もちろんアナログ式。微妙な調整が必要なためやや面倒ですが、やむを得ません。
上下左右ボタンで四隅のひずみを調整する「台形補正」にも対応しているのもエラい。他機種では台形補正ができないものもあり、その場合は本体位置の微調整を要します。
ピント調整
ピントは本体横のフォーカスリングを回して調整するオーソドックスなアナログ方式です。
台形補正
画面のひずみを直す台形補正にも対応。手動調整なので多少の慣れが必要です。
冷却ファンの音は結構うるさい
明るい画質のX1ですが、その明るさを維持するため、光源温度は高めです。ファンの冷却音は大きく、内蔵スピーカーの音を最大にしても聞こえるほど。排気温度も熱く感じるほど高いです。
音量を下げるとファンの音がかなり勝ってしまうので、音量を上げて聞くか、別途スピーカーやヘッドホンを使いたいです。
大きく映したいなら壁からの距離が必要です
プロジェクター全般にいえることですが、大きいサイズで投影するには壁からの距離が必要になります。
「X1」は約2.5mの投影距離で、およそ80インチ、約3.5mでは120インチが目安サイズ。部屋の大きさや視聴ポジションを考えて最適なサイズを選びましょう。
【2位】Artlii「Enjoy3」
- ArtliiEnjoy3
- 検証時価格: ¥9,899〜
- 画質
- 音質
- 文字
発色も明るさも十分で聞きやすい音質
スマホ対応プロジェクターのおすすめランキング2位は、Artlii「Enjoy3」。発色がよくて画面の明るさも十分。人の声もよく聞こえます。
- おすすめポイント
-
- 発色が良くて画面の明るさも十分
- 声が立ち音楽のライブ感もある
- がっかりポイント
-
- レンズの周辺ボケが見られる
- 幅
- 230mm
- 奥行
- 90mm
- 高さ
- 90mm
- 重量
- 1.5kg
- 投影解像度
- 1920×1080ピクセル(1080p)
- 輝度
- 200ANSIルーメン
- 型番
- os15pj01
画質
X1同様に1万円のプロジェクターとしては、予想外の明るさと画面のクリアさで200 ANSIルーメン以上の明るさがあるのでは?と感じるほどです。
画面全体でドットがはほとんど目立ちません。特に、画面中央は解像感がありクリアですが、レンズの端では色バランスが少し損なわれており、レンズの周辺ボケも目立つのが残念でした。
音質
プロジェクターとして相当良くできたサウンドです。人の声をくっきりと立って再現できており、音楽のライブ感もあります。低音も意外と引き締まって感じられます。
このプロジェクターのスピーカーは人の声の再現が優秀です。ここより上を目指すと、プロジェクターの内蔵スピーカーではなく、オーディオの領域に入ってきます。
文字
文字のにじみもなく、くっきりして読みやすいです。
【3位】HAPPRUN「H1」
- HAPPRUNH1
- 実勢価格: ¥7,999〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥7,999〜
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- 画質
- 音質
- 文字
意外な明るさで黒表現もよく音も良好
スマホ対応プロジェクターのおすすめランキング3位は、HAPPRUN「H1」。まともな色表現で、黒の再現も良好です。
- おすすめポイント
-
- 色表現がまともで黒の再現も可能
- 最大音量が大きく低音の鳴りもいい
- がっかりポイント
-
- 画面端のフォーカスが甘め
- 幅
- 240mm
- 奥行
- 210mm
- 高さ
- 96mm
- 重量
- 1.57kg
- 投影解像度
- 1920×1080ピクセル(1080p)
- 輝度
- 仕様非公表
- 型番
- H1
画質
Enjoy3より画面が明るく300 ANSIルーメン以上あるかもしれません(仕様は非公表です)。
ドット感がなくスペックを確認せずとも「フルHDの解像度はありそう」と実感できました。色再現もまともで黒の表現もできています。しかし、画面端のフォーカスの甘さが残念です。
音質
やや声に響きがつくなど人の声の再現性はあまり良くないが、音楽リスニングにも使えるレベルには達しています。低音もドコドコと鳴っているし最大音量も十分に大きいです。
文字
若干文字のにじみがあるが、支障ないレベルです。
【4位】FUDONI「P2」
- FUDONIP2
- 実勢価格: ¥10,998〜
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アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥10,998〜
- 画質
- 音質
- 文字
携帯性を重視ならあり
スマホ対応プロジェクターのおすすめランキング4位は、FUDONI「P2」。暗室では画面に明るさがあり、色も鮮やかです。
- おすすめポイント
-
- 暗室なら見られるレベルの明るさ
- コンパクトで持ち運び・収納がラク
- がっかりポイント
-
- 四隅が暗く文字のにじみが大きめ
- 幅
- 148mm
- 奥行
- 123mm
- 高さ
- 72mm
- 重量
- 500g
- 投影解像度
- 1920×1080ピクセル(1080p)
- 輝度
- 仕様非公表
- 型番
- P2
画質
7000円という価格からすると予想外にきれい。 暗い部屋では画面の明るさもを感じるので200 ANSIルーメンくらいはありそうです。発色に鮮やかさもありました。
チェックに使用したYouTubeの映像は色が濃く出過ぎていましたが、視聴に耐えるバランスには収まっています。4K映像を入力してフルHDで再生しても、かなり情報量が出ていますが、テロップなどの文字にドット感がでてしまっており限界もあります。画面の周囲は明るさが落ちてしまっていますが、総合的にみてこの価格帯のプロジェクターとしてはまともな画質です。
音質
音に少し響きがついてしまっていますが、人の声も聞けるし空間的な広がりもそこそこあるので、臨場感もあります。低音も一応は感じられる程度にはでていました。
文字
多少のにじみはありますが、読めなくはないです。
【5位】Tutti「os15pj01」
- Tuttios15pj01
- 実勢価格: ¥5,980〜
- 画質
- 音質
- 文字
偽りスペックの残念機種
スマホ対応プロジェクターのおすすめランキング5位は、Tutti「os15pj01」。ドットの格子が見えるレベルの低解像度でした。
- おすすめポイント
-
- 手のひらにのるコンパクトサイズ
- がっかりポイント
-
- 中央以外のすべてで文字がにじむ
- 通販サイトと表示が異なる低解像度でした
- 幅
- 136mm
- 奥行
- 88mm
- 高さ
- 57mm
- 重量
- 252g
- 投影解像度
- 640×360ピクセル(360p)
- 輝度
- 仕様非公表
画質
暗い部屋でも「画面が暗い」状態で輝度が不足しています。ドットが見えすぎというか、もはや格子が見えてしまっていました。ピントを合わせても映像はぼやけており、文字がガタガタで判読できません。映像のハイライトが完全に飛んでしまっています。
ただし、色バランスに偏りがなく、RGBの発色はまともです。
音質
7000円のプロジェクターなのでチープなのは仕方ないですが、それにしても許容できる限度を超えてチープです。低音は全く聞こえませんし、トークシーンの人の声も良くはありません。音楽を聴いてもボーカルが少しぼやけてしまいます。歌唱が聞こえるだけまだマシなのかもしれません。
文字
文字の判別が困難なレベル。字幕は厳しいです。
スマホの動画を映すのに必要なものは?
スマホとつなげばすぐに使えるスマホ対応プロジェクター。意外と使えて格安なので、初めてのプロジェクターには最適です。
そんな安いスマホ対応プロジェクターで映像を楽しむために必要なアイテムをご紹介します。
スマホの動画を映すには?
スマホのUSB-C端子をHDMIへ変換するアダプターを別途用意します。
BENFEI
USB Type-C HDMIアダプター
実勢価格:¥1099
映像出力できるスマホも必要
スマホの仕様をチェック! USB-C端子がDisplay Port Alternate Mode対応のAndroidスマホが必要です。
音質をよりよくしたいなら外部スピーカーをつなげよう
本体に内蔵されているスピーカーは、どの製品も価格相当の性能で、正直なところ音がいいとはいえません。
もう少しいい音にしたい、音量を上げたいという場合は外付けスピーカーを使うといいでしょう。比較的安価なPC用スピーカーなどを有線でつなぐのが一番簡単です。
2通りの方法が選べる
1:有線でつなげる
本体に3.5mmヘッドホン出力端子が付いているので、そこにケーブルを接続します。
2:Bluetoothでつなげる
一部の機種はBlue toothに対応。BTスピーカーをペアリングすればOKです。
スマホ対応プロジェクターのおすすめ まとめ
以上、安いスマホ対応プロジェクターのおすすめ5選でした。
安いプロジェクターなんて使い物にならないだろうとプロも編集部も正直思っていましたが、今回テストしてみるといい意味で裏切られました。
これなら10万円前後のプロジェクターは高くて手が出しにくいけれど興味があるという人に、入門機として1万円以下製品もオススメできます。
ただし、玉石混交の価格帯でもあるので、製品選びは慎重にしましょう。
安いスマホ対応プロジェクターのおすすめ
XGODY
X1
XGODY「X1」は、画面端までくっきり映るほど明るく、音質も低音も臨場感があり、人の声もクリアで優秀です。
1万円以下でも購入検討の価値あり
日中のカーテン閉め環境を想定して、部屋を少し明るくし投影してみたところ、意外とよく映りました。カーテン閉めれば日中でもYouTubeを楽しむ程度なら、そこそこ使えるかもしれません。
以前の低価格製品のダメさから大きく進化して、思った以上に“使える”製品になっていることに驚きました
安いスマホ対応プロジェクターが気になっている人は、本記事のおすすめランキングを参考に、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
モバイルプロジェクターのおすすめランキングもチェック!
モバイルプロジェクターのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
部屋が狭いと昨今の大画面テレビにサイズで負けてしまいます