脂のうまさがピカイチ! 分厚くても調理次第で絶品の角煮に
今回検証する部位は、豚肉の中でも随一の旨さを誇ると言われる豚バラ肉。
スライスも売っている豚バラ肉ですが、ブロックのほうがグラム単位で計算するとスライスより安いのも魅力です。
ただ、調理するとなると少し問題点も…。同じ豚バラ肉でもスライスならすぐに火が通るので、簡単にやわらかく調理できます。
ブロック肉になると厚みがあるので、短時間で上手に火を通すのが難しくなってしまいます。そこで、ここでは豚バラブロックを簡単においしく「角煮」に、作れる方法を探っていきます!
どうすれば程よく火が入るの? 感動的な角煮を目指していざ検証!
どんな方法で調理をすれば、失敗せずにホロホロとした食感の角煮ができるか、プロの方々に検証してもらいました。
テストでは、以下の材料と調味料を使用します。
▼材料
・豚バラブロック200g
▼調味料
・水200cc
・ショウガ 半かけ
・酒100cc
・しょうゆ 大さじ2
・砂糖 大さじ1.5
こちらの材料と調味料で、次の3つの調理法を試しました。
・炊飯器で2度炊く
・焼いた後に弱火で2時間煮る
・圧力鍋で加熱&加圧
豚バラブロックを簡単に感動的な食感にするのは、果たしてどの調理法か…結果はコチラです!
D評価: 繊維が残ってパサパサ
炊飯器で炊くのは不適切
炊飯器で2度炊く方法は、お肉自体はやわらかくなりましたが、繊維が残っていてパサパサに…。
火加減を気にしなくていいのは楽ですが、炊飯器を使った調理は、2時間もかかります。時間がかかる上に肉がパサつくなんて、オススメできません。
▼作り方
1. 炊飯器に、調味料と豚バラブロックを入れます。
2. 通常の炊飯モードで1度炊き、すぐにもう一度、炊飯モードで炊きます。
手間を考えると、他の方法で調理した方が良さそうでした。
圧力鍋で加圧すれば 短時間でやわらかお肉に
圧力鍋の力を借りれば、豚バラブロックの繊維をほぐしてやわらかくするのに1時間もかかりません。
▼作り方
1. 圧力鍋に豚バラブロックを入れ、フタをして中火にかけます。その後、弱火にして15分加圧して下さい。
2. 火を止めたら5分蒸らします。蒸気を抜いて肉を取り出したら、肉を水で洗って水気を切ります。
3. 鍋に調味料と2の豚バラ肉を入れ、再び中火にかけます。弱火で8分加圧し、圧力表示ピンが下がったらできあがりです。
パサつきもなく、肉の解れ具合もよかったものの、豚肉の味が薄まり、風味が抜けてしまうという結果に…。調味料の色がのらず見た目もイマイチでした。
焼いてから弱火で煮込めば 香ばしさUP&ジューシーに
今回試したなかで1番おいしくできたのは、フライパンで全面を焼いてから、鍋に移して調味料とともに2時間煮込むという方法でした!
焼くことで肉汁が逃げず、うまみが閉じ込められてジューシーに。揚げ焼きするので香ばしさもプラスされます。弱火で煮込めばホロホロの食感になりますよ。
▼作り方
1. 中強火にかけたフライパンで脂身から焼き始め、全面に焦げ目をつけます。油を多めにして揚げ焼きするように。脂身は特にしっかり焼いて下さい。
2. 焼き目がしっかりと付いたら、鍋に移して調味料を入れます。
3. 弱火で120分煮込みます。煮立ったらアクを取り、減った分の水分はその都度足して下さい。
ここでのポイントは、中強火ではなく弱火で煮込むこと。沸騰させると肉が縮むので、火加減に注意しましょう。
肉のうま味やコクがしっかり味わえる調理法は、「焼いた後に弱火で2時間煮る」でした! この写真のように、脂がトロッとしてジューシーな角煮が完成します。
以上が、調理法の3パターンの検証でした。
おいしい角煮を作るにはトロっとしたやわらかさも大切だけど、味だってもちろん大事ですよね。ここからは、味を左右する大事な調味料について実験しました!
角煮の味を最高に仕上げる 調味料の組み合わせはコレ!
お肉を絶妙の食感と風味に仕上げても、使う調味料の選択を間違えると残念な結果に。どんな調味料を組み合わせるのがベストなのでしょうか?
検証では「しょうゆ+砂糖+酒」の組み合わせでしたが、こちらの組み合わせ以外にも、他の組み合わせも試しました。
・しょうゆ+砂糖+酒
・しょうゆ+みりん
・だしじょうゆ
結果はコチラです!
甘さとしょっぱさのバランスが絶妙! コクもあり、豚肉のジューシーさをうまく引き出しています。やはり、検証で試したコチラの調味料がベストです。
1:1の割合で調味したところ、甘みが強すぎました。照りが出たのはよかったけど、みりんの味がジャマして豚肉の風味をあまり感じられません…。
だしのおかげで風味はよくなったけど、甘さとコクが全く感じられません。
角煮らしさを出すには、甘さとしょっぱさのバランスが必要ということが改めてわかりました。
ベストな調理法&調味料の組み合わせを使えば、肉がかたくならず、風味豊かに仕上がりますよ。「豚バラブロックは調理が大変」「角煮を作るのは難しそう」と思わずに、この記事を参考においしい一品を作ってみてください!
脂がおいしいからとてもジューシーです!